今日も博麗神社に向かう雅貴。優しい巫女と最愛の姉に会うために。
しかし、毎日参拝し続けているが、ここは幻想郷。人里から一歩外に踏み出せばそこは人外共が巣食う危険地帯。
そんなところを1人の子供がどうやって行き来しているのだろうか…
「あー!雅貴みっけー!」
背中に氷のような羽をつけた妖精が雅貴を呼ぶ。氷の妖精で自称最強のチルノである。
「あ、チルノちゃんやっほー」
「今日もお寺に行くの?」
「お寺じゃなくて神社だよ」
「そうなの?ま、サイキョーのあたいには関係ないことね!」
「さすがチルノちゃんサイキョーだね!」
「雅貴わかってるじゃん!今日も特別に送っていってあげるよ。あたしはサイキョーだからね!」
「ありがとうチルノちゃん」
そう、毎日博麗神社に参拝する中で雅貴は妖精や妖怪と一緒に石段までやって来ていたのだった。本来なら襲い襲われる立場同士なのだが…
「そういえば今日、大ちゃん達と霧の湖で遊ぶけど来る?」
「ホントに?行く行く!」
「じゃあ後でだれか迎えに行くからね」
「ありがとう!またねー」
一緒に遊ぶほど仲良しである。
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「霊夢お姉ちゃん、来たよー」
「いらっしゃい、まー君、よく来たわね」
今日もやってきたまー君を笑顔で出迎える。あれから毎日欠かさず来てくれて、更にちゃんとお参りもしてくれている。
そんな彼を私は『まー君』と呼んでいた。
「霊夢お姉ちゃん、お姉ちゃんは?」
「魔理沙ならまだ来てないわよ」
まー君が毎日来るように、魔理沙も毎日顔を出していた。そしていつもいつも幼かった時の話を聞かされるのだ。
その時の魔理沙ときたら、まあテンションは高いし、にやけ顔が腹立つし羨ましいし…
そんな彼女がまだ神社に来ていないのだ。
「心配しなくても大丈夫よ、すぐ来るわ」
不安そうに魔理沙がやってくる方向を見ているまー君をそっと後ろから抱きしめる。
本当はまー君を安心させようと思って取った行動だったのだけどこれが不味かった。
なにこの子めっちゃ柔らかいい香り柔らかいんだけど!えっえっえっ、ホントに男の子よね?なんでこんなにも柔らかくていい匂いなの!?
なにより、この心がポカポカと暖かくなる感じ、これが人肌に触れるということなのだろう
「…霊夢お姉ちゃん、くすぐったいよぉ」
目を細めながら私の腕の中で少しだけ身体を揺すって抵抗するまー君。愛らし過ぎて辛い…
「でも懐かしいな、良くお姉ちゃんもこうしてくれた」
なん…だと?
この至福をいつでも味わっていたというのか魔理沙は…羨まけしからん!
「ならもう少し、こうしていましょ」
「うん!」
魔理沙が感じていたであろう温もりを、少しでも長く体感していたい。ただそれだけの為に私はまー君を抱きしめ直した。
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空から何か聞こえてくる。それは少しずつ近づいてきていた。
「まぁぼぉ!」
箒から飛び降りた魔理沙は転けそうになりながら弟の名前を呼んだ。まー君なら少し前に用事があるからと帰ってしまった。
「遅かったわね魔理沙、今日は来ないかと思ったわよ」
「それよりまぁぼぉは?来てないのか?」
「ちゃんと来てたわよ、でも今日は用事があるとかで…なによ?」
説明しようとすると何故だが魔理沙がどんどん近寄ってくる。
「霊夢の服からまぁぼぉの匂いがする」
「な、なに言ってるのよ?来てたんだから匂いくらいするわ」
言えない、その後も縁側で膝にまー君を乗せたまま後ろから抱きついていたなんて
というかまー君の匂いって…いや確かにいい匂いだったよ?でもそれがわかる魔理沙って一体…
「霊夢、まぁぼぉにへんなことしてないだろうな」
「す、するわけないじゃない!」
「じゃあなんでお前からまぁぼぉの匂いがする説明をしてもらおうか?」
仕方ない。別にやましいことをしたわけでもないし、ちゃんと説明してやろう。
「あんたが来ないから、まー君が不安がってたの。だから慰めようと「後ろから抱きついたってか」…なんでわかったの」
驚愕である。これが姉の力か!
「…ちゃんと来てたんならそれでいい。だがまぁぼぉ成分は補給させてもらうぜ」
そういうと魔理沙は私に抱きついてって、ええ!?
「ちょっと!離れなさいよ!」
「いやだぜ!私がいないうちにまぁぼぉに抱きついたんだからな、私で上書きしてやるぜ」
「やめなさいってば!やめ、やめろぉ!」
折角のまー君臭がぁ、温もりがぁ〜!!