アルカディア号になって艦これの世界にお邪魔してみた   作:Archangel

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※とうとうお気に入りが300を超えてしましました。
 そして50話も目前に!
 よくここまで続いたと思いますが、これも諸兄氏のお陰です。本当に感謝しかありません。
 どこまで続けられるか分かりませんが、これからも宜しくお願い致します。


※イベントようやくE‐6まで来ました(笑)。


第48話 帰投編4(艦娘側:マリア・タチバナ中将)

 「ぐあっ!」

 

 「あうっ!」

 2つの悲鳴が上がった。

 一つは銃を弾き飛ばされた藤枝中将、もう一つはアルカディア号さんに手首を鷲掴みにされた細川大将のもの。

 

 「タチバナ中将、貴様!」

 右腕を抑えながら藤枝中将が睨む。

 

 「何をするかっ! 放せっ、この狼藉者が!」

 狼藉者? 貴女がそれを言うというの?

 

 「細川、貴様…、ウチの翔鶴と花火を泣かせたか。いや、それだけでは無い。あの美しい花火の足に傷を付けた罪は重いぞ!」

 アルカディア号さんがさらに力を込めたかと思うとパキッともペキッともつかない乾いた音と共に細川大将の悲鳴が響き渡った。

 艤装なしの状態で骨を折った?!

 艦娘といえども艤装を展開していなければただの人間と変わりないのはアルカディア号さんとて同じはず。

どれだけ力が強いのかしら?!

 

 「動かないで。少しでも動いたら次は足を撃つわよ。」

 細川大将を助けようとする藤枝中将に釘を刺す。

 

 「放せと言っているのだ! 小汚い海賊船の分際で私に触れるな!」

 まったく、騒ぐ奴ほど小物とはよくいったものね。

 

 「出来ればこちらもお前のような老け顔の女に興味も無いし触れたくも無い。が、二人を泣かせたとなると話は別だ。おまけに貴様が花火に付けた傷、あれは擦り傷ではなく火傷だ。間違いなく後が残るぞ!」

 フフッ、アルカディア号さんも随分ね(笑)。

 でも跡が残る傷を付けるなんて彼の言う通り論外だわ。

 

 「知った事か! 上官の命令を聞かなかった北大路にこそ責任がある!」

 

 「貴様、神の造形物ともいえる花火の足を傷付けておいてよくそんな事が言えるな!」

 あら、お二人がやり合っている側で面白い現象が起きてるわ。

 北大路大佐がどんどん赤くなって(笑)…。

 

 「何が神の造形物か、笑わせるな! 私と変わらぬ平々凡々ではないか!」

 

 「細川よ、貴様は少し感受性が鈍過ぎる。美しいモノを見れば素直にそう思えるようになれ。男から見て可愛げが無いぞ。それに踵の荒れた貴様の足を花火の足と一緒にするな。花火は柔らかくしっとりしてぷにぷにだ!」

 

 「まさか確かめたというのか?! この破廉恥海賊船が! 大体、しっとりなどただの油足なだけではないか! いいからさっさと手を放せ!」

 

 「…っ。」

 とうとう北大路提督が、両手で顔を覆って首を横に振り始めてしまったわ(笑)。

 

 「大神元帥への無礼を含め反省の色無しか。」

 そのまま、彼はコンテナまで細川大将を放り投げると剣先を向けました。

 

 「ひっ!」

 

 「アルカディアさん、止めるんだ!」

 大神元帥も叫びます。

 が、それよりも早くアルカディア号さんの剣先から光線が!

 誰もが最悪の事態を想像したけれど、弾け飛んだのは細川大将のピアス。

 

 「最初見た時はダルシムのような下品なピアスだと思ったが、これで随分と上品になったではないか。その方がずっといいぞ(笑)。」

 ニヤリと笑って細川大将を見下ろすアルカディア号さん。

 確かに一番根元の小さな円だけが残って随分と上品というか地味になったわ(笑)。

 でも『だるしむ』って誰なのかしら?

 

 「細川よ、翔鶴と花火を再び泣かせる事があったら次はその耳ごと無くなる、と…。」

 アルカディア号さん?

 

 「フッ、こいつは傑作だ。明石、応急修理妖精をよこせ。細川大将殿に派手な浸水、いや漏水が見られるぞ。」

 あら?!

 細川大将ったら、随分と大きな『水 溜 ま り』ね。

 私達、ホワイト鎮守府運営者から漏れたのは失笑だけど、貴女からは何が漏れたのかしら(笑)?

 

 「細川、自分がそれ程の恐怖を感じる事を何故、平気で他人に向ける? これから生きていく中でそれを忘れるな。」

 軍警に拘束されていく細川大将にアルカディア号さんが声を掛ける。

 まあ、彼の言葉が届くことが無いでしょうけど。

 さらにアルカディア号さんは踵を返し、藤枝中将の足の甲を踏み抜きました。

 声にならない悲鳴を上げ、のたうち回る藤枝中将。

 あれ間違いなく骨にひびが入ってるわね。

 そんな彼女を一瞥して北大路提督の下へ向かおうとするアルカディア号さん。

 その時、彼からひょっこりと出て来た妖精さんが突然、声を上げました。

 

 「きゃぷてん!」

 さすがアルカディア号さん、お連れしておられる妖精さんも随分と違うみたいね。

 

 「どうした螢?」

 

 「あるかでぃあごうの れーだーが さきほどから びじゃくでんぱを とらえています!」

 

 「そんな、また敵襲なのですか?」

 エリカ・フォンティーヌ大佐が不安そうにしてるわ。

 

 「螢、発信源は分かるか?」

 

 「はい、ぎゃくたんち しゅつりょく さいだい! はっしんげん かいせきかんりょう、ふじえだちゅうじょうの ねっくれす!」

 皆が一斉に藤枝中将に目を向ける。

 彼女を拘束しようとしていた軍警の動きまでが止まった程に。

 

 「藤枝中将、あなたそのネックレスどうしたの?」

 

 「これか? これは数年前に夜店の露天商から売れ残りとして貰ったものだ。」

 返事を聞いた真宮寺大将が厳しい表情になったわ。

 

 「何故そんな顔をする?! 失礼だぞ、これは貰ったもので盗んだ訳ではない!」

 大神元帥と真宮寺大将、いえ『さくら』さんは頷き合い、藤枝中将の前に立つ。

 

 「な、何をする! 貴様、無抵抗な者を切るというのか!」

 それでも厳しい表情を変えることなく剣に手を掛ける。

 誰も一言も発しない、アルカディア号さんもじっと見守るだけ。

 

 「破邪剣征、桜花放神!」

 気合一閃、さくらさんの剣が藤枝中将のネックレスを一刀両断すると、真っ二つになったネックレスから声が!

 

 「気付かれたか。せっかく海軍中枢部に我が傀儡を送り込めたというのに。」

 

 「貴様、何者だ?」

 アルカディア号さんがネックレスを拾い上げますが…。

 

 「私は波野静香。アルカディア号、この礼は近い内に必ずさせてもらう!」

 その言葉を最後にネックレスはアルカディア号さんの手の中で青白く燃えてしまったわ。

 同時に意識を失った藤枝中将が、その場に倒れ込みます。

 

 「大神元帥、それに真宮寺連合艦隊司令長官。話さなくてはならないことが出来た。午後からの会議では私にも少し時間を貰いたい。」

 藤枝中将が海軍軍令部の医療棟へ運ばれていく中、アルカディア号さんがお二人に直訴する。

 もちろん、お二人も直ぐに了承をして下さったけれど。

 

 「翔鶴、行くぞ。」

 アルカディア号さんが北大路提督を抱え上げたわ。

 

 「神崎中将閣下、救護室か医務室への案内を頼む。花火の手当てをしたい。」

 

 「は、はい! こちらです。」

 

 「あ、あのアルカディアさん、歩けます! 自分で歩けますから!」

 ジタバタする北大路提督だけど、彼から脱出できるはずもなく…。

 

 「提督さん、思ってる事が顔に出てるよ…。まあ、分からないではないけれど。」

 強制連行されていく北大路提督を目で追っていると護衛艦として連れてきた呆れ顔の瑞鶴が。

 そんなに分かりやすかった? と聞くと周りぐらいにはね(笑)と返される始末。

 

 「決めたわ。」

 物欲しそうな表情の周りを見て反省する(少し)も、やっぱり羨ましい!

 

 「提督さん?」

 

 「私もお姫様だっこにチャレンジするわ。え、身長186cm? 男役はさんざんやって来たの。たまには良いじゃない。」

 

 「…。」

 

 「ありがとう瑞鶴。応援してくれて嬉しいわ。この横須賀にいる間は難しいかもしれないけど、無理なら演習の際にでもお願いするつもりよ。」

 瑞鶴のジト目を受け流しこれからの予定に考えを巡らせる。

 

 「でも柱島第七泊地と演習予定なんて無かったというか、今まで一度もしたこと無い気が…。」

 

 「瑞鶴は当然主力メンバーなんだから気合を入れてもらわないとね。」

 

 「提督さん、ホント?!」

 姉の翔鶴が顕現(ドロップ)した時よりも嬉しそうね。

 やっぱり貴女もアルカディア号さんが気になるんじゃない(笑)。

 

 「だから、ね?」

 

 「心得たわ。でも流石は東京花組の重鎮、提督さんも悪いわね(笑)。」

 

 「ええ、どこぞの五航戦のお陰かしら(笑)。」

 二人で顔を見合わせてクックックッと哂う。

 舞鶴に帰ったら早速、予定の確認をしないと。

 

 アルカディア号さん、逃げられると思わない事ね(ペロリ)。

 




※細川大将から何か漏れたようですが、さすがにそこは見て見ぬふりというのが
 我々紳士でしょう。
 まあ、これもしっかり全鎮守府・泊地・警備府・基地に中継されてるんですけどね(ご愁傷様)。

※花火ちゃんの足:この一件以降、かなり自分の足を気にするようになります。
 出来るだけアルカディア号の期待に応えるつもりのようです。自分では微塵も
 キレイな足だとは思っていないのですが健気ですねぇ(笑)。

※どうやら藤枝中将は潜伏していたマゾーンから操られていたようです。
 TV版を見ていた方なら波野静香という名前はもうご存知ですよね?

※マゾーンと深海棲艦にどのような繋がりがあるのでしょうか?!
 アルカディア号も本腰を入れて戦場に立つ必要が出て来たのかもしれません。
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