短いですが生存報告です。
【バタフライエフェクト発生中……】
言い忘れてましたがアクタージュ『銀河鉄道の夜』舞台化おめでとうございます!!
アニメ化も映画化もかっ飛ばして舞台化するあたりアクタージュらしいですよね。
「……すみません、道を聞きたいのですが」
──スゥゥゥゥ……(チラ見)
>あなたはアキラと自分用のペットボトルを両手に納めながら、キャンバスノートを脇に挟んだ女性を見遣った。どこかで見覚えのある顔だ。
>いや、と。あなたは頭を振った。他人の空似だろう。というか、そんなことよりも眼前の眼鏡をかけた美女、どうやら道が分からなくなって迷子状態らしい。
──スゥゥゥゥゥゥ……(ガン見)
嘘やん……。こんなことってある? 何パー? 何パーなの? しかも撮影中とか更に確率低いはずっすよね。
卸すぞお前……!(威圧)
……何なんだよ、一体何なんだよ誰なんだよお前はぁ! 答えろッ、答えろジョジョォッ!!(錯乱)
私は知らない……! 知っていてたまるかぁ……!(狂乱)
落ち着きましょう。クールにいかなければ出来ることも出来ません。
基本的に貴女みたいな美人過ぎる芸術家とか言われるアーティストなんて知るわけない……はずなんですが……なんだァ
いえ、ホモくんはしがない天才俳優のホモに過ぎませんし、そんなに物珍しいツテなんてあるはずがな──結構ありましたね(諦観)
…………いや、マジかあ。
「? どうかしましたか?」
>いや、なんでもないと貴方は愛想笑いを浮かべた。そうですか、と呟きながら目の前の美女が貴方の後ろで撮影準備を進めているスタッフたちの方を見遣っている。
>へえ、と目の前の女性が吐息を漏らした。パパラッチや野次馬といった類ではないみたいだ。どちらかと言えばアーティストのような印象だ。
……ええ、はい。
皆さんご存知、原作本編で中々にクズムーヴかましたのに美人だから許された典型例こと山野上女史ですありがとうございます。オイ嘘だろバーニィ……(情緒不安定)
いやまあ、確かにこの時期の花子さんは山に篭ってるかよくわからん僻地に行ってるか被写体探して全国飛び回ってるので、こういう所で羅刹女以前に遭遇する確率もゼロではないです。実際景ちゃんも考えなしに登った山で遭遇している訳ですし。
とはいっても試行中にも2、3回しか当たっことない糞レアなのになんら変わりありません。
まさか……これは、ガバ……?
────否。
否、否です。続行します。私の辞書に不可能の二文字はありません。
私がどうしてここまでの鍛錬を積んだのか。どうしてここまでホモくんを積み上げてきたのか……。
この時の為だ……!(クソイベントを乗り切るため)
ここでこそ私のリカバリー手腕を見せる時です。というかこんなとこまで来て
因みにですが、羅刹女RTAだったり花子さんルートの時はこの時点で知り合う必要が出て来ますね。羅刹女RTAだと景ちゃんに至っては丁寧な好感度管理さえ行っておけば上手いことぼやかして花子さんとのことを伝えればそれだけで羅刹女召喚出来るので結構うま味です。それくらいしか現時点じゃ上手く扱えないんですが……。やめてくれよ……。
さっさと道教えておうちに帰ってもらいましょう。ステイホームです。
ホモくんが夜凪家の知り合いかつ天才俳優とかいうのがバレなければセーフ。なんとしてもここでリカバリーしておきたいところですね。まかせろーバリバリ。
「……貴方、俳優なんですか?」
えっちょまっはぁ⤴︎
……………………。
………………。
…………。
はい、無事終了しました(震え声)
こんなクソイベント、私にかかれば朝飯前です。名前は知られてしまいましたがまだマシな代償でしょう。むしろ羅刹女編への布石が出来たという考えも出来ます。ポジティブ大事。
まあ、冗談を抜きにしても正直なところ上手いこと切り抜けられたのではないでしょうか。
ぶっちゃけここで色々バレてると山野上女史が洒落にならないことになってデスアイランド乗り込みに来ることもあり得ますし、それになると羅刹女降臨してマジでデスアイランドと化してしまうところでした。これも全て夜凪パッパが悪いんです。太宰か何かかアイツは……。
そう考えれば安い代償でしょう。これ羅刹女RTAじゃないのに……そんなチャートじゃないのに……なんで羅刹女やらかしかけてるの……なんで……?(純粋な疑問)
まあ、いっか(悟り)
切り替えて行きましょう。
山野上女史襲来を切り抜ければ直ぐに撮影再開です。アキラくんにさっき話していたのをちょっと聞かれましたが、特に問題ありません。
『ウルトラ仮面』の撮影も残り僅かです。
手早く済ませてしまいましょう。
「おつかれ元輝くん。はいこれタオル」
「元輝にぃおつかれー!」
「お疲れ様ですお兄さん」
>撮影が一段落つき、ベンチに腰掛けたあなたのところに雪さんがルイとレイを連れてやってきた。どうやら出向という形で今回の撮影のサポートに回っているらしい。
>ありがとうございます、と言いながらタオルと瓶のサイダーを受け取る。ルイとレイに両脇を挟まれながら、あなたは程よく冷えた液体を煽った。視界の隅で墨字さんがアキラと話していているのが目に入る。
『ウルトラ仮面』撮影二日目となりました。
埼玉方面での撮影ですね。昨日は帰宅できた時間が遅くなってしまいこともあり、当初予定していたルイとレイの様子を見に行くと言うことが達成できなかったのですが……なんとありがたいことに、雪さんが『大黒天』として出向していてくれていたので二人をロケ地に連れてきてくれたみたいです。
連れてきてくれて……ありがとう……!(エース感)
お礼にストゼロあげますね。……え、同情するなら飯を奢れ? すみませんカツ丼で勘弁してください……(ギャグ未満クソ以下)
それにしても、雪さんが態々二人を連れてきてくれるとは結構珍しいですね。いえ、雪さん自身がこうやって出向してくるのは珍しい訳ではやいんですが、ルイとレイ、それに墨字さんを連れてくるとは……中々やりますね。惚れるぜこれはよぉ……!(感謝感激雨嵐)
ええと。
撮影自体は特筆すべき点はないのでサラッと流していますが、一応ルイとレイは『ウルトラ仮面』の視聴者なので盛大なネタバレを喰らわせないように気をつけましょう。昨日と今日で何人かスタッフさんと仲良くなっておいて良かったです。これで二人の安全も確保できますし、雪さんも少しは動き易くなるはずです。別にネタバレしてるかどうかとか気にしなくてもいいんですが……あんまりリスクを取りたくはないので気をつけるくらいはしておきましょう。
あ、スタッフさん。この二人、今ちょっと知り合いから預かってるんですけど、撮影の間だけでいいので面倒見てくれませんか────いや子供じゃないって言うとるでしょーが。
え、雪さんとの子供だって?
ちげーよぶっ殺すぞ(豹変)
「ねぇ、もしかして私達って……友達?」
撮影11日目。
『ウルトラ仮面』の撮影との兼ね合いで元輝くんが島外に行ってしまった日の夜のこと。
撮影スケジュールを全て消化して。茜ちゃんたちと夕ご飯を食べていた私は、恐る恐るそんなことを口にした。
ぬっとテーブルに身体を乗り出しながらそう尋ねた私に、同じ食卓を囲っていた三人が目を白黒させた。
えぇ、と茜ちゃんが困惑気味に眉尻を微かに下げながら、
「今更何やのこの子……」
「友達というより仲間だな」
「どう違うんだよ」
……あっ。
しまった、今の失言だったかもしれない。ど、どうしよう。どうしよう。両手をわたわたさせながら三人を見遣る。
もしかして、まだ違うのかもしれない──そんな嫌な予感が頭を過った。動揺を隠し切れず、思わず私はオロオロと左右に視線を振った。
「もしかしてまだ友達じゃない……?」
「友達や友達!」
「なんで不安げなんだよ」
……ほっ。
よかった。『友達』って難しいのね……。
安堵のあまり大きく息を吐いていた私を見た茜ちゃんが、何言うとんねんと笑いかけてくれる。その後ろで武光君と真咲君が心配症だなとでも言いたげに口角を上げた。……むぅ。
「良かった……。
私、昨日考えたのだけど。
もし茜ちゃんが殺されそうになったら、きっと身を呈して助けると思うの!
これって友達だからよね!?」
「なんで私が殺されなあかんの」
「重ぇなお前の友情」
私は『友情』を──特定の誰かに、友情を抱く
『好き』という気持ちなら、元輝くんへの気持ちで代用すればいいと思ったんだけど……どうやら私、元輝くんの代替品を考えるの、どうしても嫌だったみたい。昨日試してはみたけど、全然うまくいかなかったわ。よくわからないけど、なんだか吐きそうになってしまったもの。……うん、もう撮影で吐いちゃうわけにはいかないものね。
だから千世子ちゃんとうまく演じるようになるためには、友達への──俳優としての友達であるみんなへの想いがどんなものなのかを考えないといけない。『夜凪景』が茜ちゃんたちをどんな風に思ってるのか。それが知れれば、多分何とか出来ると思うから。
……ケイコは、カレンを助けて死んでしまう。
だから私が演じるケイコという人物にとって、カレンという女の子は、クラスメイトで親友の、そして自分の命を躊躇わない程に信頼してやまないヒトであるはずだ。
うん。
だからね、みんな。
「私、千世子ちゃんと友達になろうと思うの!」
「「「……」」」
沈黙が痛い。
「……へぇ、え、なんで?」
真咲君の困惑した声がなんだか辛い。どうやら気を使われてしまったらしい。
……言いたいことが正確に伝わってないみたい。……元輝くんなら別に話さなくても意思疎通できるのに……。ひょっとして、これが表現力が足りてないってことなのかしら?
武光君なら結構私のこと分かってくれてるみたいだし、私が言いたいこと分かってくれてないかな……?
「……役作りって訳か」
「薬作り……?」
「聞いたことねぇのかよ、どうなってんだお前」
だって聞いたことないもの。
墨字さんにも元輝くんにもそんなこと言われてないし……。
首を傾げていた私を見た武光君がくつくつと笑み湛えながら、
「まあ、何にせよではあるが。
役作りってことなら元輝に聞くのが一番早いんじゃないか? この中じゃあ、アイツが一番そういうのに詳しいはずだが」
「……うん、私も確かにそう思うんだけど。でも、いつも元輝くんに頼るわけにはいかないし……それに、出来ることなら自分の力でなんとかしたいの」
特に理由があるわけではないけど。
本能的に、そんな気がしていた。
俳優として、女優として。
これがどういう感情なのかはわからないけれど。
でも、きっと。
それが私が今やらないといけない事であるのに、何の間違いもないはずだから。
「ちゃんと千世子ちゃんと友達になってみせるわ」
「友達ってそうやってなるもんじゃねえだろ」
「相変わらず不思議ちゃんよな……」
「はっはっはっ」
生温かい視線を受けながらも、私はギュッと両手を握り締めて意気込みを新たにする。
ちゃんと『ケイコ』を演じる役者として、きっと千世子ちゃんと仲良くなってみせなくちゃ。
元輝くんも仲良くなってほしいって言ってたし。
……うん。それならなおさら、幼馴染みの頼みなんだし、千世子ちゃんと友達にならないと。
とは言ったものの。
「……うーん」
どうしよう……。
友達のなり方って難しいのね……と。そんなことを考えながら私は一人夜の帳の落ち切った海岸線を歩いていた。
街灯が微かに湿気った地面を照らす。夏虫が光に屯って、古めかしい白熱電球がジジッと音を立てた。
というか。
そもそもの話、千世子ちゃん自身、今を煌めく大女優だ。
カツカツなスケジュールを縫ってここでの撮影に臨んでいる以上、相当な頻度で本土の方に別の仕事をしに移動するという、強行気味のスケジュールになってしまうのは避けられない。
だからデスアイランドにいるときも、その分の穴埋めとしてプロデューサーだったり監督たちとよく話しているから、集団で話すことはあれど一対一の状況に持ち込めないというのが実際のところだった。
今日一日、なんとか話そうとトライしてみたのだが、残念ながら見事に砕け散る様が続いている。
裸の付き合いをすれば友達になれるって言うし、一緒にお風呂でも入りたかったのだけど。うまくいかないものね……。
「……?
──あ、元輝くんからだ」
ピロンっという気の抜けた音と微弱な振動。
画面に表示された名前に、私はなにかあったのかしらと、少しだけ首を傾げた。というか、まだそんなに連絡先を交換した訳ではないのだけど。元輝くんと雪さん、後元輝くんのおかあさんとお父さんくらいだった。
画面の一番上に出てきた通知をタップすると、ディスプレイにルイとレイに挟まれながら三人揃って瓶のソーダを飲んでいる写真が表示された。
どうやらルイとレイの写真を送ってくれたみたい。ふふっ、と仲睦まじげな三人の様子に笑みが溢れた。慣れない手つきで画像を保存する。
私があまりルイとレイと連絡を取ってなかったことを察して、向こうの様子を教えてくれたみたいだ。
ある程度の理解を示してくれた雪さんが『大黒天』で面倒見てくれてると言っていたし、元輝くんのおとうさんとおかあさんもいるから特に心配はしていなかったけど。
定期連絡で二人が元気にやっていることはわかっていたというのもあるけれど。
……うん。
そうね。そうだわ。
私は、役者だもの。
墨字さんも、元輝くんも言っていたように。そうやって心で演じるというのが私の演技法なのだから。
……うん、心がないと演じられない私だからこそ、
演技のためにも、映画を完成させるためにも、元輝くんのためにも。今はまだ友達だと思えそうにないけれど、千世子ちゃんを友達だと思わないと。
当たって砕けろ上等で、取り敢えず突っ込むべきだ。
やってみないと、色々なことがわからないものね。
「──って、アレ?」
見慣れた白髪が視界を過ぎる。
私服の白いノースリーブのワンピースの上に、薄手のカーディガンを羽織って、琥珀色の瞳を和らげにしながらスマートフォンの青い光が顔を照らしていた。
「千世子ちゃん?」
堤防を歩いていた足が、止まる。
私が撮影で見てきた彼女よりも、優しく穏やかな表情を浮かべている。
手元のスマートフォンを見て、くすりと笑みを浮かべながら砂浜を歩くその様子は、この世のものとは思えないほど神秘的で。
ほうっと。息をすることさえ忘れて見入ってしまうほど──綺麗だった。
「……夜凪さん?」
「え、あ。
こ、こんばんは。千世子ちゃん」
「うん、こんばんは。
どうしたの、なにか問題でもあった?」
「えっと、その。違うの。問題とか起こしちゃったわけじゃなくて。偶然見かけて、話しかけようとしたんだけど。
千世子ちゃん、すごく綺麗で、見惚れちゃって……」
「────そっか」
10メートルも離れていないところで立っていた私に気付いた千世子ちゃんが、特に驚くことなく私に声をかけてくれた。
驚いて、思わず肩を揺らしてしまう。
そんな私の様子に、千世子ちゃんがくすくすと笑った。……そんなに変だったかしら。
「相変わらず面白いね、夜凪さんって」
「面白い……?」
「うん、面白いよ」
そうやって、にこやかに笑う千世子ちゃん。
すごく綺麗で。淀みがなくて。
なのになんだか、嫌な予感がして。
そんな私をよそに、千世子ちゃんがスマートフォンをチラリと見て、徐に口を開いた。
「……時間も時間だし、そろそろコテージに戻ろうかな。
夜凪さん、この後予定ある? 私もそろそろコテージでやらなきゃいけないことあるから戻らなきゃなんだけど、ないなら一緒に話して帰らない?
聞きたいことがあれば聞いてくれていいから」
「本当に!?
行く。行くわ。一緒に帰りましょ」
「大袈裟だなぁ。うん。じゃあいこっか」
「ええ!」
勢いよく返事をしたは私を見た千世子ちゃんが、くすりと笑った。
幼馴染みではないが故に景ちゃんほど距離は近くないが、俳優としての技量と独立性のお陰でホモくんに頼られて〝依存させるようとしている〟千世子ちゃんと。
女優としてまだまだであるが故にホモくんに頼られることがないが、幼馴染みとしての軽い共存関係にいたが為に深いところまで理解し合っていて、でもホモくんに並び立つ為に、〝頼られる為に独立しようとして〟距離を置いた景ちゃん。
そして何食わぬ顔でホモくんの写真を撮って二人に送りつけた挙句意図せずご飯の予定を取り付けた雪ちゃんに乾杯。
修羅場ってきたので疾走しますね……。
あ、あとホモくんに叫ばせたいウルトラ仮面の口上、活動報告で募集してるのでガシガシ送ってくれると泣いて喜びます。頼むよ〜送ってくれよ〜。
原作補填ガッチリやる?
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やる(未読にもわかりやすく)
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変化してるなら(カットするかも)
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RTA視点等(軽く補填)