携帯怪獣地方 ジョウト 作:あたらんて
あとがきでポケモンの用語の解説を書くことにしました。今までのあとがきも変えたので宜しければご覧ください。
今回は過去話です。
随分と前のことだ。
「やあ、キリシュタリア。ちょっといいか?」
「おや、カイ。どうしたのかな?」
ラウンジで本を読んでいたキリシュタリアに話しかける。
「さっきまでオフェリアと話していたんだがAチーム皆でお茶会をやりたいと彼女が言ってね。俺は男子担当というわけさ。時間さえあったらどうだい?」
「ふむ。それはぜひとも一緒にしたいね」
キリシュタリアは悩む間もなく即答する。
「そうか。じゃあ先に食堂に向かっててくれるかい?」
「いや、それには及ばない。これから他のメンバーも呼びにいくのだろう?私も一緒に行こうじゃないか」
案外キリシュタリアは話してみると気安いところがある。話し相手ができるのは良い。
「それなら一緒に行くか。まずはカドックのところへ行こう。この時間ならマイルームにでもいるんじゃないかな」
「そうだったのか。案外オフェリアもお茶目なところがあるんだね」
「あれはペペに嵌められてって感じだったけどな。一発ギャグのお披露目の後は顔真っ赤にしてたよ」
キリシュタリアと雑談をしながら廊下を歩く。すると、英霊ダ・ヴィンチと出会う。
「おや、こんにちはお二人とも。これから訓練でもするのかい?」
「いや、Aチームの皆でお茶会をするんだ。そういうダ・ヴィンチちゃんは?」
「ちょっとロマンのやつが『仕事をするには糖分が必要だー!』なんて言うもんだからわざわざ食堂までみんなの分も合わせてお菓子を取りに行ってたんだ。君たちもどうだい?」
不満げな顔で地味に上手い物真似をする。流石は万能の天才か。差し出された菓子はチョコレートのようだ。
「いや、遠慮しとくよ」
「そうだね。私たちはこれからお茶会だから。そちらで味合わせてもらうよ」
「それもそうだね。それじゃあ楽しんでくれたまえ。あ、カイ君。君の魔術を頼りたいんだった。また今度時間が空いた時に私の工房に来てくれるかい?」
「ああ、わかったよ」
そう言ってダ・ヴィンチとも別れた。
「やあカドック」
「げ…」
カドックの部屋が見えたかと思うとカドック自ら部屋から出てきた。
そのまるでレート戦で初手出し負けたかのような表情はどういうことだろうか。
「嫌な予感がすると思えば…部屋から出ないのが正解だったか」
「おいおい、失礼な物言いだな。お茶会しようぜ!拒否権は認めんぞ!」
「ふざけるな!僕はこれからロックの…って、ヴォーダイムも参加するのか?」
キョトンとした顔でカドックはヴォーダイムを見つめる。
「ああ。カドックはロックミュージックが好きなのかい?」
「そうだが…なんだ、興味あるのか?」
「むっ…そうだな。これでも私はギタリストとしてかの偉大なロックミュージシャンである…」
「ああ、わかった。無理して僕の趣味に合わせなくていいから。…そうだな、せっかくだし参加させてもらおう。食堂に行けばいいのか?」
「おう。それじゃあ俺たちは他の面子も呼びに行くから」
「カドック。いいか?私は本当にギタリストだ。今度披露してみせよう」
「いや、本当にいいから…」
「あら、カイにヴォーダイム。メンバーは集まった?」
また歩いていると、マシュを連れたオフェリアに出会った。
「こんにちは、カイさんにキリシュタリアさん」
「やあ、マシュ。君も来てくれるんだね」
「うん、普段関わりが少ないからね。嬉しいことだ。こちらはカドックを呼んだよ」
「そうですか、ありがとう。じゃあ私はもう全員集めたから先に食堂で準備をしているわね」
「ああ、わかった。なるべく早くそちらに向かうよ」
そしてマシュとオフェリアは食堂の方へ向かっていった。
「そう言えばカイはオフェリアと随分仲が良いようだね」
「ああ、ちょっと色々あってね」
家を嫌うもの同士案外気が合うのである。まあそれ以外にも接点はあるのだが…。
「そうか…私ももっと皆と仲良くしなければいけないな」
「多分ちょっと皆と触れ合うだけで大分仲良くなると思うぞ」
「それならいいんだが…彼女も私に一発ギャグを披露してくれるようになるだろうか」
本人が聞いたら本気で怒られるかもしれない。
訓練室の辺りまで来ると、ベリルとデイビットがいた。
「やあ、ベリルにデイビット。訓練かい?」
「おお、カイにヴォーダイムじゃねえか!ちょびっとシミュレーションでキメラやらを殺してたんだが…そんなに面白くねえな」
「同感だな。命無き者を殺戮したところで何か得られるものがあるわけでもない」
「ふーん…そういうモンか。ああ、それでこれからAチーム全員でお茶会をするんだ。良ければ一緒にどうだ?」
「おっ、そうなのか。行くぜ行くぜ!誘ってくれてありがとうよ!」
ベリルは快諾してくれるであろうという予想はあったがデイビットはどうだろうか。ペペもいるし来てくれないだろうか。
「ふむ…。全員か、珍しいな。俺も参加させてもらおう。動いた後には休息が必要だ」
「そうか!そりゃあ嬉しいな!他のメンバーはもう食堂にいる。早速向かうか!」
「ああ。私たちも早く向かった方が良いだろう。ところでギターを誰か所持していないかい?」
まだそれ引きずってたのか…。
「やっと来たわねカイ。あと少しで準備が終わるから手伝ってもらえるかしら」
「アラ、本当に揃ったのね。とっても意外だわあ!」
相変わらずペペは元気だ。オフェリアは女子担当だがペペは女子判定でいいのだろうか…?
「ヒナコも来たのか。ヒナコとお茶を一緒にするのは初めてだな。好きな茶葉とかあるのか?あれか、やっぱ匂いの強いハーブティーとかは嫌いなのか?」
ヒナコに話しかけるとヒナコが本を閉じて何故か不機嫌そうな顔を露わにする。
「もう今更何であなたが私の秘密について知っているのかとかは問わないけれど、周りにまで示唆するのはやめてくれないかしら」
怒られてしまった。このAチームのメンバーなら既に知っているやつが数人に残りは知っても普通に付き合えるやつらばかりだと思うのだが…。
それにしても珍しく今日はAチーム全員とプライベートで言葉を交わした。
何だか嬉しいものだ。お茶会の準備をしながらまたこんな日が来る事を願っていた。