堕天の王   作:危機一発

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12話

国近side

 

国近「おわった~~・・・」

「けっこう遅くなっちゃったね」

 

わたしは今、他のオペレーターの子たちと一緒に本部の中を歩いていた。

今、隣を歩いているのは嵐山隊の綾辻ちゃんと風間隊の三上ちゃん、二宮隊の氷見ちゃんだ

 

国近「みんな、この後どうするの~・・・?」

綾辻「わたしはこの後また隊室に戻るよ」

三上「わたしは今日は防衛任務はないので帰る予定ですね」

氷見「・・・わたしも隊室に一度戻りますね」

 

どうやらみんなそれぞれ戻るらしい。もし暇なら一緒に買い物に行きたかったけど・・・まあ、今日じゃなくてもいいかな。

そんなことを考えながらわたしたちはB級のブースの前を通るとやけにブースの中が騒がしかった

 

三上「・・・?どうしたんですかね・・・?」

綾辻「今日、ずいぶん多いね」

国近「・・・・・?」

 

わたしたちは気になりすこしブースの中に入ってみると、そこにはB級やA級の人たちがたくさんいた。中には

 

太刀川「あっ!出水のやつ!俺より先に戦いやがって・・・」

国近「あっ、太刀川さんだ・・・」

太刀川さんや嵐山さん、木虎ちゃんもいた

 

国近「・・・太刀川さ~ん」

太刀川「・・・?おっ、国近じゃん」

綾辻「嵐山さん、どうしたんですか・・・?」

嵐山「綾辻!いや・・・実はな・・・」

 

そしてわたしはなんで太刀川さんがいるのか聞いた

 

国近「太刀川さん、どうしたんですか?」

太刀川「いや、出水が悠と戦うって聞いたんでな」

国近「えっ・・・悠くんが・・・?」

 

わたしはそれを聞いてブースにあるモニターを見た。そこには・・・

 

国近「・・・・・えっ?」

太刀川「あー・・・そういえば国近は見た事無いんだっけか・・・」

画面に映っていたのは

 

綾辻「・・・嵐山、さん。あの人は・・・」

嵐山「・・・・・あれは」

木虎「悠くん・・・」

 

見た事のない姿、見た事のない剣を持ち・・・体に無数の傷がある悠くんの姿だった

わたしは彼の過去を聞いた。あの姿はまさにその全てを物語っていた。こたつも、娯楽も、みかんも何も知らなかった彼の過去を

 

国近「・・・・・っ!」

太刀川「・・・あいつの過去を俺たちも受け入れなくちゃいけない」

国近「・・・っ!・・・はい」

 

そして戦いが始まった

 

 

 

 

 

 

米屋【ここからは秘匿通信で・・・】

出水【・・・OK】

 

両者、正確には米屋たちはその場から動けないでいた。米屋と出水は以前、一度戦ったことがあるがそれでもいきなり突っ込む気にはなれない。

それほど、悠には隙というものが無い

 

悠「・・・・・」

村上【・・・こっちを見定めているって感じか・・・?】

陽介【そうっすねー】

出水【・・・しかも槍バカ、悠の武器見てみろよ】

陽介【・・・・・ん?】

 

そう言って米屋は悠の手元を見るとそこには左手に朱い剣を出している()()だった

 

米屋【・・・ハンデでもくれてるのかねー?】

出水【はは・・・だろうな・・・】

熊谷【・・・・・?】

 

そして米屋たちが動かないでいると

 

悠「・・・そっちから来ないのなら、こっちから行くぞ」

 

悠が動いた

 

出水「・・・!全員、かまえ「遅いぞ」・・・!」

 

悠は一瞬で出水の懐に来て出水の腹部に強烈な蹴りを一発入れた。その勢いで出水は遥か後方に吹き飛んだ

 

熊谷「・・・・っ!」

影浦「・・・ラァ!!」

 

その瞬間熊谷と影浦が左右から斬りかかった。だが、悠はそれを軽くいなし熊谷の手首を掴みそのまま出水を蹴飛ばした方に投げ飛ばした

 

熊谷「・・・・!?」

影浦「・・・・・シッ!」

 

影浦が遊真も使うスコーピオンをまるで鞭のようにしならせながら使った

 

悠「・・・・ほう」

 

悠はそれを興味深そうに見ていると

 

ドォン

 

悠「・・・・・」

荒船「・・・!マジかよ・・・自信なくすぜ・・・」

 

荒船が狙撃をした。そのタイミングはまさに完璧といえるようなものだったが、悠はそれを体を逸らして躱した

そのタイミングを狙い住宅街から出てきた米屋と村上が斬りかかる

 

米屋「・・・・シャア!」

村上「・・・・・!」

 

米屋の槍と村上の刀とレイガストの二刀流が悠に休む暇を与えず斬りかかった

 

悠「・・・・・へえ」

 

悠はその攻撃を左手の剣でさばいていると

 

出水【・・・そこから離れな、3人とも】

米屋「・・・・!」

村上「・・・・・っ!?」

影浦「・・・チッ!」

 

悠と剣戟をしていた二人が突然その場から離れた。次の瞬間空から無数のトリオンが降り注ぎ悠のいたところに着弾し爆発した

 

出水「・・・ふうー、少し休憩していいか・・・?」

米屋「トリオン使いすぎだ、弾バカ」

熊谷「でも、倒しちゃったんじゃ・・・」

出水「・・・・・いや」

影浦「・・・・・っ!?」

 

ここで突然だが影浦には『感情受信体質』という副作用(サイドエフェクト)がある。自分に向けられた感情が肌で感じ取ることが出来るというものだ。

影浦は悠と戦っていて思った。何も感じないと。そんな副作用(サイドエフェクト)を持っているから分かってしまう。

目の前の()()はまだ生きていると

 

 

悠「・・・・・フッ、やるな公平」

 

出水「・・・そりゃあ、そうだよな」

 

悠は右手をかざしトリオンのシールドを作り出水の変化炸裂弾(トマホーク)を全て防いだ

 

熊谷「・・・うそでしょ・・・」

村上「・・・・・」

出水「かなりのトリオン使ったのに、傷一つなしか・・・」

悠「そうか?なかなか、危なかったぞ・・・」

米屋「おまえに傷与えなきゃな・・・」

悠「フッ・・・そうか」

 

そして悠は彼らに言った

 

悠「・・・お前たちを侮りすぎていたようだな」

 

悠は右手にもう一本違う形をした朱い剣を出した

 

影浦「・・・・っ!」

米屋「・・・!マジか・・・」

 

悠は今まで黄色の剣とあの朱い剣の二本を持っているのだと思っていたがもう一本彼は持っていた

悠「・・・・・さあ」

 

その二本が宙に浮き柄頭の部分が繋がった。そして回転しながら高速で米屋たちの方に向かった

 

出水「ウソだろっ・・・!」

米屋「・・・・やべっ!?」

影浦「・・・・・っ!」

 

悠「逃げてみろ・・・逃げられるというのならな」

 

その一瞬の攻撃で出水、米屋、影浦は避けれたが村上と熊谷のトリオン体を斬り裂き

 

村上「・・・・・すまん」

熊谷「・・・・!?」

 

緊急脱出(ベイルアウト)した。荒船がすぐさま悠を撃ったが彼はその狙撃をシールドで防いだ

 

悠「・・・少し焦ったか?」

荒船「・・・・・!?」

 

悠は右手でトリオンの弾を作りそれを光速の速さで荒船を撃ち抜き荒船も緊急脱出(ベイルアウト)した。悠の二本の剣は彼の手元に戻り残ったのは

 

悠「さあ、どうする・・・?」

出水「・・・チクショー」

米屋「どうする・・・?」

影浦「・・・クソッ」

 

米屋たちは少しも諦めてなどいなかった。悠はその姿をどこか眩しいものでも見るように見た

 

悠「・・・・フッ」

そして米屋と影浦が一気に悠に迫り槍型の弧月と鞭のようにしならせたスコーピオンで攻撃しつつ後ろの出水がアステロイドでカバーした

 

米屋「・・・・・っ!」

影浦「・・・シッ!」

出水「あれ捌き切るって、おかしいだろ・・・太刀川さんでも出来るかわかんねえぞ」

 

悠は米屋と影浦の攻撃を捌きつつ出水のアステロイドを自分の剣で斬り裂いていた。そして

 

悠「・・・悪くない連携だったぞ」

米屋「・・・くっそー」

影浦「・・・・・っ!?」

 

二人が作ってしまった一瞬の隙をついて悠は二人を斬り出水の前まで来た

 

悠「・・・フッ、まだまだだな」

出水「・・・くくっ、また挑ませてもらうぜ」

悠「ああ、待っているぞ」

 

そして出水の体を真っ二つにし出水、米屋、影浦が緊急脱出(ベイルアウト)した

 

 

 

ブースの中にいたほとんど全員が呆然としていた。ほとんどが米屋たちが勝つと思っていたからだ。

だが、勝ったのは悠だった。その事実にみんな呆けていた

 

太刀川「おれも戦いてーなー・・・」

嵐山「やはり彼はすごいな・・・」

木虎「・・・・・そうですね」

 

一度彼と戦った者、戦いを見ていた者たちを除いて

 

那須「・・・・・」

国近「・・・・・・・」

 

そして戦いを終えた米屋たちがそれぞれの部屋から出てきた

 

米屋「・・・くっそー!勝てねえ・・・!」

出水「予想はしてたけどやっぱ悔しいなー・・・」

 

米屋と出水が出てきて

 

村上「・・・一瞬だったな」

影浦「この戦闘のログ、残ってるよな・・・」

熊谷「たぶん・・・ね」

荒船「・・・ちょいと見直すか」

 

それぞれが出てきた。その彼らにそれぞれの隊員と思われる者たちが近づいた

 

太刀川「おい、米屋!出水!」

出水「・・・あれ?太刀川さん来てたんすか?」

太刀川「ああ、おまえらが戦うっていうんでな!なんでおれも呼ばなかった!おれを呼べ・・・!」

米屋「すいません・・・忘れてました・・・」

太刀川「おい!」

 

「ちょっとカゲ、大丈夫?」

「・・・負けたね」

影浦「・・・ああ。帰ったら今日のログ見るぞ」

「おおっ、了解」

 

「荒船。盛大に吹っ飛んだな・・・」

荒船「・・・言うな、恥ずかしい」

 

「鋼、大丈夫かい・・・?」

村上「来馬先輩、すみません。帰ったら俺も今日のログ見たいです」

 

そして熊谷は

 

熊谷「・・・まさか、あんなに強いとはね」

日浦「センパイ!どうでしたか・・・!」

熊谷「米屋くんや出水くんが言ってたけど・・・本当に次元がちがうね、彼は・・・」

那須「・・・そう」

 

 

 

 

 

那須side

 

熊ちゃんはそう言った。彼は次元がちがうと。その言葉にわたしは空返事で返した

 

熊谷「・・・?玲、どうしたの?」

那須「・・・!ううん、なんでもないよ」

熊谷「・・・・・そう」

 

わたしはそう言ったが心の中ではとても動揺して落ち着かなかった。彼の体の無数の傷、そしてとてつもない強さ。

どこか彼を遠くにわたしは感じてしまっている。そして

 

悠「・・・・・」

那須「・・・あっ、悠くん」

 

悠くんが出てきた。そして悠くんの所にたくさんの人たちが行った

 

「おまえ、何者だよ!すげえじゃん・・・!?」

悠「・・・・・?」

「なあなあ!おれたちの隊に来いよ!」

悠「・・・いや、俺は・・・」

 

いろんな人が悠くんに詰め寄って悠くんが困っていた。わたしが助けようとしたとき

 

嵐山「・・・みんな!それ以上は彼が困っている!」

 

そう言ってたくさんの人たちを嵐山さんが解散させてくれた。さすが広報もしているから影響力がすごいわね

 

嵐山「すまない、悠くん!みんな、珍しいからね」

悠「いや、こっちも助かった。嵐山」

そう言っているといつの間にか太刀川隊の国近ちゃんが

 

国近「・・・・・悠、くん」

悠「・・・国近?来ていたのか・・・?」

 

悠くんがそう言うと、次の瞬間国近ちゃんが

 

ギュッ国近「・・・・・」

悠「・・・・・?どうした、国近?」

 

なんと悠くんに抱き着いたのだ。わたしは突然のことで思わず固まってしまった

 

木虎「・・・なっ、なっ」

太刀川「・・・・・やるな」

 

「・・・マジかいな」

「ヤバいっすね・・・あれ」

 

荒船「・・・・・」

「・・・・・」

 

その場に残っていた全員がこの光景を見ていた

 

国近「・・・・・」

悠「・・・やれやれ」

 

悠くんはそう呟きながら国近ちゃんの頭を撫でていた・・・なんだか、おもしろくないな

 

熊谷「・・・玲?」

那須「・・・・・」

 

そんなことを考えていると

 

迅「・・・おお、悠。なかなか有名になってるじゃないか」

悠「・・・・・迅?」

 

迅さんがB級のブースに来た。それに後ろにメガネをかけた子と白い頭の子がいた

 

迅「・・・しかし、モテモテだな」

悠「モテモテ?」

 

悠くんはモテモテという言葉に顔を傾げていた。

 

迅「悠、少し来てくれ。ちょっと城戸さんが遊真と悠に用事があるって」

悠「ああ、わかった」

 

そして悠くんは国近ちゃんに

 

悠「・・・国近」

国近「・・・・・」

悠「・・・今度、必ず太刀川隊の部屋に行こう」

国近「・・・っ!・・・うんっ!!」

 

そうして悠くんに抱き着いていた国近ちゃんが彼から離れ、彼は迅さんの所に行くためわたしの横を通り過ぎる際

 

悠「・・・またな、玲」

那須「・・・!うん、またね・・・悠くん」

 

わたしの頭を軽く撫でてくれた。

彼はそのまま迅さんについて行った。わたしは顔が熱くなるのを感じた

 

那須「行こう、熊ちゃん。茜ちゃん」

熊谷「あっ、玲・・・?」

日浦「まっ!待ってくださーい・・・!」

 

そしてわたしたちは自分たちの隊室に戻ることにした。 戻る際に国近ちゃんと目が合った

 

那須「・・・・・」

国近「・・・・・」

 

お互い少し見つめあってそのまま戻った。多分、わたしたちは同じことを思った

 

那須・国近((負けない・・・!))

 

わたしは自分で思った。

・・・どうしようもないくらい、彼に惚れちゃったんだ・・・と

 

 

 

 

 

 

悠side

 

迅「ほんとにモテモテだな、悠」

 

迅は俺にそう言いながらニヤニヤしていた

 

悠「・・・さっきから気になっているんだが、そのモテモテってどういう意味だ・・・?」

迅「・・・えっ?・・・えーと」

 

俺は自分の疑問を迅に問うと迅は言いにくそうにして

 

迅「・・・まあ、それは自分で気づくのが一番だ」

悠「・・・・・?」

 

よく分からなかった。俺は遊真があの後どうなったか聞いた

 

悠「そういえば、遊真。緑川との勝負はどうだった・・・?」

遊真「ああ、実は・・・」

 

そして俺は遊真からその後の事を聞いた。

遊真曰く、緑川が勝負を仕掛けてきた理由はどうやら迅の後輩というのが気に入らなかったらしい。

緑川は迅をとても慕っていてその迅の後輩というのが気に入らなく、だから修の評判を落とそうとしたらしい。

そのあと、遊真は緑川と戦い勝った。そして緑川が遊真の強さに気づき自分の考えを改めて最後の二勝負はいい戦いをしたらしい。そのあと、緑川は修と遊真に謝ったようだ

 

迅「駿は根はいい奴だからさ、勘弁してやってくれ」

悠「別に俺が何かやられたわけでは無いからな。修が許しているのならそれで構わない」

 

そして俺たちは城戸たちのいると言う所に向かった

 

迅「駿はどうだった?遊真、手強かったか?」

遊真「けっこう強かったかな。こなみ先輩と10本勝負してなかったらやばかったかも。これからもっと強くなるやつだと思うよ」

迅「ふんふん。メガネくんは?」

修「ぼくは・・・手も足も出ませんでした。

風間さんの時とちがって全然動きが読めなくて・・・動きに整合性がないというか、きまぐれというか」

なるほど、そういう感じの奴だったのか

 

迅「なるほど。そのへん遊真はどう戦った?」

遊真「おれはそういう時は大体、相手を『動物』だと思って戦うよ」

修「『動物』・・・!?」

遊真「『人間はけっこう理屈に合わない動きをする』。『理屈より習性とか性格とかを読んだ方がいい場合も多い』ってむかし親父が言ってた」

悠「・・・面白い考え方だな」

遊真「かざま先輩みたいなキチンとした人は理詰めでいけるけど、ミドリカワみたいな天然系は動物として見たほうがいい」

迅「おお、そうかもなー」

 

そうして話していると

 

迅「悠は?米屋たちはどうだった・・・?」

悠「・・・・・即興のコンビネーションとしてならなかなかのものだったぞ」

迅「おっ、けっこう高評価だな」

あいつらの動きは決して悪くない。むしろ即興でよくあれだけの動きが出来たものだと感心さえ出来る

 

悠「だがな、お前も知っているとは思うが(ブラック)トリガーはそれぞれのなった者たちの個性が出ている。中にはかなり特殊なものもあるというからな。俺の戦いはそこまで参考になるとは思えないな」

迅「うーん、まあなー・・・」

 

迅はそう言って何か言い淀んだ。そして城戸たちがいるという部屋に着き扉を開けた

 

迅「失礼します」

鬼怒田「遅い!何をモタモタやっとる!」

迅が扉を開けて中に入ると鬼怒田の怒鳴り声が聞こえてきた。鬼怒田も居たのか

鬼怒田以外のも忍田、風間さん、三輪、林藤、宇佐美がいた

 

迅「いやー、どもども」

陽太郎「またせたな、ぽんきち」

鬼怒田「なぜおまえが居る!?」

 

鬼怒田は陽太郎の事を知っているようだ

 

宇佐美「陽太郎!陽介はどこいったの?」

陽太郎「かれはよくやってくれました」

悠「・・・フッ」

城戸「時間が惜しい。早く始めてもらおうか」

 

城戸が急かすように言った

 

修「あの人が城戸司令・・・近界民(ネイバー)嫌いのボーダーで一番えらい人だ

遊真「ほう」

そして忍田が今回の本題を話した

 

忍田「我々の調査で近々、近界民(ネイバー)の大きな攻撃があるという予想が出た。先日は爆撃型近界民(ネイバー)一体の攻撃で多数の犠牲者が出ている。我々としては万全の備えで被害を最小限に食い止めたい。

平たく言えばきみたちに近界民(ネイバー)としての意見を聞きたいということだ」

三輪「・・・・・」

遊真「ふむ。近界民(ネイバー)としての意見」

悠「・・・そう言う理由か」

何故俺たちを連れてきたのかは理解できたな

 

鬼怒田「近界(ネイバーフッド)にいくつもの国があることはわかっとる。いくつかの国には遠征もしとる。だが、まだデータが足らん!

知りたいのは攻めてくるのがどこの国でどんな攻撃をしてくるかということだ!おまえたちが近界民(ネイバー)側の人間だろうがなんだろうが、ボーダーに入隊した以上は協力してもらう!」

 

なるほどな・・・となると

 

悠「俺が与えられる情報は少なそうだな」

三輪「・・・何!」

悠「・・・俺の過去を一応話しておこう」

 

そして俺はまだ話していない三輪と一応宇佐美にも分かるように俺の過去を話した

 

三輪「・・・・・っ!!?」

宇佐美「・・・・・うそっ・・・」

悠「・・・俺はあの国にずっと居たからな。悪いが俺は他の国についてはあまりよく知らない」

忍田「・・・そうか。ありがとう、話してくれて」

悠「別にいい。もう終わったことだ」

 

そして俺が話し終えると遊真が

 

遊真「・・・そういうことなら、おれの相棒に訊いたほうが早いな。よろしく」

レプリカ【心得た】

「・・・・・!?」

 

レプリカが突然現れたことに全員が驚愕していた

 

レプリカ【はじめまして。私の名はレプリカ、ユーマのお目付け役だ】

忍田「・・・!?」

鬼怒田「なんだこいつは・・・!?」

レプリカ【私はユーマの父、ユーゴに造られた多目的型トリオン兵だ】

三輪「トリオン兵だと・・・!?」

城戸「空閑 有吾・・・!」

 

レプリカが自分の正体を言うと三輪が驚いた顔で見ていた

 

レプリカ【私の中にはユーゴとユーマが旅した近界(ネイバーフッド)の国々の記録がある。おそらくそちらの望む情報も提供できるだろう】

忍田「!」

鬼怒田「おお・・・!」

レプリカ【だが、その前に・・・】

 

レプリカは一度言葉を切り城戸たちに問いかけた

 

レプリカ【ボーダーには近界民(ネイバー)に対して無差別に敵意を持つ者もいると聞く。私自身まだボーダー本部を信用していない。

ボーダーの最高責任者殿には私に持つ情報と引き換えにユーマの身の安全を保証すると約束して頂こう」

城戸「・・・・・」

 

さて、どうする・・・

 

城戸「・・・・・よかろう。

ボーダーの隊務規定に従う限りは隊員空閑 遊真の安全と権利を保証しよう」

悠「・・・・・フッ」

レプリカ【確かに承った。それでは近界民(ネイバー)について教えよう】

 

そしてレプリカが近界民(ネイバー)について話し始めた

 

レプリカ【近界民(ネイバー)の世界・・・すなわち近界(ネイバーフッド)に点在する『国』は()()()の世界のように国境で分けられているわけでは無い。

近界(ネイバーフッド)のほとんどを占めるのは果てしない夜の暗黒でありその中に近界民(ネイバー)の国々が星のように浮かんでいる。

それらの国々はそれぞれ決まった軌道で暗黒の海を巡っており、ユーマの父ユーゴはその在り方を『惑星国家』と呼んだ」

修「『惑星国家』・・・!?」

悠「・・・・・」

 

レプリカ【太陽をまわる惑星の動きとは少々異なるが惑星国家の多くは()()()の世界をかすめて遠く近く周回している。

そして()()()の世界と近づいた時のみ遠征艇を放ち(ゲート)を開いて侵攻することができる。

『攻めて来るのはどこの国か』、その問いに対する答えは『今現在()()()の世界に接近している国のうちのいずれか』だ」

鬼怒田「そこまではわかっとる!知りたいのは『それがどの国か』!その『戦力』!その『戦略』だ!」

 

鬼怒田はそう言うが

 

悠「・・・悪いが、それを明らかにするにはこの配置図だけでは分からないぞ」

鬼怒田「・・・何っ!そうなのか!!」

レプリカ「その通りだ。私の持つデータを追加しよう。

リンドウ支部長」

林藤「OK、レプリカ先生。宇佐美、よろしく」

宇佐美「あいあいさー」

 

そして目の前の配置図にレプリカの中にあるデータが付け加えられた。その量は莫大であった

 

レプリカ【これが、ユーゴが自らの目と耳と足で調べ上げた惑星国家の軌道配置図だ】

 

その莫大な量に全員が驚いていた

 

陽太郎「おお~!でかい!」

鬼怒田「これは・・・!」

忍田「さすがは有吾さんだな・・・」

修「これが・・・近界民(ネイバー)の世界の地図・・・!」

修(もしかしたらこの中に、千佳の友達や麟児さんをさらった国が・・・!)

三輪「・・・・・!」

 

なにやらそれぞれが思う所があるようだな

 

レプリカ【この配置図によれば現在()()()の世界に接近してきている惑星国家は4つ。

広大で豊かな海を持つ水の世界、海洋国家リーベリー。

特殊なトリオン兵に騎乗して戦う、騎兵国家レオフォリオ。

厳しい気候と地形が敵を阻む、雪原の大国キオン。

そして近界(ネイバーフッド)最大級の軍事国家、神の国アフトクラトル】

悠(・・・リーベリーか)

 

俺は遊真と会う前にリーベリーに居たときが会ったがあの国は基本的に争いを嫌悪していたはずだ。あの国が来るのは考えにくいな

 

城戸「その4つのうちのどれか・・・あるいはいくつかが大規模侵攻に絡んでくるというわけか?」

レプリカ【断言はできない。未知の国が突然攻めて来る可能性もわずかだがある。

また、惑星国家のように決まった軌道を持たず()ごと自由に飛び回る『乱星国家』も近界(ネイバーフッド)には存在する】

城戸「・・・・・!『乱星国家』・・・!」

忍田「細かい可能性を考えだしたらキリがないな」

 

・・・イルガーを使っている国はどこだろうな?あまり見ないが

 

風間「話を戻しましょう。先日の爆撃型トリオン兵と偵察用小型トリオン兵、あれらを大規模侵攻の前触れとして対策を講じるという話だったはず」

遊真「それだったら確率が高いのはアフトクラトルかキオンかな。イルガー使う国ってあんまりないし。・・・ていうか

そういうの迅さんのサイドエフェクトで予知できないの?どこが来るかとか」

迅「おれは会った事もないやつの未来はみえないよ。

『近々何かが攻めて来る』ってのはわかってもそいつらが何者かはわからない」

遊真「ふむ・・・なるほど」

悠「・・・・・・・」

 

とりあえず、その2国が来ると思った方がいいな

 

城戸「なるほど。次に知りたいのは相手の戦力と戦術、特に重要なのは敵に(ブラック)トリガーがいるかどうかだ」

修「(ブラック)トリガー・・・!」

レプリカ【我々がその2国に滞在したのは7年以上前なので、現在の状況とは異なるかも知れないが私の記録では、当時キオンには6本、アフトクラトルには13本の(ブラック)トリガーが存在した】

忍田「13本・・・!」

悠「・・・13・・か」

レプリカ【しかし(ブラック)トリガーはどの国でも希少なため通常は本国の守りに使われる。遠征に複数投入されることは考えづらい。多くても一人までだろう】

 

まあ、それはそうか

 

レプリカ【また、遠征に使われる船はサイズが大きいほどトリオンの消費も大きい。

攻撃には卵にして大量に運用できるトリオン兵を使い、遠征の人員はできる限り少数に絞るのが基本だ】

忍田「つまり、いずれにしろ敵の主力はトリオン兵で人型近界民(ネイバー)は少数だということだな」

レプリカ【現在の情報ではそうなる】

悠「・・・・・」

 

城戸「では、人型近界民(ネイバー)の参戦も一応考慮に入れつつトリオン兵団への対策を中心に防衛体制を詰めていこう。

・・・三雲くん」

城戸が修に言った

 

城戸「きみは爆撃型と偵察型両方の件を体験している。何か気づいたことがあったらいつでも言ってくれ」

修「は、はい!」

忍田「遊真くんたちには我々の知らない情報の補足をお願いする」

遊真「了解了解」

悠「出来る限りの事を話そう」

 

そして俺たちは

 

忍田「さあ、近界民(ネイバー)を迎え撃つぞ」

 

大規模侵攻に向けて動いた

 

 

その後、話を終えた俺たちは戻ろうとすると

 

迅「・・・悠、少しいいか?」

悠「・・・?どうした、迅?」

迅「ここじゃ話せないから、ついて来てくれ・・・」

悠「・・・・・」

 

俺はそう言われて迅について行った。着いたのはボーダー本部の屋上だった

 

悠「・・・どうしたんだ迅、何かあったのか・・・?」

迅「・・・・・実はさ、おまえに頼みがあるんだ」

悠「頼み?なんだ・・・?」

 

迅は少し言いずらそうにしたが

 

迅「・・・実は、今度の大規模侵攻でとんでもない敵が来る。多分、おれたちじゃ勝てないレベルの・・・」

悠「・・・そのおれたちに俺は入ってるのか?」

迅「・・・はっきり言って、五分五分だ」

 

迅は続けた

 

迅「・・・もしかしたらおまえに敵が複数つくかもしれない」

悠「・・・・・」

迅「今回の大規模侵攻で悠が来る前はおれの予知ではメガネくんが死ぬ未来や千佳ちゃんが攫われる未来があったんだ・・・」

悠「・・・修と千佳が?」

迅「・・・ああ。でも、おまえが来てくれてその未来がなくなったんだ」

悠「・・・そうか」

迅「・・・・・その代わり、新しい未来が見えた」

 

迅は俺をはっきり見て言った

 

迅「・・・おまえがその敵に負けて連れ去られる未来が見えたんだ」

悠「・・・なるほどな」

迅が言いづらそうにしていたのはそういうことか

 

迅「悠がそいつらと戦うことになれば未来はかなりいい方に傾く。・・・だけど」

悠「それならば、迷う必要などないだろう」

迅「・・・えっ?」

悠「この街がいい未来にいくというなら、その未来を実現させよう」

迅「・・・だけど」

悠「それに・・・」

 

俺はそう言って今度は迅の顔を見て言った

 

悠「俺が勝てばいいだけの話だろう・・・?」

迅「・・・!ははっ、その自信はどこから出てくるんだ・・・?」

悠「当たり前だろう?こいつらが一緒にいるんだ・・・負けるわけにはいかない」

 

俺はそう言って指輪を握りしめた・・・なあ、おまえら

 

 

 

あの会議から数日たった今日、迅の予知では今日敵の襲撃が来るらしい

 

悠「・・・本当に、最初俺は出なくていいのか?」

迅「ああ、出る頃になったら教える。最初から出れば敵がいらない警戒心をだして慎重になるからな」

悠「・・・それもそうだな」

 

俺は今、ボーダー本部に居た。本当は学校があったが休んで本部にいてくれと迅に言われたからだ

・・・そして

 

迅「うお、早いな」

悠「・・・・・始まったか」

 

空が暗く淀み、数え切れない(ゲート)が出現した。あらかじめ付けていた通信機から声が聞こえてきた

 

(ゲート)の数38,39,40・・・依然、増加中です!!】

忍田【任務中の部隊はオペレーターの指示に従って展開!トリオン兵を撃破せよ!!1匹たりとも警戒区域から出すな】

 

忍田の声が聞こえてきた

 

忍田【非番の正隊員に緊急招集を掛けろ!全戦力で迎撃に当たる!!】

 

指輪を握りしめる・・・さあ、始まるぞ

 

 

 

 

 

忍田【戦闘開始だ!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で遊真と千佳のボーダー入隊編が終わり次回から大規模侵攻編に入ります。
原作にすこしオリジナル展開を入れようと思います。
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