携帯怪獣地方 ジョウト   作:あたらんて

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今日、ママンボウを釣った

 

チョウジタウン。ロケット団アジトがあったりダンジョンに囲まれていたりと中々印象深い町である。

ジム戦は自分の手持ちが氷に強いからかあまり苦戦はしなかった。ボーマンダさんにはベンチを温めてもらっていたが…。しかし流石は最年長ジムリーダー。途中何度も痛い目に遭った。良い経験になったとも言えるだろう。着実に実力がついていくのを感じる。

ただ、オニゴーリが出てきた時はついうっかり殺意が漏れてしまった。その後ムラっけではないことがわかり一安心である。

 

 

「さて、ミュウ。この街での一番の観光名所はどこだと思う?」

 

「え…あれですか、少し先に進んだところにあるいかりのみずうみですか?」

 

 

唐突な質問にミュウが真面目に考えて答えを出す。

いかりのみずうみはゲーム中では赤いギャラドスが出てくるところだ。そこのモデルは琵琶湖であり確かに名所だが違う。

 

 

「それならやっぱり…忍者のなにかとかですかね?」

 

「お、惜しいな」

 

 

ここチョウジタウンのモデルは滋賀県甲賀市、忍者の里である。

 

 

「わかんないか?」

 

「…はい、出てこないです」

 

 

ミュウが残念そうな表情をしながら言う。

 

 

「正解は『ワタルが人に向けてはかいこうせんを撃った家』だ!」

 

「…はい?」

 

 

チョウジタウンにはおみやげ屋に扮していたロケット団アジトがあった。忍者のからくり屋敷を元としたアジトの偽装は完璧であり主人公も一度はそこへ辿り着くものの追い返される。

そしていかりのみずうみにてロケット団が出している電波によってポケモンを強制進化させるという所業を見た主人公とワタルは電波の元がそのお土産屋だとわかり共にアジトへ乗り込もうとした。当然ロケット団も無警戒ではなく、入り口にしっかりと用心棒を置いている。

さてどうするのかとプレイヤーが考えた時のことである。『カイリュー はかいこうせん』

その言葉と同時に吹き飛ぶ用心棒。そして何事もなかったかのように『遅かったね カイ君!』

あまりの容赦の無さに画面の外でプレイヤーは震えたものである。

 

 

「まあその一撃に耐えてる時点で人間の方もおかしいっちゃおかしいんだけどな…」

 

 

まあ冗談はともかくとしてロケット団のアジトについて調べたいというのもある。主人公のことについてはこの異聞帯に来たときにかなり調べたが、ロケット団についてはまだそこまでだ。もう壊滅からかなり時間が経っていて大した情報も無いだろうが、行って損は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

常識的に考えたら人の店の地下に入るのは無理なのでミュウの力でこっそりとおみやげ屋に潜入し、アジトへ乗り込む。

入るとすぐにペルシアンの像などが設置されている。監視カメラだったはずだが今は電源が切られているようだ。無人で音もなくどこか不気味な雰囲気の中歩いていると、目的であるコンピュータを見つける。

 

 

「ミュウ、データ抜き取れるか?」

 

「まっかせて下さい!」

 

 

そう言うと人の姿を取っていたミュウの桃色の髪が一本意思を持ったかのように動き始める。その髪がコンピューターに触れたかと思う勝手に起動を始める。

 

 

「はい!終わりました!」

 

「はやっ」

 

 

マジであっという間だった。こういう時本当にミュウの万能さを実感する。

 

 

「でもこれ末端の人間のコンピュータみたいですね。他のコンピュータにはまだまだ別のデータがありそうですよ」

 

「それならまだ探索するか」

 

 

 

 

コンピュータを発見してデータを抜き取ること数回。ついに最後のコンピュータに接続したミュウが表情を変える。

 

 

「あっ!コレ、かなり重要なデータがあるっぽいですね。かなり高度なセキュリティがありますよ」

 

 

幹部用だったりしたのかもしれない。そのデータはぜひとも手に入れたいところだ。

 

 

「そうか…解けそうか?」

 

「もう解けましたけど。でもこれは…とりあえず表示しますね」

 

 

高度なセキュリティとは何だったのか。ただミュウが案外深刻そうな表情をしている。

画面に現れたテキストの題名は、『現在のミュウツーについて』であった。

 

 

 

『現在のミュウツーについて』

 

この文書を入手している者にとっては既知の事実であろうがミュウツーは我々ロケット団の手を離れた今現在でも強力な力を保持している存在である。

この文書及びミュウツーに関するデータはレベル7の機密処理を行うこと。また、Aランク幹部以外にミュウツーの存在を知らさないこと。

これはかつて起こった捕獲隊の暴走を防ぐためである。

 

本文書ではミュウツーの概要などは省かせてもらう。これはミュウツーの基本情報などはAランク幹部であれば当然知っているからである。基本情報は別文書を参照のこと。

本文書では現在のミュウツーの動向について記す。かつて研究所を半壊させて脱走したミュウツーであるが、その後しばらくカントー地方を飛び回るものの、その強力過ぎる力故か中々安住の地を得られない中人の来ない奥地を好む傾向が見られていく。

ちなみにこの間24度捕獲隊を送ったが全て全滅に終わっている。一般構成員102名、Cランク幹部8名、Bランク幹部5名、Aランク幹部1名、計116名の死者を出してロケット団はミュウツーの捕獲から手を引くことが決定された。

 

そしてあの忌々しき事件の1月程前、ミュウツーが遂にハナダシティにある洞窟に定住を始める。その洞窟に地名は存在しなかったが便宜上『ハナダの洞窟』と呼称する。

ハナダの洞窟は元々強力なポケモンが住み着いている危険地帯として扱われており、チャンピオンが認めた者しか入れないという場所であり、ミュウツーとしても都合が良かったと思われる。

逃走・索敵に特化した調査隊を送った結果、ミュウツーはハナダの洞窟の最奥部に住んでいて、恐らく他のポケモンたちを力で従えて主のような存在になっているのだろうとの報告がある。これについてはハナダの洞窟調査結果という題で別に報告書があるためそちらを参照して欲しい。

 

(中略)

 

そして現在までハナダの洞窟に住み着いているミュウツーであるが、今の所外へ出ようとする試みは無い。定住の地を得た影響か、殺意も薄れているようであり命令を無視して単独で捕獲に向かった部隊も6名中1名、隊長のみが生還してしまっている。

 

ミュウツーの居場所が固定されたならば捕獲に向かうべきだと言う幹部もいるが、個人的な意見を述べるならば絶対に反対である。ヤツの能力は明らかに異常であり、人の制御できる領域に無い。ヤツがロケット団に自分から攻めてこないことを幸いと捉え、今後一切関わらないことが最良といえるだろう。

 

結論として、現在のロケット団の戦力ではミュウツーの捕獲は不可能であり、再興のための作戦には使用できない。かつてミュウツーに対峙した者の一人としてこれを読んだ他の幹部が同意してくれることを願う。

                    Aランク幹部 ラムダ

 

                  

「これは…」

 

 

何というべきだろうか。言葉が出ない。

 

 

「ますたー、大丈夫ですよ。ミュウツーについては存在は知っていました。思うことは色々ありますが、今はますたーのサーヴァントです。他の機密データも入手しました。あの子をどうするかは全てますたーに任せます」

 

 

はっきり言って、ミュウツーは戦力としてめちゃくちゃ欲しい。ただ、この文書を見る限り仲間になるかどうか…。

 

 

「よし、わかった。対策が立ち次第接触に行こう。そのデータは俺の頭にブッ込んどいてくれ」

 

 

手に入れた情報にはミュウツーの生体情報もある。それがあれば対策も立てられる。案外良い拾い物をした。

中々良い結果でロケット団アジト探索は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳でエスパーの専門家としてどう思う?」

 

「…一応、存在については知っていたわ」

 

 

困った時のナツメである。電話で喫茶店に呼んだ時は異常な程喜んでいてなんだか悲しくなってきた。

 

 

「あの洞窟はポケモンリーグ管轄なの。元々危険な地域だったからジムリーダーが特訓に使ってたりなんかもしたわね。そんな中、明らかに異質なポケモンが住み着いたっていうんだもの。カントーのジムリーダーは全員存在を知っているわ」

 

「そうなのか…捕獲とかの動きは無かったのか?」

 

 

質問をするとナツメの顔が曇る。

 

「…その、言い辛いのだけれどグレンタウンのジムリーダーのカツラさんが…」

 

「ああ、そのことか。多少は知っている」

 

 

グレンタウンのジムリーダー、カツラ。ゲーム内の様々な描写からロケット団と浅からぬ関係があると言われていたが…この世界ではそれは事実のようだ。ロケット団側のデータでもカツラの名は何度か見た。

 

 

「そうなの…。まあそれで危険性を知っていた以上誰も手を出さなかったっていうわけね。私も能力者としてあそこ一帯の力場が異常なのはわかっているの。アナタも手を出さない方が良いと思うわ」

 

 

そう言うと、ナツメはコーヒーに口をつける。ただ子供の舌にブラックは苦かったようで涙目になって口を離し慌てて砂糖とミルクを入れ始める。

まあ俺も甘党だから人のこと言えないんだが…。

 

 

「そっか…じゃあまだ手を出さない方が良いのかなあ…」

 

「そうね」

 

 

ようやく甘くなったコーヒーに満足したのかナツメが笑顔でコーヒーを啜っていると突然、思い出したかのように口を開く。

 

 

「そういえば、ハナダのジムリーダーが一度出会ったと言っていたわね。戦っては無いようだけれど、何か知っているんじゃないかしら?」

 

 

カスミか。洞窟がある町のジムリーダーとしては確かに関わらざるを得ないだろう。話を聞きに行くことにしよう。

 

 

「じゃあ、話を通しといてくれるか?」

 

「…ごめんなさい、彼女の連絡先は知らないの…」

 

 

…申し訳ないことを言ってしまった。お詫びにまた喫茶店程度なら付き合ってあげよう。

 

 

 




~ギャラドスは固定で色違いってよくよく考えるとめっちゃ有り難いよねということでポケモン用語解説~


・オニゴーリ
THE・害悪。ムラっけという能力がランダムに上昇・下降する特性により誰が相手であろうと運ゲーを仕掛けてくる。回避率・ぼうぎょ・とくぼう辺りが上がると絶望。
剣盾では特性が弱体化されてレートから大分数を減らした。


・ワタル
言わずと知れたひこう使いかつチーター。こおりがいないと地味に苦戦する。
2世代でチャンピオン扱いということはグリーンに勝利したのだろうか?
あのはかいこうせんの事件はポケモン世界の住人の異常さを端的に表していると言ってもいい。ポケモンの力で全てなんとかなるということと人間もある程度の力を有しているということがわかるのがあの事件だ。


・ロケット団
ポケモン世界のヤの付く人たち。それに加えてかなりの科学力を持っているためタチが悪い。2世代では残党が活動している。


・ミュウツー
初代の伝説。ロケット団によって人工的に生み出されたポケモン。ミュウを元に作られたポケモンであり、この小説ではカツラが研究に関わってる説を採用した。
性能としてもつよつよのつよで、伝説の中ではRSのチートたちには劣るとはいえ、メガすらも手に入れたその強さは凄まじいの一言。メガシンカをすると種族値の一部では1位を取る程の数値を誇る。


・ラムダ
ロケット団幹部。変装してたやつ。ロケット団の設定は色々捏造しました。
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