幽霊に呼吸を習いました   作:星天さん

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★作品紹介

・五条先生になりました
(ハイスクールD×D × 呪術廻戦[五条悟系オリ主])


・無個性だからって諦められるかよ!!
(僕のヒーローアカデミア × ワンピース[覇気・剃・月歩を使うオリ主])



日輪を継ぐ者…④

「皆…無事か?」

 

部屋の中に入ってきて暴れ回っていた手毱を細切れに変え、炭治郎、禰豆子、珠世さん、愈史郎の安否を確認した。この部屋に居る全員、傷一つ無い事を確認でき、少しだけ安堵をしつつ、出入り口に現れた二体の鬼に目を向けた。出入口に現れた二体の鬼の姿は、炭治郎位の背丈の子供の姿をしている男と女の二体だ。

 

「今この場で鬼を倒せるのは…日輪刀を持つ俺と炭治郎だけだ。出来るか炭治郎?」

 

「はい!出来ます!!」

 

珠世さんと出会ったばかりの頃、珠世さんに鬼同士の戦いには決着があるのかと尋ねた事があった。珠世さんから鬼同士の戦いの決着は、どちらかが鬼舞辻無惨の名前を言い、鬼舞辻無惨が鬼にする際に施してある呪いを発動させるか、相打ち覚悟で太陽が登るまで戦い続けるかの二つしかないと言っていた事を思い出していた。

 

 

 

 

「どっちを倒す?」

 

「俺は手に目が付いている鬼で!珠世さん達を庇いながら戦うのは、俺の技量では無理だと思うので手毱の鬼は亮壱さんにお任せします!」

 

亮壱の問に炭治郎は木の枝に腰掛け、目が付いている両手を此方に向けている鬼を選んだ。炭治郎が両手に目を付けている鬼を選び、亮壱は手毱を地面に弾ませながら遊んでいる鬼に視線を向けた。

 

「分かった…。矢印の鬼は炭治郎に任せる…」

 

炭治郎が両手に目を付けている鬼に向かう直前、愈史郎から炭治郎が戦う矢印の血鬼術を使う鬼と聞かされた。通常では目視する事が出来ないらしく、愈史郎は視覚を炭治郎に貸し与えた。

 

「炭治郎と言ったな」

 

「は、はい!」

 

「俺が視覚を貸したんだ…負けるなんていう無様な事だけはするなよ?」

 

愈史郎なりの激励を炭治郎に飛ばすと、愈史郎の言葉の真意を匂いで察した炭治郎は頷き、鬼へと向かって行った。こんな状況では不謹慎だと思っていても、珠世は愈史郎が他者に力を貸した事を嬉しく思っていた。

 

 

 

炭治郎が両手に目を付けている鬼の討伐に向かい、この場には俺、愈史郎、禰豆子、珠世さん、そして襲撃をかけてきた鬼だけになった。

 

「お前は[あの御方]が言っていた痣の剣士だな?お前を殺し、その首を持ち帰れば[あの御方]が血を御与えくれると仰った。[あの御方]の役に立ち、血を御与え貰う為に、その首を貰う!!」

 

鬼の言う[あの御方]というのは、浅草に居た鬼舞辻無惨の事だろう…。炭治郎に言われて、浅草に居た奴が鬼舞辻無惨だと知る事が出来た。俺は鬼舞辻無惨の容姿を思い出していると、どうしても〖乾燥させたわかめ〗の様な頭に、脳みそが三つある事しか思い出せなかった。

 

「鬼舞辻無惨は…頭に乾燥させたわかめを乗せるのが趣味なのか?」

 

「プフッ…。(無惨が…わかめ頭)

 

気になっていた事を鬼に質問をすると、何故か後ろで珠世さんの笑い声が聞こえてきた。おかしな事を聞いたのかと思っていると、手毱の鬼が顔を赤くし、手に持っている手毱を強く握り震えながら口を開いた。

 

「こ、この痴れ者が!!あの御方を馬鹿にする発言は万死に値する!!」

 

手毱の鬼が怒りながらそう言うと、手毱を俺に向けて投げた。ゆっくりと向かってくる手毱を斬ろうと、日輪刀に手をかけると禰豆子が俺の前に立った。俺の前に立った禰豆子は向かってくる手毱に蹴りを放ち、そのまま手毱を鬼へと蹴り返した。

 

「ムームー!」

 

「手伝ってくれるのか?」

 

「ムー!」

 

「手伝おうとしてくれる気持ちだけ貰っておくよ禰豆子…。だけど、此処からは俺の仕事だから珠世さんと一緒に下がっていて欲しい…」

 

「ムー」

 

渋々といった感じだが、禰豆子は珠世さんと愈史郎の元まで下がってくれた。手毱鬼は禰豆子が手毱を蹴り返した事に驚き固まっていたが、禰豆子が下がると再び戦闘態勢に入った。

 

 

 

 

「1つ聞く…。六つ目の鬼を知っているか?」

 

亮壱は毛毱鬼に、六つ目の鬼──継国縁壱の兄を知っているのかと尋ねた。しかし、敵対している者の質問に手毱鬼は答えるはずも無く、亮壱の問に答える事無く手毱を投げ攻撃を仕掛けた。

 

「知らないのか…」

 

亮壱は呟き、迫り来る手毱が間合いに入った瞬間、亮壱は誰の視界にも刀身を見せぬ速さで手毱を斬り落とした。周りからは手毱が亮壱に近づいた瞬間に突然斬られた様にしか見えず、驚いていた。

 

「な、何をした!! お前は柄に触れていただけで抜いていない筈、それなのに手毱が斬られている!!」

 

「ちゃんと日輪刀を抜いて斬った…。俺は長々とお前に付き合っている時間は無い…」

 

亮壱は地面を強く蹴ると、一瞬にして手毱鬼の眼前まで移動した。手毱鬼は突然目の前に現れた亮壱に反応出来ず、為す術なく亮壱に首を斬られた。手毱鬼は斬られたにも関わらず、痛みは無く、暖かな日の光に包まれているような感覚を体験していた。

 

 

「暖かい…もっと手毱で遊びたかった──」

 

「来世では、暖かな日の光が射す時間帯で遊べる様に祈っている…」

 

亮壱の一言を最後に、手毱鬼は灰となりこの世から姿を消した…。

 

 

 

 

愈史郎さんのお陰で、両手の平に目があり、血鬼術で矢印を飛ばしてくる鬼に辛勝する事が出来た。ただ、矢印の鬼が死に際に放った矢印の血鬼術で体はボロボロになり、這って動く事しか出来なくなった。

 

「辛そうだな炭治郎」

 

「亮...壱...さん」

 

「相当苦戦した様だな──よく頑張ったな炭治郎」

 

地面に這いつくばっていた俺を亮壱さんは、横抱きで持ち上げながら禰豆子の元に連れて行ってくれた。横抱きで運ばれている時は、とても恥ずかしかった。横抱きは女性がされるものだと思っていたし、それに亮壱さんの顔が近かった。改めて亮壱さんの顔を見ると、肌が白くて綺麗で、顔の造形が整っていて色男と言っても過言では無い。

 

 

 

 

 

 

日が登り始め、珠世さんと愈史郎は、眠りこけている禰豆子を連れて地下室に向かって行った。俺は、炭治郎を横抱きで運びながら続いて地下室に入った。地下室に着くと禰豆子は目覚めていて、珠世さんに抱きつきながら愈史郎の頭を撫でようとしていた。禰豆子の行動は鱗滝さんがかけた暗示で、二人が死んだ家族に見えているらしい。

 

「炭治郎を頼む…」

 

「分かりました。愈史郎、炭治郎さんの治療を行いますよ」

 

「分かりました珠世様!」

 

炭治郎は極度の疲労とあばら骨が折れていると診断され、愈史郎の治療を受けていた。炭治郎が治療を受けている間、珠世さん達が今後どうするのかについて聞いた。珠世さんは、鬼舞辻無惨に場所が割れてしまっているこの屋敷を手放し、別の場所に移動するらしい。

治療が終わった炭治郎に、珠世さんは禰豆子を預けないかと提案をした。珠世さんの提案に、炭治郎は禰豆子と互いに顔を見合わせて少しだけ考える素振りを見せて答えを出した。

 

「珠世さん、ありがとうございます。でも、俺たちは一緒に行きます。離れ離れにもなりません。もう二度と」

 

「わかりました...。では、貴方達の武運長久を祈ります。亮壱さん、新たな住居に移転次第、茶々丸に手紙を届けさせます」

 

「分かった…」

 

「じゃあな、俺たちは痕跡を消してから行く。お前らも、もう行け!!」

 

禰豆子を箱の中に入ってから、地下室を出ようと階段の方へと向かい、俺と炭治郎は珠世さんと愈史郎に再度礼を言ってから階段を登ろうとしたら、愈史郎が炭治郎の名前を呼んだ。 

 

「もっと強くなれ。今のままでは妹を守る事なんて出来ないぞ!」

 

「は、はい!! これからも精進します!」

 

俺達は地上へと向かった。

地下室から地上へと上がると、炭治郎と俺の鎹鴉達が待っていた。俺達を待っていた鎹鴉達から次の任務を言い渡され、炭治郎と共にその場へと向かった。




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