とある科学の超人兵士。   作:バナハロ

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市民に人気でも警察には嫌われる。

 固法非色は、何処にでもいる普通の中学一年生ではない。よく言うところの「化け物」である。

 身体能力は、細かく計測したことはないが、過去の経験から具体例を挙げれば、車より速く走り、片手でトラックの横転を止めながら巻き込まれそうになった女性を抱え、ダンプカーに撥ねられても捻挫で済み、その捻挫も30分で自動的に治癒され、視界に敵がいなくても殺気で反応し、回避出来る化け物である。

 その能力は、二年前の「超人兵士作成計画」なんてふざけた実験の結果であり、従って、非色は「超人」なわけである。

 生き残りは、非色の聞いた話だと自分しかいないそうだ。施設内にいた仲の良かった奴も、みんな死んだと言う。まぁ、死んじゃったものは仕方ない。警備員に助けられた時は自分の明日もわからない状況だったし、気にしている場合ではなかった。

 で、そんな非色は考えた。あんなクソみたいな施設が、今や学園都市のそこら中にある、という。ならば、もう自分のような化け物も、実験失敗により死亡した被験者達も、両方死なせない為に、この力を活かすしかない。

 だが、風紀委員に入ったのではダメだ。あの組織も結局、学園都市が生み出した組織である。非人道的な実験を行なっている科学者どもを見過ごしている学園都市の正式な組織なんて信用出来るはずがない。

 それと、まぁ、あとは……ヒーローに憧れを抱いている、というのも無くは無い、みたいな? 

 とにかく、そんなわけだから、自分だけで動くことにした。まぁ、それも……。

 

「……はぁ、しんどいなぁ」

 

 学生生活を送りながら、になるわけだが。親にとっくに見捨てられた『元置き去り』だが、今はとある風紀委員の方の寮に居候させてもらっている。ヒーロー活動なんてしている時点でこんなこと言う資格はないのかもしれないが、その人に迷惑をかけるような事はしたくない。

 さて、そんな非色だが、こんな中堅学校にいるとは思えないレベルの成績を誇る。学校の授業はかなり退屈なものだ。

 

「眠い……」

 

 うとうとしながら机の上でぼんやりしてしまう。まぁ、授業もあと少しで終わりだ。昼休みになれば、やらなきゃいけないことがある。

 すると、授業終了のチャイムが鳴った。それにより、終業の挨拶をして、生徒達は給食の準備にとりかかった。

 その隙に、給食当番ではない非色は教室を飛び出した。今なら、全員が給食の準備でバレることもない。

 念の為、トイレに入って窓から飛び出し、壁をよじ登って化学準備室まで向かった。そこの窓を開け、中に侵入する。

 

「そろそろ、液が切れちまうからなぁ」

 

 液、とは水鉄砲の中の液体だ。トリモチと、粘着剤を参考にした捕獲用の液体。拳で殴れば大怪我をさせてしまうための配慮だ。非色は、決して人殺しにもなりたくない。

 そのための材料を取りに来た。給食準備中に材料を整え、昼休みが始まってから調合する。

 

「これと、これとこれと……」

 

 薬品を選んで机の上に並べると、そろそろ時間なので一度、教室に戻った。

 何事も無かったかのように教室の扉を開け、トレーを持ってさり気なく、給食当番からの配給を待つ列の最後尾に並ぶと、その後ろにすぐ並んだ影が声をかけてきた。

 

「固法くん、何処行ってたの?」

「っ! ……え、あ……さ、佐天さん……」

 

 後ろの席の佐天涙子だった。自分に言われたくないだろうが、中1にしてはやたら発育の良い女子中学生だ。正直、目のやり場に困る。

 そんな事よりも、だ。今はどこに行っていたかを隠さなければ。

 

「と、トイレだよ。お腹、痛くて」

「ふーん。大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。もう、治った。すっきり」

「……食事の前なんだけど」

「……ごめん」

 

 正直、異性と話すのが得意ではない非色は、しどろもどろになってしまった。

 

「なんかあれだよね、最近はよくいなくなるよね。給食の前に」

「え、そ、そう?」

「そうじゃん」

 

 バレてた、割と。給食当番に紛れてさりげなくいなくなっていたつもりなのに。

 とりあえず、誤魔化さなければならない。あの液体は非色が開発したものだ。弱点は水で溶ける事、火で燃える事、電気でも消せる事、一時間しか保たない、などと多くあるが、とにかくワンオフ品だ。使っていることを知られれば、正体がバレてしまう。

 

「と、トイレとか……あと、トイレとか……」

「トイレばっかじゃん。‥……ま、なんでも良いけど」

 

 なら聞かないで欲しかった。とりあえず、話を逸らさなければならない。

 

「そ、それより佐天さんは……お、俺をずっと目で追ってたの?」

 

 言って後悔した。冗談、と受け取ってくれりゃ良いのだが、そう上手くもいかないかもしれない。だって、その視線はゴミを見る目だったからだ。

 

「‥……何言ってんの?」

「ごめん、冗談」

 

 だからそんな目はやめて欲しかった。まぁ、仲が良いわけでもない相手にそんなん言われても困るだけなのだろうが。

 冗談、という言葉に安堵したのか、すぐににんまりとした表情になった佐天は、すぐに言った。

 

「何々、もしかして私の事、狙ってたのー?」

「あ、いや……そんなつもりは一切無いですけど」

「ぷふっ、なんで敬語? それじゃ、ホントっぽいじゃん」

 

 そんなことを話していると、その佐天の後ろから派手な花飾りをつけた女の子が顔を出した。

 

「もう、佐天さん。あんまり男の子をからかっちゃ可哀想ですよ」

「えへへ」

 

 風紀委員の初春だった。授業中、眠ったりしていると割と起こされることがあるので、おそらく真面目な子なのだろう。

 なんて予想していたが、実際の所、初春はパトロールをサボる常習犯でもあるので、真面目とは言い難かった。

 とにかく、なるべく目を逸らして黙っておいた。怪しまれたくないし、後ろの二人は仲良しさんのようで、楽しくお喋りを始めた。

 給食の配給が終わり、食事も終わり、ようやく昼休み。給食当番以外はすぐ休み時間になるため、非色はすぐに教室を飛び出した。

 昼休みになってしまえば、生徒は廊下や校庭に出てしまうため、壁を登るわけにいかない。そのため、さり気なく化学準備室に入った。さっき窓から侵入した時に、鍵は開けておいたのだ。

 そこで、再び液体の調合を始める。順番通りに薬品を混ぜてかき混ぜ、熱し始める。

 しばらく加熱し、完成と共にお手製の水鉄砲のタンクに移し始めた。

 

「よし……!」

 

 完成した。機器の洗浄も終えて、あとは後片付けだけ……という時だった。唐突に準備室の扉が開かれ、慌てて机の下に身を隠した。

 

「本当だって、初春! ここに入って行ったの!」

「だ、だからってなんで私を呼ぶんですか……」

「良いじゃん、私達は一蓮托生!」

「いつからですか、それは⁉︎」

 

 騒がしい二人組だ。ヤバい、と冷や汗を流す。まさか、つけられるとは。

 

「だって、気にならない? いつも冴えないマッチョ固法くんが、たまに昼休みに姿を消して何をしているのか。もしかしたら、危ない兵器を作ってるのかもよ?」

「そんな言い方失礼ですよ、佐天さん。この部屋の中にまだいるかもしれないんでしょう?」

「あ、そ、そっか……」

 

 慌てて口を塞ぐ佐天だが、もう手遅れだ。だって本当にいるのだから。

 当然、二人はまだ片付けが済んでいないビーカーやアルコールランプを発見する。目に入ると「んっ?」と声を漏らす。

 

「あれ、なんだろ」

「さぁ……」

 

 その声と共に足音が聞こえてきたため、その動きに合わせて机を挟んだ逆方向に進む。ご丁寧に入口の扉を閉めてくれたお陰で、出口は元々開いていた窓しか無くなってしまった。

 

「まさか‥‥本当に兵器作り?」

「え、ど、どうしましょう……」

「いや、私に聞かないでよ。風紀委員でしょう?」

「だ、だって……兵器作りだとしたら私達じゃ捕まえられませんよ!」

「そ、そんな事言われても……」

 

 徐々に声音に恐怖の色が混ざっていく。だが、誰よりも現状を恐れているのは非色の方だった。見つかったら終わりだ。いや一応、薬品は回収できたわけだから、それさえ見せなければ「勉強をしていた」で誤魔化せる。

 でも、やはり見つからないに越したことはない。何せうまく誤魔化せる自信がない。

 

「……っ」

 

 息と気配を殺して、二人のクラスメートの対角線を動く。頼むから早く出て行くか窓際から消えて欲しかった。

 

「だ、誰かいる……?」

「いや、分からないです……」

「ていうか……やっぱやめない?」

「そ、そうですね、戻りましょう」

「先生呼んで来よう」

 

 その会話にホッとする。二人が出て行ったのを確認すると、慌てて器具を片付け、人が来ない間に準備室を出て行った。

 

 ×××

 

 放課後、非色は細心の注意を払って下校した。何せ昼休みは後ろからつけられてポカをやらかしかけたのだ。

 背後からつけられていたら、自身の正体がバレる。居候先に帰って変身して家を出た所を目撃されればアウトである。

 とりあえず付近に目撃者がいないことを確認しつつ、家に入る。普通に広いマンションを借りさせてもらっているのはラッキーだ。

 と、いうのも、非色を引き取った風紀委員のJKに気を利かせて、先生方が広めの所にしてくれた。そのお陰で、自分の部屋があるのだ。

 それがまたとても助かる。何せ、非色の部屋にはヒーローに変身するためのアイテムがたくさんあるのだから。

 

「……よし、変身しよう」

 

 部屋に到着すると、まずは制服を脱ぎ捨ててパンイチになる。窓に、中1とは思えない肉体が映るが、気にせずにライダースーツを着込む。

 首元だけ開けておくと、ピッタリするタイプのマスクで口、鼻、頬を隠し、ニット帽をかぶる。最後にスキー用のゴーグルを着けて完成だ。

 

「……そろそろ自作スーツ作ろうかな……」

 

 なんかとってもかっこ悪い気がするが、まぁ手作りなので仕方ない。デザイナーが考えたわけでもないし。

 それに、正体さえバレなければ恥ずかしくないのだ。このマスクさえしていれば全裸で街を徘徊しても恥ずかしくは……いや、それは流石に恥ずかしい。そんな事したら首を括る自信がある。

 そんな事はさておき、ヒーローの時間である。ホルスター付きのベルトを装備し、水鉄砲の中の液量を確認し、窓を開けた。住んでいる部屋は5階である。

 

「えーっと……なんだっけ。『二丁水銃』か」

 

 自分でつけたわけではない名前を言いながら、窓から飛び降りた。マンションの壁を走り、地上に到着する前に蹴って別の建物に張り付き、屋上を跳ねながら移動する。

 あたりを見回しながら屋上を散策。実はこうして屋上を使うのも、地上を歩いているとヤンキーどもが勝負を挑んでくる事や、仕返しに来ることがあるからだ。

 そんなわけで、安全な空中からパトロールをしていると、明らかに走行速度がおかしいバスが、十字路をドリフトで右折していた。

 

「……はい。問題発見」

 

 ニヤリとマスクの下でほくそ笑むと、屋上から一気に飛び降り、バスの上に着地した。

 ガタン、と何かが降って来たのを感知した車内は、人質の生徒達が小さな悲鳴を上げると共に、バスジャック犯の四人組は真上を見上げた。

 運転席に座る一人を除いて、他三人が呟く。

 

「なんだ?」

「なんだって……バスの上に降ってくる間抜けなんて一人しかいねえだろ」

「……だな。オイ、用心しろ」

 

 三人が三人とも能力者であり、各々がバスジャックに必要な能力を有している。

 さて、走行中のバスに、一体どのように仕掛けてくるつもりなのか。軽く身構えた直後だった。窓ガラスが両足揃えた蹴りにぶち割られると共に一人を窓に叩きつけた。

 蹴りは加減をしていたが、気絶させるのに適した威力だ。後部座席にまとめて座らされた乗客の前で構える。

 

「君達、運賃足りないからって駄々こねるのはダメだよ」

「テメェ……!」

「二丁水銃!」

 

 残り二人も戦闘態勢に入った。犯人との距離は3メートル弱。水鉄砲の射程内だ。空気に触れると拡大するこの水は、狭い車内で発射されれば逃げ場はない。

 一人は気絶させてしまったが、本来は痛い思いさせたくない。ならば、一発で決めるために両腰の銃を抜いて放った。この距離なら外さない……と、おもったが、その二発の水は二人に届く前に止められた。

 

「念動能力者……!」

「おら、返すぜコスプレ野郎!」

「うお、危なっ⁉︎」

 

 後方にいる方がかざした両手を振り下ろした。飛ばした水が返ってきて、慌ててスライディングで回避しつつ接近した。

 

「んぎゃ!」

 

 後ろにいた乗客が被害にあったが、一定時間身動きが取れなくなるだけで身体に害はない。

 接近した非色は、ホルスターに水鉄砲をしまいながら、前に立つ一人の股下を潜ると、ジャンプして背中に蹴りかかった。

 が、それは念動能力者によって阻まれる。

 

「この、力っ……! お前達、ただの雑魚じゃ、ないな……!」

「良いから、邪魔すんなボケ‼︎」

 

 勢いよく窓に叩きつけられ、バスから追い出された。が、割れた窓の淵を掴んで何とかしがみ付き、何とかバスから離れないようにする。

 

「ちょっと、侮り……過ぎてたかな……‼︎」

 

 が、まだ復帰できる。乗客が乗っているからバスを持ち上げる、なんて真似は出来ないが、手が打てないわけではない。

 その直後だった。バスが強引に真横に寄せられて行った。お陰で、非色の身体は歩道ギリギリを移動させられる。

 

「オラ、離れやがれ!」

「クッ……こんにゃろッ……!」

 

 さらに、強盗一味の一人が窓から顔を出し、手から水のようなものを出した。

 

「オラ、終わりだ‼︎」

 

 それが放たれ、顔面に直撃し、手が離れた。コンクリートすら抉る威力の水弾。ゴーグルに当たっていれば砕け、失明していたが、額だったので擦り傷程度で済んだ。

 それでも、手から離れたことに変わりはない。バスから離された非色は、それでも諦めなかった。

 

「ヒャははは‼︎ あばよ、コスプレヒーロー!」

 

 そんな声を聞きつつも、バスの後ろを走る。その速さは、バスの走行速度を優に超えていた。

 

「おいおい……マジかよ、あいつ……!」

「追い付かれるぞ、飛ばせ!」

「これ以上は無理だ!」

 

 走りながらバスに追いつくと、非色は再びジャンプし、バスの屋根に飛び付く。今度は、狙う相手を変える事にした。

 窓の外から飛んでくる水弾を避けつつ、あの念動能力者は最後にする。タイマンなら負けはない。まずバスの屋根の上から非色が狙ったのは、バスの車輪だった。

 屋根の上から移動し、走行中のバスが通る道に液体をぶち撒けた。

 

「! ブレーキだ!」

 

 中にいる勘が良い一人が声を張り上げると、それに従う運転手。だが、もう遅い。車は液体の上に通ってしまった。

 それにより、急ブレーキをかけられたように止められる車。元々ブレーキをかけていたとは言え、その上に粘着液なんて通ったら、そりゃ大型車も止まる。

 

「クソっ……って、うおわっ⁉︎」

「はい、二人目!」

 

 続いて、運転席のヤツも拳で気絶させた。念動能力者が相手なら、動きを封じても戦闘に参加することは可能だから、念には念を入れた。

 これで再びバスの中。顔を出すと、二人の能力者と対峙する。今度は、もう敵の能力も大雑把にだが割れている。簡単には負けない。

 

「ごめんごめん。乗車賃払い忘れたから待ってもらっちゃったよ」

「クソッタレが……!」

「おい、どうすんだ?」

「もう外に追い出しても無駄だよ。だって、バス止まってるし」

 

 すると、念動能力者が床に手をつけた。それにより、謎の浮遊感に包まれる。思わず姿勢を崩してしまうほどだ。

 が、これは敵側にとっても想定外の行動なようで、水弾操作の男が仲間に声を掛けた。

 

「おい、お前……!」

「おら、どうするよヒーローさんよ。これなら、俺を攻撃すりゃ、中の乗客も無事じゃ済まねえぞ」

 

 つまり、奴はバスを持ち上げたのだ。この能力、明らかに大能力者だ。それ程の力があって、よくもまぁ危険な真似をしようと思えるな、と軽くドン引きするレベルだ。

 

「テメェ、何しやがんだ! 俺まで巻き込んでんじゃねえよ!」

「うるせえ! だったらこれからどうするってんだよ⁉︎」

「このままじゃ、結局テメェの能力が切れるまでしか安全じゃねえだろうが! だからお前と組んでバスジャックは嫌だってんだよ!」

「今、それ言うか⁉︎」

 

 言い争いが始まったが、それは非色にとってありがたい事態だ。窓の外を眺めると、既に高さは近くのマンションの屋上くらいにまで上がっている。このまま落下すれば無事では済まないだろう。

 

「……よし、出来る。俺なら出来る……!」

 

 自分にそう言い聞かせると、あっさり二人の強盗犯を気絶させた。

 

「ゴフッ!」

「ブハッ!」

 

 シンッとする車内。え、このヒーロー何してんの? みたいな。が、その時間も長くは続かなかった。

 それにより、自由落下が始まったからだ。

 

「きゃあああああ‼︎」

 

 乗客の悲鳴が車内を包み込む中、非色は水鉄砲を乗客全員に放った。シートベルト代わりだ。

 それを終わらせると、叩き割った窓から脱出し、一足先に地上に降りる。そして、地上からバスの落下地点を探る。

 

「ぺっ、ぺっ」

 

 わざとらしく両手に唾を吐くと、力士のように四股を踏んで真上を見上げた。

 

「せー……のっ!」

 

 バスが落ちてきた直後、両手でバスを受け止めてみせた。中から聞こえてくる悲鳴。が、正直、バスが真上から降ってくる、という絵も中々、怖かったため、非色も悲鳴を上げたいくらいだった。

 まぁ、それでも受け止められた。静かにバスを下ろすと、バスの扉を無理矢理、開ける。念のため、気絶している犯人達を水鉄砲で封じておくと、風紀委員に通報しようとスマホを取り出した。

 

「風紀委員ですの!」

「げっ……」

 

 この独特の言い回しに、思わず肩が震えが上がる。自分の事を嫌っている風紀委員がやって来た。

 バスから出てきた自分の姿を見掛けると共に、その風紀委員は頬をひくつかせ、額に青筋を浮かべて聞いてきた。

 

「……またあなたですか、ヒーローもどき」

「白井黒子……!」

 

 一難去ってまた一難、という言葉が嫌というほど脳内を反復した。

 

 


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