人理焼却、漂白化、それら以外も全て越えた先で迎えた結末。

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初めましてCRYと申します。本SSはFate/Grand Orderのとある同人誌を見てのリスペクトSSとなっています。






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――漂白化も、歪みも、全てが元通り、

 

 

 

 

 

 ――――これにて世はことも無し。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――いつか何処かで見た言葉。

 

 

 

 

 

 ――――そして、サーヴァント組は退去を命じられる。

 

 

 

 

 

 

 

 当たり前だ、何度となく世界を救いこうして日常は帰って来たのだから――――。

 

 

 

 

 

「すまない」

 

 

 

 

 

 そんな折に……おのが身に降り掛かる"事柄"をどう予想出来たと言えるだろうか。

 

 

 

 

 

「謝らないでください、説明は聞いて十分理解しましたから」

 

 

 

 

 

 誰が悪いと言うものでは無い。

 

 

 

 

 

 そう、――再びこうならない様にする為。

 

 

 

 

 

 "仕方のないことなのだ。"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――カルデアは閉鎖される。

 

 

 

 

 

 世界の危機は去り、もう不要だからだ。閉鎖と言っても、ただ閉じる訳ではなくて使用されていた機械なども――解体される。

 

 

 

 

 

 文字通り、跡形もなく。

 

 

 

 

 

 こうする理由は簡単だ、もうレイシフトをしないようにorさせないように。全てが片付いたのに、存在するだけで世界に再びトラブルの火種をばら撒きそうな物を残して置くことなど……出来はしない、そう――出来はしないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ残っている"彼等=サーヴァントが居る"、片付けは彼等を座に返しながの同時に並行で行う」

 

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

 あれだけ協力してもらったのだから、多少の希望には沿う……それがせめてもの礼だ。アッサリと旅立つ者、とそうでない者。

 

 

 

 皆がみんな、本当に良くしてくれたのだ……こんな藤丸立香マスター相手に。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――退去は着々と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして時が過ぎて、カルデアに居た全サーヴァントの退去が完了した。

 

 

 

 

 

「――では、君が使っていた部屋に行こうか」

 

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

 其れなりの月日を過ごした其処は、自身にとってとてもとても、特別な場所になっていた。

 

 

 

 

 

 右も左も分からない、そんなダメダメな藤丸立香(マスター)を慕ってくれたたくさんのサーヴァント大切な存在が来ない日は無いくらいに訊ねて来てくれた。

 

 

 

 色々なことを話して、一緒に遊んで……。

 

 

 

 

 

「よし、そこで止まれ」

 

 

 

 

 

 そう言われて部屋の中央部分で立ち止まる。いよいよなのだろう、此のことを申し訳ないと自分に伝えて来た時のダビンチちゃんと所長の苦しげな顔が思い浮かぶ。

 

 

 

 気にしないでと伝えても、無理なことも分かっている。それでも――"これで何も起こらなくなるのならば"と。

 

 

 

 

 

「――残念、何かは起こるものですよ、藤丸立香(マスター)

 

 

 

 

 

 突然そう声が響いたかと思うと、目の前に長い間ずっと見続けて来た覚えのある触手が現れた。

 

 

 

 

 

「なっ?!」

 

 

 

 

 

 そんな声と共に何時の間にか手に持っていた銃が発砲される。しかしどれ程撃とうとも、触手に阻まれて藤丸立香(マスター)を傷付ける事は出来ず――遂には弾切れを起こした。

 

 

 

 それと同時とも言えるタイミングで藤丸立香(マスター)の影から一人、いや、一騎のサーヴァントが姿を表した。

 

 

 

 

 

「ば、バカな!? サーヴァントは全騎退去したのは確認済みだぞ!!? それなのに何故居るんだ!!」

 

 

 

 

 

 彼らの認識に、一切の間違いは無い。念の為にと、何度も確認をした程だ。魔力反応も無い、そして……この部屋に向かう前からカルデア内の電源も落としている。

 

 

 

 

 

「何故も何もありません。別に私は、藤丸立香(マスター)に頼らなければ存在出来ない――訳ではないんですから」

 

 

 

「BBホテップちゃん、どうして此処に?」

 

 

 

「言ったじゃないですか、私は見ていると・・・・・・・」

 

 

 

 

 

「B――」

 

「ダメです」

 

 

 

 彼女の細くて綺麗な指が、喋りだそうとした此方の口に押し当てられて止められてしまう。

 

 

 

 

 

「事情は見ていましたので、ええ、ええ、分かっていますよ」

 

 

 

 

 

 そう言われて、喋り出す気はなくなる。それよりも何時からなのだろうバレていたのは――。

 

 

 

 

 

「"そんなの決まっているじゃないですか"」

 

 

 

 

 

 その言葉を聞いて、聞くことはなくなってしまった。

 

 

 

 

 

「さて、つまらない人間を私は相手にする気なんて無いので――さっさと"貰って行きますね"」

 

 

 

 

 

 そう歌うように宣言すると、唐突に両手で頬を抑えられて顔を固定される。

 

 

 

 

 

「だいぶ前に藤丸立香(マスター)、アナタ相手に私は中身がはたしてどちらなのか――そう言うことを言いましたよね?」

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

「さあ、確りと私の目を見てください――」

 

 

 

「BBホテ――……」

 

 

 

 一瞬にして意識を失ったらしい藤丸立香、それを大切な者の様にその腕で抱える退去した筈のサーヴァント。

 

 

 

 

 

「残念ながら藤丸立香(マスター)が私の姿を見ることは無いと思います」

 

 

 

 

 

 目の前の存在恐怖が口を開く。

 

 

 

 

 

「しかし、アナタ方はどうでしょう――――ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 




読んで下さり、ありがとうございました。


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