TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ!   作:Tena

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勘のいいガキは嫌いなタッカ―さんも、感度の良いメスガキはお好きでしょう。


若紫編
怒ったてれさ〜許さないてれさ〜ノアイディ=サルビア・てーれさ! やだ母様ったら可愛すぎ! ん? なんか天界が騒がしくなってる気が?(感度の良いメスガキ)


「ここは……」

 

か細い女性の声が聞こえた。

母様と軽めのスキンシップを楽しんでいたのだが、お互い同時に気付いて音のした方を見る。

呆然としている人間の女性に、母様が声をかけた。

 

「気付きましたか。我々は先ほど、血を流しながら倒れるあなたと抱かれた男子(おのこ)を保護しました。あなたはどのような理由でここへ?」

 

それを聞いて女性はまず子供の安否を酷く気にしたが、すぐ隣の部屋で乳母様が面倒を見ていることを伝えると落ち着いた。

まあ想像通りだが、母親と男児は親子らしい。男児……面倒くさいから母親の呼んでいる名前を使おう、ツグミを抱えて魔物から逃げていたが、最終的に家宝の道具を使って転移し、この村にやってきたのだとか。

 

彼女たちを受け入れるにあたって、実際はひと悶着あった。

エルフの村は閉じた空間だ。他の者を受け付けず、逆に中から出ていくこともない。変化を恐れ、外部からの侵入を拒むこの共同体は、ゆえに死にそうな他所者に対して困惑と拒絶以外の反応を返すことができなかった。

 

とりあえずあの出血は普通に死ねるレベルだったので、「治しますね」と周りにいたみんなに確認を取って、特に「駄目です(無慈悲)」とか言う輩もいないので癒した。言われたら理解出来なすぎて脱糞していたかもしれない。

おえらいさん共の話し合いが始まったのはその後だ。長老会とか村長とか、基本的に「村の存在を知った他所者は処そう。人間だしね、しょうがないね!」という流れだったが、母様の鶴の一声で殺さないことになった。

その辺の下りをカットしたのは、ひとえに公務をしている母様に見惚れて記憶がほぼ残っていないからである。分かりやすく言うと、昨夜ホテルに行った相手が次の日会社で部下にキビキビ指示出しているのを見る気分。僕は学生だったし、ホテルに行く相手もいなかったけど。

 

これは今回母様に聞いて知ったのだが、広大な森林地帯の中に存在するこの村は、森にかけられた魔法によって物理的な接触ができないらしい。それも神様(ヘリオ)の管轄だとかなんとか。絶対嘘だ(確信)

つまりそんな村に転移できた家宝の道具というのは明らかに尋常じゃないもので、少なくとも魔法の力を使っているのだろう。一回使ったら壊れてしまったらしく見られなかったが、一般女性が持っていていいシロモノじゃない。この人何者だ?

 

だが、どうやら母様には見当がついているらしい。長老会を黙らすだけの理由は何なのだろう。

 

「……(くだん)の魔道具、禁術を使ったでしょう?」

 

ある程度女性の話を聞きとったところで母様が切り出した。魔法使う道具は魔道具でいいのか。しかし、禁術?

はい、と詰まるように女性は認めた。ぶっちゃけなんか話分からなくなってきたし僕がここにいる必要もないのだが、真剣な表情の母様が美しいので、夜の表情(なお夜に限らない模様)を想像して背徳感を感じながら眺めていようと思う。

 

「あなたは、あと10日も経たずに亡くなります」

「……承知の上です」

「子供は母親がいなければ生きられない。それなのに、承知の上(・・・・)?」

「か、母様! 落ち着いてください」

 

おおん母様怖いぬわん……。同じ母親として許せなかったのだろうか、無意識のうちに魔力を纏って母様が凄む。これ魔力見えない人にも威圧感が伝わるんだよなあ……。

怒ってる母様。これはこれで、好きかもしれない。いや好きだ(確信) しかし相手を萎縮させてしまっても仕方ないので、母様の手を僕の小さな手で包んでなだめた。

 

「承知の上と言うより、すべて定めのようなものだったのです。曽祖父様よりも前から一族のみに伝えられてきた伝承。そして緊急時に使うよう受け継がれてきた魔道具。……伝承は本物でした。”生きた歴史”と呼ばれるあなた方なら分かるでしょう? 息子は、本物です。あの子を生かすためなら、この命、定めに従いましょう」

「やはり、そうですか……」

 

女性の決意を秘めた眼差しを見て、母様は嘆息する。

僕にはまるで分からない話であったけれど、ただ一つ、定めのために命を費やすというのはどこかとても悲しいことのように思えた。

 

これは僕の前世が影響しているのだろう。

使命とか天命とか、決められた役割だなんてのは存在しない世界。おそらくどこまでも自由で、それゆえに多くの人が不自由さを感じていた日本という島の中で。

やはり僕も、死ぬのは怖かったのだ。命を失ったからってそれまでの行いは無くならないし、それどころか未来の行いによって過去を洗い流すことすら許されなくなってしまう。絶望ではないが、希望とは似ているようでまるで異なる。

ちっぽけな信念と未来への希望を抱いて、不自由に苦しんでいた。だからといって、それを定めと受け入れるようなことはしたくなかったのだ。

 

母様は怒ったのでなく、女性を試しただけのようであった。

お互い同じものが見えている。そう確認できたのか、女性は全てを伝えることにしたようだ。

 

「……息子、ツグミは勇者となります。来たるべき、災厄のために」

 

へ―勇者。いるんだ勇者。……いや勇者? りありぃ?

ツグミくん、真名はフロドかガンダルフかな??

 




珍坊勇者「呼んだ?」
レイン「ホビット庄にカエレ!」

サブカルクソ女神「キタキタキタァ! おいテルース! これで勝つるぞ! 脱ぐか!」
鼻血テルース「お可愛いこと…」

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お気に入り500件突破ありがと〜。大好きだぞ兄貴たち、これからもよろしくな。

特に話に影響させるつもりはないけど、兄貴たちの物語展開の好みを知りたい!きっと千差万別だよね。

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  • 緩展開でまったり&えっち
  • ちんちん(結果開示しろ)

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