崩壊世界と異世界姫様   作:ゴールド龍

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続きです。


13話

「くたばれ、クソッタレの化け物が!」

 

 そう言い、俺は変異体(ミュータント)へと一粒弾(スラグ)をまた撃ち込んでいく。すぐに弾切れになるため、こまめに装填(リロード)しねェといけない。排莢口(エジェクションポート)へと直接弾を込め、装填口(ローディングポート)へと2発づつ一粒弾(スラグ)を縦に握り、装填(リロード)する。

 

 装填(リロード)が終わったら即射撃に移る。·····クソッ! もう残り少ないっつーのに、まだピンピンしてやがる。周囲には俺と同じ様に変異体(ミュータント)へと攻撃していた回収者(スカベンジャー)がいるが、最初に比べたら数が減ってきている。

 

 何故と言われれば簡単。感染者のクソッタレ共に殺される奴や、弾薬補給の為に1度撤退している奴、重症を負い戦線離脱している奴等が出てき始めているからだ。

 

「っ! 危ねェじゃねェかよこの野郎!」

 

 俺はそう吐き捨てながら、振り下ろされた腕の攻撃を避ける。一撃でも貰えば即死か、運が良くても全身が粉砕骨折になっちまう。実際にそれで死んだ奴や、悶え苦しみながらぶっ倒れている奴もいる。·····絶対にそんなのはごめんだがな。

 

「Mother f〇cker! 本当にクソッタレな装甲しやがって! 何食えばそんな体になるんだってんだよ!」

 

「クソ·····痛てぇ·····! 助けてくれ·····誰か!」

 

 

「クソッ! 誰か衛生兵(メディック)呼んで来いよ! 間に合わなくなる奴もいるんだぞ!」

 

 もう阿鼻叫喚だ。まさに地獄って感じに、今なっている。ウェンバースの野郎、遅すぎやしねェか? 東検問所にある戦車を呼びに行くって言ってから、もう15分位経ってんだが·····。

 

「お、おいおいおいおい! なんかおかしいぞ!」

 

 誰かがそう叫ぶ。その声で俺も異常に気づく。·····なんだコイツ、()()()()()()()()()()()()()()()()!? 

 

 そう、先程までは俺が撃った一粒弾(スラグ)で傷を付けることは出来ていた。(自然治癒で傷跡自体は消えていったが)だが、今では撃ったとしても奴の体に当たった弾丸は跳弾する程の硬さへと変貌していた。

 

「·····もしかして、一撃でぶっ殺せなきゃどんどん硬くなって攻撃が効かなくなってくるってのか!?」

 

 誰かがその考えに至り、嘆くようにしてその言葉が吐き出された。·····今までは一撃でぶっ殺せていたから、この特性までは調べられていなかったっつー事かよ!? 確かに、死なない程度に手加減して、調査するなんざ自殺行為だ。だからこそこの特性は明らかになってなかったって事なのか·····! 

 

「っ!? しまった!」

 

 俺は呆然としていたせいで、変異体(ミュータント)の攻撃に気づかず、その一撃を喰らった。咄嗟に銃を間に挟み、威力を抑えようとしたのが良かったのか、一撃で死ぬ事は無かった。·····()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ベキゴキグシャッ! 

 

 奴の一撃を喰らった瞬間、俺の体の内部からこんな音がした。·····そう、()()()()()()()()()()()()だ。

 

「グッ!? ゴッ、アガァァァァッ!?」

 

 痛てェ! 痛てェ!? イテェェェェ!? なんだ、この痛みッ·····! その瞬間、体ん中がグチャグチャにシェイクされたみてェな、地獄の様な激痛が俺の体を襲う。

 

 ·····何故だかは分からねェが、気絶する事が出来なかった。あまりのショックで、強制的に意識がおかしくなっているのかもしれねェ。畜生!? なんで·····なんで、こんな痛みを俺が受けなくっちゃあいけねェんだよ!? 俺が何したってんだよ·····! 

 

「グェ·····ゲ、ガハァ!?」

 

 口からとんでもねェ量の血液が溢れ出す。まるでマーライオンの様に、一気に大量の血が俺の体から流れ出す。·····すると、段々と意識が遠のいて来た。血液が一気に無くなったことによるショックだろうか。それで俺は、「あァ、これが死ぬって事か」と、漠然と理解した。·····クソッ、死にたく、ねェなぁ·····。フェリエラ、リュミエスすまねェ。約束、守れそうにないわ·····。

 

「·····<癒しの精よ、今この場に於いて、この者に命の加護を!>」

 

 何処からか、聞いた事がある声が聞こえる。その言葉が聞こえてきてから、スッと俺の体は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()様な感覚に包まれた。

 

「一体·····何、が?」

 

「もう大丈夫ですよアキトさん。後は私に任せて、ゆっくり休んでください」

 

 その言葉が聞こえてすぐ、俺の意識は眠る様に無くなっていった·····。

 

 ━━━━10分前、シェルター前にて。

 

ヴェアアアアアアアア!!! 

 

 目の前の変異体(ミュータント)が私に向かって突っ込んでくる。本来だったら受け止めるなんて絶対に有り得ない威力を持っている。しかし、私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「<炎の精よ、今此処に、全てを灰塵と()す炎を!>」

 

 私のその言葉によって、目の前の変異体(ミュータント)はあらゆる物を焼き尽くす様な炎に包まれる。·····そう、私は今魔術を使い攻撃しているのです。しかし、本来ならば私は()()()1()()()使()()()()()()()のに関わらず魔術を行使しました。

 

 何故魔術がいきなり使える様になったのか、原因は分かっています。あの時、頭の中で誰かの声が聞こえてきたけど、その時に『力を欲するか』と言われていたのです。だから、その求めた力が魔術を行使出来る様にさせたんだと思います。

 

「ヴォアアアアアア!」

 

 炎に身を焼かれながら、変異体(ミュータント)は私に向けて走ってきます。それに私は、足に付けていたホルスターからFN FiveseveNを引き抜き、照準を頭へと向け、引鉄を引きました。何故銃を使うかと言うと、まだ魔術の感覚を上手く掴めていませんし、魔術を行使するにも慣れていないからか、次の魔術行使までに少しの間隔(ディレイ)が生じるからです。

 

 引鉄を引いたことにより、銃身から5.7×28弾が撃ち出され、変異体(ミュータント)の頭部へと一直線に飛んでいきます。しかし、飛んできた銃弾を変異体(ミュータント)はいとも容易く肥大化した腕で受け止められました。·····放つなら、今! 

 

「<風の精よ、あらゆる物を裁断する風の刃を!>」

 

 銃弾を受け止められる事は、予想外ではあったけれどあくまで牽制と気を引く為の銃撃。本命は風の精による風魔術での攻撃です! 

 

 放たれた風魔術は、変異体(ミュータント)の体をまるで熱したバターナイフでバターを切るかのようにサクッと切断した。ですけど、一撃で終わりません。その攻撃は隙を与えぬ2段構えの風の攻撃なんですから! 

 

「<氷の精よ、彼の者に全てが凍てつく吹雪を!>」

 

 足が止まったところで、氷魔術による凍結攻撃。これにより、さっきの攻撃で地面に倒れた変異体(ミュータント)は氷によって地面に縫い付けられる。しかし変異体(ミュータント)は私に攻撃しようと残された体でもがき、氷を砕こうとします。ですが、そうはいきません! 

 

「これで·····終わりです!」

 

 変異体(ミュータント)へと近づき、至近距離でFN FiveseveNを構え、頭部へと引鉄を引く。

 

パンパンガンッ! 

 

 引鉄を何度も引き、変異体(ミュータント)へと射撃する。今度は腕も使わせない様にした状況なので、抵抗できず銃弾を何発も頭部へ喰らった。頭蓋骨を貫通した弾丸により脳組織は徹底的に破壊され、変異体(ミュータント)はその動きを止めた·····。よし、後はアキトさんの所へ急がなくては。そう思い、アキトさんがいる西検問所へと足を向ける。すると後ろでこの戦いを見ていたリュミーから話しかけられました。

 

「姫様·····これは、一体?」

 

「うーんとね、説明するとなるとちょっと時間が掛かっちゃうかな? 悪いけど、説明は後ね」

 

「姫様! 一体どちらへ!?」

 

「アキトさんの所へ行ってきます。だから大丈夫だよリュミー。·····貴方は、ここで一般人の方々を守っていてもらえるかな?」

 

「姫様·····! 分かり、ました。·····こちらは任せてください·····」

 

「·····ごめんね、リュミー。じゃあ任せたよ!」

 

「はい·····ご武運を!」

 

「うん! <風の精よ、この体に風のような速さを!>」

 

 私がそう魔術を唱えると、風が私の体を包み込み、前へと勢いよく押し出す! ·····約束、破っちゃいましたけど、今の私の力なら手助け出来るはず·····。助けて頂いた恩、今返しに行きます! 

 

 




今回はここまでです。次回はβ型変異体vsフェリエラから書いていきたいと思っています!それではまた次回をお楽しみに!
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