弱い人間がただ心の中で自分を卑下する話。

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継ぎ接ぎの心

 僕は弱い

 それはまあ、もちろん喧嘩の腕とかもあるけど、心が弱い。すぐに傷つくし、すぐに八つ当たりするし、すぐに嫌なことから逃げ出そうとする、僕は弱い人間だ。

 そんな弱々しい僕の心は、幾度も縫い合わせて縫い合わせて、継ぎ接ぎだらけな心にしていく、僕は弱いけど折れちゃいけない、折れたら、また最初からだから。

 重ねてきた善行が、簡単に崩れるのを僕は知ってる。

 積み上げてきたものっていうのは、実は結構簡単に崩れるんだ。崩すのは大体一時の激しい感情、アイツらは人を操ってその人にとっては大切なものを崩していく、嘲笑いながら壊してるに違いない。

 嘘をつく、人は誰だってつくだろう、これも言い訳だけど。

 約束を破り続けると、その人は罪悪感なんて感じなくなる、もう当たり前だから、そうなったらもう終わりだ、信用がドブに捨てられて終わりなのだ。それも知ってる、僕は、それも知ってる。

 自分が信じれない、でも、生きたいとは思うし欲望には素直になれる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、色んな欲望、コイツらは凄い、特に愛は凄い、愛は人を変える、良いように悪いようにも、あと食欲と性欲、性欲は1度堕ちるとのぼり上がるのは難しい。欲望は諸刃の剣なのだ。

 将来の夢があった、在り来りだったけれど、かつて僕を救ってくれたものを僕がやって、今度は僕が誰かを救うんだ!って、そう思ってた。でも僕は動かなかった、努力が出来ない僕、可哀想、そして、なんと愚かなのだろうか。

 他人優先だった、何時でもどこでも、自分のことはいつも後回しにしていた。

 簡単な理由だ、自分が困ってても相手が困ってたのならその人のためになることをする、狭い道を自転車で走ってて、進行方向からも自転車が来る、退けれるなら僕はその人に道を譲る。そうして自分のことを良い奴と思い込む、これで僕はなんとか心を保っている。

 好きな人が出来た、告白してくれた同級生だった、僕は嬉しくて嬉しくて、その子のことを優先で生活した。でも別れた、相手から言われたんだ、別れて欲しいって。

 …心が壊れそうだった、ぽっかり穴が空いたような気持ち、っていうのはああいう気持ちなんだろうなって思った。

 泣いて、悲しくて悲しくて、でも今まで通りに戻らなきゃって、無理やりに戻した、人を愛することがこんなにも心踊って、そして傷つけるのか僕は知った。

 人は誰もが一度、死にたいと思う時があるかもしれない。仕事に疲れて?失恋から立ち直れなくて?それとも、ただ漠然と死にたいとか。

 小さい頃、一度だけ両親に言ったことがあった。死にたい、死にたいと思う。って、叱られた、殴られて叱られた。それから僕は両親に向かって死にたいとは言わなくなった。

 たった一度の僕なのだ、この人生は楽しまなくちゃいけない、でもそれが強迫観念になって僕を襲うんだ。

 "生きているんだから頑張れ、働け、人生を楽しめ"って、楽しめない、仕事は苦しいし。

 弱くて、自分を変えたくて、でも変える勇気も努力もなくて、ただ思っただけでおしまいなんて馬鹿にも程がある。思ったんなら行動するしかない。でもそれが怖い、"もし失敗したらどうしよう"って考えが頭にこびり付く。

 ただ口だけのヤツには、誰もついていかない。

 口だけのやつには何も出来ない、だってやろうとする気持ちはあっても行動には移さないから。

 そんなの、自分勝手だ。

 僕は、弱い人間だ。

 誇れるものなんて無い、好きな物さえ続かない、持ってるものなんて偽善とも分からない何かを振り回す心、弱くて、継ぎ接ぎだらけな心、そんな人間だ。

 

 

 「僕は……」

 そう、僕は

 「僕が、嫌いだ。」




私は、私が嫌いだ。

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