乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に妹が転生してしまっていた……   作:リベンジ

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2期までには追いつくから……追いついて見せるから………(震え声)


欲望と願いを見せられて

「おお、おはよう。お前はいつになったら、布団を剥がされないでも起きられるようになるんだ」

「はーい」

「〇〇、朝ご飯は?」

「いらなーい!これあるから!」

「え、あんたそれおばあちゃんのキュウリ……待って!待ちなさい!」

「いってきまーす!」

 

おい、なんだこれ。

 

目の前の景色が理解できない。いや、どんな場所かは今でもはっきりと言える。

俺の家だ。

日本の、あの世界の、俺の家。

二度と、見ることはないと思っていた場所。

なのになぜだ。

体も声も俺なのに、全く自分な気がしない。まるで、ゲームをプレイしているよう……。

 

「全くあいつは高校生になっても頭は小学生のまんまだな。心配になる」

「あんたもそれほど大人じゃないでしょ、社会人一年目になってもまだうちにいて」

「ここの方が実家から近いんですぅ――――」

 

あー、わかった、わかった。走馬灯ってやつか?また死んだか?

死ぬほど懐かしい景色なんだが。

何年ぶりだよこの家。……俺が死んだ時、両親まだまだ元気してたんだよなぁー、先に逝くのが2回目だし、ショックでぽっくり逝ってないかな………。

 

「ただいまー!」

「はいはい、お前宛になんか届いてたぞ」

「あ!Amaz〇nで注文した限定版の6巻!」

「……いやー、お前Ama〇onとか使える脳みそしてたんだな……」

「〇〇兄は私の事どう思ってんの!?」

あーこんなんあった…ような…。

 

「ついに卒業かぁ……お前を社会に出すの家族として心配だよ」

「だから卒業式に来て言う事それ~?」

「営業のついでに寄っただけだ、あっちゃんは?」

「今は家族と写真撮ってるよ、それと、卒業旅行に行こうって誘われた!」

「良かったな。なら俺からも卒業祝いだ、いい店教えてやるからついてこい」

「あっ、回らない寿司!くるくるしないザーギンの寿司屋さん行きたい!」

「またこの子は変なアニメ見て!やっぱファミレスな!」

 

え?

 

あいつが……高校卒業?いやいや、いやいや。

 

「ええええええええええええ!?!?!?!?!?〇〇兄とあっちゃん、ええええ!?」

「ええ…やっぱマジで気付いてなかったか……気づいててほしかったよ………」

「まあ、〇〇だししょうがないよ、で、結婚式のスピーチ頼みたいんだけどいい?」

「結婚式まで決まってるのぉ!?」

待てや。

存在しない記憶をサラッと流すな。

その後も、その後も、俺の人生がエンドロールのように俺の目の前で淡々と流されていく。

 

【あいつ】を挟んで。

 

そうか。

これは、あの時。もしも、もしも助かっていたら(・・・・・・・・・・)

 

………悪趣味すぎる。ふざけやがって。

 

やがて、この遠い夢は。

 

俺の死を避けて、未知の場所へとたどり着いた。

 

「深夜に生まれたって本当か!」

すっかり神が白くなり、頭頂部が微妙に怪しくなった俺が病室の鏡に映る。

そして、【俺】の瞳には。

「お父さん、初孫ですよ」

「速く抱いてみなよ親父、俺らはもう思いっきり抱きしめたからさ」

「べろべろば~、おばあちゃんですよ~」

「いや、おまえはおばあちゃんじゃなくて叔母さんだろ…」

 

俺は、孫を抱けて。

あいつも元気で。

ゆっくりと、普通に年を取っていけて。

 

これが普通で。多分。

 

俺の願いで。

 

おぼろげな授業できたことがある。太古の狡猾な魔導書は対象者の欲望を彼らは吸って力を高めると。

なら、これはそういうことに違いない。

 

でも、でも。

 

もう違うんだよ。

もう終わってるんだよ。俺は。

 

コンテニューはないんだよ、ゲームではないんだから。

 

だから。

 

こんな幸せ(紛い物)もの、いらない。

 

今、欲しいのは……。

 

あの場所だ。

 

電話もインターネットもゲームもアニメも漫画もねえ。絵物語は児童向けだけ。

通行手段は船と馬車と歩きだけ。せめて路面電車ぐらいつけろ。

身分制度は激しいし、それらを覆すほど魔力の有無で社会的立場が決まる。

中世ヨーロッパの上澄みに魔法の概念を混ぜたような世界は、暮らすのがそんなに楽じゃない。

 

世界とは全く関係ないけどこの前両親が突然海外に夜逃げのスピード感で飛び立った………。

 

あいつらがいる場所なんだ!

 

「ぬああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

俺は叫んだ。腹の底から叫んで。

途端に景色が歪んで、崩れ始めていく。

「おい、本」

多分、転生してから…一番腹が立っている。

俺の人生を、前世を。

侮辱するな。

「出せ」

 

【ニコルside】

「カールが本に閉じ込められただって!?」

「ああ、俺も確かに見た、吸い込まれる姿を……!」

アランの返答に俺は左拳を握る。

本の外では、あまりにも突拍子のない怪奇現象に皆動揺していた。

人間が本の中に消える。七不思議としてはとびっきりのネタだが、張本人が巻き込まれるのは何も笑えない。

ジオルドが本をソフィアから受け取り、それをじっくりと吟味する。

「どうやらこれは超強力な魔導書の一種のようですね。授業で使う者の意思に関係なく強制的に作用する魔導書もかつては存在したとは聞いてましたが……」

「そんな解説はいいです!カール様が、わたくしをかばって……!うう………!」

「ソフィアさんは悪くありませんわ…」

メアリが背中をさすって慰めているが、俺は妹になんて声をかければ良いのかわからなかった。

「……そういえば、姉さんは?ここに、いないけど……」

と、同時にキースが全身が凍り付くような一言を放った。

「「「「「「カタリナッ((様))!」」」」」」

全員が慌てて駆け出した。

そんな、嘘だ、カールだけでなくカタリナも失ってしまったら、俺は、俺は……。

俺は本棚の壁を抜け、開けた読書広場に出た。

「!」

すると、そこにいたのは。

「か―――――――………」

よだれを垂らして本を開きながら寝ているカタリナの姿だった。

 

【カールside】

 

いやまあ~~~、死ぬ気で虚空を睨みつけただけで出れたら苦労しないんだよね!転生に特典?ねーよ!

魔導書の方もやり口を変えてきたようで、幻覚で無人のブックオ〇を出したりよう〇べ入った通信制限ないスマホを渡されたりしてる。いや他になんかないのか。もうちょっと、非現実的なこと。いや転生したのにこれらが目の前にあるのは非現実的だけれども!

「どうしたもんかな……満足したら出れたりする?いや、死体になってそうな気もする…」

とりあえず床?に寝そべって考える。とてもこちら側の声が本の外に聞こえているとは思えない……。え、これ積んでない???いやいやいやいや、困る。だってあいつどうするよ、一人じゃ無理だろあの馬鹿……。

……でも、あいつだって成長してるんだ。寝坊すけだったあいつが畑の為に早起きできるようになってたり、みんなと仲良くなっても油断してなかったり……。

あー……もういなくても、大丈夫、なのかな………………。

 

「何言ってるのこのジジイ!!!」

「あたぁ!」

 

後頭部を思いっきり殴られた!

い、痛てえ………!いた……。

 

「居た方がいいに決まってるだろ馬鹿か俺は!!!!!」

 

何を言ってたんだ俺は。さっきまで帰る気満々だったのに…!

これも魔導書の力かよ!早く本から出ないと思考を乗っ取られる!

「どうしたら、どうしたら……本、本……!」

本がなくなれば出れるのに!なくなれば……。

「……あ」

本をなくす方法、一つ思いついた。

 

ていうか今俺を殴ったの誰?

 

 





……うわあああああああああ!!!!!Vtuberにハマって半年以上サボってたらもう2期始まってるじゃねえか!!!!
本当にすみません!書き溜め次第更新しますので読んでくださる方は少々お待ちを!
第一部ラストまでのプロットは決まっています!
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