TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
全知全能の神は存在するか?
これほど無意味な問いはないだろう。
まず、全知とはすべてを知っていることである。ゆえにその後の己の行動すら知覚しており、体感としては時間の概念を超えてしまうことになる。つまり、何もできない状態、あるいは無知と変わりないのだ。選択肢が存在しなければ、「意識」に意味はないのだから。
ゆえに、全知は無意味である。
次に、全能とはすべて能うことである。ならば己に持ち上げることのかなわない岩を生み出すことも可能であり、それは己が全能であることに矛盾する。
ゆえに、全能は無意味である。
以上から、簡潔に、全知全能の存在を否定することができる。
では、神は存在するか?
これは一転して意味を持つ問いとなる。
なぜなら、「神」に対する認識は、偶像という言葉がよく表すように、言葉遊びの延長線にあるのだから。
どこぞの小さな惑星の小さな島国では、八百万の神々が存在すると信じられている。その一柱一柱に役割があるが、その役割外のことであれば、神々は酔っ払って寝落ちるし、怒りに任せて息子だの恩人だのを斬り殺すし、絶対に見るなと言われたものをこっそり見ようとする。
つまり、どうしようもなく偉大で、否定すべき点の見つからない絶対者である必要はないのだ。
一人称を持つ「誰か」にとって、べらぼうに優れた能力を持つ真似できない存在が、神なのだ。
「まあつまり、我のことじゃよな。カカッ」
中に浮かぶ翡翠色の水球のようなものの中で、体を楽にしたままで全裸の女が嗤った。
いわゆる「神」としての役目をする中で、もっとも優れた家具がこの水球であった。
若い頃は小部屋ほどのマイルームを作ってだらけたこともあったが、訪れた者に威信を疑われると転生の処理が少し面倒くさくなってしまうので、結果的にすぐ仕舞えるサイズの家具ひとつを置くことにしたのであった。
某文明のげーみんぐちぇあというモノにも心惹かれたが、座ってばかりいると腰に負担がかかることが分かったのでこちらの水球にした。げーみんぐちぇあを生んだ文明の何倍も先を行く文明産で、その文明が自分の育てたものであったりすると誇らしくなる。
「いやしかし、盛りの少年がTSしてメス堕ちする様はいいものじゃな……」
ソレは恍惚な表情を浮かべた。
娯楽を一人で生み出すのは難しい。しかし、自分ほどの能力があれば他所から娯楽を持ってくればいいのである。
その中で一つたどり着いたのが、文学、あるいは漫画などの類いであった。
「ああ、我もメス堕ちしたい……。しかし、我みたいな美少女がメス堕ちしてもなんの面白みもないんじゃよなぁ……」
割と支離滅裂なことを言う存在であった。
「そうじゃ、せめて我好みのオスをTS転生させてやろう」
思い立ったが吉日、行動に移すのは早かった。
最近活動が活発な邪神のように、狙った人物を、
その存在は近日中に死ぬ若者で、女顔のイケメンを探した。女顔は女体化に対し興味を持つことがままあるからだ(我調べ)。
もっとも、その存在の感覚で近日中というのは某文明の霊長類でいう数年であり、また「世界」全体を検索範囲にすれば、候補はかなりの数見つかった。
その中から性への意識をこじらせており、また
まだ数人候補が残ってしまっていたので、あとは珍棒の大きさで決めた。
それが、女淵にいろである。
しかしここまで来てもその存在はまだ満足していなかった。
TS転生において、最低限の素質さえあれば転生元の人格・生い立ちは正直どうでもいい。
最も重要なのは、転生先の環境、素体、そして運命である。
その中でも大事にしたいと思ったのが運命であった。
運命と言っても、事細かにすべての物事が決まっているわけではない。世界は揺らぎ続けている。そして、未来のことであればあるほど揺らぎの揺れ幅は大きくなり、時に滅びるはずないと思われていた一つの文明が滅ぶことすらある。
しかし、生き物一匹の運命など、一定の期待値を示す範囲で見れば大して揺らぐことはない。
その存在は考え抜いた結果、とある文明において「いずれ勇者が訪れる森人の里の、勇者の仲間として里を出るエルフ娘」を転生先に選ぶことに決めた。
自分と同じような存在の中には、妙に勇者だの魔王だのと言った役割を重視する者がいる。そいつには貸しがあったので頼むことは割と容易であった。
というか、「TS転生エルフのメス堕ち、見たかろう?」と誘いをかければ貸し借りの話が出る前に商談は成立した。
「ククク、カカカカッ! 環境、素体、運命ッ! いずれも最高の舞台を整えてしまった……。あー、我もしかして天才か? 天才じゃったのか? クッ、ククククク……」
さて、転生元も転生先も決まれば話は早い。あとは女淵にいろが死ぬのを待って自我をこちらへ誘導し、女神ロールプレイをして終了である。
まずは水球を一旦消し、舞台のセットを整えればよい。ああ危ない、女神っぽい服も忘れてはいかんな。裸では流石に威信を疑われかねない。
「ここは……」
一人の少年が呟いた。いや、実体としての口はなかったので正確には音を発しただけである。
視覚も、聴覚も働いている。しかし体の感覚がない。まるで炎のように、自らの身体がゆらゆら揺らめいているのである。
「……待っていました、女淵にいろ」
不思議な声であった。右から左から、あるいは後ろから聞こえているようで、その実発生源は正面に座る人物だとハッキリわかる。
だから、にいろは自然に受け入れることができた。
「神……さま。そうか、自分は、死んだのか……」
「その通りです、にいろ。私はあなたを次の世界へ生まれ変わらせる存在。あなた方の思うところでは、神というのが最も適当でしょう」
他に信じようがなかったのだ。だって、この人はあまりにも人間離れした美を誇っている。
神。現代日本で生きてきたにいろにとっては、それは意外な存在であった。
「神なんて、存在しないと思っていました。……生まれ変わりも」
「それは、あなたに前世の記憶が残っていなかったから、でしょうか?」
「……はい」
「それはきっと、あなたの前世が人以外の生き物だったのでしょう。体が受け付けない記憶は、赤子のうちに消えてしまうのです」
その存在は、人間を転生させることにかけては手慣れていた。神を信じるものには「来世も頑張れ〜」と言って送り出せばよいし、神を信じないものに対しては「誰でもそういうもんだよ〜」と一般論を持ち出せばうまくいく。
大事なのは、「自分は特別だ」と思わせないことである。そうすると、駄々をこね始めたり、来世で傲慢に陥ったりしてしまう。
「なるほど? じゃあ今の自分の記憶も、生まれ変わったら消えるんですね」
「いいえ。どうやらあなたの来世はヒト形の生き物のようです。そのため、記憶も損なうことはありません。非常に低い確率ですが、決してありえないことではないのです」
そういえば前世の存在を謳う人とか、同じ人間とは思えないような功績残した人っていたな、とにいろはぼんやり思った。
その存在にとって、にいろが記憶を持ち越すことは重要であった。そうでなければ、メス堕ちに意味がなくなる。男がメス堕ちするから良いのだ。そのため、本来なら失うべき記憶を持ち越させることにした。
もちろんメス堕ちしないならそれでいい。にいろの来世は美少女であることは決まっている。絶対にアプローチする男は出てくるのだ。男になびかない美少女と、頑張って気を引こうとするオス共。想像するだけで垂涎モノだ。
「にいろ、あなたは来世できっと
その声を最後に、にいろの意識はだんだんと薄れていった。
魂、と呼んでいいのだろう。それがどこかへ引き寄せられていくような気がする。
それにしても、女神様いいおっぱいしてんな。それが彼の最後に思ったことであった。
「ククク、カカカカッ! ハイ勝利! ハイ優勝!! おいテルース見ていたか、我の完璧な女神っぷり! 計画も完璧に行ったし、もうメス堕ちで優勝していく未来しか見えにゃいんじゃが! カハハハハハッ」
「お可愛いですわね……」
「じゃろう、じゃろう!? あの顔でTSしないとか無理じゃよ! にいろも我に感謝しておろう! クッハハハハ!」
「ええ、ええ……」
こうして女淵にいろのTSライフは始まったのであった。
女神たちの祝杯は三日三晩酒に満たされていたという。
サブカルクソ女神「ようし、転生したにいろの調子はどうかな。おお、授乳中か可愛いのう」
にいろベビー「ちゅぱちゅぱ」
エロフ母様「んんっ、あっ…………ん……くぅ……」
サブカルクソ女神「は??? メス堕ちに他の女は要らんのじゃが??? なに盛ってんだこの母親、にいろの教育に良くないじゃろ!!」
かあさまの年齢をアンケ取ります。今後のストーリー(以下略) 度々となりますがよろしくお願いいたします
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15〜20歳(にいろ君と同い年)
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25〜35歳(日本における母親の標準)
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100歳以上(エルフ=ロリババア)
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いいから結果だけ見せな歳