幽霊に呼吸を習いました   作:星天さん

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主人公の呼吸を錆兎、義勇、真菰に伝えるシーンを書いてなかったので再投稿しました。


日輪と水

最終選別を乗り越えてから一月が経った。

日向(鎹鴉の名前)から伝えられた任務をこなしながら、行く先々で出会う鬼達に鬼舞辻無惨と六つ目の鬼になってしまった師範の兄の行方を聞いて回っていた。

 

「あ!亮壱!」

 

今日の任務が無くなり、暇を持て余した俺は団子屋で、みたらし、小豆、三色団子を食いながら茶を啜り、近くの藤の家に世話になろうかとボーッと考えていると前方から俺に手を振りながら真菰がやってきた。

 

「久しぶりだな真菰....怪我はもう治ったみたいだな」

 

「うん!亮壱の処置が良かったから後遺症が残る事もなく治ったんだ!」

 

それから真菰は、俺と同じ団子と茶を頼んで隣に座った。

 

「亮壱、私ね!怪我が治ってから初任務をこなして兄弟子達の継子になったんだよ!」

 

「噂で聞いているから知っている...真菰の兄弟子二人は水柱だよな?」

 

「そうだよ!義勇は柔剣で錆兎は剛剣、互いに下弦ノ鬼を倒して、どっちが水柱になるか話し合った結果、御館様が錆兎と義勇を両方とも水柱にしたんだ!」

 

真菰は兄弟子二人の継子になってからの事を団子を食いながら楽しそうに話し始めた。

修行内容が鱗滝さんの所で学んでいた時よりも厳しい事や錆兎の作るご飯が美味しいとか全集中・常中を三時間維持できるようになったと、楽しそうに話していた。

 

「それとね亮壱、私に可愛いお友達が三人と妹が出来たの!」

 

真菰は怪我を治す為に隠に連れて行ってもらった蝶屋敷という所で、胡蝶カナエ、胡蝶しのぶ、神崎アオイと友達になり、蝶屋敷に俺たちより年齢が一つ下の栗花落カナヲが妹になったと嬉しそうに話していた。

 

「カナエちゃんはね、錆兎と義勇と同じで柱だったんだけど、私達が最終選別を受けていた初日に上弦ノ弐のせいで柱を降りる事になっちゃったんだって」

 

柱でも倒せない鬼が居るということは、豆腐みたいな体では無く、どんな硬さをしているのかが気になった。

真菰が言うには、上弦ノ鬼達は鋼より硬いらしい。

 

「今夜は任務ある?」

 

「今日の任務はない.....」

 

真菰に今夜の任務の有無を聞かれ、無いと答えると、突然真菰が自分の鎹鴉を呼び寄せて、何かを鎹鴉に伝えると鎹鴉は何処かに飛んで行ってしまった。

 

「任務が無く暇だったら水屋敷に行くよ亮壱!」

 

「水屋敷?」

 

「うん!水屋敷は御館様が柱に与える屋敷なんだ!」

 

「そうなのか.....だが、いきなり行ったら迷惑じゃないか?」

 

「全然迷惑じゃないよ?寧ろ錆兎と義勇が亮壱に会ってみたいって言ってたんだ!」

 

「迷惑じゃ無いならお邪魔します.....」

 

団子屋で会計(真菰の分も)を済ましてから、真菰に手を引かれながら水屋敷へと行く事になった、

水屋敷に行く道中で真菰に今夜の寝泊まりはどうするのかと聞かれて藤の家に世話になるつもりだと言ったら、水屋敷で泊まればいい(真菰に水一門が泊まると言うまで留まらせる)と言われ泊まる事になった。

 

 

「錆兎!錆兎!真菰チャンカラ伝言ダヨ!」

 

義勇と共に鍛錬をしていると真菰の鎹鴉が伝言を持って俺達の元にやって来た。

真菰からの伝言は最終選別で世話になった榊亮壱と一月ぶりに再会したらしく、榊亮壱は今日任務が無く、暇を持て余しているらしく水屋敷に連れてくると言う内容だった。

 

「榊亮壱...。真菰を救い、兄弟子達を殺してきた鬼を倒した恩人か.....」

 

「泊まっていく──というか、真菰が泊まらせるみたいだ」

 

「錆兎、今夜は鮭大根でもてなそう」

 

「それはお前が食べたいだけだろ義勇」

 

義勇との鍛錬を一時中断して、来客用の布団を一度、日に当てる為に干して、夕餉は何を作ろうかと屋敷にある食材を見て献立を考えていた。

 

 

真菰に連れて行かれている途中で、手ぶらで行くのは気が引け饅頭を買ってから水屋敷にやってきた。

 

「ただいま〜、錆兎!義勇!亮壱を連れてきたよ〜」

 

真菰は門を開けて中に入りながら大声で言った。

俺も真菰に続いて門の中に入ると玄関前で一人の男が立っていた。

 

「おかえり真菰....。後ろにいるのが榊亮壱か?」

 

「そうだよ義勇!」

 

「そうか....。最終選別で妹弟子を助けてくれてありがとう...俺は水柱の一人、冨岡義勇だ。呼び方は義勇でいい.....」

 

「階級、庚の榊亮壱と申します。今日は突然お邪魔してしまい申し訳ございません。口汚しになりますが饅頭をお持ちしました」

 

「迷惑では無い.....中に入れ」

 

義勇さんに饅頭を渡してから、中に入れと言いながら義勇さんが屋敷の中に入っていき、それに続いて真菰と俺も屋敷の中に入った。

 

「おかえり真菰、その後ろに居るのが榊亮壱でいいのか?」

 

「ただいま錆兎!。うん、そうだよ!」

 

「真菰が大分世話になったな。俺は水柱の一人鱗滝錆兎だ!錆兎と呼んでくれ!」

 

「階級、庚の榊亮壱と申します。今日はお世話になります」

 

水柱二人は顔立ちが良く、突然の宿泊でも迎えてくれた器量の良さに、絶対にモテているだろうと、錆兎さんと挨拶を交わしながらそう思った。

 

「亮壱は食べ物好き嫌いはあるか?」

 

「嫌いなものは無いです、好きな物は鶏大根です」

 

「!?」

 

好きな物を言ったら義勇さんが目を見開き反応して見てきた。何か気に触る事でもしてしまったのかと考えた時、義勇さんが語り出した。

 

「亮壱...鮭大根も美味いぞ」

 

「鮭大根って何ですか?」

 

「あれはこの世が生んだ奇跡の食べ物だ。鮭大根を食べた事が無いとは人生の半分を損しているぞ。亮壱、今度俺が通っている鮭大根の美味い店に連れて行く」

 

義勇さんが鮭大根を熱く語ってから何時の間にか今度一緒に食事に行く事になった。

 

「んん!義勇、お前の鮭大根への熱意は分かったから亮壱と話させてくれ」

 

「話とは?」

 

「真菰からお前の話を聞いた時!亮壱に会えたら手合わせをしたいと思ってな、無理にとは言わないがどうだ?」

 

「俺も....亮壱と手合わせを願いたい」

 

「────分かりました。今日泊めてもらう恩として受けさせていただきます」

 

「本当か!?なら、早速庭に行こう亮壱!」

 

嬉しそうに笑う錆兎さんの後ろに付いて庭に向かい、義勇さんは三人分の木刀を取りに行った。

 

 

錆兎と義勇が亮壱と手合わせするところを見ようと縁側に座って三人を眺めて見ていた。

錆兎と義勇がどちらが先に手合わせするか話し合いをしていたんだけど、義勇が鮭大根の誘惑に負けて錆兎が先に手合わせする事になった。

 

「真菰!手合わせの合図をしてくれ!」

 

「分かったよ〜!」

 

二人が木刀を構えてから合図を出す準備をした。

 

「始め!!」

 

手合わせの合図をしたと同時に最初に動き出したのは錆兎だった。

 

「水の呼吸捌ノ型・滝壷!!」

 

「日の呼吸伍ノ型・陽華突...」

 

錆兎の強力な滝壷に亮壱が突きを繰り出すと信じられない光景が目の前で起きた。

錆兎の滝壷が亮壱の突き、木刀の剣先で受け止められたのだ、この光景に私だけでなく義勇も驚きに満ちた顔をした。

 

「水の呼吸陸ノ型・ねじれ渦!!」

 

「日の呼吸拾壱ノ型・幻日虹」

 

滝壷を受け止められた錆兎は直ぐにねじれ渦を繰り出したけど、亮壱がもの凄い速さで錆兎のねじれ渦を回避した。

 

「はは!まさか攻撃が当たらないとは思わなかった!」

「現水柱に言われて光栄です。続きを始めますか?」

 

「いや、辞めておこう」

 

錆兎がそう言った時──

 

ピキッ!!ピキピキ......カランカラン・・・

 

錆兎の木刀の中心からヒビが入り、折れて地面に転がった。

そんな光景に唖然としていると錆兎が笑いながら木刀が何時折れたかを説明してくれた。

 

「亮壱が突きで滝壷を受け止めた時にヒビが入ったんだ。一月前に入ったばかりの新人隊士だと侮ってはいけなかったな!亮壱と手合わせして分かった事は亮壱の実力が底知れない事だな」

「褒めていただきありがとうございます」

 

「これからも時々、手合わせをしてくれないか?お前との手合わせはきっと俺がもっと強くなるのに必要だ」

 

「俺との手合わせなんかで強くなれるか分かりませんが、俺で良ければ御相手になります」

 

「よろしくな亮壱!」

 

錆兎は楽しそうに笑いながら言った。

 

 

錆兎さんと義勇さんとの手合わせが終わり、真菰が持ってきてくれた水で濡らした冷たいタオルを持ってきてくれて顔を拭いていた。

錆兎さんと義勇さんとの手合わせは楽しく、錆兎さんは荒々しく力強い水の呼吸で義勇さんはその反対で穏やかに流れる水の呼吸で中々出来ない体験が出来て、真菰と出会って良かったと思った。

 

「ねぇ亮壱!夕餉食べ終わったら私とも手合わせしてよ!」

 

「分かった......」

 

「本当!やったー!」

 

夕餉が食べ終わったら真菰と手合わせをする事になった。

本当に今日は中々楽しい日を過ごさせてくれた真菰に感謝をしながら、錆兎さんが作ってくれた夕餉を食べた。

 

「そう言えば、亮壱って何の呼吸使ってるの?錆兎と手合わせした時、炎が見えたけど炎の呼吸?」

 

「亮壱が使っている呼吸を教えてくれないか?」

 

「真菰、錆兎と同意見......」

 

三人から俺が使っている呼吸について聞かれ、食事していた手を一度止め、箸を置いた。

 

「俺が使っている呼吸は日の呼吸です」

 

「火の呼吸?火って紙を燃やす時に使う火?」

「その火では無く、日輪の日だ。炎、水、雷、風、岩の五大呼吸は日の呼吸から派生して生まれた呼吸で、日の呼吸は全ての呼吸の始まりだ」

 

俺の使っている呼吸と日の呼吸について説明し終わると、三人は日の呼吸について全く知らなかったみたいで唖然としていた。

 

「え、え、じゃあ!始まりの呼吸を亮壱が使えるって事だよね?凄いね亮壱!」

 

「日の呼吸と言う呼吸があったのか...」

 

「それを教えてくれた育手は今何処に居るんだ?」

 

「教えてくれた師範はこの世に(元々故人で)居ないです......」

 

「そうか...悪い事を聞いてしまったな亮壱」

 

呼吸の説明が終わってから再び食事に戻った。

育手である師範はこの世に居ないと言ってから、錆兎さんが時折、励ましの言葉をかけてくれたり、何時でも遊び来てもいいと優しい言葉をかけてくれた。

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