崩壊世界と異世界姫様   作:ゴールド龍

14 / 18
続きです。


12話

「·····起爆(ファイア)!」

 

ズガバカドゴンッ! 

 

 設置してあったM13クレイモア地雷を起爆する。それにより、感染者の先頭集団はあっという間に動けなくなり、鴨撃ち(ダックハント)よろしく弾丸がぶち込まれる。

 

「ハッハァ! こいつはいい的だぜ!」

 

「オラオラオラァぶっ殺してやるよf〇ck you!」

 

「死に腐れクソッタレ共がよ!」

 

 各々暴言を吐きながら感染者共をぶっ殺していく。俺も負けじとAR-15の引鉄を引き続ける。今回は消音器(サプレッサー)を付けていないため、銃声を周囲に響かせながら撃ち殺していく。·····こんなの、目をつぶってても中っちまう位クソ簡単だな。

 

バンバンバンッ! と、引鉄を引き感染者を殺していく。全て頭部目掛けて弾丸を撃ち込む。そしたらすぐに脳漿のスープを撒き散らしながら奴らはぶっ倒れていく。·····だが、一向に数が減らない。まるでゲームでよくある無限湧きの敵を倒していく気分になっていく。て言うか、まじで数多すぎだっつーの! こんなのあっという間に弾薬が尽きちまうだろうが! 

 

 そう思いながら撃ち続けていると、別の箇所からいきなり悲鳴が聞こえてきた。·····一体何が起きやがったんだ? 

 

変異体(ミュータント)が現れたぞ!」

 

「ッ!?」

 

 はァ!? こんな所に変異体(ミュータント)だと!? おかしいだろ、変異体(ミュータント)っつーのは今の所ニューヨーク周辺の最初期感染地帯でしか確認されていないはずだったじゃねェのかよ!? 

 

「何型が現れたんだァ!?」

 

「β型だ!」

 

 マジかよ·····よりにもよってβ型だと!? ここにある武装じゃあ装甲をぶち抜け無ェじゃねェかクソッタレが·····! 

 

「誰か、あのそびえ立つクソの様なボケカスぶっ殺せる武器持ってねえか!?」

 

「あのクソッタレをぶっ殺すってなるとカール・グスタフかSMAWが必要だ! そんなの俺らみてぇな回収者(スカベンジャー)が持ってるわけねえだろうが!」

 

「クソッタレが!」

 

 クソッ! こんなとこじゃ死んでも死にきれねェぞ·····! それに、フェリエラ達(あいつら)に約束したじゃねェか。『絶対に守り抜いて、生きて帰ってくる』って。だから、こんなとこじゃ終われねェ! 

 

()るしか無ェぞてめえら! 手持ちの武装で最大火力ぶち込むしかねェ!」

 

 俺は周囲の回収者(スカベンジャー)達にそう叫び、ベネリM3の弾薬を散弾(バックショット)から一粒弾(スラグ)装填(リロード)し直す。

 

「·····そうだな、確かに出来るだけの事をやるしかねぇよな」

 

「だークソッタレが! しょうがねぇ、やったろうじゃねえかこの野郎!」

 

「·····分の悪い賭けは嫌いじゃない。ここは1つ、俺らの命を賭ける(ベット)しようじゃあないか!」

 

 そう口々に言い放つ回収者(スカベンジャー)達。·····腹は括った。後はやれるだけやるしかねェ! 

 

「来いよ、このドグサレ野郎がァ━━━!」

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「アキトさん·····」

 

 外からは、何度も何かが爆発する様な轟音が聞こえてくる。きっと、アキトさん達は今苦戦しているのでしょうか·····とても、心配です。アキトさんはああ言っていましたけど、どうしてもこの考えが嫌でも浮かんできます。『感染者に殺されてしまって、きっとアキトさんは帰ってこない』·····ずっとその不安が胸に残り続けています。

 

「リエラ·····心配なのは分かります。ですが、今の私達には出来ることはありません·····」

 

 リュミーがそう悔しそうに口を開く。·····分かっています。いくら感染者の事を知ろうとも、感染者に対抗する為の武器を持ったとしても変わることは無く、私はただの世間知らずの姫で、足でまといにしかなれないと。

 

 ですが·····、無駄だとしても何か出来る事があったのではとどうしても考えてしまいます。

 

「·····? リエラ、何か聞こえませんか?」

 

 そう考えていると、リュミーが突然そう言いシェルターの出口を指さしました。·····一体、何が聞こえたのかな? そう思いながらも、外へと耳を傾ける。

 

「ヴォアアアア!」

 

 なんでしょうか、何か叫ぶ様な声が小さいですけど聞こえてきました。ですが、何かその声は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でした。そう思っていると、いきなりシェルターの扉から何かを強く叩きつけるような音が聞こえてきました。

 

ゴォン! ドゴドゴン! ダガン! 

 

 次第にその音が強くなるにつれて、なんとシェルターの扉が歪み始めてきたのです! ·····まさか、この叩いている人って、もしかして·····! 

 

「姫様! 私の後ろへと下がってください!」

 

 リュミーが切羽詰まった声で私にそう言いました。シェルターの扉は、もうかなり歪んできていて、すぐにでも破られてしまいそうになっています。すると、私達と同じ様にシェルターへと避難してきた人達が怯え始めました。

 

「嘘だろ!? 感染者は回収者(スカベンジャー)の連中が食い止めてるんじゃなかったのか!?」

 

「嫌だよぉ! まだ死にたくない!」

 

「クソッタレが! 回収者(スカベンジャー)達は一体何やってるんだよ! 奴らに侵入されてんじゃねえか!」

 

「もしかして·····もう全滅してしまったんじゃ?」

 

 その言葉に、私はとても恐怖を覚えました。·····嘘、アキトさん達はもう、死んで·····? 

 

 そう思っていると、ついに感染者によってシェルターの扉は破壊されました! 一瞬でシェルター内は阿鼻叫喚の様相を見せ、逃げ出そうとし始める人や、生きる事を諦めてしまったのか呆然とする人がいたり、他人を犠牲にしてでも生き残ろうとする人等が現れ始めました。

 

「もう駄目なんだぁ! 俺達はここで奴らに食い殺されちまうんだよぉ!」

 

「母さん·····!」

 

「クソッ! 俺はまだ死にたかねえんだよ! 死ぬならてめえらが死ねばいい!」

 

 色々な言葉や暴言が飛び交う中、リュミーは私へと耳打ちしました。

 

「·····姫様、ここは私が隙を作ります。そこから姫様は避難してください!」

 

「そんな!? 駄目よリュミー!」

 

「私の使命は姫様·····リエラを守る事ですから。例えその途中で死のうとも、リエラを守ることが出来るのでしたら本望です」

 

 駄目ッ! 死んでは駄目なのよリュミー! いくら私が生き残る為でも、アキトさんだけじゃなく貴方まで死んじゃったら、私は生きていけないよ·····! 

 

 ·····私に力があれば、リュミーを助ける力があれば·····、アキトさんを助けれる力があればッ! 

 

 そんな風に思っていると、感染者がついに此方へと襲いかかって来ました。リュミーは収納魔術により格納されてた大剣(クレイモア)を取り出し、感染者へと刃を向けます。

 

「姫様は絶対に殺させやしません! 道を開けろおおおおおぉぉぉぉお!」

 

 そう言い、リュミーは感染者の中へ突っ込んで行き、大剣(クレイモア)を振り回します。振り回すと、刃によって一刀両断された感染者は下半身を失い、倒れます。そこに追撃の刃が頭部へ向けて振り下ろされ、ザクロの様に、感染者達は頭部を弾け飛ばされていきます。

 

 段々と数が減り、残り数体となった所でシェルターの入口からまた新たの増援が現れます。増援の中には、()()()()()()()()()()()がいます。·····あれって、もしかしてアキトさんが言っていた変異体(ミュータント)!? 

 

「リュミー、危ない!」

 

 その変異体(ミュータント)はリュミーを見た瞬間、一気に距離を詰めて、その肥大化した腕部を振り下ろそうとします。·····しかし、リュミーは他の感染者の相手をしており、その変異体(ミュータント)の攻撃に気付いていません。

 

「なっ!?」

 

 リュミーが反応できたのは、その肥大化した腕部を振り下ろす瞬間·····もう、避ける事は出来ない距離でした。

 

「やめてぇぇぇぇえええっ!」

 

 もう、私はそう叫ぶしか出来ませんでした。腕部がリュミーを潰そうとした瞬間、いきなり()()()()()()()()()()()()()()()()()。·····一体、何が起きたの? リュミーはどうなってしまったの·····? 

 

 

力を汝は欲するか? 

 

 ·····いきなり、その言葉が頭の中に響きました。

 

「っ!? 誰ですか!? 一体何が!」

 

 

汝は力を求めるかと聞いている·····

 

 ·····力? 

 

 

そうだ·····力を欲するか? 汝が守りたい者を守れる力が·····

 

 

 さっきよりもはっきりと、その言葉が私の頭の中に響き、私に問いかけて来ました。·····リュミーや、アキトさんを守れる力·····そんなの、欲しいに決まってるでしょう! 

 

 

ならば、そのもの達を守る力を与えよう。·····代償を受け入れる覚悟があるのならば

 

 

 ·····それでも、皆を守れるのなら代償の1つや2つ位受け入れてみせます! 

 

ならば与えよう。·····さあ、汝が望む力を振るうがいい! 

 

 その言葉の後、私の体の中に()()()()()()()()()()()()()()()()を感じながら、私は意識を失いました·····。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 私·····リュミエス・カーグライトは後悔していた。·····目の前に現れた変異体(ミュータント)の攻撃は、普段だったら避ける事は楽勝で出来ていただろう。しかし、今回は他の感染者に気を取られすぎた油断から来たミスである。そこがどうしても、情けなく感じる。

 

 リエラを守って死ねるのならば本望。しかし、こんな最後になってしまうとは·····。本当に情けない。ですが、リエラ·····どうかこの先の無事を祈ります。

 

 そう私は覚悟を決め、目を閉じた。次の瞬間には、奴の攻撃で私は死んでいる·····()()()()。いつまで経っても、訪れる事の無い衝撃。何故だと思い、私は目を開く。するとそこには、有り得ない状況が目の前に広がっていた。

 

「リエラ!?」

 

 そう、リエラが変異体(ミュータント)の攻撃を()()()()()()()()のである。しかも、()()()()()()()()()()()()()()()()で。

 

「·····<地の精よ、我が(かいな)に全てを打ち倒さん力を!>」

 

 リエラがそう言うと、目の前で更に攻撃を加えようとしていた変異体(ミュータント)が、シェルターの外へと勢い良く吹き飛ばされて行ったのだ! 

 

「姫·····様?」

 

「·····大丈夫、後は全部私に任せて?」

 

 そう言うと、リエラはシェルターの外へと向かっていった。·····リエラ、一体何があったのです? 

 

 

 

 




きりが良いので今回はここまでです!次回は変異体vsフェリエラのシーンから書いていきたいと思っています!では、次回をお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。