アクタージュ『銀幕の王』獲得RTA   作:銀幕

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オヒサシブリーフ……





scene20『道端にて(But She Cries Remix)』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ元輝くん、少しいいかな」

 

 14日目、夜。

 茜ちゃんとの共演といった今日予定していた撮影スケジュールも全て消化し、夜に組み込まれていたスターズ関連の仕事を終えた私は、自室に帰る途中にエントランスで情報番組を観ながら難しい顔をしている元輝くんを発見した。

 ……ああ、そういう。

 

 そろそろと近くに擦り寄って、小さく声をかける。

 

「はい? ……ああ、大丈夫ですよ。そっちのインタビューは終わったんですね」

「うん、今回はスターズメインだったしね。記者さんもいつもの人だったから滞りなく。今から部屋に戻るとこだったんだけど、時間ある? ……あるならちょっと話したいんだけど、いいかな」

「いいですよ、なんでも聞いてください」

 

 なんでもって、そう簡単に言うべきじゃないと思うんだけど。

 まあ、いいけどさ。

 

 取り敢えずなんか飲み物でも買いましょうか、と言って近場にあった自販機で元輝くんが缶の紅茶を二つ購入した。横にあったベンチに腰掛けてステイオンタブを押し込む。

 ふう、と一息。

 元輝くんのその様子を確認して、私は間髪入れずに口を開いた。

 

「────彼女いる?」

「ンッ!?」

「なんてね」

 

 脚をプラプラとさせながら、壁に背中をもたれさせる。

 ぼうっと少し気を抜きつつ、

 

「来ちゃったね、台風」

 

「………………来ちゃいましたねぇ(なんで知ってんの???)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 百城千世子。

 

 大手事務所『スターズ』所属、16歳の売れっ子女優。

 子役デビューは7歳の頃で、そこから着実に売れてきた『天使』と評される、役者。

 ……役者って、『私じゃない誰か』を演じるものなんじゃないのかな。千世子ちゃんの演技を見ていると、ふと分からなくなってしまう時がある。

 

「……千世子ちゃん」

 

 ──どうして、なんだろうか。

 とても綺麗な芝居だとは、思う。

 画面の向こうに居るみたいな、手の届かないほんとうに天使みたいな美しさを……人形みたいな綺麗さを感じて、私は初めて合わないかもしれないって、思っている。

 私は人形みたいなあの人が。

 ……ううん、()()()()()()()()()()()()()()()()どうしても好きになれない。

 

 …………どうして、元輝くんはああいうのがいいって、言ったんだろう。

 

「夜凪くん」

「……アキラ君? どうかしたの?」

 

 撮影開始からちょうど二週間。ここの生活にもだいぶ慣れて来た。南の島特有の湿った夜風が肌を撫でる。

 そうやって一人ガレージで風に当たって頭を冷やしていると、ふと声をかけられた。視線を向ければ、ジャージ姿のウルトラ仮面の姿がある。

 なにかあったのかしら、と思わず首を傾げた。特に心当たりはないんだけど……最近は小道具も壊してないし……。

 

「いや、監督からの呼び出しだよ。

 今後の撮影の展望と、調整によるスケジュールの変化を説明するから会議室に来てくれとのことだ」

「……うん、そう。わかったわ」

 

 頭を振って、気分を切り替える。

 私が出来るのは、精一杯のお芝居をすることだから──

 そう思って、よっと、ガレージから飛び降りる。エントランスに隣接する会議室へと足を向けた。あそこに行くのは少し久々だ。

 気持ちを入れ替えた私を見て、アキラ君が少し驚いた顔をした。さて、と軽く咳払いをする。その様子を見た私が徐に口を開いた。

 

「呼び出しなんて珍しいけど、何かあったの? アキラ君は何か知ってる?」

「何かあったって、それは────んんっ。

 ……取り敢えず、台風が近づいて来てるのは知ってるかい?」

「台風」

「知らなかったんだね……」

 

 元輝くんから聴いてると思ったんだけど、とアキラ君が前置きして、

 

「2日程前に太平洋沖で発生してた台風がこっちに向かって来てるんだ。当初の予定じゃ九州方面に行くとの予想だったんだけど、黒潮の影響でこっちに来るみたいでね。

 元々『デスアイランド』のスケジュール自体相当カツカツだ。あんまり予備撮影日がないから、少し撮影を巻かなきゃいけない」

「うん」

「それで、幾つかのシーンを一本撮りにするから、それに類する説明と演出予定の変更の話し合いだよ。

 ……まあ、僕はあまり関係ないんだけどさ」

「なるほど。

 私のシーンも一本撮りになるところがあるから呼ばれたってわけね」

「それは……。

 ……いや、たぶんそうなるんだろうね」

 

 うんうん。

 なるほど。

 

 ──完璧に理解したわ、と呟きながら腕を組んで頷く。キランと瞳を煌めかせる。わりとキメ顔だった。

 大丈夫かな……? と苦笑を浮かべているアキラ君を尻目に、『ウルトラ仮面』での撮影の裏話を聞きながらコテージを歩くこと数分。

 

 木目調のドアを開くと、手塚監督にプロデューサー、美術監督と言ったスタッフの皆さんと、撮影で見慣れた俳優陣が並んでいた。何やら監督とプロデューサーが脚本片手に話し込んでいる。

 脚本片手に、その中に交じるようにして元輝くんと千世子ちゃんが立って話していて──

 

「……夜凪くん?」

 

 ごほんっ、と。

 

 会議室に私とアキラ君が入ったのを確認して、手塚監督が軽く咳き込んだ。はっと我に返る。アキラ君が心配そうに私の方を覗き込んでいた。

 大丈夫よ。そう言いつつ、私は頭をふって意識を切り替える。

 プロジェクターにパソコンを繋いだのを確認していたらしい手塚監督が、パンっと軽く手を叩いて口を開いた。注目が集まる。

 

「いきなり集めて悪かったね、さりとて緊急事態だ。幾分かの非礼は許してほしい。

 ……さて、それじゃあ始めようか」

 

 とりあえずは現状報告から、と前置きしてチーフがキーボードを叩く。プロジェクターに日本近海の天気図が映った。

 はぁ、とため息を吐きつつ微かに苛立ちを滲ませた手塚監督が、

 

「みんなもう連絡が入ってると思うけど、近いうちに──最短で明後日か明々後日に台風がここを直撃する予報になってるんだ。

 ……残念ながら、台風が過ぎ去ってから予定していた撮影を全て熟すにはいかんせん時間が足りない。俳優組のスケジュール問題もあるし、予算のことも考えるとリスケしてもう一度撮影するっていうのは現実的じゃない」

 

 ピシピシ、と脚本を人差し指で軽く叩く。

 パソコンを覗き込んでいた副監督が手塚監督の言葉を繋ぐ。画面が切り替わった。ガリガリと頭を掻き毟る其の様相が事態の急務さを如実に示していた。思わず視線をずらして見れば、苛立ちを滲ませた元輝くんが腕を組みながら指で二の腕を弾いていた。

 

 …………確かにやばいみたいだ。

 私にも、何かやれるのかしら。

 ……、ううん、やらなきゃ、かな。

 

「そもそも台風が撮影に与える影響ですが、最悪のケースを想定して最低でも二日間は予定通りの撮影が行えないと考えています。

 明日からの二日間で使用予定だったエリアに関しても、役所が三年前に公開した資料を参考にすれば、少し雨風の影響を無視できない箇所が出て来ています。

 ここ、ここです。

 ここの森林地帯が、二日から三日で撮影をできる状態にするには予算と時間がたりません。一応専門家の考えも仰ぎましたが、ここをロケ地としていた撮影では地面がぬかるんでアクションは危険とのこと」

「うん、だからね。

 何人かには申し訳ないけど、いくつかのカットを結合して長回しにすることで幾ばくかの撮影効率の上昇を図ろうと思う。

 ……無理を強いれば撮影を強行することはできなくないかもしれないけど、まだそれをやるには時期尚早というのが此方の見解だ」

 

 でもね、と手塚監督が眉間にシワを寄せた。

 

「幾ら長回しにすると言っても、助演組の台詞を無闇矢鱈にカットするわけには行かない。一つのカットが数分に伸びる分、ミスのリスクが出てくる。そこのリスクを軽減できるように今脚本を再構成してる。

 明日の朝に出来上がり次第配布するから、それを参考に撮影に臨んでくれ。演出に関してはその時に詳しい指示を出すけど、長回しになることだけは覚悟して欲しい」

 

 ええと。

 つまり、その。

 ウルトラ仮面の言ってたとおりに、私が次撮る撮影が長回しになるってことでいいのかしら。

 元輝くんの横で聴いていた千世子ちゃんが、ふわりとスカートの裾を揺らめせながら一歩踏み出して口を開く。

 

「でも、手塚さん。それだけじゃ全カットを撮り切るには少しキツイんじゃないかな」

「……うん、そうだね。今までのは対症療法に過ぎない」

 

 そうなんだよね、と手塚監督がオーバーに腕を振る。気取った海外俳優みたいな振る舞いだった。

 千世子くんに負担をかけざるを得なくなっちゃうからね、と言ってから人差し指と中指を立てた。

 

「此方から提示できるのは二つの案だ。

 まず一つ目。こちらはスポンサーチームからの提案なんだけど、クライマックスシーンの全カットによる余白部分の確保。これを行えば少なくても数日の余裕ができるけど……。

 二つ目はリスケによる撮影の強行だ。乾くのが早い土壌での撮影を台風明けに、それ以外のアクションシーンを含むシーン69から76を──タツミとカレン、ケイコのカットを明日の撮影に回す。元々ここはいくつかのカットにわける予定だったから、四日に分けて撮影する手筈だったんだけど、これを一まとまりにして撮影する」

 

 元輝くんが顎をさすって思案するのが目に映る。

 えっと、うん。……つまりそれって、4日後に撮影する予定だった元輝くんと千世子ちゃんとのシーンを、明日やるってことなのかしら?

 ……それは、つまり、あのシーンを。

 

 (ケイコ)は、元輝くん(カツミ)を見捨てなくてはならないという、あのシーンを、たったの一度で撮らなくてはならないんだ────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────『情熱と結果は比例しない』

 

 そんなことはとうの昔に知っていたことで、手塚由紀治にとってみれば当たり前のことである筈だった。

 

 今となっては笑い話だが、かつて僕は自分の初監督作品で主演女優を泣かせてしまったことがある。自分の欲のためにNGを重ね続け、結果として当時の最高のカットが撮れたと同時に、彼女の事務所からのクレームで僕は仕事を失った。端的に言ってしまえば、干されたという訳だ。出る杭は打たれる──この業界の常に、僕も呑まれてしまった。ここじゃあありふれたことで、たったそれだけのことで。

 

 それから五年後。スターズに、アリサさんに拾われてから、僕は売れる作品を作るだけの監督になっていた。OKという言葉と共に上の用意した役者と原作、それを使って映画を()()だけ。

 作業的だった。

 なんの熱意すらなかった。

 ただルーチンと化した仕事を熟すだけでどの作品も売れ、商業的に成功し、業界からは重宝されるようになった。

 ……嗚呼、なるほど。これは確かに名声を得たと言えるのかもしれない。

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

 皮肉なことに、成功したかどうかの指標の一つである経済という観点のみでしか評価されなかった僕は、とても芸術家として名声を得たとは言えなかった。

 芸術家(アーティスト)ではなく職人(アルチザン)であるという、呪いにも似た自己意識が、僕を苛んで離さなかったのだ。

 

「取り敢えず思いつくネックは確保できる撮影時間が短い上に不明瞭ということ。つまり十二分に時間を確保できなくて撮影が途中で終了する可能性すらある」

「……そうだね。私と君──ううん。確かになんの対策も取らずにやるのは難しいかもね」

 

 そうだ。

 ……千世子ちゃんたちが言うそれは、事実だ。

 僕が提示しているこの案は穴だらけとはいかないまでも相当に貧弱なスケジュール。何か一つでも歯車が狂えば間違いなく撮影は失敗──映画を完成まで漕ぎ着けられるか否かという、そういうレベルの話になってしまう。

 

「百城さんの言う通りですよ、監督。

 夜凪さんには申し訳ないですけど、クライマックスシーンを削りましょう。元々原作にないシーンなんですし、問題ありません。それが一番効率的です」

 

 監督もわかってますよね、とプロデューサーが口を開く。

 

「この映画の主演は百城千世子です。彼女がいなきゃ撮影は始まらない。その彼女のスケジュールはパンパンだし、リスケも利かないときた。

 ……勘違いしないでください。我々の目的は映画を完成させることです。ここは飲んでもらうのがベストでしょう」

「でもさ、僕このクライマックス気に入ってるから。どうしても撮りたくてね」

「……らしくないですよ、手塚監督。あなたの──我々の目的は売れる映画を作ることです。急にオリジナルを入れたり脚本を変えたりする考えはわかりませんが、そこは間違えないでください。

 ……こんなの釈迦に説法でしょう、どうしたんですか」

「…………」

 

 そう、か。

 ……そうだね。確かにこれは僕らしくない。

 ──何かが変わるかもしれないと、そう思ってはいたんだけど。

 いつの間にか握り締めていたらしい左拳が解かれた。……はは、これでゲームオーバーか。なんてあっけない幕切れだ、畜生。

 

「……私と千世子ちゃんのシーンなくなっちゃうんですか?」

 

 微かな諦観。打ち破れなかったという、ある種のソレに思わず僕は首を跨げてしまう。

 いつの間にかテーブルを取っ払った会議室の真ん中にまで歩いていた彼女がそう口にした。それを聞いて、くそ、と内心悪態をつく。

 

「夜凪くん」

「ごめんね、見せ場削られて悔しいのはわかるけど、こればっかりはね。天気でシーンが削られるなんてよくあることだ。

 ……申し訳ないけど、諦めて──」

「でも私、まだ何もできてないわ」

 

 口先だけのプロデューサーの言葉をバッサリと切り捨てて、さらに一歩前に踏み出す。……まるで主演女優だな、と思わず僕は苦笑してしまった。縋るようなその視線に首を振りながら、僕は。

 

「よくあることなんだ。天気には勝てない」

「……監督。私、千世子ちゃんと演じたい。

 私は不器用だから、細かいことはよくわからないけれど。

 私は千世子(てんし)じゃないけど、でも。……でも、私はまだ何もできてないから。

 ──私にできるのはお芝居だけだから、やれることはやりたい、です」

 

 天気には勝てないというのは、ありふれた真理の一つだ。

 かつて日本人が自然現象に恐れを成して、八百万の神として祀った時から変わらず、どれほど科学技術が発展しても、相変わらず自然には打ち勝てない。だから、僕たちはカミサマって奴に祈ってきたんだから。

 

 いや、ダメだね。

 ……この作品を無意味に終わらせてしまうのだけは、ダメだ。

 僕の身勝手な願望と、夜凪景のわがままを優先して撮影をねじ曲げるのは決して起こってはならない。

 僕は……手塚由紀治は、百城千世子が主演の映画に、泥を塗ることなど出来やしない。最後に残ったそのチンケなプライドだけは、まだ捨てられていなかったらしい。

 

「監督。私、千世子ちゃんともっと演じたい。だから……」

「ダメだよ」

「ダメだ」

 

 その声は、とてもよく響いた。

 

「……千世子ちゃん、元輝君?」

「らしくないよ、監督」

「……え?」

 

 予想だにしなかった主演からの言葉に、話しかけられた監督ではなくプロデューサーの方が驚いたらしい。ぎょっと千世子ちゃんの方を向く。

 

「台風だろうとなんだろうと、私と夜凪さんのシーンは撮らないとダメだよ」

「い、いや……千世子ちゃん。でも……」

「後、2日。台風がくるのが遅かったら改稿のしようもあったかもだけど……もう遅いよね。ここまで撮影スケジュールを消化しちゃってる以上、クライマックスを切ってその他で補填するのは難しい。

 三幕構成くらい守らないと、流石にお客さん騙せないよ」

「いや、でも」

 

 それは。

 スターズの天使だからこそ、百城千世子だからこそ言えること。

 

「撮ろうよ。私たちなら巻ける。全然間に合うよ」

 

 思ってもいなかった援軍の登場に、夜凪くんがぽかんと口を開けて千世子ちゃんを見ていた。

 千世子ちゃんの横顔が、より獰猛なものへと変わって。

 

 ──祈りを持たない者ども(アクターズ)の戦いが、始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくあることなんだ。天気には勝てない」

 

 >そう言って、手塚監督が悲哀と共に首を振る。

 >そんな彼の様子を見て、あなたはどうしたものかと首を捻った。なにかやれることはないだろうか?

 

 

 神様助けて(狂乱)

 

 

 あれ、あれれ? なんで? なんでこうなってんの? 明日のスケジュールは? チャートはどうなんの? え?(困惑)

 どういうことなんですか、手塚監督。アンタ僕を裏切ったっていうんですか……チャートにだって裏切られたことないのに!!(過去は顧みないスタイル)

 敗北者ァ……? そこは天気に負けとけよお前よぉ!!!!(人間の屑)

 まあ取り敢えず話を聞きましょう。情報を知らなければできることもできません。リセも出来ません。てかしたくありません(本音)

 ええ、ええ、なるほど──

 

 

 

 

 ………………………………つまりは台風の影響を回避するためにリスケする、と。

 

 

 

 なんでそんな有能ムーヴしてんだよ畜生……畜生……!!

 

 チャートが死ぬ、死んじゃう……ッッ!! お前よくも、ホントぶちころすぞお前よォ────ッッ!! アアァァ──────ッッ!!!(断末魔) もおおおおおおおおおおおおおおおおやぁだぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

 

 

 

 ふう(賢者タイム)

 落ち着きましょう。取り敢えず発狂するのは走者としての嗜みですけど、そんなことはせずにKOOLに行きましょうKOOOOOOOLに!! それが大人にワタシの出来る子なのです(五里霧中) F◯CK YOU!(支離滅裂な言動)

 ……というか、これはほんとにどういうことなんでしょうか。え、リセ? 黙れ俺はまだ舞えるぞお前まだ舞うぞお前(必死)

 

 取り敢えず落ち着いて明日以降の予定を組みましょうか。スマホを起動して日本近海の天気図を……オゥ、台風あるやん。

 いえそれはいいんです(よくない)

 それは予定通りですので問題ないんですが、ネックなのは手塚監督が──というか撮影チーム全体としてこれに対処しようっていう姿勢があるってことなんですよね。いや普通はいいことなんですけど(疲弊)

 

 えぇと、ひとまず明日からの予定は──

 

 15日目と16日目に後日の撮影を繰り上げて美術スタッフの少なくて済むオーディション組諸々の撮影を行って、17日目に元輝くんのクライマックスシーンの撮影を行う、と。

 元輝くんのシーンは山の中で行うので、台風の後だとどうなるかわからないから、そこにスタッフを回してセットを完成させつつ他のカットを撮っていく──と。

 確かに(スタッフが死ぬことを除けば)効率的ですね。見てください美術監督が死んだ顔してますよ。ウケる(仮死状態)

 

 

 

 ……………………なるほど(SAN値チェック)

 

 

 

 これはリセ案件一歩手前でしたね(ファンブル)

 マジ危ねぇ。死ぬとこでした。マジでNICE BOATする五分前でした。こんなとこで再走とかホントに洒落にならん……!!(アイディアロール失敗)

 いや、ほんとにこの会議イベント始まる前に千世子ちゃんとコミュ取れて良かったです。ギリギリのギリでした。リアルフェイスかお前……!(不定の狂気発症)

 いやでもマジで危なかったです。ていうかなんでこうなったんですかね? いつもなら直前まで対策を取ることはないはずなんですけど……うーんわからん。これは後で調べる必要がありそうですね。でも千世子ちゃんと景ちゃんの共演スキップした上にクライマックスシーンでまとめてフラグ消化できるので一石二鳥ですね。結果オーライとも言います(目逸らし)

 

「らしくないよ、監督」

「……え?」

 

 >予想だにしなかった主演からの言葉に、話しかけられた監督ではなくプロデューサーの方が驚いたらしい。ぎょっとあなたたちの方を向く。

 

「台風だろうとなんだろうと、私と夜凪さんのシーンは撮らないとダメだよ」

「い、いや……千世子ちゃん。でも……」

「後、2日。台風がくるのが遅かったら改稿のしようもあったかもだけど……もう遅いよね。ここまで撮影スケジュールを消化しちゃってる以上、クライマックスを切ってその他で補填するのは難しい。

 三幕構成くらい守らないと、流石にお客さん騙せないよ」

「いや、でも」

 

 まあ論理もクソもない言いがかりだからその反応が正しいんですけどね(鼻ほじ)

 

 ということで、なんかよくわからないんですけど(走者としてあるまじき発言)、千世子ちゃんがうまいことプロデューサー説得してくれたんでよしとしましょう。

 ……恐らくさっきのコミュとオリチャーのお陰で千世子ちゃんから景ちゃんへの対抗心煽れてたのが良かったんでしょうね。たぶん共演してフルボッコだドン!! ルートに突入できたのでチャート通りです。チャート通りって言ったらチャート通りです。異論は認めません(必死)

 

 ……………………。

 ………………。

 …………。

 

 

 はい。

 ということで会議アクトも終われば後はフリータイムです。コミュ取れよオラァン!! タイムです。千世子ちゃんはそそくさと部屋に帰っていったことを確認して……時間的にも、もう出来そうなアクションはあんまりないです──が!!!

 ここでそのまま寝てしまうとヤバいです。あと撮影まで2日間あるとは言え、ここで景ちゃんがホモくんと千世子ちゃんと共演できるようにしなくてはならないのでコミュを取りに行きま──ん?

 

 

 

 部屋の鍵が……開いてる……?

 

 

 

 

 

 

 






 鍵が開いてる?
 ならば聞き耳と目星をふろう(TRPG脳)
 初期値で25%もあるから十分だよ(アルコール脳)




 はい。すみません遅れました。言い訳はしない。恨むなら恨め(開き直り)
 とりあえず来年の春くらいまではこんな調子でしか更新できないと思います。申し訳ねえ。
 でもチマチマ描いてたり描いてなかったりするから……エタる? え、なんのことですか?(震え声)



 呪術廻戦面白……




【備考と補填、あと変更点】


 原作
 Day14:千世子ちゃんと茜ちゃんの共演
 Day15:景「私、千世子ちゃんと友達になろうと思うの」
 Day18:景と千世子、共演
     &台風襲来

 元々のチャート
 Day14:千世子ちゃんと茜ちゃんの共演
 Day15:景ちゃんと千世子ちゃんの共演
     &ホモくんがコミュとって瀕死
 Day17:台風情報確認
 Day18:ホモくんのクライマックスシーン撮影

 今のスケジュール
 Day13:ホモくん、手塚監督煽る
 Day14:千世子ちゃんと茜ちゃんの共演
     &台風情報確認、そしてミーティング(今話)
 Day15~16:セット組む、その他撮影
 Day17:ホモくんのクライマックスシーン撮影


 【敗因】
     手塚監督を煽ってしまった

テンポ

  • もうちょっとサクサクやる
  • 今まで通り
  • もっと細かく(他キャラとのコミュも描く)

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