TS転生すればおっぱ……おにゃのこと戯れられるのでは?だからチート勇者、テメェはお呼びじゃねえんだよ! 作:Tena
ノアイディ=サルビア・テレサ
今代の
あるいは男性であれば
他の者達からすれば、奏巫女とは純潔そのものであると言える。そんな立場のテレサであったが、いまはどうしようもないほどに狂おしく下腹部が疼いていた。
先ほどまで娘と共に歩いた通路を逆向きに歩いていく。頭を下げる守護番の横を通るたび、足を伝うほどに溢れた透明な液体に気付かれないか、あるいは発情しきって
歩くときの衣服と肌の擦れだけで、背筋から臀部にかけてゾクゾクとした感覚が走る。
この感覚は、ここ数年で初めて知った……教えられたものだ。
原因は一人だ。
また、いま自分がこんな状態になってしまっているのも、同じ原因である。
しかし、その原因を頭に浮かべてしまえば状況は悪化する。なにより、今晩への期待で自然と息が荒いものへと変わってしまう。
もう手遅れかもしれない。好き、大好き、という気持ちが源泉の見つからぬほど湧き出し、今夜は彼女の真名を一生分呼んでやりたいという想いで思考もままならない。
彼女の真名は自分こそが一番多く呼んでやりたい。将来彼女を娶る者など比べ物にならないくらい。
誰であれ、そうなる者のことを想像した途端狂いそうになった。なぜ自分でないのか、と。
テレサは禁忌を犯している。
娘との関係を多少でも持ったことは当然だが、それ以上に、この世界に生きる者として、夫と親兄弟以外に真名を教えることは許されていない。しかしそれでも、テレサは娘に夫以上の愛情を抱いている証左としてそうすることを選んだ。唯一救いがあるとすれば、テレサと彼女が同性で、どう足掻こうと子供を成せないことであろうか。
しかしそれは、浮気が禁忌とされるこの世界で同性愛に踏み切ることなど想定されていないだけなのであるが、巫女として清く育てられたテレサが気付く由もなかった。
一般常識であるが、子を成す行為というのは人生における一つの大きな試練とされる。
これは、神が生物に与えた、生命の尊さを忘れさせないための試練である。破瓜を伴う挿入に始まり、体内に異物を流し込まれる不快感、そして何より出産時の想像を絶する痛み。二度と味わいたくないとは思いながらも、そうした過程を経て抱く赤子というのは、天からの恵みとしか思えない尊さを兼ねる。
しかしそれでも、一子を生んで数日経ったあと、巫女である己はもう二度と同じ体験をしないで済むと安堵したものである。
男性は女性ほどの痛みを伴うことはない。しかし、魔力の保持によって健康を保つエルフにとって射精は拷問である。
体内からかなりの量の精液を排出すれば、その後に待っているのは倦怠感と吐き気、また免疫も低下し、精神も落ち込むことが多い。一般に、魔力は時間経過でしか回復しない。射精後の数日、下手をすれば数週間は地獄を見るのである。
しかも子を成す機会は極稀にしか存在しない。そこで確実に子を成すため、男性は行為前に薬剤を服用し、一度の射精で精巣の中身を出し切れるようにするのである。いまのところ、それでほぼ必ずと言っていいほど子作りは成功している。行為以前の数日分の記憶が飛んでしまうことが問題であるが、背に腹は代えられない。種の存続のためである。
しかし、それでも。
テレサは、娘の子を孕みたいと思った。
あるいは、娘に自分の子を孕ませたいと思った。
(……歪んでいるとは、思うんだけど。でも、あの子と子供を成せたらどれだけ幸福なことだろう。……キミは、どう思っているんだい?)
腹の奥がきゅうきゅうと何かを求めているのが分かる。
娘に与えられるあの不思議な感覚、目の前が真っ白になるアレを、いますぐに与えてほしくなった。そんな感覚になったときは合図代わりに「イク」と言ってほしいとかつて頼まれたが、その言葉を繰り返し叫ぶのも嫌いではない。
娘で満たしてほしいと腹の奥が言っている。娘は女性なのだから、精液を排出できるはずもないが。
娘の全身を自分の体で抱きしめるのが好きだ。最近は成長を感じるが、そのうち自分の身体で包みきれないくらいには健康に育ってくれることだろう。
そう、彼女は成長しているのだ。真に美しいものは男女問わず魅了すると言うが、その通りであった。成長すればするほど綺麗になり、外の世界より美形が多いとされるこの村でも、信仰すら覚えさせるほどの美女に育つことだろう。このあと彼女を村民全員にお披露目することを思うと、どこか勿体ないような気さえした。
長い通路を歩き終わったテレサは、下着の交換も兼ねて浴場で身を清めることにする。
このあとはお
今晩が愉しみなのは先ほども述べた通りであるが、テレサはそれと同じくらい彼女に仮名を与えるのを楽しみにしていた。
(キミが生まれる前日、実は私と
マルスの血か、色素が人一倍薄い彼女の髪色は白に近く、またその目つきはやや眠そうに見える。テレサ自身とお揃いでないことは悲しいが、しかし陽を透かすと妖精と見紛うようなその細く美しい髪や、己に対し悪戯するときツリ目気味になる彼女の表情がテレサは好きであった。
それに、細いが毛量が多く、真っすぐでまとまりの良い髪質はテレサの遺伝だ。いまは伸ばしているために腰まである娘の髪を、二人っきりで色々な結び方をして遊ぶ。そんなときの娘はとても愛らしく、自分の一部が彼女の中に遺伝として溶け込んでることを嬉しく思う。
余談ではあるが、たまたま娘の手が引っかかって毛髪ごと頭を引かれたことがある。娘は生来の優しさのため暴力的なことは好まないが、テレサはそのときの支配されたような感覚が非常に心に残っていた。ともすれば、今晩彼女にお願いしてみるのもいいかもしれない。
テレサがお願いできるほど余裕を作らせてくれるのであれば、だが。行為の前に言っておかねばならないだろうか、と思案すれば、再び腹部が熱を灯し、いけないいけないと頬を両手で軽く叩く。
「さあ、あの娘の晴れ舞台を見に行こうか」
浴場を上がってから着替たテレサは、リビングで落ち着かなさそうにしているマルスに笑いながら声をかけた。
「ふふ、マルス、あなたがそんなに緊張してどうするんだ」
「そう言う君はどうしてそんなに落ち着いているんだい? マナの晴れ舞台だよ!? それに、ボクらは仮名を授ける役目もあるんだ。マナの真名が分かるっていう興奮と、マナにあの仮名を伝える喜びでボクは昨日から眠れやしない!」
「あーあー、それはあなたの目の下を見ればよく分かるよ。昨日から? ふふ、ウソつけ、一昨日からだろう。普段から眠そうな目が、一周回って覚醒しているように見える」
まったく、
私は巫女の役目で緊張に慣れきってしまったのかもしれないな、とテレサは思った。儀式は一年に何種類もあるのだ。いちいち緊張していたら心臓が持たない。
「そうだとも。ボクの方は一昨日から準備ができている。さ、君の準備ができたならすぐ行こう、いま行こう! こうしてる間にもマナが命名を終えて舞台上に現れるかもしれない!」
「さっき見送ったばかりだ、そんな早くには終わらないさ。しかし今日はアイサ姉妹の名前が公演スケジュールにあった。急いで舞台へ行こう」
「それはいい! それなら退屈な舞台にこの眠気を連れて行っても、寝過ごさずに済みそうだ」
玄関を出れば迎えの者がいる。
送迎を受け、舞台のある神樹と同じくらい巨大な樹木に到着すると、中は人で溢れかえっていた。
朝から外で降り続けている雨のせいで、若干蒸し暑いような気もする。しかしそれは入り口付近までの話で、舞台を見下ろせるとあるVIPルームまで通されれば、魔法を利用した空調によって室温は快適に保たれていた。
席に着くと、観客席の民衆の何人かが貴賓席に人が入った事に気付き「巫女さまだ」と注目を集める。
振られた手を振り返してやるが、注目されていない舞台が流石に可哀想なので、「舞台観てあげて」と指でツンツンそこを差した。
「君は相変わらずの人気だね」
「ありがたいことさ。でも、マナの方が、きっともっと皆の心を惹きつけるようになる」
「ボクも、そうなると信じているさ」
この世界で誰よりも何よりも愛しているのはマナだが、やはりマルスとの会話は心地よいテンポで進めることができた。
罪悪感。それはもはや感じない。そういった分水嶺はとっくに過ぎたのだ。
いまはマナの手によって、それを感じることができないほどに
「きっと、一時間もすればあの子の姿を見れるよ。舞台上に立つあの子は、格別に綺麗だろうね」
微笑みながらマナを待つ。神のおわす御所は室内でないため、雨に降られて風邪をひいてしまわないだろうかとちょっと心配もする。
マナに触れられた腹部の消えない熱を感じながら、彼女を待つ。その時間はテレサにとって、至福のひとときであった。
それから、半日が経った。
御子の姿は未だ見えない。
特に話に影響させるつもりはないけど、兄貴たちの物語展開の好みを知りたい!きっと千差万別だよね。
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急展開でシリアス&エロス
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急展開でまったり&えっち
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緩展開でシリアス&エロス
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緩展開でまったり&えっち
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ちんちん(結果開示しろ)