TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ!   作:Tena

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フ。ロフェッショナル仕事の流儀、公認非自認留学生の朝は早い……けど正直眠いのであと十分だけ眠ってもいいですか?

 朝起きる。

 木製の台の上に簡易的なマットレスを敷いたベッドは前世から馴染み深い構造をしていて、場所が違えど原始的な道具はどこでも同様に発明されるということを実感する。ベッドは実家の森にもあったが、生活に無頓着なエルフ達でも寝具は必要としたのだろうか。あるいは、クロさんのように外界の調査をしていたエルフが過去に持ち帰った文化かもしれない。

 にゃんにゃんする相手がいるわけでもなく、シーツの乱れはほとんどない。その上に寝ぼけ眼でちょこんと座り、アイリスに流されるまま髪を梳かして制服に着替える。骨格が変われば楽な姿勢というものも変わるらしく、前世では股関節か膝あたりが悲鳴を上げていたであろう女の子座りを自然にしている自分にふと気付いた。……いや、このくらいなら前世でもできたか? 正座とか座禅とかやってたもんな。

 女の子座りのできる男はケツ掘られてもそこまで辛くないらしいので、性の多様性に貢献しているということで胸を張ろう。僕は掘られるなんてまっぴらごめんだったけど。

 

 このベッドが多分、数万くらい。

 

 しばらくすると宿のお姉さんが朝食を持ってきてくれる。

 朝は足元もおぼつかないレベルで脳死ポンコツの僕を慮りサービスしてくれているのだが、なぜかお姉さんも含めて3人で朝食を食べている。まあ食後に食器を片付けるためなのだろうけど。

 5%の確率で「うみゃ」か「ふぁい」と発語するだけのbotと化した僕をひとしきり眺めてから、さあ今日も頑張るぞーと仕事を再開するエネルギッシュな方である。エネルギッシュはドイツ語。

 客からのレスポンスが欲しいタイプの人なのかな、ということでしっかり毎朝ごちそうさまとありがとうございます(なお呂律)を伝えるが、実質毎日欠かさず拝んでいるわけなので、そろそろ信仰対象として数え方が一人から一柱に変わるかもしれない。

 

 今日の朝食は、スープとそれに漬けるパンのようなもの、サラダ。

 お姉さんのデリバリーサービスと合わせて、一日500円くらい。

 

 明瞭になってきた視界で部屋を見渡す。

 たいして物があるわけでもないが、それなりに広いと思う。何畳とか何ヘクタールとかよくわかんないけど。畳30から40枚くらいかな。柔道ができそう。

 実家が実家でおそらくはそれなりに部屋が広かったので感覚が狂い始めているが、二人部屋だとしてもこの部屋はそれなりに広いのだと思う。天井もそこそこ高いし。この世界クソでかい人結構いるしね。

 流石に前世のホテルのようにアメニティとか冷蔵庫とか置いてはいない。水差しとかランプくらい。あ、でもトイレがある。水洗の。水洗の。クロさんと一緒だった時に泊まったとこにもあったけど、ここは部屋に備え付けである。

 

 そんなわけで、そこそこいい部屋だと思うのだ。

 安いビジネスホテルの素泊まりで5千円前後と聞くから、ここはきっと室料で1万くらい。


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