scene25『でーと・でーと・でーと?』
柊雪は悩んでいた。
スタジオ大黒天のアシスタントである雪は、古ぼけたスタジオでいつものように珈琲を入れながら、どうしたものかと頭を抱えていた。
大小様々な悩みはあれど、悩みの種はもっぱら仕事……というよりお金のことだった。
我が大黒天の抱える唯一の女優――墨字さんの見つけてきたダイアモンドの原石こと夜凪景ちゃん。
天才であることの裏付けみたいに、すこぉし変わった性格をしているせいで結構周りを勘違いさせてしまいそうで、ちょっとこの先大丈夫かなぁと思ったり思わなかったり。
茶色いドリップが落ち切り、珈琲が出来上がったのを確認すると、私は映画のグッズのマグカップを取り出した。出来上がった珈琲をマグカップに注いで、私はそれを持ってキッチンを離れた。
「すごいでしょ! お姉ちゃん、この天使と共演したのよ!!」
「もー聞いたってばー」
「あいつすげぇな、ずっとあの調子じゃねーか」
「……眠ぃ」
くぁ、と小さく欠伸を咬み殺す、黒髪の男の子がスタジオに設置されたテーブルでくでぇっと溶けていた。
テーブルに珈琲を置く。テレビで流れてる特撮ドラマにわーきゃーしている子供達を尻目に、
「なんか疲れてるねー、どうしたの」
「……。ゆきさん、おはよス」
「おはヨー……って、そんなすぐ寝ようとしてー」
「ぐっない……」
「まったく」
起きますよー、となんだか疲れ顔の元輝がマグカップを傾けた。何も言わない元輝と相反して、珈琲を一気に煽った墨字は苦い顔をした。
「そろそろいい豆にしろよ」
「働いてから言ってください」
「最近働いてんじゃねえか」
もっと稼げる仕事少しはやってください!! と憤る雪をどうどう落ち着けと、なんだか煽ってるように見える墨字。もはや闘牛士だった。
墨字はカレンダーに視線を送ると。
「ああ、そうだ。夜凪、お前、四日後の日曜空いてるか?」
「日曜日? 空いてるけど、何か仕事かしら」
「いや――柊」
「うぇ!!」
「お前、こっそりチケット譲ってもらってたよな」
「……なんで知ってるんですかぁ……」
しぶしぶ雪は財布から舞台演劇のチケットを取り出した。タイトルを、『そのマタギ』という。雪が大学時代のツテを使って入手した演劇の初日チケットだった。
舞台演出家、巌裕次郎。
世界的に通用する、日本では数えるほどしかいない演劇界の重鎮。そんな彼がオーガナイズする『劇団天球』。演目『そのマタギ』は巌裕次郎が集めた実力派の俳優によって演じられ、その演目は毎回完売――昨今、演劇が下がり調子である今も尚、一定以上の価値を示し続ける稀有な劇団だった。
「お前に次の仕事をやる」
「――お仕事? オーディションかしら」
「いいや、今回は『劇』だ。
一発だけのリテイクなし……まあ、今のままのお前じゃあ無理だろうな。
『銀河鉄道の夜』――学校の授業で少しくらいはやったことがあるだろ? その中の登場人物の一人が、お前の次の仕事だ」
宮沢賢治の遺作――『銀河鉄道の夜』。
主人公「ジョバンニ」とその友人「カムパネルラ」。
二人が銀河鉄道と呼ばれる機関車に乗り、銀河を旅する。不可思議な乗客と出会い、交流することでナニカを得ていく、宮沢賢治の未完の作品。
「……」
なんだか雪は嫌な予感がした。
せっかく手に入れた機会がドブに――いや、雛鳥の餌にされることを予感した。
手に持っていたチケットを墨字が無造作に奪った。そのまま景へと手渡す。
「これって……舞台のチケット?」
雪は思う。
墨字の景ちゃんへの成長を促すのは最も大切なことである。確かに景ちゃんの持つ才能があれば観劇によって成長することができるだろう。
だが流石に
今までになく真剣な目をして、墨字は言った。
「勉強がてら見てこいよ」
――あの野郎後でぶっ殺す。
信頼は崩壊した。雪は激怒した。かの邪智暴虐の元上司を決して許してはならぬ。現実的には明日のメシにデスソースを混ぜることにした。無論躊躇などない。
「それ私が工面したチケットなんですけど……」
「いいだろ別に」
「そんなんないですってぇ……」
「――えと、わかったわ。じゃあ……元輝くん」
ここ最近になって大黒天に設置されたこどもスペースでルイの馬になっていた元輝。なんだかいつもより疲れた雰囲気があるから、最近まで働き詰めだったのかもしれない。
「うん? どうした」
「次のお休み、その……一緒に舞台を観に行かない?」
「舞台か――『そのマタギ』だったか」
うん? と眉を上げてチケットを覗き込んでくる元輝。どうかしら、という間もなく。
「俺もそのチケット取ったけど、初日は予定あってなー。先約があるんだ」
「え」
その事実に、景は完全に固まった。
「え、元輝くんチケット取ったの!! なんまい!!」
「2枚ですけど」
「――後生。一枚譲ってくれませぬか」
「別にいいですけど……」
「うっしゃおら!!!!!」
――はい、ということで銀河鉄道から飛び降り自殺を企むRTA、はぁーじまーるよー(大嘘)
デスアイランドから帰宅して一週間、とりあえず毎日のようにウルトラ仮面の撮影とオーディションで得たCM撮影、チヨコエルとのラジオにオーディション検索など、今の時期にやれることをとりあえず全ブッパでチャートを進めました。
結果として睡眠時間が3時間を一週間とかいう鬼畜スケになりましたが、これから二日くらい休みがあるので耐えです(ブラックも真っ青)。とはいえホモくんも疲労困憊のよう……これやりすぎると走者側のガバ関係なく知らないとこでガバ出ちゃうのであんまりやりたくないのですが、まあしょうがないです。やっぱ労働は悪ってはっきりわかんだね……(クソデカため息)
ということで、今日は仕事も休みですし、大黒天にでも遊びに行きましょうか。
今回のチャートでは巌ッチとの仕事を省く予定なので、銀河鉄道前に巌っちか阿良也とコミュを撮りたいので、仕方ないですが景ちゃんと別枠で『そのマタギ』を見に行きます。で、一人で見に行ってもいいのですが、せっかくチケットガチャで2枚取れたので雪ちゃんか武光くんあたりと一緒に行ければ羅刹女編でのウマアジになるのですが……まあここは雪ちゃんにしときましょうか(ノンケの意地)
……お、雪ちゃんとのアポが取れました。アチー! やっぱりアホ毛は正義、はっきりわかんだね。
ということで景ちゃんの誘いを断ったことで、チヨコエルかアキラくん、大穴武光くんが一緒に行く相手に選ばれます。まあここは関係値とかの問題もあるので正直ガチャですねー。……とはいえ、ここで断ると、なぜだか最終的にアキラくんとのデートになるあたり作者の意図を感じますね。
それでは大黒天から帰宅している間に、今後の流れについてざっくり説明しようと思います。
今回のチャートでは、銀河鉄道にはメインで参加いたしません。巌っちの遺作である以上、今回の作品ではホモくんが主役を取れることはほぼないです。阿良也と景ちゃんのダブル主演というのはほぼ免れないわけですねー。
なので今回は夜凪ちゃんのサポートに回ることで巌さんの必要経験値を取得するチャートを採用しています。回数的には2-3回程度劇団天球に顔を出す形になります。『銀幕』関連のトロフィー取得を目指しているため演劇はあんまりウマアジではないわけですねー(羅刹女は除く)
そのため今回のチャートでは、臭いフェチストーカーこと明神阿良也とのコミュには景ちゃんを介しての謎の三角関係チャートが発生します。……まあ、チャートをより早く始めて巌裕次郎に見出されることで『銀河鉄道の夜』以前に主役をもらえることもあるのですが、そうすると最終的に舞台俳優としての能力が高くなってしまい目標達成にはなりにくいので今回は不採用としています(5敗)。あとは阿良也節がむずすぎてコミュしきれないという問題もあります。
あ、あとですね。ちなみに原作通り、阿良也くんは臭いがしない役者にはほぼ関わらないので、ステータスがカスだと無視されます。
握手を求めてスルー、劇団天球に足を踏み入れたら端っこに追いやられ、挙句の果てには認識されなくなります。スターズチャート時はされました(8敗)。人ってあんなに泣けるんですね……盛大なトラウマとかしてしまっています。
そんなことで、とりあえず今回のチャートでは劇団天球には――というより、『銀河鉄道の夜』にはさほど関わりません。これもチャートのため、景ちゃんには頑張ってもらいましょう。
ということで、劇団天球に顔を出すのは景ちゃんが表現に困って死にそうになってる一週間付近になります。じゃけん今は仕事しましょーねー。
景ちゃんとアキラくんのデートから翌々日……雪ちゃんとの激アツデートをこなしたあとは、ひとまず一週間ほど仕事に明け暮れます。
デスアイランド帰宅後から入手した月9の案件です。今回のチャートで羅刹女にアサインするために、必要以上の知名度と『実力派』という肩書きは必須条件です。『ウルトラ仮面』の撮影と並行して、めっちゃくちゃバズる必要性があります。
今作品でバズるために必要な条件として
①映画作品に一つ参加しA+以上の評価を獲得する。
②TV作品のいずれかに参加し、S以上の評価を獲得する。
③MVで一億再生以上の作品に参加する。
をこなした上で、大手CMに三つ参加する必要があります。羅刹女編ではCM三つとまではいかなくても、①〜③及びCM撮影は一つはこなしておく必要があるわけです。
というわけで。
「ふん!!! 私の方が先輩なんだから敬いなさいよね!!」
さなぎちゃんは可愛いなぁ。
本日はCM撮影です。デスアイランド前に撮影した洗濯男の評判が良かったらしく、その続編、延長として今回この仕事をゲットできたわけです。
やっぱ顔なんやなぁって。
今回のCM撮影では例年通りのCM撮影に加え、ホモくんとさなぎちゃん――皐月ちゃんとの共演となります。
いやーしばらくはこれで怪獣たちから離れて修行できるので助かりますね――
「……あなたが、わるいの」
>血が落ちる。
>命がこぼれ落ちていく。
>涙を蓄えた千世子が、元輝の体に縋りながら、崩れ落ちていった――
「なんで、どうして、こんなことに―――――」
どうしてこうなったんでしょねえ(諦観)
早く……修羅場……かきたい……!!!!!!!(発作)
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ギャンブル
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銀河鉄道編メイン
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とりあえず先進めて修羅場やっちゃう