「ここが
目の前にある大きめの建物をアキトさんは
「アキト殿。どうして私達をここへ連れてきたのですか?」
「ここだったら、住む場所がない生存者はギルドから斡旋してもらえんだよ。·····あんたらは少なくとも、この世界には拠点になるようなもんの無ェだろ?」
「本当ですか!? ですが、家賃というものが借家にはあると聞いたことがあります。それはどうすればいいでしょうか·····」
そう私が質問する。確かに住む場所を用意して頂けるのなら有難いですが、今の私達には先立つものがありません·····。
「よく姫様なのに知ってんなァ·····。まあ、取り敢えず姫様、何か売れそうなモン持ってねェか?」
「売れそうな物·····ですか。今の私にはこれしかありませんけど、売れるんでしょうか?」
そう言いながら、私は懐にある収納魔法から宝石1つを取り出す。これはお父様から「現地にもし人がいたとしたら、親交の品として使いなさい」と渡されていた物ですが····背に腹は代えられません!
「お、持ってんのか。んじゃあそいつをギルドで換金しちまおう」
「はい。·····私には価値があまり分かりませんけど、もしかしたら高いお値段で売れるかもですからね」
そして、私達はアキトさんに連れられてギルドの中へと入っていきました。
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ギルドのドアを開け、受付に向かう。ここの受付に今日の回収出来た物を渡せば、食料や弾薬、アメリカドルに替えてもらえる。
食料か弾薬、アメリカドルはどれに替えるかは個人の自由になっている。ただし、1日で貰える数は決まってるがな。そりゃ当たり前だろうな。食料も弾薬も金も有限だ。ゲームみてェに無限に替える事なんざ出来るはずもないからな。
「ジェニファー、今日の回収した物だ。今回は弾薬と替えてくんねぇか? 5.56×45 NATO弾はこれで何発と交換出来るんだ?」
俺はそう言い、
「あら、アキトね。今日はえらく早いじゃないの」
「あァ、回収中にこいつらを拾ってな·····早めに切り上げたんだ」
俺はそう言い2人を指さす。フェリエラはスカートの裾を掴み少し上に上げた上流社会の人間ですって感じの礼。逆にリュミエスは右手を左胸の前に持ってきて、そのまま礼をする。こっちも騎士らしい礼をしていた。すると、ジェニファーが顔を近づけて、小声で話してきた。
「ねえねえ、なんであの子達はコスプレなんかしてるのかしら。そういう趣味なの?」
俺もその答えに小声で返す
「まァ、そんな感じだ。出来りゃああんま触れないでやってくれ」
「OK。そういう事ね」
すると、俺達が小声で何か話しているせいか、フェリエラが近づいてきた。多分、何を話してるんですかー的なことを言うんだろう。
「あのー····アキトさん? 一体そちらの方と何を話しているんですか?」
やっぱりだ。「この姫様案外単純なのかも知れねェ」と、俺は思った。まさか本当に聞いてくるとはな。·····めんどくせェし適当な事言って誤魔化すか。
「ん? いや 、なんだ。お前のそういう仕草が綺麗だよなーって」
「ふぇえ!?」
·····なんで顔真っ赤にしてんだ? と思ったが、今適当に言ったことを思い返す。·····ウェンバースじゃねェがキザったらしいこと言ってんな俺。まあ、訂正すんのも面倒だしこのまま勘違いさせとくか·····。っていうか睨むなよリュミエス·····。特に何かするって訳じゃあねェんだからよ。
「まあ、とりあえず話は戻すけど·····今回の回収分だと凡そ100発って所かしらね」
ジェニファーは面倒だと思ったのか一旦話を戻す。まァ、そんなもんか。今日はあんまり回数出来なかったしなァ·····これで暫くは何とかなるか。
「んじゃあこいつらの事頼んでいいか? 正直もう今日は疲れた」
「そういう訳にもいかないのよ·····。あんたにはここまで一応は誘導してるんだから、フリーとはいえ報告書に誘導した本人のサインが必要なの」
「まじか·····まァしょうがねェか。分かったよ」
あーだる。幾ら必要とは言えこんな世界でもお役所仕事は無くならないってか? まあ、サインする迄適当なベンチで少し寝るとすっか·····。
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「OK、取り敢えず貴方達の名前と、住んでいた場所を言って貰えるかしら」
ジェニファーさんはそう言い、メモを取る姿勢になっている。取り敢えず、アキトさんが言ってた通りにしましょうか·····。
「はい。私の名前はフェリエラ・フォン・アークライドと申します。元々はオレゴン州の方に住んでいました。こちらは友人のリュミーです」
「はい! 私はリュミエス・カーグライドです。私もリエラと同じくオレゴン州に住んでいました!」
「オレゴン·····ねえ。大変だったでしょ、貴方達」
「まあ·····そうですね。この前ので私の家族もリュミーの家族も亡くなりましたから·····」
そう、私は言いました。何故本当の故郷を言わなかったのか、それはここへ来る前にアキトさんから言われていたことがあったからです。
『絶対に異世界の事は言うなよ。迂闊に状況が混乱するのは面倒だからな·····。いいか、名前と住んでた所を聞かれるだろうが·····』
異世界の事を言えば、最悪、私達の事を何か良からぬ研究に利用されたりするかもしれない·····。何故そこまでするかと言うと、謎の感染症は異世界人ならば効かないかもしれない、と考える奴がいるかもしれん·····とアキトさんは言っていました。そんなことをしてしまう程人類は追い詰められているらしいです。
·····所で、何故私達の出身をオレゴン州と言えと言われたのかは、つい先先週の事らしいんですが、そのオレゴン州に残っていた街が遂に全滅してしまったからです。その全滅した街から命からがら·····という風にすれば怪しまれずに家が借りれるかもしれないかららしいです。·····でも、やっぱり嘘をつくと言うのは、良心の呵責を感じます·····。
「·····よし、OKよ。取り敢えず空き家が無いか探してみるわ」
それから私達は他にもいくつかの質問がされました。歳は今年でいくつか、犯罪歴はあるか、今までに感染者に噛まれていないかなどこの街に住むにあたり、必要な事が質問されました。私は何とかスラスラと答えられましたが、リュミエスは所々言葉が詰まったりする事はありましたが、何とか通ったみたいです。質問が終わり、少しほっとしていた所、リュミエスが小声でこちらに話しかけてきました。
「姫様、先程は失礼しました!」
「え? リュミエス、何かしましたっけ?」
「いえ·····幾ら拠点を手に入れる為とはいえ、姫様を渾名で読んでしまったからです。王族である姫様に、とんだご無礼を·····」
えぇー·····そういうのやっぱり気にしちゃうの? 別に私としては渾名で呼ばれるって言うことがあんまり無いからなんだけど、普通に嬉しいのになぁ。·····いっその事、これからもずっと渾名でリュミエスに呼んでもらおうかな?
「別にいいんだよ? その代わり私もリュミエスの事リュミーって呼んでもいい?」
「えぇっ!? そんな勿体なきお言葉!」
「わーっ! 声大きいってば! もっと小さな声で!」
「し、失礼しました····これから姫様に渾名で呼んでいただけると思うと、とっ、とても身に余る光栄で、つい·····」
もー·····いきなり叫ぶんだもん。周りの人にめっちゃ見られてるよー·····ちょっと恥ずかしいなぁ。まあ、でも·····ふふっ、やっぱり可愛い反応するなぁリュミエスったら。
「んんッ、それで、私の事リエラって呼んでくれる?」
「でっ、ですがひめさ「だーめっ」·····分かりました。それでは·····その、んんッ、えっと、リエラ·····」
「ふふっ、よろしい♪ それじゃあこれからはそう呼んでよね! いい、リュミー?」
「ふぇっ!? あっ、はい! 分かりました! (姫様が私の事をリュミーと呼んでくれた·····なんという幸福感!)」
そう私が言うとリュミーは顔をすっごく緩ませながら返事をした。·····やっぱり顔によく出るよねーリュミーって。そう思っていると、ジェニファーさんが戻ってきた。物件、見つかったのかなぁ?
「えっと·····取り敢えず空き家の件なんだけどー·····もう暫く待って貰えないかしら?」
あれ。見つからなかったのかな? ジェニファーさんは気まずそうな顔でそう言った。
「そうですかー·····分かりました。どれくらい待てばいいですか?」
「最低でも1ヶ月·····って所かしら。今空き物件が無くて、仮設住宅の在庫も切らしちゃっててね·····」
1ヶ月かぁー·····長いけど、しょうがないか。でもそれまでどうしようかなぁ。野宿になるのかな? ·····それはそれで新鮮で面白そうだけど。
「そんなに長くかかるんですか!? どうにかなりませんか? ひめs·····ゴホン、リ、リエラを野宿にはしたく無いんです! 私ならともかく!」
私は別に良いんだけどなぁ。·····後、やっぱり私を渾名で呼ぶのはまだ慣れないみたいだね。ほんとにリアクションが可愛いなぁ。
「そうねー·····でも、今空いている物件なんて無いしなぁ·····あっ、そうだ!」
ジェニファーさんが何か思いついたみたい。一体どうするんだろうか?
「貴方達の家が確保できるまで、アキトの家に泊まってもらえばいいじゃない!」
··········ええっ!?
描き終わりました!思ったよりも筆が早く進んだので、投稿しました!次回はアキトの家に2人が泊まるところからです。出来次第投稿しますのでお楽しみに!