「う、うん·····?」
「ひ、姫様!」
「·····やっと眠り姫が目覚めた、ってか?随分と遅い起床なこって」
私が目を覚ますと、そこは何かの乗り物の様な物に乗っていた。見た感じからすると、鉄で出来た馬車の様な物かな·····?隣には、リュミエスがこっちを見て
その人はどうやら男性で、何やら操作しているみたい。ぱっと見た感じ、私達より歳上だろうか。少年って言うよりは青年って言った方がしっくりくる外見だ。頭には薄緑色の帽子、目つきは鋭いけれど目は死んでいる。顔は細かい切傷が多く、かなり戦い慣れていそうな感じだ。
「姫様、体調はどうでしょうか?まだあまりよろしく無いでしょうか?」
「んっ?あー、えっと、特には問題ない、かな」
「そうですか···良かったです」
そう私が答えると、リュミエスは安心した表情を浮かべる。····またこの子には、迷惑をかけちゃったな。私の精神が強ければ····ああいうのに耐性があれば良かったんだけどな。これからは気をつけなきゃ。
そう考えながら、ふと思った事がある。···そういえば、この男性は一体誰なのか、と。私は前で何かを操作している彼に聞くことにしました。
「助けて下さり、本当にありがとうございます。私の名はフェリエラ・フォン・アークライドと申します。よろしければあなたの名前を伺っても良いでしょうか····?」
すると彼は、面倒くさそうな顔をしながらも教えてくれました。·····案外、面倒見のいい人なのかな?
「あー····、俺の名はアキト・ラングレー。助けたっつても、あんたらを見捨てるとこっちが損になるからな···だから礼なんざ要らねェ。」
そうぶっきらぼうに彼は言うと、視線を前に向けました。
·····恥ずかしがり屋さんなのでしょうか?
「あのー···差し支えながら、この馬車?はどちらへと向かっているのでしょうか?」
「····数少ねェ
「そうですか····お手数、お掛けします」
そうすると、彼は驚いた表情をこちらへ向けました。何か私が言ったことがおかしかったのでしょうか····本当に、なんでだろう、と思っていると彼が話しかけて来ました。
「あんた姫様だってな。異世界の」
「へ?ああ、はい、そうですよ?」
「てっきり王族ってんだからふんぞり返ってるもんだと思ってたが、あんた偉く腰が低いな」
「あはは····こればっかりは性格ですから·····。父からは、もっと堂々としてもいいんだぞ、とはよく言われますね」
「ヘェ、変わってんだな」
そういうと、また前へと向き直り、馬車を操作する何か····なんなんでしょうか、あれ。手綱みたいなものなのかな?·····あれ?というか、この人今さっき異世界の、って言ってましたよね?
「ねぇねぇ、リュミエス。彼には私達の事って説明しているのかな?」
「えっと、はい。説明を求められていましたからざっくりとですが」
「ここの世界って、私達の世界とは違う場所にあるのかしら?」
「?どうしてですか姫様」
「だって、彼は私のことを異世界の姫様って言っていましたよ?」
私のその言葉でハッと気づいたのか、リュミエスは驚愕の表情を浮かべました。·····この子って、結構思い込みが激しいし、たまに物事を見逃してることがあるよね···。
その言葉を聞いていたのか、彼····アキトさんが私の疑問に思っていた事に返答してくれました。
「いやさ、あんたが姫様やってるアークライド王国だっけか。俺はそんな国、1度も聞いたことも無ェし、見た事も無ェからそんな感じかと思ったんだよ」
「そうなんですか?」
「あァ。現実的じゃねェとは思うが、
····この人、無愛想に見えるけれど案外おしゃべりなのかもしれない。そう私は、彼の返答を聞いて思いました。·····でも、異世界かぁ。確かに、それだといきなりこんな場所にいたってのも頷けるかな。一体、誰が転移魔法を使用したか理由は分かんないけど。·····誰かに、恨みを抱える様なこと、私したかなぁ·····?
「·····姫様、どうなされましたか?」
「いやさ、ここが異世界だとしてもさ。一体誰が転移魔法を行使したのかなぁって考えていただけだよ」
「まさか、姫様を狙ってという事ですか!?くっ、姫様相手にこの様な仕打ち·····首謀者は必ずや仕留めてみせましょう!」
「あはは、それをやるにしても先ずは帰る方法を見つけなきゃだね」
私がそう返すとリュミエスは「確かにそれはそうですね·····」と言った。この子、いい子何だけどね·····たまーにポンコツちゃんになっちゃうんだよなぁ。·····まあ、そこが可愛いんだけどね!
「おいお2人さんや。乳繰りあってねェで降りる支度をしてくれ。そろそろ目的地に着くからよ」
その言葉に私はハッとして、リュミエスと一緒に降りる支度を始めました。·····そうだ、先ず帰る方法の前にこの世界での拠点を手に入れなきゃいけないなぁ。お金、どうしましょうか·····この世界の通貨なんて持ってないしなぁ。私の持っている物、高く売れるといいですけど·····。
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さっきまでは色々とやばかったが、何とか無事に着いたな····。あー、今日は無駄に疲れた。さっさとこいつらをギルドへ連れてって、家でゆっくり酒でも飲んで寝るか·····。
俺はそう考えていると、
兎にも角にも、早いとここいつらをギルドへ送らねェとな。もうくったくただぜ畜生。そう思いながら検問所の入口へ
「よォウェンバース。通行許可を貰いてェんだけど」
もう既に顔馴染みになっている検問所を警備している兵士·····ウェンバース・ジョンソンに話しかける。こいつとはたまに飲みに出かけるくらいには仲はいい。気さくな性格してっから取っ掛り安いのだ。
「おうアキトじゃねぇか!今日もお疲れさんだな。·····ん?後ろの席に居るかわい子ちゃん達は一体なんだぁ?」
「街の外で拾った生存者だよ。見捨てる訳にはいけねェから仕方なくな」
するとウェンバースは嫌らしい笑みを浮かべて話しかけてくる。·····何だよその面。なんでそんな嫌らしい顔し始めてんだよ。
「いやぁ〜アキトくぅん。こいつは大手柄じゃねぇかよぉ〜?まさかお前がこんな可愛い子達を連れてくるとはなぁ〜·····
そういう事かと俺は納得した。こいつは天性の女好きだってのを今思い出した。大方、後でナンパするつもりなんだろうよ。だから
「·····ナンパすんのは構わねェがよ、あっちのショートボブの子には気をつけな。もう1人の子に迂闊な事言っちまうと切られかねん」
「うへぇ〜まじかぁ。まっ、気をつけとくさ!·····よし、通行許可降りたぞ〜」
ウェンバースがそう言うと俺は「ありがとな」と礼を言い、
━━━━━10分後。
「悪いけどこの子らの住む場所何だけどね·····あんたのとこにしばらく泊めてもらってもいいかしら」
「は?」
··········どうしてこうなったッ!
いかがだったでしょうか!いやーシリアスな雰囲気で書くよりも、こういうコメディ風に書くのだったら案外、筆って進むものなんですね。さて、次回は主人公のアキトくんの家に2人を泊めないと行けなくなった理由など色々と書いていくつもりです!次回も出来るだけ早く出せるよう頑張ります!
※何故セーフゾーンにシアトルを選んだか。→何故かイチロー選手が頭に浮かんだからです(野球知らない人への説明ですがイチロー選手は、メジャーに行く時1番最初に所属していた球団がシアトル・マリナーズです)