TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
実際には別の単位*1で、365日7日24時間でもありません。
が、伏線にもなるまいし自己満足にしかならないため省略。
裸体の少女二人が絡み合っている。
とはいえその光景は絵画的美を塗りつぶすほどに
かたや相手をコントロールするべく、どこか冷静な己を据えて行為に及ぶ者。
かたや「仲良くなれると嬉しい」という一心で無垢に言いつけに従う者。
そんな始まりであったはずが、いまや二人のどこにも理性や無垢などといった言葉は無いように見えた。
肋骨をなぞるように脇腹に指が
時間を意識することも叶わないらしい。
もはや存在を忘れられているのにも関わらず健気に砂を積もらせる時計は、3分の1ほど降り積もり、コルキスがこの客室を訪れてから4時間が経過していることを示していた。
上に乗っているのはアンブレラだが、それはむしろ組み敷かれること以上に体の支配権を相手に奪われているようであった。体はほとんど脱力しきっていて、体格の割には豊満な胸がコルキスの体との間で押しつぶされている。
きっと無意識に。腰をコルキスに擦り付けようと藻掻く少女はもはや男を誘う花売りのようで、それでいてコルキスが淫売と冷めてしまわないのは、堕ちた天使の如き容貌と歌姫の如き肉声が気品を支えているからだろう。
だからこそ、その顔をもっとだらしなく
いま秘部に触れてしまえば、少女を極上の快楽へと誘い、喘がせ、踊らせ、意識果てるまで弄ぶことは十分可能である。
しかしそれは衝動的な行為の域を出ず、価値観を一変させるような、快楽という名の鎖で人を己に括り付けるための手段としては粗雑もいいところであった。
だからコルキスに僅かに残った理性がはたらいた。それはもはや自身の長期的な支配は不可能であると判断し、体の一部位だけを瞬間的に奪い取った。
つまり、指がアンブレラの下腹部を伝っていき最下部まで辿り着く寸前、少女に絶頂を与える寸前で、コルキスは己の舌を強く噛んだ。
じわりと血の味が口内に広がる。
噛み切ったわけではない。流石にそんな事態になればアンブレラも正気を取り戻すであろうし、犬歯が肉に食い込むのを許す程度だ。
それでも常人であれば呻き声を漏らす痛み(そもそも常人は防衛規制でそこまで力を込められないが)であるが、コルキスの目は痛みを契機にたちまちに理性を取り戻し、聖域を犯す直前の指をピタリと止めた。アンブレラが体を悶えさせて触れそうになったので、ヒョイと指を反らして躱わす。耳元で切なそうな鳴き声がした。
(……おそらく、このまま続けてもまたすぐに理性を奪われるだろうなァ。正直いまの声でクラリと来たほどだ。一度気絶させて……いや、まだ、それはまだ取っておきたい。どうだろう、眠っている間に仕込んでみンのは)
コルキスがこれだけ焦らしているのには理由があった。
祖国に伝わる、古式ゆかしい「交わり」の作法。不妊治療などでもかつて王族が使用したとされ、簡単に言ってしまえば超スローペースで行為をおこなうことだ。毎日少しずつ段階を深め五日程度かけることで互いの心身を同調させるものだが、やり方によっては短縮もできる。
コルキスが確保した時間は三日間だ。しかし、後ろの二日間はいわば熟成期間で、最初の一日で目的を達成するつもりである。
だからこそヴィオラには半日経った頃に来るよう言いつけてある。ヴィオラが来る前に、コルキスひとりでアンブレラの乱れた姿を
残った時間はアンブレラの体にコルキスと
しかし、睡眠を誘発する薬の瓶をそっと手にしてから思い直す。
眠らせるのは悪くはない。一旦、脳を切り替えさせるはたらきもある。常に行為に耽るというのは、脳が快楽だけを求めるようになってしまう可能性があり、この作法においてはあまりよくない。
(なんだが、何かが足りてねェ気がする……)
ようやく息が最低限まで落ち着いたらしきアンブレラがゆっくりと体を起こす。
惜しげもなく晒された乳房と騎乗位を見上げるような光景に、突如としてコルキスはあることに思い至った。
「なんだか……不思議な感覚です」
「……あァ」
(足りないのは、体温だ)
熱に浮かされたかのようにぼうっとコルキスを見つめるアンブレラ。
興奮している。発情している。だがそれに己で応える術を知らない。
(与えた快楽がその量のまま返ってきてンだ。もっと想像させないと、一番深いところまでは……)
これだけ感度の良い体でも、まだ心が未熟だ。
これから自分がどうなってしまうかまるで分かっていない。違和感は温度だった。コルキスが触れて熱いと感じるほど、アンブレラが自ら快楽と興奮を煽らなければいけない。
わたしはこれからエッチなことをするんだ。気持ちいいいことをするんだ。恥ずかしいところを弄ばれて、ぐちゃぐちゃに壊されちゃうんだ。
──そしてそれは、何よりの幸福なんだ。
そんな知識と思想を与えなければ、
アンブレラは未だ、素質と可能性を有り余らせた空っぽの赤ん坊なのだ。
ともすれば倫理的に後ろめたさの残る行為に向き合って、どこからか無性に湧き上がる母性のような愛情を堪えきれず、コルキスは身を起こしアンブレラの後頭部を支え口付けをした。
少女二人においては初めてのキスである。舌を入れることもなく、長い時間重ね合わせたままじっとして、コルキスは後頭部のあたりに火花が散るのを感じた。背徳の味がした。戸惑いながらも、コルキスを真似てアンブレラも目を閉じた。
「これは、キスと言います」
「きす? ……あ、知っている、気がします」
「えぇ。アンブレラ様、休憩がてら少しお勉強をしましょう」
そう言って、コルキスはアンブレラの手を取った。
「ふぉふぉ、まぁおそらくは治せる問題じゃろうな」
「本当ですか!?」
「ふぉ、近いわい。まあ落ち着きなさい、最近は
12区の学区長、アプトナディティスはあっけらかんと言い放った。
問題とはつまり、アンブレラの記憶のことだ。
アプトナディティス
オブダナマ プラネヘタ レイフィ グァラト
「ほれ、これ。『最初の言葉』で書かれてはおるがの、お主らの愛する者は、消えたわけではなく迷子になっているのじゃろう。しからば、迷子を見つけてやれば良いだけの話じゃないかのう、ふぉっふぉっ」
「あ、愛する……」
レントリリーの走り書きを、筆跡を確認した上でおおまかに解説する。
愛する者という大袈裟な表現にカンナは少し顔を赤らめるが、それはそれとして、アプトナディティスの翻訳とレントリリーの言い残した言葉がほとんど同じであることに気がついた。
『この子は、迷子になってしまっている。だが見つけるのもこの子だ。お主らはただ案内してやりなさい』
しかし迷子だの案内だの言われてもまるで訳が分からない。
「あの、もっと分かりやすく──」
「──ふむ。しかしのう、お主らは特効薬を求めて訪ねてきたのじゃろうが、儂が渡せるのは製法だけじゃ。ああもちろん比喩じゃよ。つまりの、アイリス君。いま迷子を見つけられるのは、君だけじゃろうな」
名前を呼ばれて、アイリスは一度瞬きをした。再度目が開かれる時、その目には光が宿っていた。
なぜ君だけかといった話はおいおいするとして、と続けたアプトナディティスにアイリスが食い気味に返事する。
「私にできることなら、
「なんでも」という言葉の質量がまるで普通じゃなかった。心の底から「己の命も尊厳もどうでもいい」と思っていなければ出せない重さに、カンナは内心ギョッとする。
そんなカンナの内心はつゆ知らず、アプトナディティスは柔和に微笑んだ。
「ふぉふぉ、学びの対価はいつか誰かに教えることじゃよ。アイリス君、君は100年後200年後も生きておるじゃろう? しからば、その頃にもし儂ら人間が何か忘れておれば、それを教えてあげなさい。そして君は、そんな簡単に命を投げ出さず、なるべく先の未来まで知識を残す努力をしなさい」
まあ、そもそも教師と学生じゃからの。そう付け足す老夫にこの人付け足し多いなと思いながらも、カンナは最近会った中で一番まともな人間だと認識を改めた。
ここに来るまでの認識は引きこもり老人である。あと部下に仕事押し付ける。
「それで、何を学べば……」
「ふぉっふぉ。薬を受け取るのは一瞬じゃが、製法を学ぶのはそうもいかん。まずは勉強、何はともあれ勉強じゃよ。それも、一番退屈な類のやつじゃ」
長丁場になりそうな気配に、自分だけでも一度アンブレラの様子を見に帰ろうとカンナは決意した。
R17.9シーンがその日の筆のノリ次第なので、早く書けたら月曜より先に更新するかもしれません。
月曜は少なくとも何かしら更新します。