崩壊世界と異世界姫様   作:ゴールド龍

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続きです。思ったよりも納得出来る戦闘描写に手こずってしまい、遅くなりました·····。待っていた方々、本当にお待たせしました。それでは、どうぞ!


14話

「·····もう、貴方には誰も傷つけさせません!」

 

 目の前にいる変異体(ミュータント)へと、私は啖呵を切る。·····アキトさんだけじゃなく、他の回収者(スカベンジャー)さんにも大きな怪我や、死者が出ている。出来るだけ早く倒して、負傷している人達を治療しないといけませんね! 

 

「誰だか知らねえが、よせ嬢ちゃん! そいつの相手はやめるんだ!」

 

「グオオオオオオオオ!」

 

 回収者(スカベンジャー)の1人がそう言うと同時に、変異体(ミュータント)は雄叫びをあげながら私へと突っ込んでくる。

 

「<(くろがね)の精よ、我が肉体に決して砕けぬ剛毅なる魂を!>」

 

 私がその魔術を唱えると、体全体をオーラが覆う様に発生する。変異体(ミュータント)が攻撃を当ててきたが、衝撃だけで、私の体には怪我ひとつない状態だ。

 

「これでも喰らいなさい!」

 

 そう言い、私はFN FiveseveNを抜き放ち引鉄を引いた。·····が、変異体(ミュータント)の体には命中したものの、銃弾が弾かれてしまった! ·····嘘、なんて硬さなの!? 

 

「オグア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」

 

 さっきと同じ様に私を潰そうと突っ込んでくる変異体(ミュータント)。くっ! 銃弾が効かないとしても、私は負ける訳にはいけないんです! 

 

「<(いかづち)の精よ、眼前の敵に全てを裁く(いかづち)の鉄槌を!>」

 

ドゴォォォォン!!! 

 

 私の魔術により、召喚された雷雲から凄まじい(いかづち)の戦鎚が迸り、変異体(ミュータント)の体を勢いよく穿つ。(いかづち)を受けた変異体(ミュータント)は、全身から煙を立ち上げ体を不自然に痙攣させながら、動きを止めた。

 

「っ!? なんだ今のは!? どっから出したのかは分かんねえが、なんつー威力の雷撃(Thunderbolt)だ!?」

 

「·····おい、あいつ動きを止めたぞ?」

 

「もしかして今の雷撃でぶっ殺せたのか!?」

 

 雷撃が効いている様子を見て、周囲の回収者(スカベンジャー)が歓喜の様子を見せる。·····だけど、まだこいつは生きているんじゃないかなぁ·····。あんまりヤれた感覚が無かった様に感じたもの。

 

 その感覚は間違いなかったようで、すぐに肉体ダメージが回復したのか変異体(ミュータント)は動き出し、私に「ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!」と、唸り声をあげた。·····嫌になっちゃうくらいのタフだなぁこの変異体(ミュータント)。私の魔力容量(マジックポイント)はそんなに多くないし、そろそろ撃てなくなるかもしれないのに·····! 

 

 そう考えていると、後方から何やら「キュラキュラキュラ」と金属っぽい音が聞こえて来た。·····一体こんな状況で何が来るの!? その様子に気づいた回収者(スカベンジャー)は、音のする方へ指を向けて何やら叫び始めた。

 

「おいあれって·····M1エイブラムスじゃねえか! つーことはウェンバースの野郎、やっと戦車をこっちへ持ってこれたのか!」

 

「やっとこさ希望か見えてきたじゃねぇか·····!」

 

「よーし! そのでけぇ主砲で、あのクソッタレの変異体(ミュータント)をぶち抜いちまえ!」

 

 後ろからやってきた物を見ると、アキトさんから聞いた事がある戦車というものがやってきた。その車輌の上には見た事がある顔·····数日前、こちらの家に挨拶に来たアキトさんの知り合いであるウェンバースさんだった。·····確か、あの人はここの守備兵さんだったけね。

 

「おーい! 遅くなっちまったが、只今到着だ! ·····って、フェリエラちゃんじゃねえか!? 確か、アキトの野郎はシェルターに避難したっつってたはずじゃあ無いのかよ!?」

 

「すみませんけど、そのお話は後でお願いします! 今は目の前の変異体(ミュータント)をなんとかしましょう!」

 

「お·····おう! 了解したぜリエラちゃん! よし、砲手。今すぐあのクソッタレにAPFSDS弾(装填筒付翼安定徹甲弾)をぶち込んでやれ!」

 

了解(Roger that)主砲発射(Open fire)!』

 

 すると、戦車の主砲という物から轟音をたて、何かが撃ち出された。撃ち出されたのは確か砲弾というものだっけ。あれが命中すればひとたまりもない筈·····! 

 

ガゴォォォォォン!!! 

 

 けたたましい音が、周囲に撒き散らされる。この轟音は変異体(ミュータント)に砲弾が命中した音らしいけど·····なんて硬さなのあいつ。こんな音がなる位に硬くなってたの!? 

 

 煙が晴れるとそこには、命中した箇所が大きく抉られた変異体(ミュータント)が立っていた。·····嘘、今ので死んでないの!? 

 

なんだこりゃあ(What the f〇ck)!? なんで今ので生きてやがるんだ!?」

 

クソッタレが(Dammit)!! 化け物が·····どんなドーピングすりゃあそんな鋼みてえな体になるってんだよ!?』

 

 ウェンバースさんと、砲手の人の驚いた声が聞こえてくる。·····でも、驚いてる場合じゃない! 再生はしているけども、傷口が大きすぎるのか速度はかばりおそくなっています·····。今の内に、そこに爆発系の魔術を叩き込めばいけるかもしれません! そう思い、私は詠唱を始めながら変異体(ミュータント)へと駆け出した! 

 

「<炎の精よ、我が腕にあらゆる物を爆砕せしめる爆炎を!>」

 

 その言葉を詠唱し終わると同時に、変異体(ミュータント)の傷口に右腕をぶつける。すると、詠唱された魔術が起動し、高火力の爆発を発生させた! 

 

ドガァァァァァァン!!! 

 

 その轟音と共に、傷口を起点に変異体(ミュータント)は爆発四散! ビチャベチャと周囲に肉片や、内蔵等を飛び散らせながら、残された下半身が倒れていく·····間違いなく、今度は殺せたのだろう。だけど、一瞬でそこまでバラバラになる威力だ。·····当然だけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ぐッ、はぁ·····!?」

 

 爆炎を真正面から受けたから、体の前半分には所々深めの火傷を負い、右腕は爆発に1番近い箇所だったからか肘から先が消し飛んでいた·····一応、魔術で身を守っていたとはいってもこれ程の威力だなんて·····思わなかった·····痛すぎるよ·····! 

 

「お、おいお嬢ちゃん!? 大丈夫かよ!?」

 

「うへぇ·····これは、酷い傷じゃねえかよ·····!?」

 

「おいおいリエラちゃん!? いくらなんでも無茶すぎだぜその攻撃は!」

 

 私の状態を見たウェンバースさんや回収者(スカベンジャー)さん達が私に駆け寄りながらそう言う。·····確かに、無茶しすぎましたねこれは·····リュミーにまた心配かけちゃうなぁ·····だけど。

 

「大·····丈夫、です。これ、なら、なんとか·····! <癒しの精よ、どうか我が肉体に全てを治す癒しの加護を!>」

 

 私がそう唱えると、治癒魔術により傷が回復していく。火傷は治り、腕も元通りになりました。すると、周囲の人達が驚いた表情を見せ、口々に喋りました。

 

なんだそれ(What the hell)!? 一体、何が起きやがったんだ!?」

 

「おいおい·····俺は夢でも見てたのか!?」

 

「はぁ!? リエラちゃん、一体何したって言うんだよ!? さっきの怪我、どう考えたってあっちゅー間に治るなんておかしすぎるでしょ!?」

 

「あ、あははは。これに関しては、またあとにお願いします。·····今は、怪我人の治療をしなきゃですから」

 

 そう言い、私は人混みをかき分けて怪我人の元へ急ぐ。さぁ、今ある魔力で出来るだけ助けなきゃ! 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 俺が気絶してからどん位時間が経ったんだろうか。そこら辺は分からんが、俺は気絶から目を覚ました。どうやら、外でぶっ倒れていたとこだと思っていたが、室内にいるみてェだ。という事は、あのクソッタレのβ型変異体(ミュータント)はぶっ殺せた様子らしい。

 

「あァ·····クソッタレ、体がだりィっつのクソが」

 

 そうボヤキ、俺はベットから起き上がる。見た感じだとここは病室のような感じだ。多分、ぶっ倒れてから俺を病院まで連れて行ってくれたのだろう。·····誰だか分からねェが、ありがたい。後で礼くらいは言わねェとな。·····そういえば、なんで俺は生きてんだァ? あの傷はどう考えたって間に合わねェもんだった筈だが·····。

 

『·····もう大丈夫ですよアキトさん。後は私に·····』

 

 ッ!? そういや、なんでフェリエラがあの場所にいやがったんだ!? あん時シェルターからは出るんじゃねェっつったはずだ。あいつはまだ短い付き合いではあるが、基本的には約束を破る様な奴じゃねェ。だが、何故あいつはこっちへ来たんだ·····? 

 

 俺が思考の海へと潜り始めた時、病室のドアからノックが聞こえてくる。·····誰だ一体? もしかしてフェリエラか? ·····だとしたら色々と問い詰めねェとな。

 

「あァ、入っても問題ねェぞー」

 

『·····では、失礼します』

 

 そう言い、ドアが開く。そこにはリュミエスが立っていた。·····なんでこいつが来たんだ? まあいい、こいつでも何かあったくらいかは分かるだろ。っていうか、こいつは護衛だって言っていた筈だ。護衛対象をわざわざ危険地域へと行かせる筈がねェ。だとしたら、何か知っているはずだし、聞いてみるとするか。

 

「あの·····先程意識が戻ったと聞き、お見舞いに来ました。·····体調は大丈夫ですか?」

 

「·····特には問題ねェな。リュミエス、お前に質問がある」

 

「·····なんでしょうか」

 

「お前の護衛対象·····フェリエラについてだ。洗いざらい、何があったか言って貰えるか? つーか、フェリエラは何処にいんだァ?」

 

 俺にその言葉に、リュミエスは答えづらそうにしながらも、俺の質問に答える。

 

「姫様は·····えっと、実は昏睡状態でまだ意識を取り戻していないのです·····」

 

はァ!? 

 

 




今回はここまでです!次回はリュミエスの応答から書いていきたいと思っています!では、次回をお楽しみに!
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