美少女後輩に監禁されるところから始まるラブストーリー。
純愛
ひたすらな愛情、純粋な愛。
恋とはいつ始まるか知ってるか?
少なくとも俺は知らない。
知りはしないが……
「せんぱぁい、話し聞いてます?」
少なくとも拉致監禁から始まることは無いんじゃないかなぁと思いたい。
大学も夏休みに入り、特別サークルに入っていたわけでもない俺は、さっさとレポートを書くために図書館へと向かっていた。
なぜ自宅でやらないのかと言えば、家には誘惑が多すぎるからで、例えば買ったばかりの新作ゲームだとか、パソコンだとか、積み過ぎてそろそろ雪崩を起こしそうなプラモ類だとか。
そんな誘惑を振りきって真面目に勉学に励むことができる人間が多ければ、多分世の中の戦争はいくらか減っているだろう間違いないね。
街の図書館で必要な資料になる本を集めて、端の方の学習スペースで持参したノートパソコンにレポートを書き込んでいた。
俺にしては珍しく集中して作業できたようで、一時間ほど黙々とレポートを纏めていた、流石に疲れてきたなと伸びをすると、目の前に腐れ縁の後輩が座っていて驚いたのを覚えている。
「ずいぶん集中してたみたいっすね、せーんぱい?こんな美少女をほったらかしにして」
「気付かなかったのは悪いと思うけど、普通自分で美少女だなんて言うか?」
確かにコイツは間違いなく美少女だ。
タレ目気味でやる気を一ミリも感じないような瞳はダークブラウン、その瞳の色と近いサラサラの髪はショートボブで見た目の割に活発で体育会系なこいつによく似合っている、間違いなく顔は整っている。
だからといって普通自称はしないだろう、羞恥心というものはないのだろうか?
正直中学生の頃からずっと同じ中学高校大学と続いているので、見慣れてしまって今となっては特別な感動は無かった、それくらいの腐れ縁である。
「ひどいっすねぇ、これでもついこの前も告白されたばっかりの人に向かって」
「どうせまた断ったんだろ?」
「まあそうッスけど、だって全然好みのタイプじゃなかったんですもん、相手を選ぶ権利くらい当然あるじゃないっすか」
こいつは中学の頃から何回も告白されているのに、なんと未だに彼氏を作ったことがないのだ、全員好みじゃないそうなのだが、むしろコイツの好みは一体どんなタイプなのだ、無性に気になってくる。
「お前そんなんだとその内行き遅れちまうぞ」
「むー、イイっすよそうなったら先輩に貰ってもらうんで」
「いや、なんで俺が貰う前提なんだよ」
「だって今自分が連絡とってる男の人って先輩とおとーさん位のものっすよ?」
なんでこいつの交友関係は変なところ狭いんだ、友達いっぱい居るのに。
そんな雑談を挟みながら俺は変わらずレポートを作っていた。
一人で黙々とやるよりは遅くなるが、どうせ一人でやったってすぐに集中が切れてやめてしまうのだし変わりない。
というより、むしろこいつは俺より頭がいいので俺のレポートに横から口を出してきてくれるおかげでかなり完成度が高くなっている。
「つーか、お前の方はレポートとかやんなくていいのか?」
「あぁ、あれならもう終わらせたっすよ、面倒なものはさっさと終わらせて休みを満喫したいっすから」
「普段からそのやる気を発揮してればもっといい大学でも行けたろうに……」
「えー、そこまでして勉強したくないっすもん、そこそこの大学でいーんすよ」
俺が必死こいて勉強して入った大学がそこそこっすか……そーっすか……
とりあえずある程度雛形はできてきたことだし、今日のところは撤収することにするか。
荷物をまとめて資料を棚に戻すと、あいつも俺について図書館を出てきた。
「お前、一体何しに図書館来てたんだよ」
「ん?先輩が入っていくのを見かけたんでちょっかいでもかけようかと、それより先輩はこのまま真っ直ぐ帰るんすか?」
どんだけ暇だったんだよこいつは。
まあいちいち俺が口出すことじゃないか。
まっすぐ帰っても別になんかやることがあるわけじゃないしなぁ、せいぜいがゲームするかくらいか。
それなら別にどこか寄り道していっても良いかもな、ずっと座って作業してたから体も動かしたいし。
「あ、それなら久々にバッティングセンター行きましょうよ」
「そうだな……よし、行くとするか」
そんなわけで回想終わり、俺はあいつを連れたってバッティングセンターに向かった訳だが、はっきりと記憶しているのはそこまでなのだ。
その後気付いたらこの場所で手足を縛られて身動きが取れずにいた。
最初はなにかとんでもない犯罪にでも巻き込まれたのかと思ったのだが、目が覚めてすぐに部屋のドアが開いてあの後輩が入ってきたのだ。
いやマジで何がどうなってるんだ。
「もう、全部全部ぜーんぶ先輩がいけないんすよ?
中学の頃からずっと先輩と同じくらいの成績を維持して、同じ高校同じ大学に行って、ずっとずっとずぅぅぅっとアピールしてたのに先輩は全然気付いてくれないんすもん」
え、いや何?
俺はこいつに拉致監禁されてるってことでいいのだろうか。
「安心してください先輩
先輩の好みはちゃんとわかってるっす、先輩って年上で甘々に甘やかしてくれる、お世話してくれるようなお姉さんが好きなんですよね?
流石に先輩より年上にはなれないっすけど、目一杯頑張るっすよ!
これからずっと先輩のお世話は私がしてあげるっす
ご飯も、お風呂も、トイレも、夜のお相手だって任せて欲しいっす、処女っすけどちゃんと勉強はしてきてるんすよ!」
これが世に言うヤンデレ系ってやつなのか?
まさか実在したというのか……俺が対象なのがものすごく複雑な心境だし、元よりやる気のない瞳のハイライトが完全に仕事を放棄している上に瞳孔も開いててめちゃくちゃこええ……
「せんぱぁい、話し聞いてます?」
どうやら現実逃避は許してくれないらしい。
こう、一応美少女と言える後輩から迫られるのは嬉しいは嬉しいのだが、状況が状況なだけに喜べないというか、恐怖のほうが勝る。
「一応聞いてたけど……なんで俺なんだ」
「なんでって言われると難しいっす
でも先輩の好きなところならいっぱいあるっすよ!
優しいところが好きっす
着痩せするけど筋肉質な体つきが好きっす
私と違ってゴツゴツした男らしい手とか指とか好きっす
ぶっきらぼうだけど、ちゃんと私の事を見てくれるところが好きっす
意外と子供っぽくて表情がころころ変わるところが好きっす
意外と涙もろくてすぐ泣いちゃうところとかも好きっす
リアリスト語ってるくせにロマンチストな所も好きっす
不器用な笑顔が大好きっす
先輩の全部が大好きっす
頭のてっぺんからつま先まで髪の毛一本血の一滴まで全部全部欲しいっす
でも始まりは一目惚れなんで、やっぱり人を好きになるのに特別な理由なんて無いんすよ」
おっっっっっっっっも!
なんだ、こいつはブラックホールかなんかか?
最後の一言はめっちゃ良いことっぽいのにその前のせいでめちゃくちゃこええわ。
しかしこれはどうすればいいんだ……縛られてるせいでまともに身動きも取れないし、不幸にも俺は一人暮らしでしかも夏休み中なのでしばらく家に帰らなくとも誰も不思議に思わないだろう、救助の可能性は低いか?
「大丈夫っすよ先輩、ちゃんと先輩が私の言う事聞いてくれるならその縄も解いて自由に動けるようにしてあげるっすから
もうこうでもしないと先輩自分のこと女として見てくれなそうだったんで、こうして強行策を取らせてもらったっす」
「俺としては、お前はなんと言うか、付き合いが長すぎて妹みたいな……」
「妹じゃ嫌なんす、自分は先輩の恋人になりたい、先輩の一番になりたいんすよ、先輩だけのものになりたいし、先輩を自分だけのものにしたいんす」
うーむ、いやマジでどうする?
一旦こいつのいう事を聞いて脱出する手立てを考えたほうがいいのだろうか。
でも脱走とかしたら、次こそ包丁とかでグサーッとやられそうな気もする、どうしたものか……
「それじゃあそろそろ日も暮れてくるんで、自分はご飯用意してくるんで先輩は楽しみに待っててくださいね〜」
それだけ言い残すとあいつは部屋を出て行った。
……とりあえず今は空の鍋とか、変なものが出てこないことを祈る他ない。
正直お腹は空いているのだ。
「うめぇ……」
「えへへ、良かったっす」
出てきたのは白米、味噌汁、肉じゃが、鳥の照り焼きと和食尽くし。
しかもどれもめちゃくちゃ美味しいし味は俺の好みだ。
ちなみに髪の毛とかそういう変なものが入ってないか、念の為聞いてみたところ。
「先輩の口に入れるものにそんなもの入れるわけないじゃないすか、食べ物は大事にしなきゃダメっすよ!」
とのことらしい。
その倫理観を持ちながらなぜ俺を拉致監禁するに至ったのだ。
いやまあ、冷静になると一割くらいは俺が悪いような気がしなくもないが、それでももうちょっとこう、アピールの仕方もあっただろう?
しかし本当に旨いなこの飯。
「先輩の良く食べるものとか、よく行くお店とか、好きそうな味は研究に研究を重ねてたっすからね、それなりに自信はあるっすよ!」
自信満々に言う通り、本当に美味しい、文句なしの料理である。
ちなみに最初はあーんで食べさせられそうになったが、流石に恥ずかしいので頼み込んだら手の縄は外してもらえた、足は相変わらず縛られたままなので逃げられない。
解けばいいだろって思うだろ?俺にはこの縄の解き方がわからんのだ、いやマジで。
ただ、足が傷つかないように布を挟んでから縛られているので幸い痛くはない、違和感は半端無いが。
「ご馳走様でした」
「お粗末さまっす、とりあえずテレビでも見るっすか?」
「んー、そうだな」
食事も終わって時間を持て余した後輩がテレビをつける、確か今この時間だと……
「って違えよ!何普通にくつろいでんだ!」
「わ、ビックリするんでいきなり大声出さないでくださいよ、普通に近所迷惑っすよ」
「あ、スマン……ってそうじゃねえよ、なんで俺は拉致監禁されてるのに当たり前のように寛いでるんだよ」
「これからここは先輩の家になるんすから、くつろぐのは当たり前じゃないっすか」
それをまるで疑問にも思わずに、さも当たり前のように言う事に若干恐怖を覚えなくもない。
だが、だいぶあいつの表情だとかは日常のものに戻っている、この調子ならひょっとするとそう遠からず脱出できるのでは?
だがそれは今ではない、今は兎に角こいつの機嫌を伺いそのチャンスを待つことにしよう。
ちなみに特別面白い番組はなかったので、録画してあった映画を二人で見て過ごした。
「それじゃあ自分はお風呂の準備してくるので、そこで大人しく待っててくださいね」
「逃げたくても逃げられねぇって」
うむ……
普通に馴染み過ぎてて我ながら意味がわからんな。
逃げようにも足を縛っている縄にはリードのように別の縄がつながっていてこの部屋から出ることは出来ないし、近くに刃物も無いから切ることもできない。
ちなみに手の縄を結ぶ時の手元を見ていたが速すぎてよくわからなかった。
何?俺を捕獲するためにずっとそんなこと練習してたの?
しかし風呂か……
さっきまでの様子を見るに、おそらく一緒に入ろうとするだろう。
それはまずい、大変まずい。
しかしどう考えても両手足を自由にはしてもらえないだろうし、どうしたものか。
そんなことを考えていると、部屋の窓にコツンコツンと小石か何かがぶつかるような音が聞こえてくる。
一体なんだと思い、もぞもぞと移動して窓の外を見てみると、一階に見覚えのある人が見えた。
口が動いている、なにか言っているみたいだ。
鍵を開けて、か?
鍵というと窓の鍵でいいのだろうか。
幸いそれくらいならどうにか開けられる、まさかあの人が救助に来てくれるとは……
あの人というのは、俺の大学の先輩である。
今はもう卒業して社会人として活動しているが、一流企業でバリバリに働いていて、俺のあこがれの人でもあるのだ。
鍵を開けると先輩は二階のベランダにロープを引っ掛け─これが鉤縄というものだろうか─そのロープを登ってベランダまでたどり着いた。
すごいアグレッシブだな……こんな人のイメージじゃなかったんだが。
「よかった、後輩君が無事みたいで、今解いてあげるからね」
そう言うと先輩は目にも止まらぬ速さで俺の手足を縛っていた縄を解いた。
何?最近女子の間で縄を結んだり解いたりするの流行ってるの?
なんにしてもとりあえずこれで俺は自由を取り戻したわけだ。
「ありがとうございます先輩……おかげで助かりました」
「お礼は後よ、あの子が戻ってくる前にまずは脱出しましょう」
そう言ってウインクしてくる先輩、ちょっとおちゃめで、でもめちゃくちゃ優しいこの先輩マジで頼りになる……
今登ってくるのに使ったロープを使って地上へと降りる、久々に地面を踏みしめた気がするぜ……
「まずは一旦私の家に向かいましょう」
「いや、そこまでお世話にはなれないっすよ、自分の家に……」
「いえ、多分あの子はあなたの家の合鍵くらいは持ってると思ったほうが良いわ、まずは身を隠すほうが先決よ」
確かに、さっきまでの様子を鑑みるに合鍵くらい勝手に作られてても不思議じゃないな……部屋に俺の荷物が何故かあったし。
ん?ところでなんで先輩は俺の居場所がわかったんだ?
「ああ、それならこれよ」
そう言って見せてくれたスマートフォンの画面はマップが表示されていて、さっきまでいた部屋の位置に反応があった。
そうか、スマホの位置情報かなんかで場所がわかったってことか。
「ちょっと用があって君のところに行ったんだけど留守みたいだったし、連絡しても既読がつかないから変だなって思ったのよ」
ほんとこの人頼りになるな……
しかし、今暮らしてる部屋が使えないとなるとどうしたものか……しばらくはネカフェかどっかを拠点にしたほうがいいか?
「あぁ、その点なら心配しなくて大丈夫よ」
はて、大丈夫とは?
「ちゃんとあなたと暮らすための部屋を用意したの」
俺と暮らすための部屋?
おやぁ?なんだか雲行きがおかしいぞぅ?
「家具とかは私が選んだものしかないけど、あなたの部屋を参考にしてるからきっとあなたの好みに合ってると思うの、それにこれから必要なものがあればちゃんと用意するわ
生活費についても大丈夫よ、あなたはなんの心配もしなくていいの
あなた一人くらいしっかり養えるわ、あなたは毎日私達の家で私の帰りを迎えてくれれば何をしててもいいの
セキュリティもしっかりしてるから、もう何も心配する必要は無いのよ」
おっ、そうだな(諦観)
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何だ、一体俺の身の回りで何が起こってるのだ?
これはこれで拉致監禁とは違うけどほぼ軟禁なのでは?
なぜ今日になってこんなに問題が噴出しているのだ。
しかもそこに後輩も追いついてきて大変なことになってきた。
「やっと見つけましたよ先輩、さあ自分と一緒に家に帰りましょう?」
「何言ってるの、彼は私と一緒に帰るのよ」
「あんたには聞いてないんすよ」
気付けばびっくりするくらい俺が蚊帳の外の修羅場が始まっていた。
「本人の同意も得ずに無理やり家に監禁するなんて、私はどうかと思うのだけれど?」
「あんたこそ、人が弱ってるところにつけこんで言いなりにさせようなんて、随分なご趣味っすね」
どっちもどっちだと思うぞ。
「そもそもおかしいと思ったんすよ、自分あんたのことは一番警戒してたんすよ、先輩の理想に一番近い女っすから、だから今日は仕事であることはわかっていたのに、なんのヒントもなく自分の家まで来て」
そこまで言うとあいつは一つのお守りを見せつけてきた。
あれは確か先輩からもらったお守りだったはずだが……
「まさか発信機を仕込んだお守りを渡すとは、とんだストーカーっすね、ねぇ先輩?」
発信機……発信機!?
まさかお守りにそんなものが仕込まれてるとは考えたこともなかった、というか憧れの先輩からもらったものなのでいつも肌身はなさず持ってたわ。
え、何?つまり俺の行動は常に先輩に筒抜けだったという事?
というかよく考えたらそもそもスマホの位置情報って他人が勝手に見れないやん?
「あら、好きな人の行動を逐一知りたいなんて、誰だって思うことでしょ?」
思いはするかもしれないけど、行動に移すのはどうかと思います、先輩。
というか、それを見ぬいたあいつはあいつでなんで発信機なんて知ってんだよ、絶対お前もそれやろうとしてただろ。
「先輩と一緒にいた時間は自分のほうがずっとずっと長いっす、先輩への気持ちで負けるつもりなんかないっすよ」
「あら、愛に時間なんか関係ないわ、それにさっき自分で言ってたでしょ?彼の好みに近いのは私よ」
「そんなこと─」
「私の方が─」
とりあえずここにいるのが怖いので俺は逃げることにした。
「頼む、匿ってくれ!」
「ええ……いきなりどうしたの?」
あいつらがお互いを牽制しているうちに俺は無事二人のもとから逃げ出すことに成功し、裸足のまま駆け抜けてとあるマンションの一室まで逃げてきていた。
ここに住んでいるのは俺の幼馴染で幼稚園から高校まで同じ学校に通っていて、別のクラスだったのはわずか3回という本物の腐れ縁だ、大学だけはそれぞれ別だったが。
もはや俺に頼れるのはこいつだけになっていたのだ。
「まあ、何があったのかわかんないけどとりあえず上がりなよ、事情はちゃんと説明してよね」
「ああ、助かる」
流石にこいつの家は知られていないだろうから、夏休みの間くらいはなんとかなるだろう。
とりあえずここに逃げてくるに至った経緯を説明すると、おでこに手を当ててため息を吐かれた、ため息を吐きたいのはこっちなのだ。
「君ってほんと昔から変わんないよね……まあいいよ、しばらく匿ってあげる」
「マジ助かる、恩に着るよ」
「その代わり!お掃除とか料理とか手伝ってよ?」
「それくらい任せてくれ」
彼の近くにまた他の女が集まってきてるのは知ってた。
知った上で放置してた。
だって信じてたから。
どうしょうもなくなった時、最後に頼ってくるのは私だって。
だって昔からずっとそうだもん。
困った時には助けてあげた。
ううん、困る状況を作って助けてきた。
だから彼は困ったら私を頼ってくれる。
彼は覚えてるかな?
子供の時に『お互いに大人になったら結婚しようね』って約束したこと。
もう忘れちゃったかな?でもいいの、私は覚えてるから。
だって、今まで君は私との約束破った事、無いもんね?