携帯怪獣地方 ジョウト   作:あたらんて

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タイトルが思いつかなくなってきました。


さむらいのおんがえし

 

たまには主人公の気分を味わおうとダンジョンも踏破してみることにした。

 

 

「森の中を歩くのって結構気分が良いな」

 

「はい!ここはセレビィの守護領域なのでその影響もあるのでしょうね。また挨拶に行きますか?」

 

 

今俺たちがいるのはウバメの森。セレビィに関わるほこらがある森だ。

 

 

「そうだな。セレビィの力についても知りたいし、会いに行こうか」

 

 

セレビィ。時の神様なんて言われてたりもするまぼろしのポケモンだ。実際時間を自由に渡れるようでその力は計り知れないものがある。

会っておいて損は無いだろう。ほこらを目指して歩いていく。

すると、見覚えのある人物と出会った。

 

 

「佐々木小次郎…?」

 

「げ」

 

「おやおや、これはカイ殿にミュウ殿ではござらんか」

 

 

つい先日出会った佐々木小次郎がいた。

 

 

「この森なんぞには何用で?」

 

「ちょっとした冒険と後は神様にご挨拶だな」

 

 

そう言うと、小次郎は難しい顔をして悩み込む。

 

 

「…それは流石に見過ごせませぬな。一つ恩があるとはいえ、拙者も抑止より遣わされた身。着いて行って宜しいかな?」

 

 

なんだかよくわからないことを言っているが本人が言うように一応貸しがある。警戒さえしておけば大丈夫だろう。

 

 

「別に良いぞ」

 

「…中々自信があるのですなあ。いや、それよりも度胸と言うべきであろうか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おー、結構虫ポケモンが多いな。ちょっと鬱陶しい」

 

「ますたー、バリアを張りましょうか?」

 

「いや、良いよ。これも醍醐味の一つだ」

 

「ははは、カイ殿はこういった所を歩く経験は少ないようでござるな」

 

 

小次郎はやはり気安いところがある。ミュウを間に挟んでいるとはいえ、随分距離が近く感じる。

 

 

「ああ。クリプターになる前はひたすらどこかに篭って研究していたからな。外に出ることすら珍しかったんだ」

 

 

前世まで遡っても山や森に入った記憶は少ない。インドア派だったのだ。

 

 

「ふうむ、拙者は山で育った故こういった所の方がむしろ落ち着くのであるが…」

 

 

そういえばそうだった。小次郎は心身ともにYAMA育ちみたいなことを言われている。

 

 

「おっと。この木が随分邪魔だな」

 

 

恐らくゲームだといあいぎりで切れるような木なのだろう。

 

 

「こういうところを頑張って通るのも醍醐味よ。ほら、こういう風に」

 

 

小次郎はひょいひょいと飛んでいく。まあ現実だと完全に道を閉ざす木なんて無いよな…。案外融通が利くものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから少し歩くとすぐにほこらに着いた。

 

 

「セレビィ殿!セレビィ殿ー!」

 

 

なんと。小次郎はセレビィと知り合いだったのか。

ミュウと俺が驚いていると、急速な魔力の高まりと共に目の前の空間がゆがみ始める。

 

 

「…やって来て、しまったのですね」

 

 

空間のゆがみから現れたのは神というよりかは妖精という外見をしたポケモン。

時を自在に渡る幻、セレビィが現れた。

 

 

「やあ、セレビィ。俺のことは知っているかな?カイというんだが」

 

「無論、知っています」

 

「ますたー」

 

「それなら手間が省けて良い。今日は顔合わせみたいなもので特に用は無いんだが…」

 

「ええ、構いませんよ。むしろ用があるのはこちらなのですから」

 

「ますたー」

 

「何だよミュウ、今俺はセレビィと…」

 

「ますたー!!」

 

 

ミュウが大声を出すと共に俺を一歩後ろへ引き寄せる。

元々俺がいた場所の地面から鋭い蔦のようなものが生えてきた。掠ったその蔦は俺の肌を浅く切り裂く。

 

 

「ますたー!わからないのですか!?あの子は、セレビィは、()()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

その言葉にセレビィを見ると、紛れもない敵意を感じる。

…油断があった。てっきりこの世界の住人は全てこちらに味方するものだと思い込んでいた。

 

 

「セレビィ!何故、ますたーに危害を加えるのです!あなたがますたーを攻撃する理由は無いはずです!今の世界の状況を知らぬあなたでは無いでしょう!」

 

 

セレビィはこちらを冷たい目で見下したまま口を開く。

 

 

「ええ。私もマスターを、世界を守りたいです。しかし、抑止に関わって世界を運営する身としては敵対せざるを得ません」

 

 

セレビィの魔力が急速に高まっていく。

神霊級を通り越す、これは間違えようもない、神の権能――!!

 

 

「あなた方がこの森に入って来なければこうなることも無かったというのに…本当に残念です」

 

 

視界が歪んで体が浮くような感覚と共に、一瞬で意識が消失する。

 

 

「さようなら、マスター。もう二度と、出会いませんように」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、真っ白な空間であった。そこに在ったのは、俺と、真っ黒で醜悪な化け物と、何故かいる佐々木小次郎のみであった。

 

 

「む…セレビィ殿、拙者も一緒に飛ばしてしまわれたか…」

 

「なっ…小次郎、ここは何処だ!?どうなってる!?」

 

「カイ殿、そんな事を言っている場合かな?」

 

■■■―――!!!!!!

 

 

巨躯の化け物がこちらへ襲い掛かって来る。慌てて突進を躱し、ポケモンを出そうと腰に手をかける。

 

 

「――ボールが、無い…!?」

 

 

手持ちの入ったボールがどこにも見当たらないのだ。道具の入っていたバッグすら無くなっている。

 

 

「ふうむ、そこはきっちりとしているのでござるか…」

 

 

小次郎が何か言っているがそんなことを気にしている余裕は無い。

目の前の怪物は昔散々作った合成獣(キメラ)に似ていなくもない。30匹位の数で合成をして原型を留めなくなったようなものに近い外見をしている。

 

 

「くそっ、こいつには勝てねえ…!」

 

 

見ればわかる。無理だ。大体俺はミュウと行動を共にしている時は基本油断している。

魔術の準備も碌にしていない。()()()()は3個のみである。対ミュウツーで作った命がまだ残っていれば何とかなったかもしれないが、3回しか死んではいけないならこいつは無理だ。

恐らくこの仮称黒キメラは幻獣クラスの存在。俺の力ではまず勝てない。

ミュウを令呪で呼び寄せるというのも無理だろう。恐らくこの空間はセレビィが作り出したもの。時空間の隔たりを超える程の力は令呪には無い。

 

 

■■―――――――!!!!!!

 

「ガッ…!!」

 

 

体が生物としての形を取っていないため動きが読めない。爪のようなもので体が引き裂かれる。

血が噴き出す。返しに一撃入れるが少しのけ反らせて距離を取るだけの結果に終わる。

 

 

「ハー…ハァー…ゲホッ」

 

 

血が喉に絡まって気持ち悪い。しかも先程の一撃には呪いのようなものも込められていたようだ。本当にどんな生物なんだか…。

 

 

「はは…冗談、だろ…」

 

 

命が早速一つ消え、予備の命が宿り、体が回復して行く。この生物の情報は少しは手に入ったが、まるで勝ち目が無い。

 

 

「ふむう…拙者を送ったのは確実に殺せという意味であうが、カイ殿には一応恩もあり一体どうすればよいものか…。む。良い案が思いついたでござる」

 

 

軽く絶望していると小次郎がこちらに寄って来る。小次郎までも敵に回ったら本当に不味い。

大令呪をこんなところで使うのはものすごく嫌なのだが、使うしかないのか…?

 

 

「行くでござるよ、エンテイ」

 

 

驚きの名前と共に現れたのはほのおの準伝説ポケモン、エンテイ。

小次郎のポケモンはエンテイだったのか…!

 

 

「人の英霊よ。我が敵はどちらだ?」

 

「あの黒いやつだ。倒せるか?」

 

「フン。舐めるなよ英霊」

 

 

そう言うと同時、エンテイが灼熱の炎を黒キメラに向かって放つ。

黒キメラはその口?のようなもので炎を飲み込もうとするも、一瞬で塵と成り果てた。

 

 

「感謝するでござる、エンテイ。戻れ」

 

 

またエンテイは小次郎の持つボールに入っていった。

 

 

「…助けて、くれたのか?」

 

「まあおぬしもわかっているように一応借りがあったからなあ。裏切りにならん程度に助けたまでのことよ」

 

 

あの時奢った自分をめちゃくちゃ褒めてやりたい。

 

 

「それでは元の世界に戻るでござるよ」

 

 

そう言うと、また視界が歪んで、今度は町のような場所に出てきた。

 

 

「ここは…」

 

 

下を見ると、俺のバッグと手持ちのポケモンたちもいる。

 

 

「ここはヒワダタウンでござるよ。拙者はセレビィ殿の加護を受けていて権能を一部扱えるのでござる。スキルで言うなら…『時神の加護 EX』といったところであろうかな」

 

 

なんと。ますます小次郎が厄介な者になってくる。

 

 

「まあこれで貸し借り無しということだ。次に出会った時は問答無用で斬りかかるぞ」

 

 

…今回の出来事はいずれ起こったことであろう。小次郎が一緒に居てくれたのは幸運というしかない。

 

 

「ああ。今回はありがとう」

 

「それでは、これで私と貴様は敵同士よ」

 

 

小次郎は瞬く間に去って行った。すると、今度は別の気配がこちらにやってくるのを感じる。

 

 

「ますたー!!ご無事でしたか!!!」

 

 

ミュウだ。久々に本来の姿を見た気がするが、そんな事よりひどくボロボロになっている。

 

 

「おい、どうしたんだその傷は…」

 

「すみません、セレビィ相手に手間取りました。アレは本体の力こそ私より下ですが、何分権能によって呼び寄せてくる増援が厄介でして…アルセウスもどきにしてやられました。

ますたーこそご無事で良かった…時渡りの権能は『へんしん』しても一部をコピーするのが限界でして…」

 

 

なるほど。本当に先程は危機だったのだろう。

 

 

「それで、セレビィは?」

 

「…すみません、ますたーが戻って来たのを感知して戦闘を投げ出して馳せ参じました。

無論、倒して来いというのなら今すぐ戻って倒して来ますが…」

 

「いや、いい。ミュウこそ無事で良かったよ」

 

 

こうして追って来てないというのならセレビィも森の外でまで戦う気は無いということなのだろう。

 

 

「はい。アレの領域下であったからこそ後れをとりましたが、外であれば私が勝つでしょう。それを理解して追って来ないのだと思われます」

 

 

それは幸いだ。しかし、セレビィが敵だというのは本当に予想外だ。

今度戦う時には小次郎とエンテイも敵に回る。もっと戦力を持ってこなければいけない。

そんなことを考えてると、また莫大な魔力の高まりを感じる。

 

 

「これは…パルキア…!?いえ、恐らくセレビィが喚び出した()()()…!!」

 

 

パルキアだと…冗談じゃない。一体何をする気なのか。

ウバメの森を眺めていると、森の周りの空間が歪んでいく。

 

 

「…!やられました…!」

 

 

ミュウが焦ったように呟く。

 

 

「どういうことだ!?何が起こっている!?」

 

「恐らくセレビィはパルキアと自身の力を用いてこの森を()()()()()と変えています!誰も侵入できなくするつもりでしょう!」

 

 

…しまった。恐らくあそこを汎人類史側の拠点にでもするつもりなのだろう。

最終的にカルデアに負けるのが俺の目標ではあるが、カルデア無しで世界を滅ぼす力を持つポケモンもこの世界にはたくさんいる。ここまで完全に敵対されると流石に見逃せない。

急いで他のサーヴァントや伝説たちと接触をしなければいけない。

 

 

「…完全に時空間が断絶されました。もうあそこに侵入するのは私の力では無理でしょう」

 

「わかった。今日はもうミュウは休め。これからの作戦は考えておく」

 

「はい…すみません、少し休ませてもらいます…」

 

 

そう言うとすぐにミュウは霊体化する。本当にセレビィとの戦いは死闘だったのだろう。

 

ミュウにはああ言ったが、作戦はこれまでと変わらない。戦力を集めてカルデアの到着を待つだけだ。ただ、少し必死になる必要が出てきたが。

 

まあ、それはそれとしてミカンちゃんとの約束もあるしジムバッジ集めも続けるが。

 




~ちょっとずつ展開を進めていくけど原作に追いつくのは怖いため本当にゆっくり進める小説のポケモン用語解説~


・セレビィ
たまねぎの神様。何か時間を自由に動けるらしいっすよ。
時の神様なんて呼ばれてたりするので今作では権能持ちの神扱いとした。


・エンテイ
唯一神。ジョウトを駆け回る準伝説の1匹。本当にあれを捕まえる作業は辛かった…。
火事で死んだ後ホウオウに蘇生してもらったという伝説を持つ。


・パルキア
相棒と合わせてシンオウの伝説たちのチートっぷりを象徴するポケモン。
何か空間を自由に操れるらしいですよ。意味わかんねえ。
タイプも優秀なドラゴン・みずと強い。伝説らしく普通に強いポケモン。
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