TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
5年の歳月というのは、ほとんどの人にとって長いものだ。とりわけ幼児なんてのは、生まれてから5歳になるまでに驚くほど変わってしまう。
それは見た目だけでなく、社会との関わりや、そうして周囲と共に培った価値観などもだ。
ならば、自分がこの年になっても
生まれつき。うん、これは否定できない。
しかし言わせてもらおう。自分がこんなんなのは、社会との関わりが閉ざされていたことが少なからず関係している、と。
聞くところによれば、他の子供たちは普通に近所同士で遊んでいるらしい。特に幼馴染とか、この環境にいる自分には絶対にできない。自我の成熟しきったこの人生だったら、下心満載で美少女と仲良くしておいたのに! 光源氏計画させろ!
だが、駄々をこねて母様を困らせるのは自分の望むところではない。
幸いにも一人の時間が多いことは損失にはならなかった。性技に不可欠であるスタミナや筋力を向上させるのはもちろんのこと、この世界特有のよく分からん物質、すなわち緑のポワポワの扱いを学ぶ必要があったからだ。
もっとも、この
果てた母様を癒やすことで緑のポワポワ……まあ言ってしまえば、魔法的なサムシングの特訓にもなった。問題としては、使ったあとにこちらが疲労するというものがあった。
ふと思い立ち、子供特有の何でも口に入れてしまう精神でポワポワを食べたら疲労が取れたので、どうにか魔法にまつわる問題は解決したのであった。
そして、とうとう今日。巫女の娘っ子お披露目会もといお七夜を終えたら、自分も家を自由に出て、村の住民達と関わることが許されるようになるのである。
でも母様と離れたくないなあ。AOKANでもするか? 巫女がそんなことしてるの分かったら殺されかねないから、絶対に他の住民に見られちゃいけないけど。
でも井戸端会議させながら見えない角度で恥部弄ったりとか、林の中で木に両手つかせてお尻突き出させたりとかしたいなあ。うーん、青春コンプ。
そういえば、己の名前以外にも名前関連で勘違いがあった。
それはこのお七夜も深く関わっていることである。まずは、この世界(外のことは詳しくないからこの村だけかもしれない)における「名前」というものの一般論についてである。
名前の形式は昔の中華によく似ている。名字・名前あるいは家名などという括りはなく、その存在が持つ
勿論、この真名と自分が名前と勘違いしていたマナは関係ない。こっちの言葉だと真名っていうのがクソ長いから、省略のためにこう呼んだまでである。なんか……でゅお? デュオタヴウォータ……おぶだなま? みたいな感じ。実は、短く言いたいときはナマでも通じる。えっちだねえ(ニチャア)
さて。この世界では、地球には存在しなかった不思議パワーが使える。これが結構色んなものごとの制約に顔を出してきていて、万物の真名もこれによって決まっているという。
そのためか、真名を知られてしまう=己を構成する根幹を知られるということで、悪用すれば相手を言いなりにしたりその命を奪ったりすることまで出来るという。
真名を教えていい相手は、己の
以上から、IQハーバードな人はお気付きかと思うが、自分が過去に知ったサルビアとテレサ、そしてキバタンとマルス。これらは順に仮名・真名である。まだ赤子だからと油断したのだろうが……ふえぇ、子供に真名バレちゃってるよぉ……。
あまり自分が真名を知っているということはバレたくない。だから、初めて両親の前で口にした言葉が「サルビア」であったのは九死に一生を得た、という感じだ。
巫女の激かわロリ娘お披露目会は、自分が神から真名を命名されたあとに始まる。
真名を命名されたあと、両親にそれを伝え、両親からは仮名を与えられる。そして村人全員に向かって仮名を発表するのだ。
そう、村人全員である。
正直に言おう。馬鹿じゃねえの?
村人全員って、この村数千人規模だよね? それらを集めて、何を伝えるって、自分なんかの仮初めの名前?
いや、バッカじゃねえの?
これを聞いた当初はそう思ったものである。
だが前世を振り返ってみれば、たかだか4年に一度開催されるスポーツ大会で人は一ヶ月以上騒げるのだ。それが巫女の娘の命名とかなったら、数百年に一度、基本的には一生に一度のイベントなのだ。騒ぐのもしょうがない。
村長と
まあしかし、緊張するものは緊張するのである。前世では名前と外見でいびられ、今生ではぼっち街道を突っ切ってきた自分が、この一身に数千人の期待を受けているという。重い、重すぎる。重いのは母様と自分の間の愛情だけで十分である。
不安を振り払うように、隣に立つ母様を見上げた。
「母様、母様。自分はちゃんと、真名を頂けるでしょうか? 村の人々を落胆させてしまわないでしょうか?」
母様はちょっと驚いたかのような表情をしてから、ふわりと微笑んで自分の髪を優しく梳いた。母様の白く細い指が頭皮を時折くすぐり、こそばゆいような気持ちよさと、根拠のいらない安心感が自分の中に沁み渡った。
「緊張しているのかい? 私とキバタンの娘なんだから、心配いらないさ。それに、マナはこんなに可愛いんだ。きっと素敵な名前を頂ける」
途端にきゅうと胸が苦しくなり、「母様、すき」という感情ばかりがぽこぽこと発生する。
一体どうしてくれるんだろう。お七夜直前にこんな気持ちにさせて、母様は責任を取れるのだろうか?
「自分は……自分は、顔も知らない神さまよりも、母様から真名を頂きたいです。……『よりも』、じゃありません。母様がいいんです!」
「おや……そうだね。母様と父様は、キミに素晴らしい仮名を用意してあるんだ。神様の見出す真名よりも気に入るに違いない。それじゃ不満かな?」
珍しく駄々をこねる娘に母様は苦笑する。
困らせたいわけではないのだ。それに、母様の下さる仮名が気に入らないわけもない。
それでもどうしようもない程に、ただ、ただただ母様が好きなのだ。
「その言い方はずるいです……母様。それに、父様なんてしりません。自分はただ、母様から真名を……」
その続きは言葉にならなかった。頭を撫でる母様の手が止まったからだ。
不安になって顔が青くなる。こんなワガママな子は嫌いかもしれない。恐る恐る上を見上げようとすると、母様は「ほんとはね、神様が真名を与えるわけじゃないんだ」と言った。
その言葉の意味がわからない自分に対し、母様は膝を折って耳元に口を寄せた。
――神様だけが、真名を聴けるんだ
そっと囁かれた言葉に対し脳が働きを止める。
母様が硬直した自分の目を片手で覆う。一瞬、唇に何度も触れた覚えのある柔らかい感触がしたと思えば、目を覆っていた手は取り去られた。
すでに母様は立ち上がっていた。
「だから、悲しいけど私にキミの真名はつけてあげられない。見つけてあげられない」
なんというか、サプライズも含めて、ほんっとうに、頭が動かなくて、熱くて、反射的にハイと返事できたことは、自分を、褒めてやりたい。
ギギ、と首を動かして母様の表情を伺えば、母様はいたずらっぽい表情を浮かべて、人差し指を口に当てウインクした。
「……秘密だよ?」
「かあさま、すき」
「うぇっ!?」
いや、うん。もうむり、しんどい。吐きそう。
母様、すき。
ぽーっとした頭のまま母様に連れられて我が家を歩いていく。
気を鎮めるために、我が家のことを話そう。
我が家、バカ広い。そして日本人は馴染みやすい木造建築である。
なお、和風建築ではない。これだけは断言できる。なぜか?
この家、木の中に存在しているのである。木造ダネ(白目)
外に出たことがないので外観が分からないが、父様曰く、昔からエルフは伝統技術によってこのような家造りをするそう。
その中でも、
ここは神のおわす場所にかなり近いのだ。村には社っぽいサムシングが存在し、一般ピーポーはそこ経由で神に会い真名をもらう。
しかし、
この家の巨大さは
神のいるという場所に向かって、燭台だけが壁にかけられた道を歩んでいく。通路には時折守護番みたいな人が見受けられるが、何も言わず通してくれる。
まだまだ通路は長いように思える。しかし壁に妙な装飾が掘られた場所にさしかかると、辺りには自分たち以外の人気がなくなり、母様が繋いでいた手を離した。
「ここからは、キミだけで行かないといけない」
その言葉に、無言でコクリと頷く。
誰もいない道を一人で歩かねばならないということへの恐怖はある。だがそれ以上に、自分の頭の中は「母様に先ほどの意趣返しをしてやりたい」ということで溢れかえっていた。
手を離し、一歩ほど先に進んだところで母様に向かってクルリと振り返った。
まだ小さな自分の手。その人差し指で母様のヘソの下数センチにあたる部分をグッと押してやり、それから薄く微笑んで離れた。
「今晩は、期待していてくださいね。かあさま」
母様をメスにするには、たったそれだけでいいのだ。
努めて表情には出さないようにしているようだが、つばを飲み込む音と一瞬震えた身体でバレバレである。
そしてなにより、耳の先端が赤い。母様かわいいよ母様。
その成果に満足し、誰もいない暗い通路の方へ、自分は気軽に踏み出していくのであった。
青春コンプ「解せぬ」
命名神「イチャついてねえではやく来い」
特に話に影響させるつもりはないけど、兄貴たちの物語展開の好みを知りたい!きっと千差万別だよね。
-
急展開でシリアス&エロス
-
急展開でまったり&えっち
-
緩展開でシリアス&エロス
-
緩展開でまったり&えっち
-
ちんちん(結果開示しろ)