最初は三人称視点です。最後に主人公視点があります。
「ねぇ!
数多の星が存在する世界、
「その国では、この世界と違って一つの大きな惑星にとてもたくさん国があるんだよ!」
とても興奮してその話をとても楽しそうに話す少女のそばにいた大柄な男がその少女の話をとても興味深そうに聞いていた。
「へぇー、だがそんなひとつの星にそんな国があっちゃ戦争が絶えねぇだろうなぁ」
男が興味深そうにそれで少し嫌なことを思い出したようで顔を顰めた。
「それがね、そうでもなくて国同士の争いがないんだよ!」
その少女の争いがないという言葉に少女の向かいに座っていた赤い髪の女性が反応する。
「そんなわけないだろう。どの世界だろうと戦争が、争いがない世界なんてないさ」
彼女の厳しく、そして優しく諭すような言葉に隣に座っていた同じ赤い髪の男の子が喋る。
「そうだよ。世界っいうのはそんなに優しい世界じゃないんだ」
その二人の言葉に少女は拗ねたように言う。
「ほんとのことだもん。」
その話に今まで聞いているだけだった少し気だるそうな青年が喋る。
「でも、そんなに平和な世界だってんなら行ってみてぇよな~」
その青年の言葉にその隣に座っていた二人の男女が反応する。
「そうね。平和な世界ってやっぱり憧れるわね」
「そうだな。そんな世界一度でいいから行ってみたいものだ」
そんな二人の真正面に座っていた顔や身長が瓜二つのふたりの少女も同意した。
「そんなに平和な世界ならきっと住めたら幸せだろうな~」
「幸せだよね~」
そんなふたりの近くに座っていた寡黙そうな青年も言った。
「・・・そうだな。行ってみたいな」
静かに、でも少しだけ嬉しそうに言った。そのみんなの言葉に少女は
「そうだよね!行ってみたいよね~」
とても嬉しそうに話していた。そして
「ねぇ、二人はどう思う?」
自分の右隣にいた黄金の髪を持つ少年と白銀の髪を持つ少女に聞いた。
「そうだね。そんな素晴らしい世界、一度でいいから見てみたいね」
「そうね。こんな国を出て行ってみたいわね。」
みんな思っていた。そんな世界に行ってみたいと。この地獄のような日々から抜け出して幸せな日々を過ごしたいと。そんな時一人の青年が看守と思われる二人の男達に引きずられて自分達のいる牢屋に投げ込まれた。体が血まみれの状態で
そんな青年にみんなが血相を変えて駆け付けた。
「悠!しっかりして!」
「布だ!なんでもいい!布をくれ!」
「すぐ持ってくる!」
「クソ!今日は一段とひどいぞ!」
「お願い!急いで!」
「悠!悠!」
「・・・んっ」
悠、そう呼ばれた青年はしばらくしてから目を覚ました。目を覚ました彼にみんなが駆け寄った。そんなみんなを見て彼は起き上がろうとした
「悠、まだ起き上がっちゃだめだよ」
「まだ安静にしていなさい」
金髪の少年とこの中で一番年上と思われる女性にそう言われた。
「ありがとう。だが大丈夫だ。もう傷も癒えた」
そう言ったがみんな納得はしなかった。
「だめだよ!何回も言うけどそんなに早く起き上がっちゃ傷がまた開いちゃうよ!」
「うん。まだ起き上がっちゃダメ」
「絶対ダメ」
そうみんなに言われて彼も観念した。起き上がりはしなかったが上半身だけ起こした。
「・・・わかった。みんなすまない。心配かけたな」
「何度も言うが、おまえが傷つくと俺たちも辛い。おまえ一人が責任を負う必要はないんだ」
「俺らの失態をおまえ一人に負わせられねぇんだ」
「・・・お前たちの言う失態は失態のうちに入らない。あいつらの暇つぶしだ。そんなに気負う必要はない」
「でもっ!」
「それに俺はお前たちを率いているってことになってる。奴らには目障りなんだろう」
その言葉に全員がとても悔しそうに顔をした。そんなみんなを見て彼は困ったように笑った。
「それより、何か面白い話はないか。あったら聞かせてくれ」
その言葉に今までの悲しみを一回忘れてみんなでさっきの話を彼に聞かせた。そしたら彼は
「そうか、そんな世界がこの世にはあるんだな」
その言葉にみんなが一気に笑顔になった。そして彼はとんでもないことを言い出した。
「いつか全員で
その言葉にみんなが驚愕した。そんなこと出来るわけがない、不可能だと。
だが、こうも思った。彼についていけばいつかいけるのではないかと。この地獄を抜けて本当の幸せを手にできるのではないかと。
「いつか
その言葉にみんなが自分の
「全員!固まるな!動け!ハチの巣にされるぞ!」
今、彼らがいる国奴隷国家ディリスは敵対国家から攻撃を受けている。敵は基本的にトリオン兵を使い攻撃を仕掛けてくる。そしてその中にトリガー使いを数人送り込んでくる。だがこちらは
「きゃあ!」
「!?負傷している者はすぐに下がらせろ!」
こちらはその名の通り奴隷だ。自分たち奴隷兵士として他も星から連れ去られてきてこうして戦場に駆り出される。しかも
「っがは!」
「決して深追いするな!下がれ!」
彼らにトリオン体のあるトリガーは渡されていない。トリオン体が形成できるトリガーはこの国では希少のため奴隷に渡されたのはトリオンのブレードだけなのである。
「何をしている!このゴミども!死ぬまで戦え!」
「っクソ!」
そしてこの国の上の人間にとって奴隷などただの捨て駒に過ぎないのである。
「悠!まずい、このままでは押し負ける!」
その仲間の言葉に彼は決意する。
「俺がこのまま駆け抜けて敵の指揮官を殺す。お前たちはできる限り無茶はせず戦ってくれ」
「!?正気か!いくらお前でも死ぬぞ!」
目の前には千を遥かに超えるトリオン兵がいる。いくら彼でも無謀だ。だが
「だが、そうでもしないと奴らには勝てない。やるしかない」
その彼の覚悟にうなずくしかなかった。
「・・・わかった。だが、死んだら承知しないぞ!」
「あぁ、必ず戻る!」
そうして彼はトリオン兵の中を駆け抜けた。およそ生身とは思えないほどの速さと身軽さで。
彼は目の前にいる二体のモールモッドが自分に反応するよりも早く二体を切り裂いた。そこに追い打ちをかけるようにもう一体のモールモッドの攻撃をかわし一刀両断にした。そして進んでかわしては切りまた進んだ。敵の指揮官の下にいっこくも早く着くために。
(あいつらは大丈夫か。いや絶対に大丈夫だ。信じろ)
そんなとき目の前に一人のトリガー使いが立ちふさがった。彼は直感した。
「・・・
何回か見たことはある圧倒的なまでのトリオン量と性能、まさに最終兵器
(流石にまずいな。
勝ち目のない相手、だが
「ここで引く理由にはならない。悪いがそこを通らせてもらうぞ」
「もうやめておけ。死ぬぞ」
彼はもう限界に近かった。体中傷だらけでもはや立っているのも辛い状況だ。そんな彼に敵の
「余計なお世話だ。何故わざわざそんなことを言う」
そういうと相手は
「・・・俺たちは、お前たちを殺しに来たんじゃない。あの国を壊しに来たんだ。あの国の醜さはお前たちが一番よく知っているはずだ。こちらに来い、もうあんな国にいる必要はない」
「そして俺たちはまた戦場に駆り出されるのか」
「お前たちの戦闘能力はとても素晴らしいものだ。それをあんな国のために使う必要なんてない。こちらに来ればちゃんとトリオン体のトリガーを支給しそれなりの地位も与えられる。もう一度言う、こちらに来い」
彼は、言った
「あいつらの中には俺よりも幼い奴がいる。」
「・・・・・・」
「俺たちが素晴らしい戦闘能力をもっている。そう言ったな。そうじゃない。みんなそうならざるをえなかった。毎日毎日戦った。この国に来てから戦わない日はなかった。もう俺たちはうんざりなんだ。俺たちは必ずこの国を出る。そして必ず玄界に行く。そう決めたんだ」
その言葉に敵は
「・・・そうか。だがこちらにもなさねばならないことがある。悪いが通すわけにはいかない」
決して譲らない二人。二人が駆けトリガーがぶつかる瞬間、それは起きた。
突然後ろにまぶしい光が現れたそしてその光は、ちょうどみんなが戦っているところに落ち、大爆発を起こした。
「!?おまえらーーーーー!」
そう。こちらの国が自分の国の奴隷もろとも今まで貯めていたトリオンの爆弾で吹き飛ばしたのだ。彼は目の前の敵に見向きもせず背を向け今自分が出せる全速力で戻っていった。そして戻れば
「!!」
自分仲間たちがあまりにも多い傷を負って倒れていた。彼はすぐに自分の仲間たちを連れてすぐ近くにある森の中に連れて行った。そして彼は急いで手当をしようとした。
「お前らしっかりしろ!大丈夫だ!まだ生き残れる!」
「・・・いや、もういいよ」
だが、彼らは拒んだ。
「!?何言ってんだ!諦めるな!」
「・・・ううん、もういいよ」
全員もう自分が助からないことは理解していた。
「悠、最後に一つ頼みを聞いてくれないか」
「!?縁起でもないこと言うな!」
そして仲間の金髪の少年は話した。
「僕たちを玄界に連れて行ってくれないか」
「・・・・は?」
彼は突然言われたことに驚いた。なぜならそれはあの日自分が約束したこと何故か今言われたからだ。
「そんなの当り前だろう!だからお前たちの手当てをっ!」
「・・・僕たちはもう助からない。だからせめて僕たちが死んだあと僕たちを連れて行ってほしい」
「なっ何を!]
そしてそこにいたみんなが自分のトリガーを持ち何かし始めた。突然トリガーと彼らが光りだした。なにをしようとしているのか理解してしまった。
「!?お前らまさか
「僕たちは一人一人のトリオン量は少ないけど全員合わせれば何とかいけると思ったんだ」
そのみんなの行動は本気というのが伝わってくる。だが
「・・・・・ふざけるな!!」
彼は認めなかった。いや認められなかった。
「お前らは玄界に行くと言ってただろう!」
彼は双子の少女と活発な少女に
「お前たちは学校に行ってみたいと言ってただろう!友達を作りたいと!」
年上の二人の男女に
「玄界に行って幸せになると言ってただろう!」
気だるそうな青年に
「自分の家を持ってずっと寝ていたいと!」
赤い髪の姉弟に
「二人でゆっくりしていたいと!」
寡黙な青年に
「一日中本を読んでいたいって言っていただろう!」
大柄な男に
「普通の仕事をしてみたいと!」
そして黄金の髪の少年と白銀の髪の少女に
「もっと世界を見てみたいといっていただろう」
全員が思った彼は本当に自分たちの王なんだと。彼だからこそ託せられるのだと。
「ありがとう。そんなおまえだからこそ託せられる。俺たちのすべてを」
「「「「「「「「「「「「本当にありがとう」」」」」」」」」」」」
そしてとてつもない眩さ包まれ残ったのは彼ひとりと、彼の手の中にある黒と銀の指輪だけだった。
彼はひとりしばらく呆然としていたがしばらくして立ち戦場に戻っていった。
戦場では敵国が今にもディリスに攻めようとしていた。その時彼が戦場に戻ってきた。
「!?あいつは・・・」
そして彼は向かいあった。
「ふん!ようやく!もどってき」
自分の通信機から耳障りな声がしたので通信機を取り壊した。そして仲間の、友の形見のブラックトリガーを取り出し
「・・・・・トリガー・オン」
トリガーを起動した。
「!?」
途端敵国の
「・・・お前たちとやりあうつもりはない」
「・・・・・・」
「お前たちは言っていたな。この国を壊しに来たと」
「あぁ、そうだ」
「この国は俺が滅ぼす。お前たちは自分の国に帰れ」
「お前一人でか?」
「この国にはもう俺の大切な仲間も誰もいない。全員死んだんだ。もういい」
「・・・わかった。俺たちは引こう。あとは任せたぞ」
「・・・言われるまでもない」
相手は引いていった。そして完全に引いたのを確認したら彼は立ち今まで過ごした忌まわしい国を見つめた。そして
「・・・もう、終わらせる」
そして大虐殺が始まった。女も子供も関係ない彼はすべて殺した。トリガー使いもすべて。そして
「やっやめろ!来るな!こんなことしてどうなるかわかっ!」
ディリスの王であった人間を追い詰めた。彼らの周りにはいくつもの死体が転がっていた。奴がなにかを言い終わる前に彼は手に持っている黄金に輝く剣で奴の両手を切り落とした。
「・・・答えろ。この国の
「ちっ地下だ!この城の地下にある」
「・・・そうか」
「たっ頼む!たすけ!」
奴の首を落とし地下に向かう。そこにはとても巨大なトリオンキューブがあった。
「・・・これで、終わる」
彼はそのトリオンキューブに自分の剣を突き立てた。その瞬間この国が、いやこの星が揺れ始めた。彼は予め見つけておいた遠征用の船で一人脱出した。
彼の心にはこの世界に対する恨みがあった。だがそれ以上にもう疲れたという気持ちと玄界に行きたい。こいつらと一緒に行きたいという希望と一緒に。
「・・・行こう。