いつか、会いに行きます。

諦めるなんてありえませんから。

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あなたの傍にいられない

私が生まれた場所と。

 

彼が生まれた場所は。

 

絶対的な違いがあった。

 

 

 

彼は、不思議な人だった。

 

彼は、いつだって諦めなかった。

 

不屈だった。

 

私の前に立ったのだ。

 

 

強かった。

 

その動きにも。

 

その心にも。

 

私はいつの間にか惹かれて行った。

 

 

 

彼を愛してしまった。

 

 

戸惑いながら彼に着いていき。

 

決心して抗って見せた。

 

抗って戦って。

 

 

 

私は負けてしまったけど。

 

彼の雄姿を見た瞬間に。

 

 

私はなぜかありがとうって言いそうになった。

 

 

彼の相棒は死に。

 

彼自身は心ここにあらず。

 

 

 

彼のお世話ばかりをする日々。

 

 

静かに。それでいて早く過ぎ去っていくこの時間が愛おしく感じた。

 

 

 

 

彼が少しずつもとに戻っていることが私にはわかる。

 

分かるからこそ。今だけでも彼を独占していたい。

 

 

彼を離したくない。

 

彼を。

 

 

ー帰らせたくないー

 

 

 

そう思った瞬間に気づいてしまった。

 

 

 

 

「彼は違う世界で生まれたんだろう」

 

 

 

 

突拍子もない。

 

現実味もないのに。

 

笑えてしまう。

 

でも確信をしている。

 

 

彼と私の間には果てしないほどの距離があるのだろう。

 

 

彼に触れられている今この時この瞬間が、彼との最後の思い出。

 

 

 

 

気づけば彼の最愛の人物が現れ。

 

気づけば彼の仲間が集まった。

 

 

 

苦しかった。

 

ただただそれだけなのだ。

 

彼が行ってしまう。

 

 

私だけを置いて、彼とその仲間はきっと行ってしまう。

 

 

最愛の人と。

 

 

 

 

 

そう思った時、敵の攻撃を躱せなかった。

 

 

剣撃を受けてしまった。

 

 

 

 

あぁ。これで良いのだろう。

 

これで。これで悩まずに済むのだろう。

 

 

なのに。なんで。

 

なんで死なせてくれない。

 

 

 

 

その不屈の心を宿した最強の戦士は、私をいとも容易く救い出し。

 

私に再び希望と勇気を持たせようとしている。

 

 

置いていかれる私に。

 

 

そんな私に、そんなものを渡されても辛いだけ。

 

 

 

でも、助けられてしまった。

 

 

他を圧倒するほどの力量で。

 

他を追従させないほどの速さ。

 

 

そして、幻想にまで現れるほどの信念。

 

 

 

 

胸が熱くなった。

 

目頭も同時に。

 

 

涙が止まらなかった。

 

嗚咽が続く。

 

 

 

泣きやめないのだ。

 

情けないにもほどがある。

 

 

 

彼は戦い続ける。

 

その心の強さが欲しい。

 

凄く。凄くカッコいいのだ。

 

 

黒いロングコート。

 

闇をも従える剣。

 

形見となった永久凍結の剣。

 

 

その装いを見ただけで彼の仲間も涙した。

 

 

 

それほどなのだ。

 

それほど、彼らにとって。

 

キリトという人物は大きいのだ。

 

 

私だってそうだ。

 

彼のその姿を見るだけで力がみなぎる。

 

勇気を貰える。

 

 

英雄をその目に写してしまったせいで。

 

私は立ち上がってしまった。

 

 

彼は言う。

 

ーありがとう、遅くなったー

 

 

その言葉で十分だった。

 

私だって、僅かな時間だが狂おしいほど愛おしい宝物を貰えた。

 

 

 

彼の後ろ姿を見たせいで。

 

私は余計に諦められなくなってしまったではないか。


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