秘封二次創作「秘恋映すは少女の瞳」   作:八雲春徒

22 / 23
お久しぶりです。
近頃はめっきり冷え込むようになりましたね。
私事ですが、最近四面楚歌様の「秘封祭」を入手しまして
時間の空いた時にでもプレイしていこうと思っています。
名作と名高い作品ですので楽しみです。

それでは


第十九話 「黄昏の旧校舎 遠き春の彼方から」

 第十九話「黄昏の旧校舎 遠き春の彼方から」

 

 

 

 

 

 

 

「二人とも、おはよう。今日はほんとに絶好のお花見日和ね」

 

「ああ……こんちはメリー。悪い、遅くなって」

 

 

 京都は東、季節は春。広大な某大学の敷地の最奥、その木々と廃れた木造校舎の影間に木漏れる光の中より、透き通るような白い肌の金髪の少女の瞳に向き直る。

 

 

「こんにちは、今日はいいお天気ね。十一時半に旧校舎に集合って聞いていたから待っていたんだけれど……」

 

 

 ちらり、と腕時計に目を向ける。短針と長針の導き出す現在時刻は十二時四十二分。時間とは残酷だ。

 

 

「ごめんねメリー、ほらこの前貸してもらった本が面白くてついつい読み込んじゃったのよ。そうするとどうしても深酒しちゃうじゃない?」

 

 

 しちゃうじゃない? ではない。プランク並みの頭脳を自称している割には寝坊の言い訳が毎回稚拙なのはわざとなのだろうか。

 

 

「その言い訳には無理があるんじゃないか?」

 

「本当なんだから仕方ないでしょ」

 

「……」

 

 

 

 そう言って開き直り始めた蓮子を訝し気な目で睨んだかと思うと、木漏れる春の陽射しにその金色の髪を揺らし、赤らんだ頬を少しばかり膨れ面にして……。

 

 今度は俺のもとに詰め寄った。

 

 

「あなたも、蓮子の家まで行ったのならこの寝坊助をどうにかして起こせなかったのかしら?」

 

「電話はかけたさ、それでも反応が無いんで諦めて外でこの眠り姫の目が覚めるのを待っていたんだ。ほら、ピンポン連打するのもあまり行儀が良くないだろう」

 

「誰が眠り姫よ、気色悪いわね」

 

 

「何でお前が突っかかってくるんだ、面倒臭い。前言撤回だ畜生、この酔っ払いの飲んだくれがどうしたって起きないんで自主的に目を覚ますのを待つしかなかったんだよ」

 

 

「誰が飲んだくれの酔っ払いよ、失礼ね。私は日々……この世の真理、それを解き明かすため無数の数式の羅列と真摯に会話しているの。それはそれはニューロンの火花を消耗してどうしようもなく疲れてしまうのよ。そんな疲れをアルコールで誤魔化しったって悪く謂われる覚えはないのだけれど?」

 

 

「確かに、俺みたいな凡な人間に比べたらお前の頭脳が抜きんでて秀でている事は認めよう……しかしな、蓮子。まだお前は”労働”を知らない……。アルコールってのは労働者の空虚を潤す為にあるんだ」

 

「はあ?」

 

「自らの人生の中できっと尊かったはずの時間、自尊心、その他もろもろをかなぐり捨ててはした金に媚びしがみ付き……。日々を辛うじて生きる事を言うのさ」

 

「あー。そんなにお仕事辛かったのね。よしよし~えらいえらい。いっぱいお酒飲んでいいですよーよしよし~。ぷっ……」

 

 

 茶番に耐えきれなくなったのか蓮子が吹き出した。正直、半分くらいはこの屁理屈のプロフェッショナルみたいな自称天才に苛立ってはいたがもう半分くらいはご機嫌斜めなメリーに笑ってもらう為のパフォーマンスだ。

 

 果たして、効果があると良いのだが。

 

 

「もう……。茶番が過ぎるわよ、二人とも。いいわ、とりあえず今回の遅刻に関しては許してあげる。その変わり! 今日の実作業は二人がメインで進めるって事にしましょう!」

 

 

 なんだかもう諦めたように、開き直ってしまったかのような様子で、こんな薄暗がりの木漏れ日の中には眩しすぎる微笑みを浮かべ俺たちを指さして、ビスクドールと謂うには余りにも活き活きと、軋む木造校舎の床の上を踊った。

 

 

「それじゃあ、メリーは何するのよー?」

 

 

 もう疲れました、みたいな顔で気だるげな蓮子が言う。

 

 はてさて、メリーはそんな相棒の姿など露知れず右の二の腕を左手でポンと叩きはりきった様子で胸を張る

 

 

「私は二人の作業の指揮を取るから任せて。しっかり言う事を聞いてよね、効率よく片付けを終わらせて早くお花見がしたいな~」

 

 

 薄暗く少しカビ臭い階段を土足のまま連れ立って歩く

 

 果たして、この校舎棟がいつ頃に建造された物なのかは分からないが、もう無理せず取り壊してしまってもいいのではないか……そう思わせるほどにその半ば腐食しかけた一段一段を恐る恐る踏みしめる。

 

「えーっとね。確か二階に上がって左手方向三つ目の部屋だったかしら?」

 

 きょろきょろと周囲を見渡しながら確かめるような足取りで軋む板張りの廊下を先立ってメリーは進む、左手には何かしらの紐に括られた真鍮製らしき小さな鍵をくるくると遊ばせながら。

 

「なあ、メリー。それがその”部室”? の鍵なのか」

 

「ええ、そうなのよ。聞いてくれる?」

 

「ん、ああ一体何があったんだ?」

 

「それがね、今日皆で部室の大掃除だって蓮子に言われてたから、土曜日だけどちょうど朝から講義もあったしついでにと思って管理棟まで行ってここの鍵を借りに言ったんだけど……」

 

「……。ほんとに何があったていうんだ?」

 

「それがね、みーんなそんな場所は知らないって言うのよ。おかしいじゃない? この大学のマップにだって絵くらいは載っているのに……」

 

「うんうん、なるほどメリー。つまり私達は大学職員ですら把握出来ていない臭いものに蓋、地雷に盛り土みたいな物件をあてがわれていた訳ね……」

 

「でもそうして鍵を持っているって事は」

 

「ええ、そうやってわちゃわちゃしていたら奥の方からかなりご年配のお爺さん職員さんが出てきたの」

 

「へえ」

 

「ほお、それで?」

 

「ええ、それでその職員さんが奥にまた引っ込んだと思ったら、事務所の薄暗がりの中の明らかに蜘蛛の巣が張っていて久しく使用されてていない事が分かるような壁掛けのペンキの剥げたキーボックスを開けて、そして私にこの鍵を渡してくれたのよ」

 

「事細かな説明をありがとうメリー、話を聞くにどれだけ放置されているんだ、この建物は?」

 

「多分だけれど、校舎が建設されたのは百年以上前になるんでしょうね。そのご年配の職員さんに聞いた話によると、合宿なんかにも使えるような総合的な施設として建設されたそうなのだけど」

 

 なるほど、当時はこれでも最新鋭の木造建築だったのだろう、見た目こそ古びてはいるが作りはかなり頑強になっているのが何となくわかる。然るべきメンテナンスさえされていればあと百年だって使えるだろう。

 

 もう傾き始めた陽射しの射す埃に曇った廊下の窓ガラスから漏れる光が一歩踏みしめる度に舞い上がる積年の粒子を照らし星屑のよう舞う中。先を行く二人の後をとぼとぼと歩く、物珍しいと足元から天井まで眺めてみる訳だが……見れば見る程趣のある建物である。

 

 しかしまあ、百年前の当時ですら木造の建物なんて時代錯誤も甚だしかっただろうに、

 そこには当時の学長の何かしらの思いがあったのかもしれない。そしてその想いには少し共感できるような気もした。

 

 

「この部屋みたいね」

 

「着いたのね。さあ、さっそく入ってみましょう!」

 

 メリーが指さした扉は、小さな擦り硝子の小窓のついた木製のドアだ。扉のサイズからして中の部屋もそれほど広くはないのが見て取れる。

 

「さあ、開けてくれ蓮子」

 

「ええ、いくわよ」

 

 蓮子は大げさな動作でメッキの剥げかけたブリキ色のドアノブの鍵穴にメリーから受けとった鍵を差しこみ左に回した。

 

 ガチャンと重たい音が鳴る、さて一体何が待ち受けているのだろう。期待はしていないが少し……煤けた宝箱を開けるような心持ちでドアノブを引いた……。

 

 

 

 

 

「……。狭い、そして……」

 

「想像以上に汚いわね……」

 

「放置されていたのも頷けるな」

 

 ドアを開けた瞬間に舞い上がる埃、奥側へ長く作られたその広さはせいぜい六畳くらいか……。しかし左右の壁には手前から奥まで、金属製の組み立て式物置棚……所謂メタルラックが固定されており実際に使用できる空間はそれよりもさらに小さい。

 

 そして恐ろしい事にその狭さの元凶たる金属製の棚にはびっしりと何が入っているのかも分からない段ボールが詰まっている。あとはその残された空間に申し訳ばかりの長机と錆びたパイプ椅子が四脚。

 

 それだけの寂しい部屋だった。

 

「ねえメリー、本当にここなのかしら?」

 

「蓮子が言ったんじゃない。期待はしていなかったけれど、これじゃまるで」

 

「間違いなく物置だな。それかあれだ小学校にあった理科準備室を思い出す」

 

「あはは、懐かしいわね。あの教室と教室の間にある狭くて細長い部屋でしょう。両サイドに薬品棚みたいなのがあって狭いのよ」

 

「それそれ、何か懐かしい感じもするよな。うん、ノスタルジックで悪くないかもしれない」

 

「授業の前に少し実験の準備を手伝ったりして……ってもう……。ここは理科準備室じゃなくて私達の部室でしょう。早く掃除して快適に使えるようにするのよ!」

 

「もうちょっと乗ってくれてもいいじゃないの~」

 

「さあ、やるならさっさと終わらせるぞ」

 

「何で貴方が仕切っているのかしら?」

 

「早く酒が飲みたいだけだ」

 

「ねえメリー、早く指揮してくれないとアルコール依存症の幻想主義者が出しゃばってくる事になるけど

 

「蓮子も大概だけどね……。さて、どうしましょう。結局この段ボールの山をどうにかしないとお話にならないのよねえ」

 

 さて掃除をするとは言った所で、全て何も考えないままに廃却してしまえるのであればそれほど面倒なこともない訳ではある。

 

 しかし、今回はもう一つ売れば値段のつきそうな物をこのゴミ山から見つけ出して、なおかつこの時代にネットオークション等でなく実店舗に持ち込んで今夜の花見酒とそのアテの費用を捻出しようという目的があるので、地道にもいつかの秋の暮れ、誰かの思い出を探しに湿気臭い蔵を荒らした日のように、根気よく片っ端から開けていくしかないのだろう。

 

「どうする? フォーメーションは前と同じで行こうか?」

 

「ええ、貴方はこの山を上から一つ一つ崩して地面に下ろす役……。私と蓮子は宝箱の中身を吟味する鑑定士ね」

 

「サー、メリー。合点承知だ」

 

「もう、からかわないでよ。あ、そうだわ……。物置に脚立があったから用意しているんだった、持ってくるわね」

 

「助かる、準備がいいな」

 

「二人が来るまで時間があったからこの例の部屋以外は色々探索していたの、それでたまたま見つけたのよ。取ってくるわね」

 

「痛み入るな……。罪滅ぼしじゃないけど、手伝うよ」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。こっちよ」

 

「ああ。じゃあ、メリーと脚立取りに行ってくるよ」

 

「はーい……。早くしてね」

 

 蓮子の空返事を尻目にメリーの後をついて再び軋む木の階段を踏み下ろす。

 

 一階の廊下の突き当りの如何にも建付けの悪そうな引き戸を力いっぱい左に押し、携帯のLEDライトを点灯させる。

 

 昼下がりの埃高き木造校舎の唯一、その暗闇には錆びた蛇口だとかモップだとかそんな物がひとまず確認できたが。

 

 お目当ての脚立は向かって右側の壁に立てかけられるようにして安置されていた。

 

「埃は被っているけど、とりあえず大丈夫そうだな」

 

「さっき私が乗ってみてもビクともしなかったし、大丈夫よきっと」

 

「本当に悪かった、こんな所で一人待たされるなんて良い気分はしなかっただろ」

 

「いいの、本当に怒ってないから。さあ、戻って部室を片付けましょ」

 

「そうだな、そうしようか」

 

 埃まみれの脚立を適当に払って脇に抱える

 さて、 宝探しのはじまりだ。

 

 軋む階段に再び足を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、四箱目」

 

「はい。ありがとう。メリー、カッターかハサミを頂戴」

 

「はい、ハサミ。中身傷つけないでよ」

 

「わかってるわよ、メリー。あら、また下らないオカルト本ね。

 

「どんな内容だ?」

 

「月刊〇ー”生まれ変わり現象の謎”水からの伝言の超科学”火星の墜落UFO、月は改造天体だ!! ……あとは……」

 

「もういい、〇ーっていつの雑誌だよ。まあそのノリを廃刊まで辞めなかったのが月刊〇ーのクールな所だとは思うけど、それじゃあ今日日売れないよなあ」

 

「ま、そーよね。科学世紀の世の中は最早ロマンの介入すら許さないとか言うんでしょ。あ、あと付録で守護龍パワーカードも付いてるみたいだけどいるかしら?」

 

「いらないよ、言うまでも無いけど”百円にでもなったらラッキー”の箱に入れといてくれ」

 

「鑑定士は私とメリーよ。ほらもしかしたらマニアには高値で売れたり」

 

「どーだか、大衆向けの月刊誌なんて五十年前のでも無料で見れるのがネットには転がってるからな」

 

「お金出して買いたくは無いけれど、これ意外と面白いわね。ほら見て蓮子、衛星が捉えた月の遺跡だって」

 

 呆れた様に苦笑いの蓮子、箱を開けても開けても飛び出てくる下らない月刊誌を楽しそうにパラパラめくっては無慈悲にも”ワンチャン百円”の箱に投げ込んでいくメリー

 

 春も只中の昼下がり、薄気味悪い木造建屋の一室、秘封倶楽部の三人はしばし、当初の目的も忘れ間の抜けた宝探しごっこに興じていた。

 

 

 

「ほら、この棚はこれで最後だ」

 

「ありがとう。はい蓮子、開けてみて」

 

「はいはーい。って……うわあ、なによこれ」

 

 蓮子は何とも言えないしかめっ面で萎びた段ボール箱から何やら黒っぽい物体を取り出して掲げて見せる。

 

「何だそれ」

 

「いや、私に聞かないでよ。うん、強いていうなら日焼けしたサイケデリックなお地蔵さん?」

 

「私、これ知ってるわ。確かブードゥー教の儀式で使われる人形じゃ無かったかしら」

 

「アフリカの露店とかで売ってるやつか、海外旅行が好きなメンバーでもいたんだろうな」

 

「知らないけど、値段が付きそうな物には見えないわね。リサイクルショップなんかに持って行っても嫌な顔されるだけだろうし、捨てるって事でいいかしら」

 

「人形を捨てると呪われるんじゃない?」

 

「メリーは呪いを信じてるの?」

 

「そういう訳じゃないんだけどね。不思議と人形と呪いって関連付けられて伝聞されるでしょう?」

 

「人形ってのはもともと災厄や穢れ、降りかかる不幸の身代わりに昔から使い捨てされて来たんだ。そんな人形に対する罪悪感が呪いの人形を産むんじゃないかと思うけどな」

 

「まあ。毎日髪を梳いてもらって綺麗な衣装を着た人形がわざわざ持ち主を呪う事なんてしないでしょうからね。それなら、この黒いのも捨てずに飾っておけばこの部屋の守り神になってくれるかしら?」

 

「呪物とは言っても、呪いじゃなくて”まじない”の方だと思うし、いいんじゃないかしら? あんまり可愛くないけどね」

 

 

 蓮子はゴミ袋に投げ入れかけた黒くて藁っぽい腰巻のようなのを身に着けた人形を訝し気に見つめてから。しばらく考え込んだような顔をして元の箱にしまう。

 

「とりあえず保留ね。お守りに飾るのはいいけど……お洒落じゃないわ……」

 

「美人な球体関節人形とかならぜひうちに引き取りたいんだけどなあ」

 

「安アパートの一人部屋には分不相応だと思うけれど? それこそ呪われそうね」

 

「相変わらず酷い言い草だけど、確かにあんな部屋にお迎えされる人形には同情するよな、やめておこう」

 

「ドールのお迎えを考えるくらいには寂しいのかしら?」

 

「そういう訳じゃない、透き通るような白く冷たい肌。まるで生気を感じさせない美貌……、それでもその眼差しの奥には優しさがある気がするんだ。人形への関心は彼女への執着の一つの表現系なのかもな」

 

 

 彼女の面影は、記憶の中にしか存在しない。

 しかし、いつかどこかのアンティークショップのガラスケースの中、革張りのチェアに腰掛ける球体関節人形と見つめ合った瞬間、フラッシュバックしたのはシロツメの草原での出会いだったか。

 

 思えば、あれが色の無い世界で起きた”一度目の”再会と言えるのかもしれない、尤も一瞬の幻でしか無かった訳だが。

 

 

「なに遠い目してるのよ、早く片付けないと日が暮れるんでしょ?」

 

「ああ、すまない。また少し昔の事を思い出していたんだ」

 

「ま、お花見してお酒飲みながらなら聞いてあげてもいいけどね」

 

「そうね。少し脱線してしまったけどもう時間も時間だし、ここからスパートかけて終わらせた方がいいかもしれないわね」

 

 しばらく、黙々と選別作業に興じていたメリーがふと、顔をあげてそう言うので

 

 脚立に右足を掛けたまま左腕の腕時計を目前に掲げてみる。

 

「おいおい、もう十五時回ってるじゃないか。確かに、脱線しすぎたみたいだな。

 

「本当よ。さあ、さっさと片付けてしまいましょうか」

 

「蓮子、お前なあ……。いや、まあそうか。とっとと片付けん事には花見も酒もお預けだし本気ださないとな」

 

「ええ、ひたすら下ろしてひたすら分ける! さあやりましょう蓮子、お花見のためにね!」

 

 ここにきてメリーはなぜかやる気である。しかしまあ狭苦しい部屋の両サイドを埋め、より閉塞感を増幅していたような無骨な金属棚も半分片付いた今では少し部屋が広くなったように感じる。

 

 さて、あと半分。気合を入れなおして今だ壁を成す段ボールの山に向きあった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ~。疲れたわねえ、開けても開けてもガラクタばっかり……」

 

「お疲れ様、蓮子。貴方もお疲れ様~。でも本当ね、オカルトサークルの遺物っていうくらいなんだから”水晶ドクロ”とか”アンティキティラデバイス”とか出て来てもおかしくないと思っていたのだけれど」

 

「はは、そんなもん秘封倶楽部にだって無いだろう。それにオカルトっていうかオーパーツじゃないか、それ?」

 

「そうなの? それじゃあ”生き人形”とかの方が良かったかしら」

 

「それは本気で呪われそうだ。まあ、とりあえず片付いたな……」

 

 時刻は十六時二十五分。窓から射す陽射しが少しづつ、黄道を西へと橙色を帯びては沈み行くそんな時間を、錆びたパイプ椅子に腰掛ける二人と、脚立の天板に跨るように座るもう一人。

 

 一仕事終えた余韻に浸りながら小休止と、何でもない会話を続けている。

 

「ねえ蓮子、あっちの店に持っていく方の箱だけど。あれで総額いくらになるのかしらね?」

 

「ううん、まあ私もテレビ番組に出てくるような本物の鑑定士じゃないから確かな事は言えないけれど……」

 

「オープンザプライス! だな」

 

「あーうるさい、えっとね。売却の方の箱に入れたほとんどが書籍なんだけど……その内六割が漫画本と雑誌……それも1世代前のね」

 

 少し盛り上げようとしたのだが、我らが会長はそれをうるさいの一言で一蹴するのだから惨い、乗ってくれる時とそうでない時の差はいったい何に起因するのだろう。

 

 それにしても置いてある書籍の半分以上が漫画に雑誌とは実際はオカルトサークルじゃなく漫研だったんじゃあないかと、思った。

 

「で、それは売れるのかよ」

 

「ええ、少し古いとはいえ今だに再編版なんかは出てるし絶版て訳じゃないけれど、単行本でそれなりに揃っているのが数組。それで多分三千円くらいにはなるんじゃないかしら。あの月刊○ーの方は……期待しないでね」

 

「ああ、三千円か。最近は酒の価格も高騰の一方だからな。はたしてそれで酔えるかどうか、せんべろなんてのは遠い夢だ」

 

「煙草ほど高騰しちゃいないわよ」

 

「それはそう、で万年金欠な訳。そうだ、メリーは何が飲みたい?」

 

「うーん、そうねえ。せっかくのお花見なんだから日本酒でも買って花見酒なんて良いと思うのだけど、どうかしら?」

 

「うん、俺もそれには賛成だ。近頃は発泡酒か火酒しか飲んでないからたまには良い、それに風流だしな」

 

「ふふ、そうよね。それで決まりでいいんじゃないかしら?」

 

 桜を見ながら飲む清酒、実に風流で涼し気で、疑うべくも無く最高のシチュエーションなのだが……。一つ、問題がある。

 

「ただ、蓮子なら知っての通り純米の日本酒、所謂天然物は高級品だ。ランクを落として合成醸造アルコール入りの吟醸クラスにしても俺と蓮子の飲む量を鑑みてだいたい一升瓶で五千円前後、三千ぽっちじゃあ酒代も賄えない」

 

「新型酒と旧型酒の話? 貴方はどこに飲みに行ったって割高な旧型ばかり飲むから、いつだって酔い潰れて財布も空にしてるじゃない」

 

「新型は安いけど酔えないだろ、酒へのピュアな愛情が俺を旧型に走らせるのさ」

 

「それで依存症なんだから幻想主義も聞いて呆れるわね。それはともかく、私の話は最後まで聞く事よ」

 

「つまり、残りの四割に勝算があると?」

 

「ええ。四割中三割は雑多な文庫本……けど調べたところ、その中の神秘学関連の2冊がプレミア付きの希少品みたいなの。その辺の古本屋で売っても一冊四千円は下らないと思うわよ」

 

「わあ、凄いわね。もうお釣りが来るくらいじゃない」

 

「少しはお宝も眠ってた訳だ。で、残りはどうなんだ?」

 

「それ以外の文庫本をまとめ売りで多分、二千円くらい。で、残りの一割だけどよくわからない雑貨とかボードゲームとかだから多分高く見積もっても千円くらいでしょうね」

 

「計一万四千円ほどって所か。ゴミ同然のところから掘り出したにしては上出来じゃないか」

 

「とはいえ、三人分五時間の給料と考えたらとんとんって感じね」

 

「元も子も無いこと言わないの、もともとこの部室を片付けるのが目的だったんでしょ?」

 

「まあ、そうね。低く見積もっても花見を楽しむには充分よ。二人ともお疲れ様」

 

「ああ、蓮子もな」

 

 

 とりあえず、我らが会長宇佐見蓮子の審美眼を信頼するとして。

 

 つい、話し込みすぎてしまったようだ。何時かぶりに腕時計を見ると時刻はすでに十七時を少しばかり回っていた。そろそろここを発ち、都内の古本屋かリサイクルショップを回らなければならないか。

 

 そう思い立ち、椅子替わりの脚立から腰を上げようとした時。片手間に”とりあえず据え置き”の箱を弄っていた蓮子が思い出したように声を上げた。

 

「あ、そうそう。何だかそろそろって雰囲気な所だけど、二人に見せようと思っていたのがあったの……これなんだけどね」

 

 そう言って蓮子は一冊のノートらしき物を取り出して見せた。

 

「ノート、だよな。それもみすぼらしいノートだ」

 

「ねえ見て、消えかけてるけどマジックペンで××大学オカルト研究サークル議事録って書いてあるみたいよ。蓮子、こんなのどこから見つけて来たの?」

 

「実はね、二つ目の棚にあった段ボールから見つけたんだけど。売るでもないし、そのまま捨ててしまうのももったいないからあとから皆で読んで先代を辱めてやろうなんて考えて、取っておいたのよ」

 

 出土品から推測するに、俺の生まれる前にこの部屋で活動していたオカルトサークルは秘封倶楽部も顔負けの不良サークルなのではないかと思っていたのだが、議事録を付けるくらいには真面目に活動していたのだろうか。

 

「わざわざ議事録を書くなんて、意外と律儀なサークルだったのかしらね。私達はそんなの書いた事ないけれど」

 

「そもそも会議という会議なんてした事ないもの。いつだって思い付き、そっちの方が楽しいでしょ?」

 

「全くだ。我々の間には、チームプレイなどという都合の良い言い訳は存在しない。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。ってな」

 

「一体今度は何の引用?」

 

「俺の尊敬する人の言葉さ」

 

「そう、嫌いじゃないわ。それより、なんだかんだと言って二人とも、この中身気になるでしょう?」

 

 そう言って蓮子は指先でそのみすぼらしいノートの端を摘まんでプラプラとさせている。

 

「まあ、少し」

 

「ねえ蓮子、読んでみてよ」

 

 メリーがそう言うと、蓮子は待ってましたと言わんばかりの表情で、ノートをペラペラとめくり始めた。どうやら蓮子も今の今まで中身に目を通さずにいたようである。

 

「よし、じゃあ適当に読むわよ」

 

「ああ、よろしく」

 

「それじゃあ……。2×××年×月×日 本日は以前から企画、予定した簡易的な降霊術……所謂こっくりさんをメンバー全員で実施していこうと思う。しかし以前の活動方針会議でただ単にこっくりさんをするのでは面白くないという意見が挙がったため、本来は十円玉を用いて儀式をおこなうところ。今回はなんと贅沢にも五百円玉で実施してみようと思う、きっと五十倍有意義な活動になるだろう。

 

 追記、霊が降りれば硬貨は勝手に動き出すので指は軽く置くだけでいいとメンバーに伝えたは良かったが、以降五百円玉が動く事は無かった。その後、卓上の五百円玉の所有権で喧嘩になった。それは私の物なのだけど……ともあれ、心も財布も貧しい学生にはこの儀式は不向きだったのだろう。これを今回の反省点とし今回の議事録とする」

 

「……」

 

「……」

 

 黙って蓮子の議事録朗読を聞く俺とメリーだが、多分同じような得も言われぬ表情を浮かべていた事だろう。

 

 蓮子は続ける。

 

「次ね、2×××年×月×日 今回我々はオカルト研究サークルらしく、占いを行っていこうと思う。事の発端は一昨日、メンバーの一人がどこからかタロットカードを買ってきたのだ。話を聞くとたまたま市内のリサイクルショップで見つけて買ったのだそう。曰く”これってオカルトっぽいですよね”との事だ。私は占いなら占星術に興味があるのだけど、これもメンバーの前向きな意見と捉えタロット占いの会をここに開催する。さて、とりあえずタロット占いのやり方というのを調べてみたのだが、いまいち理解出来なかったので私含めメンバー四人でカードをシャッフルした。気が済むまでシャッフルしたところでカードの山をテーブルの真ん中に集めて一枚引いてみる事とする。なんと大アルカナの”太陽”だ。これはつまり、明日はお天気であるという暗示……」

 

「蓮子、もういい」

 

「私も満足よ」

 

 蓮子は開いていたノートを閉じ、無造作にも部屋の隅っこの方へ放り投げた。

 

「実はいつ止めてくれるのか待っていたの、これもうゴミ袋行きでいいかしら?」

 

「なあ、この大学って国内でも有数の名門だったよな」

 

「……私が在籍しているんだから、そのはずだけど?」

 

「ああ、でもまあ本来オカルトサークルなんてこんなんだろう。秘封倶楽部が変なんだよ、多分」

 

「でも何だか楽しそうだったじゃない、別に結界を暴いたりするだけがオカルトサークルじゃないでしょう?」

 

「それはそうかもだけど、これって単なる日記帳だと思うのだけれど……」

 

「議事録っていうほど仰々しい物じゃなかったな」

 

「まあいいわ。そろそろ出ましょう、ほらもう十七時半」

 

「あら、本当だわ。話しているとすぐに時間が経ってしまうわね……」

 

「ああ、全くだ。なあ蓮子、ゴミ捨て場ってこの辺にあったりするのか?」

 

 部屋の隅に置いていたこれでもかというくらいのゴミ、もといこの部屋から掘り出した不要物を詰め込んだゴミ袋を持ち上げて、帰り支度を始めた蓮子に尋ねる。

 

「あー、ちょっと待ってね……。どうやら来た道を少し降りて右手の脇道をそれた所にあるみたいよ。捨てに行ってくれるの?」

 

 蓮子は携帯に映した件の構内マップをこちらに差し出して見せた。なるほど、確かに登ってきた道を降りて右手の道の先に「集積場」と書いてある。この木造校舎よりも存在感があるのは甚だ疑問だが……。

 

「ああ、ゴミ捨ては任されよう。そうだな、二人は売りに出す方の箱を車まで持って行ってくれないか」

 

「オーケーよ。ね、メリー」

 

「ええ。あれだっけあった箱も売れそうなものを選りすぐったらたったの二箱になっちゃったし、往復の必要は無さそうね」

 

「ああ、本当にすっきりしたな」

 

 埃を被って物置じみたつい数時間前の景色。

 今この狭い部屋を見渡してみると閑散としたメタルラックと四本のパイプ椅子だけ……。それはまるで引っ越し初日のアパートの一室のようにも見えた。

 

「ただこのままじゃ寂しいし、リフォームはして行きたいけど それはまた考えましょう」

 

「そうだな、じゃあ行こうか」

 

 メッキの剥げたドアノブ、の鈍い音を立てる鍵穴を回し

 

 赤い木漏れ日とくすんだガラス窓の作る夕闇の薄暗い廊下を踏みしめて旧校舎を後にした……。

 

 

 

 

 

「じゃ、俺は集積場まで行ってくるからそっちは頼むよ」

 

「はーい。そうだ、車の鍵貸してくれない? トランクも開けられないんじゃ意味ないし」

 

「忘れてたよ、ほら」

 

 分岐路の半ばで両手に提げたゴミ袋を片方地面に下ろし、ポケットから褪せた革張りのキーケースを取り出して、黒いケープを揺らしながらだるそうに台車の取っ手にもたれかかる彼女に差し出す。

 

「ありがと。それと、早く追いついてきてね」

 

「当たり前だ。蓮子はともかく、メリーにこれ以上待ちぼうけはさせられないだろ」

 

「もう、全然根に持って何か無いのに。本当よ」

 

「分かってる、メリーは優しいからな。それじゃあまた少し後で」

 

 二人に軽く後ろ手を振り、この先にあるらしい集積場に向かうべく背を向けて歩き出す。

 

「ともかくとは失礼ね……。鍵も預かったことだし置いて行ってやろうかしら」

 

 後ろの方から物騒な台詞が聞こえた気がしたが、聞かなかった事にしておこう。

 

 置いてきぼりよりかは廃車が怖い……。

 

「全く……」

 

 蓮子のつまらない冗談に呆れて笑っているようで……。いつからだろう、こうして憎まれ口を交わしあう事を楽しいと思うようになったのは。

 

 いつからだろう、空を染める夕焼けがこれほど赤く、高く見えるようになったのは。

 

 あの惨劇の日、最後の夢の覚めた日からずっと。色の無いモノクロームの世界をただ独り、夢だけを抱いて心中でもするかのように生きることで

 

 俺は強くなれたつもりでいたのだが、勘違いも甚だしかったようだ。

 

 季節は瞬く間に過ぎ、君のいない世界のスピードにも今は少し追いつけたような気がしている。

 

 思えば二人と出会い過ごしたこれまでの時間は確かに不思議に溢れていた。

 

 しかし、それと同時に他愛ない日常でもあったのだ。

 

 冥い、科学世紀のこの街には今だ彼女と幾夜語ったようなお伽話のそれに似たリアルは見つけられないままに

 

 小さな不思議と隣り合わせの日常を生きる俺を、彼女が知れば笑うだろうか、それとも愛想を尽かしてしまうだろうか。

 

 なんて

 

「また、考えてる場合じゃないか。すぐ追いつくと約束したばかりだ」

 

 思いに耽り、立ち止まりかけた足を早足に踏み出す。

 

 そうして微妙に舗装の悪い隙間から雑草が顔を覗かせる煉瓦敷きの道をしばらく行くと開けた場所に出る。

 

 煉瓦敷きは急に途絶え、だいたいテニスコート一面分くらいの面積はありそうなアスファルトの広場に、打ちっぱなしの建屋がぽつりと一つ、西日に照らされて立って居た。

 

「ここか……」

 

 建屋の影の中に歩み寄り、重しのチェーンのついた緑色のネットをゴミ袋を提げたままの右手で払う。

 

 スイッチボックスに指を掛ければ、建屋内を蜘蛛の巣の張ったLED照明が無機質な灰色の建屋内を照らした。

 

 錆び付いたコンテナが数個、それぞれ廃棄物の分別区分ごとに明示がされているが……。

 

「まあ、全部燃えるゴミでいいだろ」

 

 正直、いらない物を適当に詰め込んだだけのゴミ袋にはほぼ間違いなく不燃ごみというやつも混じってはいるのだろうが知ったことではない。

 

 エコだとか分別だとかを逐一念頭に置いているようなクリーンな人間でもない俺は、両手に提げたゴミ袋をそのコンテナへ放り込んだ。

 

 さて、すぐに追いつくと言った手前、こんなゴミ貯めで油を売っている時間などない

 

 踵を返し、足早にその影の中より黄昏の日の中へ再び歩み出そうとした……。

 

「……」

 

 これが何なのかは分からない、分からないが何故か伸ばし過ぎた襟足を引かれるような、もとい後ろ髪を引かれるような感覚。

 

 再度踵を返し、つい数秒前に自ら閉めた緑のネットを払う。

 

 かつかつとあのコンテナへ歩み寄り、ゴミ袋を一つ拾い上げる。

 

 取り出したのは一冊の汚らしいノートだ。

 

「やっぱり、これは捨てない方が良い気がするんだよな」

 

 中身こそ、議事録とは名ばかりの当時のオカルト研究サークル責任者の個人的な日記帳。

 

 オカルトサークルの名前にも負けるようなお粗末で間の抜けた活動。

 

 蓮子からすれば……。世界の秘密にも挑まんとするような科学世紀の申し子、我らが会長からすれば。間抜けな先代を小馬鹿にする以上の価値も無いこのノート……

 

 意味も価値も持たざる物はこの科学世紀においては不必要と見なされ追放もしくは排除の対象になる、それは人間だって例外ではないし人口統制などはその良い見本である。

 

 合理化と最適化の呪い、科学という宗教の狂信者たちが作り上げた楽園システムは傲慢にもその権威を誇示するかのようにこの街を呑み込んだ。

 

 俺の目で見たってやっぱり、このノートにはノアの箱舟の乗船券に変わるような意味も価値も無いけれど……

 

 褪せて、忘れ去られた誰かの他愛ない冒険譚を……屑箱から拾い上げられる人間は俺しかいないのではないか……確証は無いが、なぜだかそう思う。

 

「俺も、拾われたようなもんだしな」

 

 そう、誰に言うでもなく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 時刻はすでに十八時前、二人はもう駐車場に着いているに違いない。

 

 集積場を後にして、西端の駐車場に向かう下り道を日没も近く半ば沈みかけた陽射しに向かい、急ぎ気味の早足で歩く。

 

 

 左手にはあのノートを、あまり行儀が良い事ではないが片手間にぱらぱらと流し読みしながら、帰路を行く。

 

 確かに、くだらないし他愛ない日記帳だ。

 

 そんな先代オカルトサークルの遺産に一人で失笑したり苦笑いをしながら勾配の続く構内を下る。

 

 右手にあの薄気味悪い積木建築が見えた所でノートの最終ページに差し掛かった。

 

 蓮子がこのノートを捨てた事、そして俺がそれを拾い上げた事。それらには本来何かしらの意味も無く、偶然の出来事に過ぎないはずだし、俺もそう信じたい。

 

 

 

 

 

 しかしながら、某大学のオカルトサークルの会長の議事録もとい日誌の最後の一節……

 

 

 

 

 その一文、一句が網膜を伝播し脳裏に届いた瞬間……

 

 

 

 

 その意味を理解はすれど、同時に理解を阻む理性。バイアスの強烈なバックファイアに

 

 その場で立ちすくんだまま、目を疑うその一文に深く吸い込まれた……。

 

 

 

 

 

 

 

「2×××年×月×日。”幻想郷縁起”なる古書を入手した……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくださり本当にありがとうございました
変わらず、マイペースな投稿になってしまう事を申し訳なく思います。
これだ!と思いついてもそれを文章に起こして物語に仕立てるというのはとても難しいですね…

秘封愛を絶やさず頑張っていきますので、暖かく見守ってくださると嬉しいです。

それではまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。