アクタージュ『銀幕の王』獲得RTA   作:銀幕

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アクタージュRTA走者が増えてウレシイので実質初投稿です。
アンケートとってるので解答よろしくお願いします。




scene6『それは星に手を伸ばす愚行のように』

 

 

 

 

 ダイアモンドチャートは砕けない。そう思った矢先に木っ端微塵にされちまったRTA、はぁじまーるよー。

 

 前回*1は……死ぬかと思いましたね……。

 まさかブラック黒山がホモくんの親戚だとは思いませんでした。すごく僥倖です。同時にチャートにヒビが入ります。何で……ッ! 試行中に当たったことがないケースに本番で当たるんだよ……ッ! クソァ……ッ!

 黒山監督の親類というステは、正直今回のチャートでは大当たり中の大外れと言ったところです(矛盾)

 ぶっちゃけチヨコエルとゲームスタート時点で遭遇していない、知り合いの関係にないという状態であれば大当たりでした(wiki参照)。とはいえ、それでも彼の演出・指導を受ける可能性が僅かでも出来るというのはなかなかのアドなので続行します。

 

 今回の案件はカレーライスのwebCMです。

 CMの尺は15秒のみで、監督は黒山墨字が担当するとのこと。珍しいですね、あの人がこんなクソみたいな案件を了承するとは思いませんでした。兎にも角にも、彼が監督となっては下手な演技はできません。

 出来ることはやっておきましょう。墨字さんに頼んで絵コンテを見せてもらいます。絵コンテの把握をしておくと『百式演技術』の習熟度上げにバフがかかることがあるので、今後も出来る限りやっておくようにします。

 

 今回のCMのテーマは『休日にカレーを』、です。プロデューサー曰く、別CMのテーマと対の関係のwebCMとなる予定らしく、向こうに対してこちらのCMのメインターゲットは主婦とのこと。そりゃ清潔な見た目したイケメンが美味しそうにカレー食べてればそりゃその商品も売れますよね(鼻ほじ)

 ……絵コンテを見た感じですが、今回、15秒のシーンのうち最初の"チーズカレーの焼き上がり〜食卓へのセット"の3秒間弱のカットを除けば、大体がカレーを頬張ってるシーンですね。

 食べているシーンを撮られるため、綺麗な食べ方であること、かつカレーの美味しさを画面越しに伝える必要が出てきます。となるとカメラワークと撮影範囲の確認は必須になりますね。

 正直……あたりです。これは『百式演技術』の習熟度上げにはもってこいの案件じゃないですか。屑運と豪運交互に出るとかホントに……もう……(クソデカため息)。それにしても暗殺者ルートで死ぬほど苦労させられたこのスキルを育ててることになるのは中々感慨深いですねぇ。

 おっと。

 会議アクト(ミーティング)中でしたし、墨字さんから条件が提示されそうです。カレーは飲み物だろ? ほら一気で飲めよとか言われないといいんですが。

 

「おじさんじゃねぇお兄さんとよべクソ元輝。さっさと撮影始めるぞ。尺は15秒、テストなしの一発撮りで行く。できるな?」

 

 おま頭おかしいんじゃねぇの!?

 

 失礼取り乱しました。大丈夫です。何の問題もありません。別に黒山監督の作品で一発撮りとかありえねぇヤッベェ死んだわ俺、とか欠片も思ってません(精一杯の虚勢)

 これはちょっと気張らなきゃですねぇ……。撮影開始に撮影範囲の確認はしてましたがもう一度やっておきます。あと10分もすれば撮影開始です。やれることはやっておきましょう。

 

 撮影が始まりました。

 ただの撮影アクトなので、今の内に今回の撮影で行っておくこと説明します。

 

 今回の撮影アクトで注意するべきことは大きく分けて二つです。

 

 一つ目は先ほど言ったように、『百式演技術』の習熟度上げ兼カメラの撮影範囲の理解です。

 カメラの撮影範囲の確認は、映画やドラマといった撮影されただけの画面を通して見るだけでは完全に理解し切れないところがあるため、『百式演技術』を習得した上で撮影に及ぶ必要があります。

 事前に撮影班に頼み込んで撮影範囲の確認を行い、レンズの癖から規格まで頭に叩き込みましょう。昨日の夜の千世子ちゃんとの電話で色々教えてもらえたので助かりましたね……。継続的に教える代わりにと、ディナーとメソッド演技のコツを教えることを要求されてしまいましたが、等価交換(ギブアンドテイク)というのは世界の真理のなので仕方ありません。提示された条件が条件だったので、予約取ったり時間を合わせるのにも苦労しそうで嫌になりますけど、それを差し引いてもうま味です。

 

 ……話が逸れました。

 二つ目の目的は『メソッド演技』と『百式演技術』の併用の試運転です。"周りから完璧に見られる仮面を被りつつ他者との境界の薄い演技をする"──非常にハイリスクハイリターンな演技ですが、現在のホモくんの精神のステータスがカンストしているので採用する運びとなりました。これといった問題が起こることはないはずですが、念には念をということでジャブ程度に行っておきましょう。

 

 おっと。いつの間にやら撮影が終わったみたいですね。評価はS+です、テストなしの本番一発撮りにしては上手くいきました。本当にこういうリスキーな撮影はしたくないです。心臓が口から飛び出るかと思いました。

 ……うーん。やっぱりこの2スキルの併用はフラグを立て終えてないのでそう上手く噛み合ってくれませんね……。これに関しては私がどうこうできるものではないので、ホモくんの撮影中に試行錯誤してもらうしかないですが……。まぁテストくらいなら暴走しても誤差よ誤差。

 あっ、スタッフさん。わざわざジュースありがとうございます。

 

 そういえば(唐突)

 撮影──特にCM撮影で高い評価を得るには"馬鹿にでもわかるように演じる"というのが意外と大事になります。原作ではゴジラのオーディションの時に黒山監督が言っていましたが、今回のような撮影のイメージは若干異なります。どうやるのかというと──

 

「元輝くん、その演技、どうやってるの?」

「いわゆる伝える演技の延長線で、境界線を浮き彫りにするみたいな話なんだせど──って、え、

 >聴き慣れた声だ。振り向くとそこには貴方の幼馴染みである夜凪景が立っていた。

 >驚愕のあまり貴方はコップを落としてしまった。どうして景がここにいるのか尋ねても要領を得ない答えが返ってくるばかりだ。

 

 ……………えっ(難聴)

 

「こっちのセリフなんだけど。お母さんが最近忙しくしてるっていってたの、撮影してたからなのね。知らなかったわ」

 

 ………………(心肺停止)

 

 

 えっ。

 

 

 えっ嘘でしょ? 嘘だろ? 嘘か? 嘘だな! 嘘じゃねぇの!?  ウッソだぁ! ……嘘じゃない? なんだよ一体俺が何をしたって言うんですか畜生!!!! クソァ!!!! テメェ神様なんとか言えよクソ野郎! ぶっころすぞクラァ!!

 

 >あなたの前に現れた景は、相変わらずのポーカーフェイス気味の顔を、くしゃっと歪ませながら両手を突き出した。ふんすー、と誇らし気に胸を張りながらピースサインを作った。

 

 

「──私、女優になったの」

 

 

 うわああああああああっっ!! なんだよ! なんッなんだよッ!! ふざっ、ふざけんじゃねぇッ!! 畜生ォ! 畜生ォッ! この馬鹿!! 馬鹿野郎ォォォオオ!! うわああああああっっっ!!!!

 ………………。

 …………。

 

 

 

 つらい、つらいよ……。なんだよ、なんなんだよコレ……。もう、殺せ。殺せよ……。もういっそ殺してくれよ……。

 

「……そうだわ。久々にあったわけだし、今日の夜にでもご飯食べに来ない? 今日は特製カレーなの」

「カレーは辛えな」

「今日は中辛よ」

 

 なんで。ああ、きえる、きえる、うすれていく。たもてない、ちゃーとを、たもてない。

 なんでこんな、こんなことに、わるいことなんかなにもしてこなかったのに、なんで──

 なんでこんなことに……。

 やだ……いやだよぅ……こんなのひどい……あんまりだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜凪邸に……やってきました……(瀕死)

 

 つい先ほど。

 というか撮影終えた瞬間に、ホモくん、実は夜凪景の幼馴染みだったとかいう衝撃のあまり全米が震えた事実が発覚しやがってくれやがりました。そりゃホモくん『メソッド演技』持ってる訳だよ……。

 

 ゴジラの幼馴染み、チヨコエルの友人、ブラック黒山の親戚──とんでもない豪運を発揮してしまいましたね。そんなことしなくていいのに……やめて……(懇願)

 あんまり記憶がないんですが、墨字さんとの会合が予想より長引いてしまったらしく。悲しいことにGODZILLAとの関係性を精査する時間もありませんでした。仕方なくではありますが、お誘いに乗る形で夜凪邸にやってきましたという運びです。

 墨字さんに蹴り上げられたというのも理由の一つということもなくはないですが、ここまで来てしまった以上、ここで夜凪家との関係を確認をしておかなければ死んでも死に切れません。リセかどうかはそこで決めたいですね……。

 開始時点で両者共に知り合いだったルートを走ったこともありますし、確かに上手くいけば大幅な時間短縮も望めます。……ただフラグ管理がマジでエグいことになることは避けられません。避けられません(強調)

 

 頼むからいたって普通の幼馴染みルートであって(必死の懇願)

 

 お呼ばれしてる時点で手遅れな気がしない訳ではないですが、同業者補正ということで見てないことにします。知らねぇ、俺何も知らねぇ。知らねぇって言ったら知らねぇんだ。

 ──行きます。

 オラァ! ホモくんのご挨拶だぞ! インターホンを(倍)プッシュだァ!

 

「来たのね、おかえり」

 

 >クリーム色のエプロンをつけた景が玄関を開けてあなたを出迎えてくれる。

 >あなたは一言断ると、慣れた手つきで靴を脱いで部屋へと上がった。カレーの芳ばしい匂いが鼻を擽った。

 

「もうすぐできるからちょっと待ってて」

 

 

 慣れた手つき……? 

 

 

「あれ、元輝お兄さんだ」

「久しぶり!」

「こら、久々だからって元輝くんに迷惑かけないのー」

 

 

 ルイとレイと仲がいい……?

 

 

 

 狂いそう……!(静かなる怒り)

 

 

 

 待ってくれ。待ってくれよ。なんだってこんなに酷いことをするんだ。誰でもいい。誰か教えてくれよ……。

 ……いや、まだだ。まだ諦めるような時間じゃない……っ。まだ最高評価だとしてもは付き合いの長さと家族絡みの付き合いの二つだけだ……! ここを踏ん張れば時間短縮が見込めるんだから……! 諦めたらそこで試合終了だぞ……!

 

 >あなたがルイとレイに引っ張り回されながら遊んでいると、台所で景が静かに笑いながら手際よくカレーを作っていた。

 >十分ほど待てば、どうやら完成したらしい。あなたはルイとレイを引き連れてちゃぶ台を囲んだ。

 >景がいただきますと手を合わせた。あなたも手を合わせると、スプーンを手に取ってカレーを食べ始める。さきほどのカレーよりこっちの方が好きだと言うと、わずかに顔を赤くしながら景が顔を伏せた。

 

「姉ちゃんが照れてる」

「照れてる」

「…………照れてないわ」

 

 >『メソッド演技』の習熟度が3上がった。

 

 

 うそぉ。

 …………うそぉ(諸行無常)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『洗濯男番外編』

 

 2010年代後半からシリーズ的に放映されている某洗剤のCMだ。今をときめく俳優が、よくわからないテンションで洗剤についての愛を語り合うこれまたよくわからないCMだ。

 それでいて根強い人気があるのだから市場というのはわからないものだと思わず考えてしまう。

 

 というのも、僕、星アキラが今回演じるCMがその洗濯男のwebCMなのだ。

 今回のCMは新商品のドラム缶型専用洗剤について語り合うという内容になっている。汚れてしまった白いTシャツを二人して洗うという、撮影形式としては馬鹿やってる高校生を撮るドキュメンタリー、みたいなものに近い。

 いわゆる"素の演技"が求められる仕事だ。千世子くんにすごく適性のあるタイプだろう。

 

 "番外編"ということで今回の撮影に参加する俳優は僕含めて二人と本編に比べて少ないが、今のところはweb限定でのオンエアらしいので妥当なところだと思う。

 それで、今はその撮影が一段落ついたところだ。監督が素材の確認を行なっている間、僕たち俳優組は少し待たされることになる。もうワンシーン別の脚本で撮るからその準備待ちというわけだ。

 控室でスタッフから頂いたペットボトルの紅茶を飲んでいると、目の前の青年が頭を抱えながら項垂れている。ガリガリと頭を掻いた。

 

「なんでこうなったんだろうな、教えて欲しいよな。やってられねーよマジで」

「どうしたんだい穂村くん……?」

「堀くんだけが俺の癒しだチクショウ……」

「星なんだけどね」

 

 あんなに色々質問攻めされるとは思わねぇだろ普通……とボヤく彼は僕と同じ俳優組の穂村元輝だ。

 マネージャーから初めて名前を聞いたとき、どこかで聞いた名前だと思って調べてみたら千世子くんがこの前話していた俳優だった。世間とは中々に狭いものである。

 

「なんでこうなったかなぁ……」

「……よくわからないけど大変なのはわかるよ」

 

 力なく項垂れる彼にそう声をかけながら、僕は先ほどの演技を思い返した。

 先ほどの撮影での元輝くんの演技は、素晴らしいものだった。隣で演じていて、思わず圧倒されてしまうような演技であることになんの間違いもない。

 "洗濯が好きだという自分"を演じるそのレベルが段違い──なるほど、千世子君がスカウトしようとする訳だ。

 

 そういえばと、千世子くんに一度、彼が出演していた演劇を見せてもらったことがあったことを思い出した。"演技をしていない自分"という演技ですらあのレベル。演劇の形式であればどうなるのか……事実として、舞台の上の彼の演技は、画面越しであるにも関わらず、ダイレクトに感情を伝えるような演技だった。かつての星アリサを彷彿としてしまうほどに。

 

「──ん?」

 

 穂村君の背中側のドアが開いて、誰かそっと顔を出した。

 ぬっと現れたのは白いボブカットがトレードマークの千世子君だった。しーっと口元に手を当てながら忍び足で元輝くんの背中へと寄っていく。

 

「だーれだっ」

 

 ざっくりとしたデザインのニットに包まれた腕が元輝くんの目元を隠した。んっ、という声が元輝くんの口をついて出てくる。微笑を浮かべた千世子君が上機嫌に頭を揺らしている。

 

「……百城さん?」

「正解。よくわかったね」

「そりゃ流石にそろそろ覚えますよ」

「もう、名字じゃなくて名前でいいのに──おはよう、元輝君、アキラ君」 

「ああ、おはよう千世子君」

「おはようございます、百城さん」

 

 これ差し入れと言って包み紙を渡してくる彼女に、どうしてここに? そう問いかけると、彼女はステップを踏むようにして僕たちの前に来て、くすりと笑いながら、

 

「仕事帰りなんだ。ここで撮影してるって話を聞いたからついでに来たの」

「百城さんも撮影だったんですか?」

「ううん。告知の仕事だよ。今度スターズ主催でやる映画のオーディションの告知。元輝くんも受ける? 一緒に仕事しよ?」

「……考えておきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 百城千世子は鬼才だ。

 僕は彼女の努力を知っている。そしてそんな彼女もまた、万人から美しく見られるという異能に近しい演技力を持っている。

 

 夜凪景は本物だ。

 母さん(星アリサ)を想起させるような憑依型の極致だろう。他者を圧倒するその演技は、周りの共演者を引き摺り込むような彼女の演技は本物だ。

 

 穂村元輝もまた、天才だ。

 カメラワークを把握しきり、画面越しにすら彼の抱く感情をダイレクトに叩きつける。決して観客を手放さないその演技は圧巻以外の何者でもない。

 

 だけど、僕が憧れてる才能は、星アキラの中にはない。

 それは欲しても手に入るものではないと、心のどこかで分かっている。

 だから、星アキラは無才でしかない。

 能力があって、無才なのだと。

 

 何もなかった。

 僕には、何もなかった。

 なりたいものになる力も。『本物』になる才能も。

 昔の僕は、そう見えた。

 

 それでも僕は、俳優という仕事を続けている。

 

 演技という麻薬から、抜け出せずにいる。

 彼女らが芝居で一瞬で流すその涙に、僕が何年も流し続けた汗が一度でも勝つことができたなら。

 努力の果てに、本物に勝つことができるのだと。

 そうやって、信じることをやめられずにいる。

 

「そろそろ撮影再開か。行こうぜ堀くん」

「僕の名前は星アキラだ……──元輝くん。負けないからね」

「……期待してるよ」

 

 知っている。

 それが、星に手を伸ばすようなことだと知っている。

 星アキラは、それがわかっている。

 でも諦めない。諦められない。

 

 確かに母の言う通り、不幸は不幸だろう。

 ただ、僕にとっての本当の不幸は、そうやって今なお役者をやっている自分を、後悔していないことだ──

 

 

 

 

 

*1
scene4『GODZILLA』






なんか堀くんシリアスなんですけど……なんで……?(純粋な疑問)
というかチヨコエルとゴジラは作者ですら翻弄するからほんとに扱いに困ります(切実)チャート跡形もねぇや(失笑)

そろそろデスアイランド入りたいので失踪します。

ギャンブル

  • 銀河鉄道編メイン
  • とりあえず先進めて修羅場やっちゃう
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