携帯怪獣地方 ジョウト   作:あたらんて

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ツンデレって良いですよね。
べっ、別にアンタたちの感想なんて嬉しくないんだからねっ!(本編にツンデレは登場しない)


今は昔、ゲームボーイといふものありけり

 

展開された固有結界は第六天魔王波旬――神性・神秘を持つものにとっては存在の維持すら難しい灼熱の地獄。

ポケモンは神秘を保有すると判定されているらしく、カミツルギが見てわかる程憔悴している。炎が4倍弱点というのもあるのだろうが…これでは戦えない。

 

 

「…安心せい。これなる地獄は我が身をも燃やす。故、今は限定的な解放状態というやつよ。そのポケモンも死にはせん」

 

「ははっ…そりゃ感謝…ってか」

 

 

カミツルギをボールに戻す。さて。俺の残る手持ちはバンギラスとバクフーンのみ。ミュウは神秘が特に濃いだろうから信長が固有結界を展開した瞬間にテレポートで遠くに逃がした。

 

 

「行くぞ、バンギラス」

 

 

メガシンカ――それは強い絆によってポケモンの限界を超えたシンカを行うもの。その性質上ポケモンにもトレーナーにも負担が掛かるため、メガシンカを行えるのは1度の戦闘につき1回のみ。

 

そんなものを、俺が放置するわけがない。

 

 

「バンギラス―――メガシンカ」

 

 

俺の専門は動物科(キメラ)。当然の如く研究をした。その結果、多少辛い思いをするが、1度の戦闘において複数回のメガシンカを可能とした。

先程のメガボーマンダは案外あっさりと倒されてしまったが、それはレベル差とタイプ相性、持ち物故。本来、メガシンカというのはそれだけでチームのエースと化す圧倒的な性能を秘めている。

 

ゲームシステム的に言うなら種族値が合計で100上昇。一部のポケモンは特性・タイプも変わり、多くは戦力が向上される。

そしてバンギラスは600族。メガシンカ後は脅威の700に到達する。これは伝説のポケモンに匹敵、凌駕する数字である。

 

 

Guoooooooo!!!!!!!!!

 

 

動くだけで山を崩し、川を埋め、地図を書き換える。

レベル93。脅威の化け物が神仏を滅する灼熱の英雄に対峙する。

 

 

「準備はできたか?ならば――行くぞ」

 

 

信長の背後に無数の火縄銃が浮かび上がる。

 

 

三千世界(三段撃ち)

 

 

一斉に火縄銃が火を吹いてバンギラスに襲い掛かる。

 

 

「バンギラス、耐えてくれ…『りゅうのまい』」

 

 

バンギラスに耐久力が向上する魔術をかけ、りゅうのまいを指示する。

止むことのない銃弾を受けながらもその踊りは鮮烈で、勇猛で、荘厳なものだった。

 

 

「まだだ、まだだバンギラス…!『りゅうのまい』…!」

 

 

自身の魔力を限界まで絞り出し、バンギラスの体力を回復させ、魔術をかけ続ける。その間も一切銃撃が止むことは無い。

 

放たれる弾丸はバンギラスの身体を抉ってゆく。燃え盛る炎はジワジワと体力を削っていく。俺の魔術と持ち前の耐久力によって何とか耐えているバンギラスは、果敢に踊り続ける。段々と、段々とバンギラスの身に力が、熱が篭っていく。

 

 

 

銃撃が、止んだ。

そしてそれは、俺がもうりゅうのまいは十分だと判断した瞬間と同時であった。

 

 

「フム…随分とボロボロの体じゃな。よくぞ耐えた。わしもこれ以上宝具を展開し続けるのは辛い。この一撃で仕舞いとしようぞ」

 

 

そう言うと、信長の後ろに顕現していた骸骨が動き出す。

あれこそがこの限定的に開放された固有結界の本質。神仏を焼き尽くす魔王の化身。

 

 

「ああ。これで終わりだ」

 

 

敵の巨大な骸骨の右腕に力が収束していく。そのあまりの熱量に現代の人間である俺すらもが立ち眩む。

しかし、こちらのバンギラスだって恐ろしい程のパワーが溜まった。最早動くのもやっとといった感じだが、その力を開放せんと骸骨の目の前に立つ。

 

 

骸骨がその拳を振り上げる。

それに対しバンギラスは仁王立ちで向かい受ける。

 

 

喰らえええええぇぇぇぇい!!!!

 

『ストーンエッジ』!!!!!!!

 

 

神秘を殺す一撃が正面からバンギラスに襲い掛かる。

地面から引き剥がされるかの如く現れた巨岩が全てを破壊する勢いで信長を襲う。

 

 

 

天地が返るかのような衝撃。その衝撃波は大地を揺らし、空を波立たせた。

俺はあまりの衝撃に何もすることができず、ただ体を震わせていた。

 

 

 

恐らく僅かな時間であったのだろうが永劫にも感じる衝撃の最中突如、固有結界が解除された。

燃え盛る世界は消え、元々の光景が広がる。突然のことに驚いていると、声が掛かった。

 

 

 

「やるのうおぬしら!名を聞いておこう!」

 

 

見ると、ボロボロながらもギャロップに乗った信長がいる。

 

 

「カイ…カイ・ランフィールだ」

 

「そうか!覚えておくぞ!また会おう!」

 

 

そう言うと、信長はあっという間に去っていった。10歩で最高速である時速240kmに達するというギャロップに追いつける筈もなく、俺はポカンと立ったまま眺めることしかできないのだった。

 

 

「…お疲れ、バンギラス。ありがとう」

 

 

バンギラスをボールに戻すと、頬を叩いて気を取り戻す。

なんだか、釈然としない感じで勝負が終わってしまった。

まずはポケモンセンター行くかあ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は俺もかなり無理をした。ポケモンセンターの待合室でポケモンの回復を待っていると、ミュウがやって来た。

 

 

「もう!ますたー、わたし怒ってますよ?あの程度の小娘、わたしに任せて下さったらけちょんけちょんなんですから!」

 

 

どうだろうか。ノッブは相手の神性が高い程、神秘が濃い程真価を発揮する。ミュウとか伝説とかは最高に相手が悪いんじゃないだろうか。

 

 

「ああ、今度から頼ることにするよ…」

 

「わかったなら良いんです。ほら、ちょっと体を見せて下さい。すぐに治しますから」

 

 

言われた通りミュウに体を見せるとあっという間に調子が良くなった。流石はミュウ、ホント万能である。

 

…しかし、ノッブの力は予想以上だった。サザンドラもそうだが、本人の力が凄まじい。知名度補正は無いと高を括っていたが…恐らく別の方法でその補正に匹敵する力を手に入れている。

 

二つ、心当たりはある。まずは、抑止力だ。汎人類史の抑止によって知名度補正に匹敵する強化を受けている可能性は十分にある。

 

二つ目は、魔力である。この世界の大気のマナの濃度は、汎人類史の現代とそう変わらないのだ。これはおかしい。先程の戦闘から、ポケモンたちは神秘タップリの幻想種的扱いを受けていることがわかる。というかそれは大分前からわかってた。それならば、大気のマナの濃度も高くあるべきではないか?

そう思った異聞帯に来たばかりの俺は様々な調査を行った。すると、この世界ではマナが生物へと集まることがわかったのだ。それ故に凝縮されたマナを摂取して、世界からマナを供給されるポケモンたち、そして人間は汎人類史と比べて強靭なのだ。神というか伝説のポケモンが未だに存在していることも大きいだろう。世界に存在するマナの量が汎人類史と段違いである。

 

そしてこの世界に来てその潤沢な魔力を供給されれば、サーヴァントも確かに強くなるというもの。

この2つのことを考えると、知名度補正無しでもあの強さを誇ることに納得がいく。

 

 

「それにしても…俺、あの織田信長と勝負して、名前を憶えられたのかあ…」

 

「…ますたー、嬉しそうですね」

 

「えー?そんなことないってー」

 

「いや、めちゃくちゃ喜んでますよ。いいですか、あの人間は敵ですよ」

 

 

なんか、ミュウが不機嫌そうな顔をしている。

 

 

「いやいや、味方につけれるならそれに越したことはないってば」

 

「はあ…もういいです。ますたー、帰りましょう」

 

「ああ、そうだな。ちょっとこの異聞帯の経営方針を変更する。アルセウスのところに行こう」

 

 

まだまだやらなきゃいけないことだらけだ。

 

 

 




~Fate関係なく信長と関われて嬉しくない日本人なんていないよねっていう感じでポケモン用語解説~


・りゅうのまい
マンダは初手りゅうまいや!
こうげきとすばやさが一段階上がる。


・ポケモンセンター
神の施設。現実世界で言うなら年中無休24時間営業で完全無償の動物病院。
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