TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ!   作:Tena

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ひっ…に、にい……人の子!? 待て、近づくな、そう、流行り病もあるし、半径2メートルを保つの…うわぇいっ!? 気安く近寄るな、孕まされるじゃろ!?(暴論)

「小鳥さん♪ 小鳥さん♪ 翼のもがれた、小鳥さん♪ どうしてあなたは飛べないの?」

 

翠緑の短く切りそろえられた髪を揺らして女が口ずさむ。

その手には、純白の翼をしたウグイスのような鳥が大事そうに抱えられていた。

大事そうに、大事そうに、これはとても大事なものなのだと言わんばかりの優しい手付きで、一枚一枚羽毛を(むし)っていた。

 

飛べるから鳥(・・・・・・)? 鳥だから飛べる(・・・・・・・)? 飛べない小鳥さん、それでもいいのよ♪ だから、”あなた”を魅せて♪」

 

羽を毟られた鳥類ほど醜いものも少ないだろう。

衣服(鳥羽)をもがれ、アイデンティティを奪われ、”ありのままの姿”とも呼べる醜態を晒しながらも生きながらえている。鳥獣がそれに何か思うのか、はたまた何も思わないのか。

 

「飛べないあなたを愛しましょう♪ 恨んで呪って苦しんで、一番汚いところもわたくしに魅せて♪」

 

誰かを”愛する”ということ。

たとえば、小さな白い鳥。飛べる鳥を愛するというのは、条件付きのものだ。ならば、飛べない鳥(・・・・・)をも愛するのなら、そちらの方がより”愛する”ができている。

たとえば、全能の女神。なんでもできるあなたを愛するよりも、なにもできなくなったあなた(・・・・・・・・・・・・・)をも愛する方が、より”愛する”ができている。

 

だから、奪って、奪って、毟って、もいで、削げ落として、落として、(おと)して、堕として、いちばん条件のなくなった”あなた”が、いちばん”愛らしい”、いちばん”お可愛い”。

 

何かを好きになることに、誰かを愛することに、理由を持ってはいけない。

“だから”好き。ならば、”そうでなければ”好きじゃない?

違うでしょ、違うよね、違わないはずがない。

 

「だから、理由をなくすの♪」

 

いちばん広い愛は。いちばん深い愛は。いちばん清い愛は。

無償の(理由のない)愛、それ以外にありえない。

 

「や、ゴキゲンだね」

「シーリーン……! そうなんです、何もかも上手くいきました。ああ、あなたのおかげ!」

 

男とも女とも見分けのつかない中性的な声に呼ばれ、女は(おもて)を輝かせた。

シーリーンと呼ばれた存在は、照れくさそうに苦笑する。

 

「ルーナのことは、私が一番知っているもの。当然だよ」

「……それは、聞き捨てなりませんが。でも確かに、まだわたくしの知らないあの子のことも多そうです。シーリーン、あなたのことも知ったほうがいいのでしょうか?」

「おいおい、勘弁してくれ。私は君が”嫌い”なんだ」

「そう……”嫌い”なら、仕方ありませんね。”好き”同士でなければ、知る意味がありませんもの」

 

女はぷっくら頬を膨らませて拗ねる。

別に、本当に嫌いなわけではない。だが嫌いと明言しておいたほうが、お互いの幸せにつながることもある。

 

たとえば、頭のおかしい女に執着されかけたとき、とか。

 

その存在は、両目を閉じて、歌うように、あるいは語りかけるように一人呟いた。

 

運命(さだめ)なんて、ないんだ。奇跡はなくて、偶然があるだけ。じゃあ”世界”は、何によって導かれている? 何が”世界”を決める? ……意思。いい線をいっている、でも足りない。足りないよ、ルーナ」

 

「……答えは、”悪意”だ」

 

「君が少年を転生させたのも、君が下界に堕とされたのも、あるいはひとつの世界が同じことを繰り返しているのも。すべて”悪意”によって引き起こされている。運命なんてなくて、”悪意”しかないんだ。”世界”が大きく揺れるとき、そこには必ず”悪意”がある!」

 

「君はちょっと、それを忘れてしまった。……この機会だ、全部(・・)思い出すといいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へーリーオ、くぅーん、あーそーびーまーしょー」

 

自室近くの隠し道を抜けて、ヘリオのおうち、もとい神樹の聖域を訪れる。

毎回呼びかけは変化をつけるようにしているが、こうして呼んでやると、どこか不機嫌そうな顔を作りながら、でも頬と耳の先を赤らめて頭頂部のアホ毛をピコピコ揺らして祠から顔を見せるのだ。

 

そら、そうこう考えているうちに出て……。

 

出て……。

 

出て……?

 

出て、こ……ない!?

 

「うっそだろ……あの神様(笑)、風邪? 寿命とかあるのか……?」

 

というか、エルフは免疫系でやられることが滅多にない。説明が面倒くさいのでざっくり言えば、細胞が魔力で超強化されている。

先天性の病気自体は存在するが、いまのところそれで寿命より遥かに早く亡くなるようなものは見つかっていない。そんな病気が存在していたら、エルフは人口減少に歯止めが効かなくなる。

だがまあ、ヘリオはツルツルの癖にこの村の誰よりも長生きしているような年齢不詳娘だ。年で体がやばいとか言われても全然違和感ない。いや普通に心配だなこれ。

 

「へ、ヘリオ? 大丈夫?」

 

小さな小屋ほどの大きさしかない(むしろ大きな小屋ってなんだ)石の祠の中へと、そうっと入る。

中には明かりを灯す魔道具があるが、点けられていないようであった。

 

「……なんだ、いるじゃないかヘリオ。拗ねてるの? そりゃ土の魔法の練習がてら新しく作った魔道具の実験台にしたことは僕が悪いよ。あんな、人が簡単に壊れちゃうほど気持ちよくなれるモノになるとは僕も思ってなかった。でも、君だってイヤイヤ言いながら悦んでいたじゃないか? それをこんな、呼んでも無視するなんて──」

「気安く寄るな、人の子」

「──え?」

 

初めて会ったときすら生ぬるいと思える態度で、ヘリオは拒絶の一言を述べた。

暗さに目が慣れてくる。あぐらに片膝を立て座り込む褐色の少女が見える。

いつもどこか偉そうで生意気だったその表情はまるで虚ろで、夜の帳のように美しかったその黒髪は真っ白に染まり上がっていた。

 

「……だ、れ……?」

 

掠れた声だったと思う。それでも、よく絞り出せた。

見た目や態度だけの問題ではないのだ。ヘリオは、僕を「人の子」だなんて呼ばない。

 

『なあ、にいろ……あ、ぁぁああああああ!!?? ま、ままま、まちが……ひっ……い、いや、ゃあ……』

 

彼女は、そう。

 

『お前さま、この鳥の真名はツルッパゲだ。はははっ、なんともおかしな名だが、こういうこともある。ほら、呼んでやるといい。寄って来るぞ』

 

こんな、バカなことばっか言っていて、そのくせたまに大人びていて。

 

『もっと……ご主人様ぁ、もっとぉ……。ぅあっ、あぁ……あいして、壊して……』

 

とっても、暖かった。

 

「ク、カカ。分かるものなのか。久しいな、人の子よ。外面(がいめん)を取り繕う余裕もないものでな、許せ」

「へ、りぉ……?」

 

何も分からなかった。

ただ突然過ぎて、昨日と同じ今日が待っていると思っていたのに。

 

「こう言えば分かるか? ……お久しぶりですね、女淵にいろ」

「神……さ、ま」

「その通りだ、人の子よ。我としてもこうして会うことになるのは不本意だったのだが……、まあ、唐突であるのも、神故にといったところか」

 

前世の名を呼ばれ、聞き覚えのある口調を耳にして、転生時に出会ったあの女神なのだと知る。

以前会った時はもっと丁寧な口調だった気もするが、繕う余裕がないと言っていたしこちらが素なのだろうか。

だが、そんなことはどうでもよかった。

 

「……ヘリオは。ヘリオは、どうなっているんですか? 無事なんですか?」

「ヘリオ、この体の持ち主か。さて……」

 

相手が眉を寄せ、口を濁らせた瞬間に勝手に体が動いていた。

両膝を折って地につけ、額も下に擦りつけ、両手をその脇に置いて体を支える。

つまるところ、土下座である。

 

「お願い、します……ッ。何でも、します、だから、ヘリオを、返してください。奪わないで、ください……どうか、お願いします。僕のできることなら、なんだって、受肉の依代が必要だったのなら、この身体を差し上げます。だから、どうか、どうかどうかどうか…………ッ」

 

誰かに頭を下げる癖があったわけではない。自分のことがどうでもいいと思っていたわけでもない。勝手に口をついて出る言葉は、しかし本心から絞り出されたものに相違なかっただろう。

己は彼女のためにこんな言葉を吐けたのだと、言ってから気がついて驚くほどであった。

目が熱い、僕は泣いているのだろうか。確かめるすべもなく、ただ相手に(こいねが)うために頭を低く下げることしか考えられなかった。

 

「ど、どうどう! 落ち着け人の子! まずは頭を上げろ! ん……? いま何でもって──」

「いいえ。返していただけると仰るまで、いつまでも」

「ええい強情め! こちらの手違いだ、返してやりたいのは山々だが、どうするかもどうなるかも分からん!」

「は……?」

 

ただ悪意によってヘリオの身体が女神に奪われたというわけではないらしく、僕はゆっくりと頭を上げる。

ため息を付きながら、ヘリオの見た目をした女神はぼやく。

 

「神の世界にも、いざこざはあるのじゃ。ド阿呆に嵌められ、不本意にも下界に無理やり受肉させられた。力も削がれた。いまは魔力が扱えんから、精神をどうこうということもできん。この者の身体が選ばれたのは適正が高かったからじゃろう。それでも、負荷で髪は真っ白じゃ」

「のじゃロリ、だと……? ヘリオ、お前ってやつは乗っ取られてもキャラを盛っていくのか……」

 

どうやら女神には敵がいたらしい、どこの世界も大変だ。

そして話の通じそうな彼女の態度に、僕も段々と落ち着きを取り戻していった。

 

「構造的に、素体の精神が失われることはなかろうよ。力を取り戻す方法を見つけたら、肉体を返してもよいし、ついでにあの阿呆を殴り飛ばさせてやろう。我の後で、じゃがな」

「ヘリオは、戻ってくるんですね……? 良かった……良かったぁぁ…………」

「うむ。……っ! だ、だが、問題ないと分かったからって我にまで欲情するのではないぞ!? そんなことをすれば……そう、そんなことをすれば、力を取り戻しても宿主をかえしてやらんからな!?」

「は……?」

 

は? なに言ってんだこの女神?

 

「さっき何でもするって言ったの忘れてにゃいからな!? こ、こうでも言わなければ我のことまで犯すのじゃろう! エロ同人みたいに!! エ ロ 同 人 み た い に !!」

「いや、そこまで見境なしじゃないですよ……」

「嘘をつけぇ!」

 

なんだろう。神を名乗る存在はみんな似るのだろうか。こいつもポンコツ臭がするな。

そういえば、神は神でもエセ女神、エセっぱい神であった。

やはり女神は母様しかいないのだろう。女神母様、ううん……良い響きだ(恍惚)

 

「まあ、何といいますか、ご愁傷様です。あなたのことは何とお呼びすれば?」

「……ルーナと呼ばれている。好きに呼んでよい」

「そうですか……ではルーナ、先行きは見えませんが、これからどうぞよろしくお願いします」

 

いましばらくはヘリオに会えなくなってしまうのかもしれない。

そのことにイチモツ……間違えた、一抹の不安を感じながら、僕は握手のための右手を差し出した。

疑いの眼差しを浮かべながら、ルーナはおずおずとそれに返答する。

 

「ああ、よろし…………ひゃぅん!?」

 

……このエセ女神、握手だけでなんて声出してんだ。

 




黒幕?シーリーン「全部思い出せよ!? なに漫才してんだよ!?」
アタオカテルース「シーリーン、何つっこんどるんや。これシリアルやろ、シリアスちゃうやんか」

レイン「エロ同人みたいにって、そんな、まさかそこまで見境なしではないですよ…(困惑)」
母様「いやいや」
アイリス「いやいや」
ヘリオ「いやいや」
キバナ「いやいや」

憑依ルーナ(え…調教済みの体って、こんなにヤバいのか? 我、これから大丈夫か…?)

**連絡欄**
前話と前前話の誤字報告感謝です。
ルーナがたまに日本のネタを言うのはサブカルクソ女神やってた影響です。

ヘリオの属性:
エキゾチック/褐色/黒髪/ツインテ/クソ雑魚/傲岸不遜/調教済み/ドM/ド貧乳/アホ毛/天然無毛/尖り耳/低身長/ツリ目/一人称儂/被憑依/一人称我/のじゃロリ/神/堕天/白髪/ロリババア/ポンコツ/サブカル系/酒カス/万能/無能
…こんなもんか。インスタのタグかな?

主要キャラ人気アンケート:"好き"と"性癖"は違うと思うので、ひとまずは一番応援したいキャラへヨロシクゥ!

  • テレサ(女神母様)
  • ヘリオ(神(笑))
  • キバナ(ょぅι゛ょ)
  • アイリス(乳母娘)
  • ルーナ(エセ女神)
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