幽霊に呼吸を習いました   作:星天さん

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大変お待たせしてしまって大変申し訳ありませんでした!


鼓屋敷…中編

任務前の腹ごしらえを済ませ、再び任務地へと足を進めた。先程までは泣き叫んでいた善逸は大人しくなり、俺の羽織の袖を掴みながら歩いていた。羽織の袖を掴んで歩くのはいいんだが...「死ぬよ〜死んじゃうよ〜」「亮壱さん、必ず守ってよ?」と、ブツブツ言うのを辞めて欲しい。声を震わせながら言っているから、耳に残って夢に出てきそうだ…。

 

「善逸!雀だけでなく亮壱さんを困らせるな!どうしてそんなにも恥を晒せるんだ?」

 

「言い方酷すぎだろ!?」

 

目的地がある山の中に入る前に、ずっと羽織の袖を掴んでいた善逸を炭治郎が純粋な毒を吐きながら引き剥がしてくれた。善逸は俺から剥がされた事で炭治郎に文句を言い、田んぼ道でやっていたやり取りを再び始めた。少し騒がしくなったが足を止めずに歩き続け、目的地である鬼の住処に辿り着いた。

 

「血の匂いがする...。それから嗅いだことない匂いも」

 

「何か匂うの?匂いは感じないけど屋敷から変な音が聞こえない?」

 

善逸は、炭治郎同様に五感の1つが優れている様だ。

俺は微かに屋敷内の音が聞こえているが、善逸は屋敷内の音が鮮明に聞こえている様で、聞こえてくる屋敷内の音で善逸は顔色を青くしていた。顔色を青くしている善逸を心配すると同時に、今年の隊士は質が良く、期待出来そうだ。

 

「鬼の根城よりも、あの子らをどうするかだ…」

 

俺達三人が鬼の根城に辿り着く前から、茂みに隠れて居たであろう兄妹に視線を向けた。嗅覚と聴覚が優れている炭治郎と善逸も兄妹に気が付き、兄妹が怯えないように優しい声色で、こんな所に居る理由を聞いた。

兄妹が此処に来た理由は、この兄妹にはもう一人兄がいるらしいんだが、その兄が鬼に連れてかれ、兄妹は兄を取り戻そうと鬼の後をつけてこの山にいると話してくれた。

 

「良く頑張った…」

 

頭を優しく触れながら、俺は兄妹を労った。

自分達が鬼に喰われるかもしれないのに、連れ去られた兄の為に行動した兄妹に労いの言葉をかけた時だった...。善逸が、さっきよりも屋敷から聞こえてくる音が変と言いだし、俺や炭治郎にも聞こえる鼓の音が屋敷から聞こえてくる。

 

パタンッ!!

 

屋敷の二階にある窓の開く音が聞こえた瞬間、服や体中が血に染まっている男が投げ出された。俺は直ぐに宙へと投げ出された男の元へ走り、男が地面と接触する前に落下地点に入り、男を受け止めた。血塗れになっている男を受け止めると、男は口をゆっくりと開きながら何かを呟いた。

 

「せっ…かく...外に...出られたのに...死ぬのか...死に...たく...ない...」

 

「すまない...。俺達がもう少し早く来ていたなら」

 

血塗れの男は、「死にたくない」と涙を少し流しながら俺の腕の中で息を引き取った。死んでしまった男をゆっくりと地面に下ろし、幼い子供に遺体を見てもらうのは酷だが、兄妹にこの男は二人の兄か?と尋ねた。俺の問いに二人は首を横に振り、自分達の兄では無いと答えた。この男が兄でないとすれば、屋敷内から感じる人の気配は、此処に居る兄妹の兄では無いかと考えていた時、屋敷の中から鬼の咆哮が響き渡り、善逸と兄妹は怯え、炭治郎は驚きの表情で屋敷を見ていた。

 

「亮壱さん、今のは…」

 

「鬼が吠えたのだろう…。それよりも、この屋敷の中で人の気配を二つ感じた。お前達の兄は生きてる可能性が高い」

 

「ほ、本当ですか!?兄ちゃんは、生きてるんですか!!」

 

「確実では無い…。俺は今から生存者を救出に向かう…」

 

まだ生きている人間を救出に向かうべく、屋敷の入り口へと一人で向かった。入り口に着き、中に入ろうと扉に手を掛けると炭治郎が小走りで俺の隣に来た。

 

「亮壱さん!!俺も行きます!」

 

「お前は怪我人だ…。大人しく待っていろ…」

 

「いえ!俺も行きます!」

 

肋を折ってる炭治郎には、兄妹達と共に留守番をしてもらおうと思っていたのだが、鬼殺隊士として責任を果たすと言って、聞いてくれ無さそうだから連れていく事にした。炭治郎は、善逸も連れていき、兄妹の兄を救う効率を上げようとしていたが、善逸がずっと拒否し続けていると般若顔になった炭治郎が怖かったのか、渋々着いてくる事になった。

背中に背負っていた箱はどうしたと尋ねると、箱は兄妹に預けたそうだ。

兄妹に禰豆子が入っている箱を預けてから、俺が先陣を切って最初に屋敷の中へ潜入した。俺が入ってから炭治郎、善逸の順に屋敷の中へ入り、屋敷中を散策しようとした時だった。

禰豆子が入っているの箱と共に待っているようにと言った、兄妹が走って屋敷内に入ってきてしまった。

 

「何故来た…。炭治郎が箱と共に待っていろと言った筈だ」

 

「だ、だって...。あの箱からカリカリと不気味な音が聞こえてきて」

 

兄妹は中からカリカリと禰豆子入り箱に怯え、外に放置して俺達の所に来たらしい。今すぐに引き返す様に言おうとした時、ポン...と鼓を叩く音が聞こえてきて──俺は一人何処かの部屋に移動していた。




読んでいただきありがとうございますm(_∞_)m
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