TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
「そんなわけで、僕が幼女好きのロリコンにならないにはどうすればいいと思う?」
「儂に聞くな、儂に」
亀の甲より年の功、という諺がある。
ヘリオが実際何年生きているのかは知らないが、調教趣味のご主人様に飼われた経験を持つ程度にはハードな経歴を持つロリババアだ。顔どころか下半身にすらシワのない年齢不詳娘だが、その人生経験と深慮はアテにできるのではないかと思って相談してみた。
「だいたい、そのキバナとやらはお前さまと同い年なんだろう? それなのにどうしてお前さまばかりそんなに助兵衛なのだ……」
「母様で沢山経験を積んだから。覗いてたんだから、知ってるでしょ?」
「違わぁい!? 勝手に人の聖域に入ってきておっ始めたのは、お前さま達の方だろう!?」
たまたま繋がっていたのだからしょうがないと思うのだ。
というか、例えばある狩人が根城にしている森の清流で沐浴をしたとして、それを狩人が見た時、沐浴をした側ではなく覗いた狩人が悪いだろう。女の裸は値がつけられないのである。
ちなみに、ここへはお七夜のときの通路ではなく、過去に僕が見つけた隠し通路を使って訪れている。あっちは遠いし守衛いるからね。しょうがないね。
「そういえば一昨日母様とここでシたとき、羨ましそうにこっち覗いてたね。母様は気付いていなかっただろうけど、気をつけたほうがいいんじゃない?」
「なっ…………あっ、く……ぐぅぅ……それは……」
驚いたような顔だったり悔しそうな顔だったり、百面相をしながらあーだのうーだの口を動かし、最後にヘリオは恥ずかしそうに顔をそらして文句を言った。
「仕方、ないだろう。儂だって、あのようにお前さまから優しく……優しく、犯されたいのだ」
非常にそそる誘い文句である。しかし、嘘だろう。
僕とヘリオの関係は愛とか恋とかそういうんじゃない。単に、壊されたい者と壊したい者が出会って、互いの肉欲のためにしているだけだ。
前世から引き継いだ僕の男性としての本能。破壊衝動だとか、そういうナニカ。
母様との行為では決して見せることのないそれをどこかで晴らすべく、僕はお七夜以降度々ここへ足を運んでいるのだ。
時に凄惨な事件として悔やまれる女子高校生の強姦事件を引き起こし、時に真面目な教師に生徒を襲うという悪魔の選択肢を差し出すソレは、どうやったって言い繕うことの出来ない人間の本能の一部だ。
綺麗なものばかりでできているんじゃない。
きっと、気付かなければ気付かないままで生きていけるそれは、一度意識してしまえばもう成されるがままとなる。
でも母様には見せたくない。そんな僕にとって、ヘリオは非常に都合が良かったのだ。そしてそれは、逆もまた然りなのだろう。だから。
「
「神を都合の良い存在扱いするんじゃない。…………まあ、結局のところそれで何も間違っていないのだろうが、な」
「なに悟った顔をしてるんだ。働けニート!」
ああ、こういう時に蓬莱ニートと返してくれる人がいないことが、異世界に転生したときの特に辛い点だなあと感じる。あ、でも冷静に考えたら一緒にカラオケ行く相手がいなかったから、前世でも変わんねえわHAHAHA!!
日本の文化(旧世代)に思いを馳せていると、ため息を付きながらヘリオが答えてくれた。
「結局、お前さまは当代が一番好きなのだろう?」
「ウン。すき。母様すき。結婚すりゅ」
だからそこで少し傷付いたような顔をしないでくれって神様。
僕とあなたの関係は、互いに利用し合うだけのもの。そうでしょう?
「……そもそも、その時点で無謀ではないか。この村の文化を壊したいとは思っていないのだろう? ならば大人しく異性を愛せ」
「やだよ。OTOMODACHIなら男の子にもいっぱい欲しいけど、僕はおにゃのこを愛したいんだ。あと50年くらいは結婚のことを全く考えなくて良いんだろう? なら、それまでに母様を孕ませる方法を見つける。魔法でどうにかなるさ」
孕ませる、という言葉が好きだ。
相手に対し、こちらに縛り付ける鎖を課すような感覚がある。健全な感情ではないのかもしれないが、愛情を越す関係性の強さを感じられる。
僕の言葉にヘリオは少し考え込むようにしながら、相談の相手を続けてくれた。
「それだけ当代に執心していれば幼女好きになる問題はないと思うが……そうだな、そのキバナとやらに
「うう……僕のキバナちゃん……でも確かにそんくらいしないと、僕の心が彼女に囚われてしまうかもしれない」
番……つまり、彼氏かあ。僕の推しで言うなら
ナチュラルに寝取らせを勧めてくるヘリオに、やっぱり碌でもない人生経験ばかり積んでるんだろうなと僕は疑いの目を向ける。
しかしどうやらそれには気付いていないようで、ヘリオは「それにしても」と話題を少し変えてきた。
「お前さま。魔法を使う時、瞳の色が変わるというのは本当か?」
「うん。ほら」
僕が変装をしたことを話した時に、ヘリオが気にかけていたことだ。
適当に魔法で風を起こす。僕にはわからないが、今の瞳はオレンジっぽくなっていることだろう。
そうして色の変わった瞳を見ると、彼女は顔をしかめた。
「やはり、話しておいた方がいいか」
「何を?」
「……真名のことだ」
それを聞いて少し機嫌の悪くなった僕にヘリオが肩をビクつかせる。
けれど、どうしても話したいことのようで、慎重に言葉を選びながら語る。
「儂が真名を知れるのは、そのものが纏う魔力の『声』を聴いているからだ」
「うん。そんな感じのこと言ってたね」
「そうだ。……つまりは、真名と魔力は切っても切れない関係にある」
ヘリオは僕の目を真っ直ぐに見つめて言い切った。
「だからニイロ。もしも真名を受け入れなければ、それは自身の魔力を受け入れないのと同じだ。そうして最悪の場合……魔力が体から乖離して、死ぬ」
死ぬ。それはもはや、彼女にとっては確信していることらしい。
「そっか」
僕はそう短く返した。それしか言えなかった。
「今すぐに、というわけではないだろう。だが、少なくとも老化の終わる頃……あと十数年もすれば、その時がかならず来る。だからニイロ、真名を──」
そこまで言って、ヘリオは言葉を紡ぐのをやめた。
いや、やめさせた。
「2回」
ヘリオは何かと口数が多い。ときには小姑のような細かいことまで言ってくるものだから、うまく躾けて、僕が彼女の唇を指で触れてる間は何も話せないようにさせた。
まあ本能的に……生物の「反射」に近いレベルで覚えさせただけなので、もう一度口を開こうとすれば喋れるのだろうが。
「2回、その名前で呼んだね?」
ぅあっ、と情けない声をヘリオが漏らす。
たとえどんな緊急時でも、かつてその脳に文字通り嫌と言うほど、いや、叫ぶほど刻み込まれた記憶は無くならないのだろう。
正直僕には、いまの彼女の表情が恐怖なのか期待なのか判別がつかない。
ヘリオはカラカラになった喉を、なんとか震わせる。
「……死ぬ、のだぞ?」
「そうだね」
「なッ……」
名を受け入れなければ死ぬ。
しかしその名は、前世の自分自身を色濃く残す、もはや前世そのものと捉えられるモノだ。
それを受け入れれば、今生で獲得した「僕」は死ぬ。
少なくとも一方は確定している「死」を、どうしてわざわざ今受け入れるのか。
「人に説教垂れといてさ」
ヘリオの服の隙間から中に手を差し込む。
傷付けないようそっと指をそこに添わせると、自然に受け入れるよう飲み込まれた。
「ぁ……っ」
「どうしてこんなに濡れてるの?」
そう言うと、きゅっと指を押し付ける肉の圧力が増した。
かつて忠臣と呼ばれる人に求められた役割は、イエスマンに陥らず必要な諫言を君主に告げることであった。
忠犬は飼い主の帰りを待ち、どんなときでも心配することをやめなかったのだろう。
「でも……僕がお前に期待しているのは、雌犬の役割だけなんだ」
レイン「そういえばヘリオの肌はどうして黒いの?」
ヘリオ「日焼けだ。ここは屋外だからな」
レイン(絶対嘘だ……)
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誤字報告感謝です!
誤字報告すら5次報告って最初に変換するGoogle日本語入力くんは何なんですかね。メス堕ちしたいんですかね。
…ペンは剣よりも強しって言葉、知ってるか?