TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
キセノさんを見送った僕は、しかし宿を出てはいけないとくればやはり暇なことに変わりなく、勉強にも疲れたので、部屋でとある紙切れを眺めながらぼーっとしていた。
まあ勉強って言っても、文字覚えて単語覚えてっていう凄い単純なやつだけどね。こっちの言葉が派生元だから、文法自体は大して変わらないのだ。そもそも前世では友達いないせいで勉強が友達だったし、紙に言葉をカリカリ書くのは楽しい。
しかし、眺めている紙切れとは別に書き取りノートとかではない。断じて自分の字に見惚れていたわけではない。
紹介状、というやつである。
オクタ・デュオタブオーサ・オブダナマ。長ったるくてめんどいから、以下学園都市。
なんかポワッとした感じでここに行くだの何だの言っていたが、人類の重要な施設らしいし、そもそも学校というのだから「入らせろ!」で入れるわけではない。ヘリオが提案したのだって、それ込みで僕が学園に入学できると思ったからだ。
「御子様、何をしていらっしゃるんですか?」
「中が見えないかな、と思いまして……」
窓から差し込む日にかざしたりして頑張ってみても、物理的にも魔法的にも封のされた手紙は中身を確認することができない。
紹介状を託すということは、ヘリオは学園都市側に対して何かしらのアドバンテージを持っているということになる。しかし、エルフの森の聖域に引きこもってる神様が、学園都市と関係を持つ? おかしな話だ。
少なくとも確かなのは、ヘリオは元々森の外にいた可能性が高いということだ。それも、一般人でなく、なにか特別な地位の人物として。
それがどうして流れ流れてエルフの神様になっているのか。そもそも、エルフの森に来る以前だったら何百年も前の話だろう。それだけ昔の人物の紹介状って、人間はどう思うんだ?
旅立つに際して、紹介状だけでなく、いろいろなものをみんなから渡された。
父様からは折りたたみ式の弓を。素手でも精度を上げられるよう目下練習中だが、飛んでいる鳥にようやく当たると言った具合である。自動照準の魔法とか存在しねえかな……。
鳥というのは身体のどこかしかに矢が刺されば勝手に落ちてくるものだが、やはり頭や目を射抜くくらいのことができないと実用性に乏しい。それに、たまに人より大きいサイズの鳥も飛んでいるし。あれは流石にただ射っても落ちてこないと思う。
アルマは短刀をくれた。シロ先生と一緒に森の奥まで入って、強力な野生動物の牙を素材にしているらしい。力自慢は分かったから、個人的には、あまりそうやって危ないことをしないでほしいものである。ありがたくもらったけれど。
短刀……それともナイフ? ダガー? 細かい分類は僕は詳しくないけれど、普通金属で作られるものかと思っていた。しかし牙を素材としているのにこれは本当によく切れる。間違えて自分の指をポロッと落としそうで怖い。多分くっつけられるけど。
使えば当然切れ味が落ちるから、時たま鍛冶屋なりで研ぎに出したほうが良いとは先生の言である。一応砥石も渡されたけれど、素人は下手なことをしないほうが良いとも言われた。そう言われると自分でやりたくなるのが江戸っ子の常である。馬鹿にしやがって、てやんでぇ!
キバナちゃんは、何か渡したいけれど用意できるものもないと落ち込んでいたので、その気持ちだけで十分嬉しいよと伝えた。パンツくださいって言わなかった僕を褒めて欲しい。美少女のパンツはそれだけで宝物だが、流石に理性が仕事した。むしろこの発想が出る時点で仕事していないかもしれない。
結局、初日にお手製の弁当と、ミサンガ状のお守りをくれた。
『私は、あなたが無事に帰ってくるように、って』
お揃いのミサンガを手首につけて、キバナちゃんはそう微笑んだ。
僕が外の世界に行く本当の目的を彼女は知らない。村のほとんどの人の認識は、魔法関連の病(呪いというのだろうか)を治すために行くのだと思われている。まあ、嘘ではないんだけど。
そして、母様からは……
……
や、やめよう。母様のこと思い出すと欲求不満がぶり返してきて頭がおかしくなる。
もう、母様ってワードだけで下腹部が熱くなる。そりゃ毎日シていたのだから、こうも禁欲的な生活が続けば頭がおかしくなるというものだ。
そりゃ、物理的に距離をとって、新鮮なものにも囲まれて、多少は気も紛れているし、毎日悶々としているわけではない。それでも、少しキッカケを与えられるだけで途端に切なくなる。ヤバい時は頭の9割が「母様とえっちしたい」で満たされる。発狂モノである。
せめて、母様も同じことを思っているのかもしれないと考えることでなんとか精神を繋いでいる。……お、思ってるよね? 父様に寝取られ返されてないよね……? あう、あうあう、や、やだ。心配になってきた……。
父様じゃなくても、母様ってあんな可愛いしえっちだし感じやすいんだ。もし、他のエルフに襲われでもしたらひとたまりもないだろう。
そりゃ、信じていないのかと言われれば信じている。いや、信じられているのかな? こうも不安になってしまう僕は、やっぱり他人を信じるという点でどこか「人」として欠落しているところがあるんじゃないか? 馬鹿正直に、母様ならって一切心配しないのが正しいんじゃないか?
「……あい、りすぅ」
「は、はい! ……大丈夫ですよ、
……やめよう。分かっている。単に、僕自身の弱さ故に無性に不安に駆られているだけだ。
母様のことを想えば、欲求不満は増すばかりだし、同時に不安感も強くなる。心の中の大切な場所に置いて、そっとしておくのが精神衛生上一番正しい。
アイリスにぎゅうと抱きつけば、最初は驚かれるものの、僕の体の震えに気付いて彼女は優しい声を出す。
それでも、どうしてそうなのかは分からないが、アイリスはまるでガラス細工に触れるかのように僕を抱きしめ返す。僕は彼女に主従関係なんて押し付けるつもりないのに、髪を撫でることすら躊躇するように、おずおずと手を触れさせるだけだ。
……まあ、僕もこうして自分の都合に彼女を巻き込んでいるわけだし、アイリスがそう望むなら応えていこうと思う。
それにしても、おっきいおっぱいは本当に人の心を落ち着けるな、などと。
性懲りもせずに、僕はアイリスっぱいに思いを馳せるのであった。
将来は僕もぼいんぼいんになって、母様をこうやって癒やしてあげられるといいな。
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