「さて、準備も済んだしさっさと行くとするか」
俺はさっき買ってきた装備をある程度馴染むまで調整したので、今日の仕事へと向かう事にした。
一応調整はしたとはいえ、使ってみねぇと分からんところもある。装備の試射を射撃訓練場でしてから、廃墟街で物資を
「·····おや、今から仕事か、アキト殿」
「あァ? リュミエスじゃねェかよ。姫様のお見舞いはもう終わったのか?」
「ああ、とりあえず今日は切り上げてきた。·····それで、その装備品は一体? 確か家には無い銃器の筈だが」
「こいつらはさっき買ってきた。んで、武器の試射を射撃場で確かめるついでに
俺がそう言うと、リュミエスはしばらく考え込んだ後、口を開く。·····一体何を言い出すってんだよ? 俺がそう考えていると、とんでもねぇ事をリュミエスは言い出した。
「アキト殿、もしよろしかったら私もついて行っても良いだろうか」
「はぁ!!? お前何言ってんか分かってんのか!? 素人が着いてくるっつーのは危険が増すし、第一なんでお前が俺について行くなんて考えに至ったのか説明出来んのかよ」
俺がそう言うと、少し考え込んでからリュミエスは口を開く。
「·····姫様が意識を失われてから少しした位だっただろうか、こう考えていたのだ。もし私に力があれば、姫様が倒れられる事なんてなかったのでは、と」
「んで、それがなんで俺に付いて行くっつー結論に至ったんだよ」
「アキト殿には迷惑をかけるというのを承知して言うが、私に奴ら·····感染者について実地で学びたいのと実戦で銃を扱えるようにして欲しいのだ」
·····なるほど、こいつの生真面目さっぷりはここ最近で知っているし基本的にこいつは姫様中心で物事を考えている。んで姫様の力になりたいから俺と一緒に仕事をして実戦経験を積みてえ·····と。
確かに銃を扱えるようになればある程度楽にはなる。そういう利点で考えりゃあこいつを連れて行くのは有るっちゃあ有りだ。
しかし、感染者のクソッタレ共はそう簡単にはいかねえ。幾ら銃を扱えるようになったとしても、死ぬ可能性なんざアホ程ある。まあこいつだったら姫様さえ生きていりゃあ良いんだろうが·····
━━━━━早く·····行くんだっ! 俺は·····お前達を、殺したくはないんだ·····!
·····クソッタレ、嫌な事を思い出しちまった。正直に言っちまえば連れて行きたくねえ。こいつは
だからOKとは気軽には言えねえ。だが、どうしたもんか·····。
「·····アキト殿?」
「·····ちっ、しょうがねェな全くよ·····ああ、こっちの指示に従うってンだったら許可してやるよ」
「本当か!!?」
「ただし、こっちが無理だって判断したら即刻撤収っつー条件を飲め。それが守れねェっつーんだったら許可できん」
「勿論だとも!!」
「·····そうか、んじゃあとっとと服とかの準備をしてこい。言っておくが近接戦闘なんて自殺行為に等しいって事を忘れんなよ。んで、お前が使う武器に関しちゃあ俺の予備の武器を預けるが、くれぐれも壊すんじゃねェぞ」
俺がそう言うと、リュミエスは「分かった、すぐに準備に取り掛かる!!」と言って家へと戻っていく。さて、こっちはこっちで用意しねぇとな。
うーむ·····L1A1は試し撃ちしてェから渡す訳にはいかん·····ってなると
まあAK-74も試し撃ちしねぇとならないから、どうなってもアイツに渡すのはAR-15になるか。とりあえず、今の俺の持っていく装備のカスタムを済ませるとするか。
今現在俺が持っているL1A1は全くカスタムされていない。最近の銃のようにマウントレール等が取り付けられていないので、まずはマウントレールを取り付けるとするか。
マウントレールを取り付けるのはそう難しい事じゃない。しっかりと銃の知識を身に付けるのとカスタムが自分で出来るように何度も何度も練習すれば慣れる。
「とりあえず、ここの留めネジを外して·····良し、後はレール付のハンドガードを取り付ける·····っと」
ハンドガードを取り付けたら、次はダストカバーにレールを取り付ける。最近のパーツってのはかなり便利で、ダストカバーに直接レールが付いているタイプがある。それを取り付けたら今度はストックを取り替える。
民間用として売られているL1A1は、基本的には木製ストックになっている。しかし木製ストックには弱点が有る。それは腐るという所だ。
実際にあった話じゃ、ベトナム戦争初期にアメリカ軍に配備されていた銃であるM14は、基本的に湿気が多いベトナムの地では木製ストックというのが災いして、腐り落ちる事案が多発した。
その為、強化アルミ合金製のM16が急遽採用された事がある。·····まあ、兵士のメンテナンスが不十分のせいで動作不良、
しかし現在では強化アルミ合金製だとちょいと重いし、間違えて踏んじまったら歪むことがあるので、現在の主流である強化プラスチック製のタクティカルストックを取り付ける。
それも取り付け終わったら、アクセサリーの取り付けに入る。
サイトは長距離狙撃をするつもりでは無いので、
ちなみにオフセットサイトってのは、簡単に言えばメインで使用しているサイトが故障した時に代用する為のサイトだが、倍率スコープを使用してる状況で近距離戦となった場合、一々倍率を弄るってのはタイムロスになり、そのまま殺られちまう場合がある。しかし、その時にオフセットサイトを使って構える事により、即座に近距離戦へと備える事が出来る。
「次は·····グリップ辺りか」
ここらの判断基準は、人によってマチマチだが俺の場合は握りやすいかどうかを重視する。その為、俺的に握りやすいグリップであるショートフォアグリップを取り付ける。
通常より小さいので俺的には扱いやすいグリップの1つだ。
これが終わったら最後に
大体終わったら
最後には銃の動作確認だ。コッキングレバーの動作、トリガープルの重さ調整、コッキングレバーを引いてしっかり弾薬が排莢されるかの手動での確認をする。
それが終われば弾倉を装填、コッキングレバーを引き
「さて、とりあえずはこんなもんかなァ? さて次はっと」
「済まないアキト殿、此方は準備が終わったぞ。次はどうすれば良いのだ?」
「ん·····あァ、そうか。んじゃあとりあえずお前の装備を·····って、そんなモン持ってくのか?」
ざっとリュミエスの服装を確認している時、腰に片手剣を装備しているのを見つけた。そいつは近距離戦用だから、今回は一応要らねえ筈だが·····。
「そんなモノ·····あぁ、こいつの事か。まあ、何時も常備している装備だからな。逆に装備していないと重心が落ち着かなくてな·····」
·····まあ、そういう事だっつーんなら良いか。確かに重心が偏ってると、いざって時に動きづらいし使わなくてもバランス取る為にゃ必要になるか。
「·····なるほどな、そういうのだったら別に何も言わねェよ。んじゃあお前の装備を渡す」
「あ、あぁ、分かった」
何故か緊張した面持ちで俺の言葉に頷くリュミエス。一応銃は触った事がある筈だが、なんでちょいと緊張してんだこいつ。まあ良いか、時間も押してるしさっさと用意させるか。
「お前には、俺が使っていたAR-15を渡す。近距離戦を一応考えているからスコープは外してある。んで、こいつがそいつの弾薬一式を詰めたチェストリグだ、さっさと装備しな」
「分かった! えーっと、確かこういう感じに·····」
リュミエスが装備をつけている間にこっちはこいつ用の光学サイトを用意しないとな。出すとしたら何が良いか·····とりあえずEOTech社製のホロサイト、AIMPOINT COMP2ドットサイト、更にAIMPOINT JH400を用意する。
とりあえずこんなところで良いか。他にもCOBRAサイトやらPKタイプのサイトとかあるが、出しすぎて選べないのも面倒だしな。
「その、とりあえず付けてみたのだがこんな感じだろうか·····?」
リュミエスがそう言ったからとりあえず視線を向ける。·····うん、特に問題はない感じか。強いて言う位だと、少しベルトの締めが甘いくらいか。
「まあ、良い感じだな。んじゃあこっちに来てサイトを選びな。適当に並べたから、そん中で自分が狙いやすい方のサイトを決めろ」
「了解だ」
俺がそう言うと、すぐにサイト選びを始めたリュミエス。用意したのは3種類だからそんなには時間は掛からんだろう。そう思いながらリュミエスが選び終えるのを待つ。
2、3分した所でリュミエスは決めたサイトを俺に持ってくる。なるほど、EOTechのホロサイトか。
「良し、決まった様だな。んじゃあこいつに取り付けろ。付け方は簡単で、自分の見やすい位置に持ってきたらネジで止めるだけだ、簡単だろう?」
「分かった、えっと、場所はここ位で後はネジを·····っと、こんな感じで大丈夫だろうか?」
「あァ、問題ないな。ネジの締め付けをほど良いぐらいだしこれだったら射撃中に振動でズレたり、落とす事は無いな。だったらさっさと行くぞ、時間は有限だからな」
「了解だ!」
さて、射撃訓練場にさっさと行くか。今は·····大体午前10時半か。時間かけるとしても、早くても正午には物資回収に行かねえとな。
さっさと調整済まして、物資回収に行かねえとと考えながら、俺はリュミエスを車両へ乗せ射撃訓練場へと向かうのだった。
とりあえず今回はここ迄です。次回は物資回収の部分からスタートです。もし宜しければ、今後ともこの作品を見て下さる方がいましたら不定期更新にはなりますが、どうか読んでくださると幸いです!