TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
イフェイオン。白と藍を混ぜたような髪色の、大人しくて華奢な少女。貧乳。最重要情報だ。
僕の金髪も父様に似てかなり色素が薄いので、白妙の止り木の職員さんからは白髪の姉妹のようだとからかわれる。あと、なぜかいーちゃんと一緒にいると、いつもピッタリくっついてきてたアイリスが一歩距離を取ってこちらを微笑ましげに眺めるようになる。後方腕組み親父面やめろ。
まあ、得てして少女同士の絡み合いというのは傍から眺めていて心安らぐものであるし、アイリスの気持ちも分からなくもない。
可愛いVtuberが二人画面に並んでいたらそれはもうてぇてぇだし、きらら系が一定の需要を維持しているのはそういう要因がある。
惜しむらくは僕が眺める側でなく眺められる側であることだが、まぁ可愛いおにゃのこと弄れ……間違えた、戯れられるのだ。甘んじて受け入れよう。
お前はおっぱい至上主義じゃなかったのかと問われそうだが、母様やアイリス、キバナちゃん、そしてヘリオ達と、数多のおっぱいに触れてきて悟った。
僕、スレンダーなのが一番好きだわ。
いやいや、勿論大きなおっぱいは大きいほどよい。安心感といい、包まれた時の宇宙の真理を覗くような心地といい、アイリスのでかいおっぱいは凄い。
すごいんだ。
だが、なんというか、おそらく母様によって性癖が塗り固められた。
スレンダー最高。貧乳? 私は一向に構わん。
ムチムチが好きな人の存在も十分理解するが、共感はしてやれない。
さて。そんな少女だが、
彼女の場合、含有できる魔力の量が外部の環境に非常に左右されやすい。分かりやすく言えば変温動物の魔力版だ。
これの何が問題かと言うと、魔力の薄い場所に身を置くとすぐ死ぬ。
エルフは更に性質が違って、細胞そのものが魔力に補強されているから、魔力を失ったら体ごと消える。
では、魔力の薄い場所とは?
まず、エルフの森が魔力の濃い場所であったように、地域ごとに空気中に含まれる魔力の濃度の差がある。生体が少ない場所ほど魔力を蓄える物体が少ないわけだから、砂漠とかはかなり薄いんじゃないかな。
他にも、除菌室のように「意図的に魔力を排除した空間」というのが学園都市にはそこそこ存在するらしい。実験室だったり、魔道具を作るための場所だったり、内容は様々だけど。
そして、日常的に一番注意しなければいけないのが水である。
即ち、風呂。あるいは水浴び。
ファンタジー系のゲームよろしく、ただの水に魔力を混ぜてポーション、なんてことはできやしない。この間話した通り、液体でもまともに魔力を含めるようなものは融かしたヤァヒガルくらいなのだ。
すると、いーちゃんにとっては液体に浸かるという行為がそのまま死に繋がりかねなくなる。
まったく生活ができなくなるわけではないが、意図せぬことで命を失いかねない病だ。
「んー、気持ちいー」
そんな身体であることも意に介さず、いーちゃんが伸びをした。
お風呂に入れない彼女は、現在、濡らしたタオルで体を拭くことで代用しているのだ。
……なお、何故か僕が拭いている。
「僕らが来る前は自分でやっていたんですか?」
「うん。でも、背中とかちゃんと拭けてなかっただろーなぁ」
「生まれてこの方、拭くだけでこれだけ肌が綺麗なままってのも凄い気がします……」
「ひひ、ありがと。あ、前もお願―い」
「え──」
いいんですか?
いや間違えた。何言ってんだこの子。落ち着け。惑わされるな。それはちょっとえっちじゃん。心の珍棒がムクムク。間違えた。落ち着け。
「小さい頃はお母さんにやってもらってたなぁ。ん? 顔赤いけどどうしたの?」
「いや、イけます。ヤります。よゆーです」
分からん。何が正しいか分からん。いやしかし少女が郷愁に耽っているのだそれに答えずして何が大和魂か。
不思議そうに小首を傾げている少女を傍ら覚悟を決める。だいぶ混乱しているかもしれない。でもイける。僕ならヤれる。いやまて僕は混乱しているときはろくでもないことばかりしてこなかったか。ううん、でも今はよく姦、考えれば落ち着いているかもしれない。混乱していない。ちょっと心の珍棒が元気になっているだけだ。
大丈夫。幸いいーちゃんのお胸は慎ましやかであるし、女児の世話をしていると思えばロリコンでない僕はいけるはず。
「……んっ、……脇、くすぐったいね」
横腹を拭いたところで色っぽい吐息が鼓膜を揺らした。はにかむ少女。
大丈夫。ちょっと長期間えっちなことしてなくて性欲マンハッタンだけど全然興奮してない。大丈夫。あ、やべ鼻血出そう。問題ないね。
「……え、あの、あーちゃん、そこはちょっと……恥ずかしいかも」
「大丈夫、イけます、ヤります、よゆーです」
「あ、あーちゃん?」
体を綺麗にする。
責任を持って綺麗にする。
隅々まで。
雑念にはとらわれない。
……これがゾーンか。
母様と積み重ねた経験か。
あるいは天性の才能か。
どこを拭けばいいか、手に取るように分かる。
分かる、分かるぞ……!
「……やっ、そこは……ぁっ、あーちゃ、ん、ダメだっ……ッ、ん、くぅ……んんっ」
光る線を辿るように体を動かせば、自然と最適解に手が届く。
音。光。あらゆる外因から解き放たれた僕だけの
「はぁ……、ぁあっ……!」
最後に、タオルをもう一度桶に漬け、ギュッと絞って脱水。
三つ折りにし、お湯の湛えられた桶の縁にかける。
「……ふぅ」
ミッション・コンプリート。
得も言われぬ達成感に身を震わせながら、僕と同様感動しているのか、体を小刻みに震わせながらこちらに寄りかかるいーちゃんに視線を移した。
……いつ寄りかかられたんだっけ? 集中しすぎてて気付かなかった。
「ええと、いーちゃん、どうでしたか」
状況がよく分からない。なんなら拭いている間の記憶がない。
そんな長時間やっていたつもりはなかったんだけれど、疲れさせてしまっただろうか。
妙な集中が切れて動揺する僕に疲れた体を預けながら、いーちゃんはムスッと僕を睨んだ。
「……ばかっ」
「えぇ……」
解せぬ。
それから、怒りに赤く染まった顔をうつむかせて、付け足すようにボソッと言った。
「…………よかった、よ」
そうですか。それはよかった。