TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ!   作:Tena

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時価という概念と少し頭の回る人間がいたらその瞬間に株とか為替の概念が生まれるんだろうなぁ。はぁヤダヤダ、どうぶつの森でもやって癒やされようっと。

「……お社に似てる」

 

 ヴァイツァーサ転送門と呼ぶからには、凱旋門のような巨大な門が存在するものとばかり思っていた。

 横長の建築物(とはいえ高さもかなりのものがある)は実際のところ円形をしているらしく、転送門本体はその中央にあった。

 

 門ではない。まあ、両脇の柱と冠木さえあれば門と認めるのであればこれも門なのだろうが。

 ゆうに5メートルはある柱が円を成すように等間隔に並び、それら全体に乗るように天板がある。柱は数えてないのでわからないが、10か12くらいか。

 お社と聖域を繋いでいたのは木のうろの先に広がる真っ暗な道であったが、それによく似た闇が柱の向こうに広がっていた。

 普通の柱であれば、その間に見えるのはここ(駅構内)の向こう側でしかないはずだ。柱全体が成す建造物、まあ……転送門は、全体として逆側が見えないほど巨大なわけでもない。

 つまり、あの暗闇はただ暗いとか影になっているわけではない。お社と同じで、特殊な魔法が施されているのだ。

 

 ついぞ、実家のあの道についてどんな魔法なのか知ることはなかった。管理者はヘリオらしいが、聞けばなにか返ってきたのだろうか。

 視界のピントを少し()()()。うーん、駄目か。膨大な魔力が渦巻いてるのは分かるけど、それ以上の情報は得られそうにない。

 

 しかしまあ、これだけの魔法ともなればたまたま同じというわけではなさそうだ。

 エルフの森から輸入された技術か、はたまたエルフ達が人を真似たか。エルフと人間、どっちの歴史のほうが古いんだったかな。

 まあでもエルフが新技術を発明なんてそうそうしないだろうし、人間が先か。

 

「お姉さん、転送門はここだけなんですか?」

「そうですね。柱に挟まれた『道』ごとに他の学区の転送門へ繋がっているので、転送門そのものはここ一箇所だけで成立しています」

「増やしたりはしないんでしょうか……」

「私も詳しくないのでアレですが、技術的に難しいそうです。かつて『魔法使い』の方々が協力して作ったとか。だからこそ転送門そのものの改修が難しいので、こうして外側の建物が豪華になったんです」

 

 ほえーとアホ面で見上げる。叡智の結晶どころか、半オーパーツ化してんのか。壊れたら社会制度も一緒に壊れそう。

 

 その他、転送門に関わる決まりや仕組みをいくつか教えてもらう。

 混雑や転送門への負荷を考え、一度に使われる通路は向かい合った2つだけなことだとか。

 朝の時間などは物資の搬入搬出に使われるので、あまり一般の人の移動には使えないことだとか。

 切符的なものの存在。また、困ったときは制服を着た職員さんに尋ねるといいだとか。

 

「切符……幾らくらい支払うんでしょうか?」

「時期によって変わりますね……、最近はなぜだかずっと安価だったのですが、段々また値上がりしてきて……」

「……ええと、これだけあれば足りるでしょうか」

「……!?」

 

 日本の電車とは違って時価らしい。なんだろ、人員とか物資的な事情なのかな。

 アイリスが伺うようにクロさんから預かった革袋を見せたところ、お姉さんは目を見開いてから突然挙動不審にあたりを見回しだした。

 

「毎日すべての学区を周遊しても余るくらいにはあります。……本日の最終目的地と言いましたが、追加です。このあとはすぐに、銀行へ行きましょう」

 

 いくら持ち歩いてたんだアイリス……。しかしまあ、転送門使うお金稼ぐためにアルバイト編突入とかなくてよかった。僕は歌って踊る以外の仕事を知らないので。

 この世界にも銀行的なサムシングがあるらしい。お姉さんに案内してもらい、この世で初めてのエルフの口座が設立された。

 

 なお、僕は未だに人間の通貨の単位や相場を覚えていない。

 アイリスがいなかったら僕は多分野垂れ死ぬと思う。えへん(ドヤ顔)

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