とある科学の超人兵士。   作:バナハロ

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自分のケツは自分で拭く。

「これは……」

 

 テレポートで戻ろうとした直後、ビルが倒壊した。ヤンキー達の運び場には一七七支部の前を選択して、美偉達にあのヤンキー達の保護を頼んでおいたわけだ。

 ビルの近くに戻ると、おそらく二丁水銃の仕業と思われる、二人の気絶したヤンキーが街灯に貼り付けられているのを見つけた。

 それに関してもすぐに保護をしておいて、警備員が瓦礫の周りを取り囲んでいた。

 

「全く……無事なのでしょうか、あのヒーロー様は」

 

 流石に心配になった。どんなに肉体が強靭でも、ビル一つに押し潰されて生きていられるはずがない。

 

「初春、このビルの質量は?」

『そうですね、四階建ての建物ですので、それなりにあるかと』

「もし、仮にですが、中にあのヒーロー様がいらっしゃるとしたら?」

『正直、生存していると確信は持てません。……いえ、私も二丁水銃さんの身体がどうなっているかを知っているわけでは無いので何とも言えませんが』

 

 やはりか、と改めて察した。何にしても、もし無事に引き上げられたとして、病院に誰よりも早く連れて行けるのは自分だ。その時に備えておいたほうが良い。

 本当ならヒーローの逮捕もしておきたかった所だが、スキルアウトをも助けていた辺り、やはり悪人ではない。限りなく風紀委員と近い思想を持っていると思っても良いだろう。

 だが、まぁ何にしても、何となくだが死んでいない気がする。少なくとも、身体のスペックは普通の人間ではないから。

 

「……しばらく、出て来るまで待つとしましょう」

 

 そう決めて、救出の現場を手伝う事にした。

 

 ×××

 

 目を覚ますと、瓦礫の山の中だった。押し潰されていないのはほぼ奇跡、偶然、自分の周りは瓦礫と瓦礫によって空洞になっていた。高さは、立ち上がると頭をぶつけてしまう程度の高さである。

 とりあえず身体を起こすと、隣で佐天が寝ていることに気付いた。

 

「! さ、佐天さん……佐天さん!」

 

 慌てて頬をペチペチと叩くと「んっ……」と声を漏らした。生きているようで良かった。

 

「こ、こは……?」

「だ、大丈夫?」

「……う、二丁水銃……?」

 

 そういえば、今は自分はヒーローだった。というか、佐天さんって言っちゃった。まぁ話を逸らせば良いだろう。

 

「ごめん、ちゃんと助けてあげられなくて」

「い、いえいえ! あ、私の方こそすみません……。足、引っ張ってしまって」

「いやいや、そんな事気にしないでよ」

 

 どちらかというと、自分の鈍臭さが原因だ。頭上は足元の次に注意しなければならない場所だろうに。

 

「さて、どうしたもんかな……。救助まで待つのがベストなんだろうけど……」

 

 そしたら、自分は十中八九捕まる。その前に脱出したい所だ。しかし、この瓦礫の山では下手に動かすと他の部分、全部崩れてきそうな気もする。

 自分だけならともかく、佐天がいる現状では下手に動かない方が良いのかもしれない。

 

「あ、あの……助けてもらった身分でこんな事を頼むのは申し訳ないんですけど……」

「何?」

「その……私、この後に大事な約束があるので、早めに出たいんです……」

「……」

 

 そういえば、今日はこの後に一緒に飯を食う予定だった。正直、事態が事態なために忘れていたとは口が裂けても言えない。

 しかし、自分との用事を「大事な」とまで言ってもらえるとは思わなかった。その時点で少し嬉しく思えてしまったのだが、それと同時に佐天の手足が目に入った。大した怪我ではないが、擦り傷で少し血が出ている。

 無理して料理をして欲しいとも思わない。本人とはいえ、ここはさりげなく遠慮しておいた方が良いだろう。

 

「いやいや、無理しちゃダメでしょ。怪我してるのに」

「こ、こんなの大したことないですよ」

「そういう問題じゃないよ。約束の相手だって、怪我してる佐て……ぉ、ぉ嬢ちゃんに無理して欲しくないと思うよ」

 

 お嬢ちゃん、なんて同級生に言うのはとても恥ずかしかったが、とにかく話を続けた。

 

「それに、風紀委員や警備員も事情聴取とかしたいだろうし、今日の所はお断りして、ちゃんと怪我の手当てをして、相手の子に心配させないようにしてから、その約束を果たしてあげた方が良いと思うよ」

「……そう、ですね」

 

 少し、考え込むように俯く佐天。少し説教臭くなってしまったが、今の自分はヒーローなのだ。恥ずかしくない、恥ずかしくない、と頭の中で言い聞かせる。人間、本音を言うのが一番、恥ずかしいのだ。

 さて、そんな話はともかく、だ。そろそろ真剣に事件の犯人について考えなければ。今回、現場にいながら怪しい人間を見つけることは出来なかった。

 ……いや、正確に言えば一人いたが……。

 

「へっくち」

「……寒い?」

 

 隣からくしゃみの音がして、思わず声をかけてしまった。

 

「い、いえ……」

「何か上着を分けてあげられれば良いんだけど……」

 

 ライダースーツ一丁の非色に、分けてあげられる服はない。

 どうしようか悩んでいるヒーローさんに気を使わせたくなかったのか、佐天が先に話題を変えた。

 

「あ、あの……二丁水銃さん」

「ん、何?」

「その……二丁水銃さんは、能力者なんですか?」

「ごめん、その呼び方やめて。‥‥俺がそれ名乗ってるわけじゃないし」

「え、じゃあなんて呼べば……」

「んー……そうだな」

 

 そういえば、自分でヒーローを名乗るとして、その際の名前を考えていなかった。ヒーローなら名前は欲しい所だ。

 

「……閃光四散(ライトニング・スパーキング)とか?」

「え、どの辺がライトニング・スパーキングなんですか? 電気がよく通りそうな武器で」

「ごめん、冗談。何でも良いや」

 

 よくよく考えれば、ヒーローの名前は自分で決めるものではない。周りが勝手につけるものだ。……にしても、水鉄砲に着眼点行き過ぎな名前な気もするが。

 

「で、何?」

「ウォー……ひ、ヒーローさんは、能力者なんですか?」

「あー……なんで?」

 

 というか、結局ヒーローに落ち着いたのか、と思った。

 

「いえ、私、憧れだったんです。能力を持つのが。……まぁ、身体検査であっけなく『あなたには才能がありません』なんて言われちゃったんですけど」

「能力なんてない方が良いでしょ」

「……へ?」

 

 意外な返事が返ってきた。能力者顔負けの武器を持っている人が言ったとは思えない台詞だった。

 

「……どういう、事ですか?」

「俺が今までとっちめた相手は、無能力者より能力者の方が多かったよ」

「え……?」

「結局、人間なんて力を得ると試したくなるものだからね。実際、自在に炎が出せる能力なんて抜いて狙って引き金を引く必要がある拳銃より余程強力だから」

 

 そう言われれば、確かにそうかもしれない。突破的に喧嘩になったと仮定して、なければ何も出来ない銃より、自身の力としていつでも引き出せる能力の方が危険だ。

 

「コンビニ強盗だってバスジャック犯だって、別に金が欲しいわけじゃない。自分の能力の強大さを示したいだけだと思うよ。こんな事にも使えるぞって。それなら、いっそそんなもんない方が良い」

「……そういう、ものですか?」

「経験談だからね。……もちろん、風紀委員みたいにまともな事に能力を使っている人達もいる。みんな、そういう人だと良いんだけどね」

 

 そうはいかない。人は、脆いから。自分だって、小六の時にクラスメートと喧嘩になって怪我をさせた。

 それ以来、喧嘩になる程の交友関係を作らない事にしたし、ヒーローとして活動する際は相手に怪我させないように水鉄砲を作った。

 

「勿論、無能力者だって脆い。劣等感から、能力者を排除しようとする輩だっているからね。もしくは、自分より弱い無能力者に、手をあげる奴も……」

「……?」

 

 そこまで言って、思わず顎に手を当てて考え込んでしまった。

 仮に、仮にだ。無能力者が自分より弱い無能力者をいじめていたとして、そいつが無能力者であると、どう判断するのか。

 分かり切ったことだが、能力には一長一短があるし、低能力者や異能力者の能力なんか大した強さではない。拳の方がよほど信じられるだろう。

 つまり、見た目じゃ能力者かどうかなんて分からないのだ。もし、さっきいたメガネの少年が能力者だとしたら。自分を今までいじめて来た連中や、それと似たような奴らへの報復を、自分と出会ったことで目覚めさせたとしたら。

 

「佐天さん、今の爆発事件の二件目って何処だったっけ」

「え? 確か、何処かの高校の校舎裏だったと思いますよ。奇跡的に全員、無事だったそうですけど……」

 

 何故、この事に自分は注目していなかったのか。いや、反省は後だ。とりあえず、犯人は間違い無いと思っても良いだろう。

 

「ごめん」

「何がですか?」

「やっぱり、さっさと出よう」

「え、あ、はい」

 

 今ならまだ間に合うかもしれない。事件を起こした犯人はなるべく遠くに行こうとするものだが、それは逆に目印になる。廃ビルが倒壊する威力の現場を見ようともせずに距離を置こうとしている奴がいたら、それはそれで怪しい。

 幸い、自分は高い所から人を探し回ることが出来る。

 さて、そうと決まればこの瓦礫だ。本当にザックリだが、瓦礫の山を見上げて重さや大きさを測る。崩れそうなところを見繕うと、自分の水鉄砲を放って補強していった。

 

「な、何してるんですか……?」

「脱出」

 

 大体の作業を終えると、腰に水鉄砲を戻して両手を天井の代わりになっている瓦礫に当てる。

 

「悪いけど、俺の下で頭を抱えててくれる?」

「え?」

「万が一に備えて。崩れて来たら最悪だから」

「は、はい……!」

 

 言われるがまま従う佐天。それを見ると、非色は両手の力を一気に全開まで入れると共に腰を上げた。

 その直後、ズゥンッッ……という腹に響く重低音が佐天の耳に響いたが、非色に気にしている余裕はない。

 

「フンッ……ギギッ……‼︎」

「あ、あの……無理はやめた方が……」

「黙ってて……‼︎」

 

 両手に力が入り、眉間にシワが寄る。ゴーグルとマスクを取れば、すごい顔をしている事だろう。しかし、今はそんなこと気にする時ではない。

 やんわりと止めたつもりだった佐天が、言われるがまま黙った直後だ。自分達を覆っていた瓦礫の隙間から煙や小石が落ちて来て、それと共に少しずつ天井が遠下がっていく。

 連結していない部分は地面に落ちるが、それでも重機が必要なレベルの重さなはずだ。

 

「……うそ…………」

 

 目を丸くして口を手で覆う。まだ自分が立ち上がれる程は持ち上がっていないが、まさかこの瓦礫の山を持ち上げる程の力を持っているとは。目を疑うとはこのことか。

 

「……さ、てん……さん……!」

「は、はい……!」

「すっ……少しずつ、で……いいから、奥に這って行って……!」

「分かりました!」

 

 言われるがまま這って動く佐天。それと共に、非色は自分が持ち上げている力点の位置を少しずつズラしていった。

 ジリジリと、一歩がほんの1メートルにも満たないような歩幅で進むと共に、力点をずらす事で自分達が向かっていない側の瓦礫は少しずつ地面に落ちて行った。

 

「んっ……ぐぐっ……!」

「あ、も、もう少しで出口です! 頑張ってください!」

「お、応援……どうも!」

 

 叩き付けるように言った直後だった。グラッ、と佐天の頭上の岩が揺らぐ。いち早く気付いた非色は、慌てて声を掛けた。

 

「佐天さん、上!」

「え、ひ、ひゃあ⁉︎」

「使って! 俺の銃!」

「は、はい!」

 

 ホルスターから水鉄砲を抜き、慌てて撃って補強した。揺らいだだけで落ちてこなくて良かったことに二人揃ってホッとしつつ、また移動し、ようやく到着した。

 瓦礫の山からひょっこりと佐天とヒーローが顔を出すと、救助に来ていた警備員が唖然としていた。

 

「き、君達‥‥自力で出て来たのか……?」

「あ、は、はい……」

「持ち上げて……?」

「わ、私が、じゃなくて彼が、ですけど……」

 

 そう言いかけた直後だ。のんびりしている暇がない非色は、佐天から水鉄砲を返してもらうと警備員に声を掛けた。

 

「すみません、この子お願いします」

「え? あ、ああ。分かった」

 

 それだけ言うと、すぐにその場からジャンプして街灯に飛び移り、さらに近くのチェーン店の看板の上、そしてビルの非常階段の上、最後に屋上へと辿り着いた。

 ビルは倒壊したが、その周りの風景から、メガネの少年がどの方向に出て行ったかを探す。

 そんな時だった。

 

「待ちなさい!」

 

 自分の後ろに、しつこい風紀委員が顔を出した。

 

「何、白井さん。今、急いでいるんだけど」

「犯人に心当たりがある、ということでよろしいでしょうか?」

 

 話が早い風紀委員である。助かる事この上ない。

 

「そういう事」

「特徴は?」

「身長165センチ前後、痩せ型、茶髪、丸メガネ、ヘッドホン、白い半袖のワイシャツに黒いズボンの制服」

「分かりましたわ。犯人が向かったと思われる方向は?」

「多分、この通りを真っ直ぐ向かったと思うけど……今から30分くらい前の話だし、もっと遠くに行ってるかも。最悪、帰ってる可能性もある」

「了解致しましたわ」

 

 それだけ言うと、自分の胸ポケットから通信機を手渡して来た。

 

「……これは?」

「犯人を見つけた際の連絡用ですの。‥‥本来は風紀委員、専用ですのよ?」

「壊さないようにするよ」

 

 それだけ返事をすると、非色はジャンプして犯人がいそうな方向に跳び立った。

 残った黒子は、通信機に既に繋がっている同僚に声を掛けた。

 

「初春?」

『聞いていました。今、捜索中です』

「了解。今のうちに捕えますわよ!」

 

 それだけ話すと、黒子も初春からの返事を待つ間、手当たり次第で捜索を始めた。

 

 ×××

 

 何もかもを爆破した少年は、少しは自分のおかげで街を掃除できた、といい気になっていた。

 その為、普段はしない夜の街を少し回ったのが運の尽きだったと言えるだろう。コンビニを出て、購入した揚げ鳥を口にしながら公園を通っていると、正面に憧れの人物が立っているのが目に入った。

 

「……あんたは」

「どうも、爆弾魔さん」

 

 直球だった。まるで、自分が犯人だと分かっているような言い草だ。

 

「な、何の話ですか……?」

「爆弾魔の話だよ。君だよね、犯人。……まったく、何が強い奴、だよ。自分で自分が恥ずかしくなるな。見る目の無さが」

 

 自嘲気味にそういうヒーローは、マスク越しでも苦笑いを浮かべているのが分かった。

 

「とにかく、投降してくれない? お前は、自分勝手な思想で罪の無い人を傷付けた」

「罪のない人、だと……⁉︎」

 

 その返事に少年は奥歯を噛み締めた。

 

「ふざけるな! 罪はあるだろ。あいつらこそ人を傷つけて平然と生きている。お前だって知っているだろう⁉︎」

「だからと言って、殺人未遂を犯して良いわけじゃないよ。……それに、あの現場にはスキルアウト以外にも一人、一般人がいた。お前は、それに気付かずに爆破した」

「っ、な、何……⁉︎」

「生きているよ。死んじゃいない。でも、お前の行いの所為で、その子は死にかけた」

 

 何も言い返せなくなり、再度、奥歯を噛み締めて黙り込む少年。だが、すぐに反論の内容が思い浮かび、言い返した。

 

「だまれ、正義の執行に犠牲はつきものだ! お前だってそうして来ただろう?」

「いや、一緒にしないでくんない。正義に犠牲はつきものとか、そういうセリフは犠牲者が出ない創意工夫を可能な限りやり尽くして、それでも出てしまった場合に、周りが責任者に対して掛けてやるセリフだから。自分で自分の弁明のために吐くセリフじゃないよ」

「っ……!」

「何より、俺はスキルアウトが憎くて拳を振るったことなんて一度もない。街中の事件に関しては、目の前で被害に遭っている人を守る為に戦っているから」

 

 尽く言い負かされ、もはや結論は出たと判断した非色は、ホルスターから水鉄砲を抜き、銃口をむけた。

 

「でも、お前を犯罪者にしちゃったのは俺だからね。その責任は取る。だから、抵抗はしないで出頭してくれる? ……俺に、この引き金を引かせるな」

「っ……ふざけるな。僕は、捕まらない!」

 

 そう言った直後、ブゥンッと少年の背負っていた鞄に黒く丸い渦が出来る。

 それと共に少年は鞄を上空に大きくぶん投げた。当然、非色は水鉄砲を放ち、まずは少年の動きを封じ、続いて爆弾の処理である。

 

「! 白井さん!」

「分かってますわ!」

 

 予め近くに潜んでいた黒子が転移し、爆弾の元まで駆け上がる。爆破直前の鞄に触れると、黒子は可能な限り空高く転移させた。

 直後、空高く大きな爆発。あの高さなら、地上への被害は無いだろう。

 ボンヤリと一発だけの花火を眺め、歩いて爆弾魔の前に歩く。

 

「……ちっ、仲間がいたのか……!」

「仲間? いやいや、向こうにとっては商売敵だよ」

 

 自分としては仲良くしたいのだが、まぁ難しいだろう。

 

「僕を、捕まえるのか?」

「もう通報してある。……ま、自分でやったことの責任は自分で払って」

「っ……」

 

 悔しげに奥歯を噛み締める少年。まぁ、人間、誰でも過ちは犯す。それを取り返すには多くの努力が必要だが、何もしないよりはマシだ。

 

「……もし、本当にスキルアウト達を止めたいってんなら、あんたも風紀委員に入れば良い」

「……!」

 

 自分にだけは絶対に言われたくないであろうセリフを残すと、非色はジャンプして立ち去った。

 そろそろ帰らなければならないが、姉はまだ帰らないだろうし、のんびりしていても問題はない。

 建物の屋上に座って街を見下ろしていると、後ろに空間転移して来た音が聞こえた。

 

「……まだ何か用?」

「用ならたくさんありますのよ」

 

 当然と言えば当然だ。何度も逃しているわけだから。

 

「悪いけど、俺もう今日は相手する気力ないよ」

「いえ、そうではなく。私も今からあなたを追い回そうなんて思っていませんわ。一応、あなたのおかげで爆弾魔を捕まえられましたから、礼は言っておこうと思いまして」

「最近はよくお礼言われるなぁ……。でも、あの人をああしちまったのは俺だよ。カツアゲされてて、勇気づける為に余計な事を言っちゃったみたいだし」

「それでも、ですのよ。1件目の爆発だけは被害者の中にスキルアウトはいなかった。私の勝手な推測ですが、あの後は風紀委員が狙われていたと思うんですの」

 

 確かに、あの一件目の被害者で狙われる心当たりがありそうな連中はいなかった。だとすれば、何もしてなくても恨まれやすい風紀委員が狙われた可能性は十分にある。

 すると、非色のスマホが震えた。佐天からメッセージが届いた。今日の夕飯は今度にしてくれ、と。

 

「話はそれだけです。では、失礼致しますわ」

「はいはい」

 

 何となく察した白井黒子はテレポートした。

 これからは、被害者が加害者になるような言動には気を付けないと、と心に決めて、とりあえず非色も帰宅した。

 

 

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