携帯怪獣地方 ジョウト 作:あたらんて
「さあ皆さんお待ちかね!本日のオールスターカップ、ジャンプコースが開催されます!」
ついにこの時がやって来た。待機室でポケモンたちの最後のコンディションチェックを行う。
「初めての方に説明致しましょう!このオールスターカップとはポケスロンの誰もが参加できるアマチュアコースにおいて全ての競技で世界ポケスロン協会が定めた記録に達した一流のポケスリートのみが参加できる大会!
この大会に出場できるポケスリートは全ポケスリート人口のおよそ5%程と言われています!
そのため全国からレベルの高い戦いを味わうためにポケスリートが集まってきます。そのいつもは見ないポケモンたちの実力を見られるのもオールスターカップの魅力と言えるでしょう!」
会場は満席。周りで同じく待機している他のポケスリートたちもその熱意・敵意を隠そうともせず緊張が高まっていく。
「そのオールスターカップの中でも本日の大会は見ものです!何しろ今日の参加者たちは――おっと、ここまでにしておきましょう。それでは選手の入場です!!」
チームを率いて入場する。
「私のエンジンは友情!私のモーターは勝利!チーム カイッッ!!!率いるポケモンはバクフーン、ボーマンダ、ギャロップ!!!
なんとこの選手、1日で全ての出場条件記録を達成し、このオールスターカップに出場するという超・新・星!!!!!!しかも一部の記録では大会新記録を出すという化け物振り!!!今回もこの選手の活躍からは目が離せなぁぁぁいっっ!!!!」
ギャロップはミュウが変身した姿だ。ぶっちゃけこのジャンプコースではジャンプ力に匹敵する位スピードが必要になる。そのためギャロップになってもらった。まあそれにミュウのままこんなカメラもあるような場所には出せない。続いて他のチームも入ってくる。
「フワッフワッ!彼女の周りは重力ですら遠慮するッッ!!チーム アキッッ!!率いるポケモンはワタッコ、ポポッコ、ハネッコ!!!
そのジャンプは落ちるということを知らないッ!彼女はこのオールスターカップジャンプコースの常連ッッ!!本日はどのようなプレイを見せてくれるのかあああーーーっ!!??」
進化系列で纏められている…ああいったチームは連携が上手い。気を付けるべき相手だ。
「私たちはどこまでだって行ける。行こう一緒にどこまでも!!チーム アミッッ!!率いるポケモンはブーバーン ルージュラ エレキブル!!!彼女もこのジャンプコースには初参加!大番狂わせの優勝となるやも知れませんッッ!とても楽しみです!!!」
…?一見ジャンプ力はあまり無いチームに見えるが…確かにある競技ではあのポケモンたちも強いだろう。
ただ、それよりも次の選手に誰もが注目している。今までの選手たちは皆前座だと言わんばかりの歓声。
「さあそして皆さんお待ちかねっっっ!!!天を駆けるジムリーダー登場ッッッ!!!!父のポケモンを受け継ぎ空を飛ぶッッッ!!!チーム ハヤトッッッ!!!!!率いるポケモンはオオスバメ、ピジョット、ムクホーク!!!
このジャンプコースにおいての戦績はまさかの無敗ッッッ!!!!ジムリーダーという仕事があるが故に出ている大会の数こそ少ないもののその勝ち続ける姿はまさに空の王者!!!今回の戦いでもその無敗記録を更新できるのかぁーーーーッッッ!!??」
ジムリーダー、ハヤト。ゲームにおいて最初のジムリーダー、ひこうタイプの使い手。実況の持ち上げ具合といい観客の期待といい間違いなく今大会において最強の敵といって良いだろう。
心の中でハヤト打倒を決意する。空の王者、堕としてやろう…!
「それでは開催します!一番目指してレッツー」
「「「「「「ポ ケ ス ロ ン !」」」」」」
「それでは1競技目、バウンドフィールドです。この競技はそれぞれ1チームごとに行われるもの。床に敷かれた超巨大トランポリンをご覧ください。制限時間1分の間に、トランポリンを用いて空中にある光るランプに触ると点数が入ります。ランプは触れると光が消え、一定時間後にまた点灯します。連続で触ると得点も増えていき、1、2、3、4、5と増えた後は5点がずっと続きます。
ルールとしましては飛んだ後、一度降下したらトランポリンに落ちるまで上昇しては行けません。これは鳥ポケモンなどが常に滞空し続けるのを防ぐためですね。そのため一度落ち始めたらその高さを維持するもしくは降りることしかできません。
この競技では一度にどれだけ飛べてたくさんのランプを触ることができるかという点でジャンプ力と、どのコースで飛べばたくさんランプを触れるかという点でテクニックが問われます!
さて、それではカイチームからの挑戦です」
ポケモンたちが位置についたのを確認して、準備OKのサインを出す。
「それでは3、2、1、スタート!!」
ポケスロンにおいて競技中トレーナーのすることは特にない。事前に伝えた作戦を上手くやってくれることを祈るだけだ。
まず、このバウンドフィールド。実はこの競技、そこそこのジャンプ力があれば後はあまりポケモンの力は関係ない。一番重要なのは、
案外このステージというのは狭い。ポケモンたちがランプに触ることに集中する余りぶつかることは往々にして起こる。
「おおっとぉ!?これはカイチーム、良い連携です!!純粋に上手い動きをしています!!注目すべきはバクフーン!!ベテランポケモンの動きをしています!!ぶつかりそうになると炎の噴射によって急旋回、上手く味方を回避しています!」
バクフーンは昔ポケスロンで腕を鳴らしたから当然として、ボーマンダはひこうタイプであるから空中での動きには慣れていて、ミュウにはテレパシーを使って連携を滑らかにするように指示してある。
良いぞ、これなら行ける…!
「さあ半分を切った!そしてカイチームの得点はただ今200点を越した!ここからどんどん飛ぶペースが上がっていく!上手い!ただ今バクフーンが一度のジャンプで45得点!!!」
ボーマンダはその長い滞空時間を使い着実に点数を稼ぎ、バクフーンはとにかく多く飛んで得点の機会を逃さない。ミュウも要所要所で他の二人が取れないポイントを取り、どんどんと得点は上がっていく。
「さあスパートです!!おおっと一気に加速します!余ったスタミナをここで使い切る!!
どんどん点数を増やしていき…3、2、1、終了です!!!カイチームの得点、438点!!!これは素晴らしい記録です!!!私もここまでの得点は中々見ない!!」
良し、中々良い記録を出せた。ゲームならばまず越されない記録だが…果たしてどうだろうか。
「私、何でこんなことやってるんでしょう…世界の危機なのに…」
ミュウが非常に良くないことを呟いている。いけない。洗脳をかけなければ。
「いいか?ミュウ。ポケスロンは偉大で崇高で神聖なものだ…これは異聞帯のためにも必要なことだ…だからこれは何も間違っちゃあいない…」
5円玉をミュウの顔の前で振る。
「あ…そうでしたね!絶対に優勝しましょうますたー!」
チョロい。
「終了です!!さあ残念ながらアミチーム得点は306点、アキチームの344点を下回り暫定3位となりました」
ワタッコ系列のアキチームはそのポケモンの性質故の長い滞空時間を使い、しっかりと点数を稼いでいったが、このレベルの戦いとなると逆にその滞空時間が仇となることもある。トランポリンを用いてもう一度飛び上がりたい時もまだ降りられないのだ。ランプを触るコースは非常に綺麗で連携も出来ていたが、今一つ得点が伸びず、344点となった。
そしてアミチームはブーバーン、ルージュラ、エレキブルと見るからにジャンプが得意そうな面子ではなく、思った通りあまり点数は伸びていなかった。ジャンプコースは初めてと紹介されていたし、まだ上手く性質を把握できていないのだろうか…?
「さて、それではハヤトチームの挑戦です!」
さあ、来た。ハッキリ言ってしまうなら、ハヤト以外のチームはあまり警戒していない。このチームの得点が俺たちを超えるか、というところだ。
「3、2、1、スタート!!」
始まった瞬間、3匹の鳥ポケモンたちは一斉に飛び上がる。それではぶつかるのではないかと誰もが危惧するも、ギリギリのところでお互いを回避する。どんどんとそのスピードを用いて点数を稼いでいく。
…見事だ。単純に、上手い。普段からポケモンたちはよく訓練されているのだろう。連携が完璧と言っても良い。流石はひこうタイプのエキスパートと言うべきか。
「すごいっ、すごいぞ!!あっという間に点数を稼いでいく!!さあ3、2、1、終了!!!結果はなんと474点!!1位のカイチームを抜いて暫定1位です!!これで4チーム全て結果が出そろいました。
この競技では得たポイントを3.5で割って総合得点に加算されます。
まずカイチームは125点、アキチームは98点、アミチームは87点、そしてハヤトチームは135点です!
しかしまだまだ始まったばかり!次の競技も気を引き締めて!」
流石、というところだ。負けてしまった。
悔しさを噛みしめながらも闘志を燃やしていると、次の会場に向かう最中にハヤトに話しかけられる。
「やあ、カイくんと言ったかな?」
「ええ。そちらはハヤトさんですよね。どうかしましたか?」
「いや、こういうのもなんだが今回の敵は君だと思ってね。先程の競技も見事だった。ライバル宣言、というやつかな?俺は負けないよ」
「なんだ、そんなことか。勝つのは俺だ。楽しみにしてるといい」
そして、ハヤトと別れる。ますます燃えてきた…!
「さあお次はキャッチソーサー!このドームにステージが設置されております。そのステージが4つに区切られているのが見えますでしょうか。
この競技では前方から飛んでくるソーサーをキャッチすれば得点が得られます!そしてその得点はキャッチした地点の真下の床によって違います。前から1ポイント、2ポイント、3、5となっていまして前で待機していると他のポケモンに先んじてキャッチできますが得点は低く、後ろの方で待機するとキャッチは難しいものの得点は高くなっております!
また、このステージから落下してしまうと一定時間復帰できません!そのため他のポケモンを押しのけるパワーも必要となってくるでしょう!
それと先程もありましたがルールとして、一度降下を始めると上昇ができないというのと、空中に同じ高さで居続けるというのも禁止となっております。
制限時間は60秒。それでは4チームとも位置についたでしょうか?」
バクフーン、ボーマンダ、ギャロップの姿をしたミュウが並ぶ。
「それでは3、2、1、スタート!」
さて。この競技において求められるのは滞空時間を伸ばすジャンプ力、他を押しのけるパワー、そしてソーサーの元へ駆け寄るスピードである。
俺はスピードに優れ確実に点数を稼いでいくミュウ(ギャロップ)を前方に、前方のポケモンが取り逃したソーサーを高いテクニックで取っていくバクフーンを中央に、そして端に近いため押し合いが発生する後方にはボーマンダを配置した。
「さあポケモンたちが分かれました!注目すべきは数度のキャッチで大きく勝負を動かす後方でしょう!カイ選手はボーマンダ、アキ選手は中央にポケモンを固めており、ハヤト選手はムクホーク。そしてなんと、アミ選手は…全員っ!3匹とも後方に配置しております!!!」
…やはり。押し合いに強いポケモンを持ってくることで後ろの点を稼ぎ一気に差をつける算段だろう。なんだかんだで点数の配分的に後ろの点数を取れれば1位になることは十分可能だ。
「おおっと!?ソーサーも飛んできて早速押し合いが始まる中ハヤト選手のムクホークがハヤト選手を一度見たかと思えば中央に動いた!」
恐らくハヤトがサインか何かを出したのだろう。ルージュラのエスパーの力を用いて連携してくる3匹との押し合いには勝てないと判断したのだろう。
しかし俺はボーマンダを動かさない。
「さあ後方ではカイ選手のボーマンダが孤立無援!流石に落とされるか、と、思えば…!?取った!ボーマンダがソーサーを取っています!
3匹を相手に負けていないぞ!?何というパワーだぁーーーっ!?」
このボーマンダはコンディションをパワーが最高になるように調整した。この競技のためだ。それに…。
「おぉっと!?ボーマンダが高く飛び上がった!!流石に3匹相手は厳しいものがあるか!
さあアキ選手、ソーサーを取るチャンスで、す…!?」
飛び上がっていたボーマンダが突如急降下する。
「なんとおぉぉぉぉっっっ!!??上空からソーサーをキャッチしつつ飛び降りて眼下のポケモンに攻撃を仕掛けるーーーっっ!!!ブーバーン、衝撃で落下してしまいました!!これは凄まじい!ボーマンダ、大活躍です!!」
あの3匹は空中では自由に動けない。後方はしっかりボーマンダ稼いでくれた。前方、中央も数が多かったなりには頑張ってくれた。
「3、2、1、終了です!!興奮冷めやらぬうちに結果発表に参りましょう!
下から順に行きましょう。残念ですアミチーム13点、アキチーム16点、ハヤトチーム31点、そしてカイチーム40点です!!!
総合得点に換算すると順に92点、98点、116点、122点となります!!」
良し!ここで1位を取れたのは大きい。この調子で行こうとポケモンたちを励ましていると、ハヤトがやって来た。
「…やるね。俺はまだまだ君の実力を見誤っていたようだ。次の競技は、絶対に勝たせてもらうよ。この競技において俺のピジョットは1位以外の順位を取ったことは無い」
そう真剣な表情で言うと、去っていった。
ここまで来ると、負ける可能性のある相手はハヤトのみだ。俺はより一層心を引き締めて、最後のコンディションチェックに入るのだった。
「なあミュウ。俺、この大会で優勝したらエンジュシティに行くんだ…」
「それ予定通りですよね。むしろ負けたらまだ居座るつもりだったんですか?」
「さあ遂にやってまいりました最終競技です。この熱戦が終わるのは悲しいことですが最終競技です!果たしてどのチームが勝つのか。全てこの1戦で決まります。
そんな最後の競技はダッシュハードル!!内容は至って単純!ハードルの設置されているコースを走り抜けて3匹のタイムの合計で点数が決まります!
先程までと違って今回はずっと飛行し続けることも可能ですが、ハードルの直前には加速装置が設置されており、ギリギリまで飛ばずにハードルの直前で飛べば速度が圧倒的に上がります!飛行したままではこれを使用することはできません。
また、スピードを出し過ぎるとハードルの回避が難しくなります。どれだけのスピードを出すかは難しいところです!
では、選手の皆さん位置について下さい」
さて。これは作戦も何もない。ポケモンたちの力を信じるだけだ。
「頑張ってくれバクフーン、ボーマンダ、ミュウ」
「それでは位置についてヨーイ、ドン!!!」
一斉にポケモンたちが走り出す。
「さあさあさあ1位はピジョット!そしてバクフーンが続きます!その下にはカイチームとハヤトチームのポケモンが入り混じる!両者一度もハードルにぶつかっておりません!上手く加速装置を使い、どんどんと下位のポケモンたちを引き離していきます!」
僅かにバクフーンがピジョットに届かない。
しかし、俺はバクフーンのことを信じている。1秒、また1秒と時間が過ぎていく。
そこで、ある変化が起こった。
「おおっと!?バクフーン、背中の火の勢いが増します!!こ、これは…!ジェット噴射の如くスピードが増していきます!!なんというスピード!それでいてハードルもしっかり躱し加速装置も使っていくー!!!!
なんということでしょう!!1位が変わります!ピジョットもラストスパートとスピードを上げますが追いつきません!
バクフーン、辛そうな表情ですがミスを犯しません!素晴らしい!なんという実力!まるで何度も何度もこのコースを繰り返してきたが如く!体が覚えているとでも言うのか!2位を引き離し、ゴォォォォォォォォルッッッ!!!1位はバクフーンです!!!!!」
良く、やってくれた…!!ゴールしたバクフーンに駆け寄る。
「よくやった!!よくやったぞバクフーン!!」
「Gaa…Gaaaa!!」
「感動のハグです!!おっと、私も涙が出てきてしまいました…」
俺は実況の言葉に耳も貸さずバクフーンを抱き締める。
「うっ…。なんて感動的なのでしょうか…この1位は大きいです。しかし結果はまだわかりません!この第3競技の結果はまだ明かさずに結果発表へと参りましょう!元のアリーナに戻ります!」
「そん、な…俺のピジョットが負けるなんて…」
ハヤトが意気消沈した顔で呟く。
「…ピジョット、よくやってくれた。アリーナへ行こう」
「Quaa…」
その主従の足取りは重い。しかし、まだ結果はわからない。顔はまだ希望を持っていた。
「…ねえ、マスター。私も3位取りましたよ」
「バクフーン頑張ったなあ…あ、ボーマンダもよく頑張った!6位でも十分だぞ!」
「え、ちょ、怒りますよ?え、わざとですか?わざとなんですか?」
「冗談だよミュウ!お前もよくやってくれたなあ!」
そう言って頭を撫でる。
「あ……えへへ」
チョロい。
「選手の皆さんお疲れさまでした。激闘を制したのはどのチームか結果発表です!」
結果発表が始まる。競技成績だけでなく、様々な賞やポケモンの種類によって貰えるポイントもあるため、どんな結果になるかはわからない。
「まずは…チャレンジ精神あふれるポケモンとチームに送るチャレンジボーナスです」
これは、ポケモンの種族間にある能力の差を埋めるためのボーナスだ。単純に言うなら、能力が低いポケモン程もらえるポイントも多くなる。
「カイチーム25ポイント!アキチーム36ポイント!アミチーム30ポイント!ハヤトチーム27ポイント!」
ミュウとボーマンダの影響が大きいだろう。少しポイントは少ない。
ちなみにこういった点数を決める大会委員にはミュウを見せている。
そういったところで公平さを欠くのはポケスリートとしては不本意なのである。
「続いて個人賞…ノーミスボーナスの発表です」
これは競技によって設定されているミスの条件を全て回避したら得られるボーナスだ。
「カイチーム バクフーン、ボーマンダ、ギャロップ。ハヤトチーム オオスバメ、ピジョット、ムクホーク。以上です。両チーム 30ポイントずつ加算されます」
俺とハヤトのポケモンが受賞する。この賞は誰も受賞しないこともあればこのようにたくさん受賞することもある。
「さあ続いてポイント王の発表です!」
これは単純に一番ポイントを稼いだポケモンに配られるボーナスだ。
「カイチーム バクフーン!20点加算されます!」
これは大きい。バクフーンのゲーム時代の経験の賜物だろう。動きが他のポケモンと比べて群を抜いて上手かった。
「続いて努力賞です」
これは大会をやるごとに基準が変わる。失敗回数、ジャンプ回数など様々なことの回数が多かったポケモンに得点が配られる。
「最も体当たりしたポケモンは…ハヤトチームのオオスバメとムクホーク!合計20ポイント加算です」
体当たりができるのは2競技目のキャッチソーサーのみである。恐らく数の多かった前方・中央で小競り合いをしていたのであろう。
そしてたまたま最多の数が2匹いたというわけだ。
「それでは最後に…競技のポイントが加算されます!」
表示されている点数が目まぐるしく変わっていく。
最初に止まったのはアミチーム、299点。次にそう時間をおかずアキチームが320点で止まる。
「さあ注目の2人です!ついに数字は400を越えましたっ!なんということかっ、まだ止まりません!!」
数字が450を超えてすぐに、数字が止まる。そしてその瞬間は一瞬の差だった。
「な、な、なんと!!!カイ選手458点、ハヤト選手457点でカイ選手、優勝です!!!」
今まで静寂を保っていた空間に、大きな歓声が響き渡る。
「おめでとうございます!優勝したカイ選手にはメダルが贈与されます!
これからもポケスリートの高みを目指して頑張って下さい!それではポケスローン…」
「「「「「「フォーエバー!」」」」」」
勝利の余韻に浸るのも僅かな間で、ミュウに急かされてスタジアムを去る。
「全く…何でこんなことを…血が騒ぐなんて言ってたんで、もっと深い事情があるとばかり…」
「でも、楽しかっただろ?」
「いや、まあ…そりゃ少しは楽しかったですけど…」
そんなことを話しながら歩いていると、誰かポケモンに乗って飛んできた。
「…ハヤト?」
「やあ、カイくん」
どうしたのだろうか。もしや無敗記録を止めた俺に復讐とか…?
「そんな怖い顔をしないでくれよ。あの勝負は確かに負けた。1点差だろうがなんだろうがそこは認めるさ」
「じゃあどうしたんだ?」
「いや…君の実力に敬意を表して、ね。君、バトルも強いんだろう?」
「まあ、一応自信はあるな」
「そうだよね。それで…君って、ジムバッジを集めていたりするかい?」
「ああ。今はコガネジムのバッジしか持ってないが…」
そう言うと、ハヤトは少し驚いた顔をする。
「そうなのか。あのポケモンたちの実力から見るに最低でも5個6個は集めていると思っていたんだが…それなら丁度良い。俺のジムのバッジを渡そう」
そう言って、ジムバッジを俺に投げて渡してきた。
「なっ…。お前、こんなことして良いのか?」
「ああ。構わない。規約には『ジムリーダーが認めた人物に渡す』とある。別にバトルする必要はないんだ。俺がいつもジム戦で見ているのはトレーナーとポケモンの絆。それをしっかりと感じ取れて俺を打ち負かしたからには渡さなければと思ったからね」
そうだったのか…。
「そうか、なら有り難く受け取っておこう」
「よし、じゃあこれからもバッジ集め頑張ってくれ。今年のポケモンリーグで会おう!」
そう言ってまたハヤトは飛んで行った。
「…ほら、な?ポケスロンも無駄じゃなかっただろ?」
「ええ…」
~ポケスリートとしての誇りをかけたポケモン用語解説~
・オールスターカップ
ゲーム内にて全10競技のCPU記録を塗り替えると参加できる大会。参加するとたまにジムリーダーとかと戦える。
でもぶっちゃけ記録更新を目指すときは相手が弱い程良いのであんまり使わない。