いろいろと疲れていた高3の男子が10歳くらいの少女になった最初の一日の話
(GL、R15は保険です。)

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本編

「ほらほら秋ちゃんやるよ」

 

相対的に大きくなった春香が俺を押す。

 

「やっぱり辞めないか。あと秋ちゃんやめろ。俺は昭次だ。」

 

「まだ納得してないの?」

「大丈夫だって。生放送じゃないから後でいくらでも編集できるから。」

今日という長い一日は、今午後10時、未だに終わる気配がない。 

 

 

 俺の妹、春香は生主をやっいる。

そして俺は受験を目の前にしていた高3だった。

 連日連日勉強尽くめだった。 

しかも寝たくなる午後11時ごろから

   

  「みんな今日も来てくれてありがとうー!!」

  「今日も閉鎖、畜生都市ーやっていくよー」

  

妹が大声で配信し始めるのだ。

これを週に3回以上やらる身になってみろ。 すごい辛い。

 配信前に音量下げるように言うのだが、帰ってきたのは睡眠妨害だけだった。

 とはいえ妹は、仕事以外がてんでダメな両親に代わり、鉛山家の財布の紐握っているため強く出れない

ひどい状況だった。

  

 昨日の夜、俺は塾の帰り道 路上で悩み相談をしているという人に悩みを打ち明けることにした。

普段なら絶対にそんなことはしないのだが、苦労が嵩んでいたからだろう。

 

 

「この薬を服用してみてはいかがでしょうか。」

「なんですかこの薬。」

「世界を変えられる薬だそうです。貰い物なので正しいことは言えませんが、

精神安定剤か何かですかね。 結局、世界は心の持ちようで決まりますから。」

「はあ、大丈夫なんですかこれ。」

「安全性については責任は持てませんが、必要なら無料で差し上げますよ」

 その時の俺はやはりおかしかったのか、その薬を貰った。

そしてその夜その薬を服用した。怪しさ満点だったのに。

その夜は、妹の配信があったにも関わらず、穏やかに眠りにつけたのだった。

 

 

 そして次の日、

アラームを止めるためにスマホに手を伸ばす。 あれ、届かない。というか枕元の机にすら手が届かない。

そのような習慣どうりいかない状況が俺を叩き起こす。

知ってる天井、しかしベッドに足がつかず、頭が重く、服はブカブカという知らない状態。

そして唯一の情景の異常たる黒い髪を辿ると俺の頭に辿り着くという。

 

 俺の手の届く範囲ではなくなった机まで4つんばいになって移動し、袖をまくってスマホを起動させると、

6:31 2月13日水曜日2019年 と寝てから1日しか経っていないことがわかる。

そしてカメラに切り替えると、画面のうちには10歳程度の、妹の面影を偲ばせる女の子がいた。俺に合わせて画面の中の娘も動く。

そしてベットから降りてみるとスマホ含めて全てのものが大きくなっていた。

スマホの録音アプリを起動して、「テスト」と呟くと、喉から伝わる声も、録音した声も、先の女の子相応の高い声になっていた。

画面の中にいた娘が俺であると推測し得るだけの証拠を得てしまった訳だ。

 

 他人からの観測という最後のファクターが打ち砕かれることを望んでか、それとも単純にこのことを話したかったからか、

俺は大きくなった段差を、手すり便りに降りて、リビングに行った。

「おお、昭次おはよ、う?、って誰。」

朝食片手に母が話しかけてくる。

「おはよう母さん、自己認識は昭次だが、俺も誰だかわからん。」

「え、昭次なの。そうは思えないんだけど。」

「俺が言うのもなんだが、こんな貧しさを感じさせない小さな女の子が夜中に侵入して、堂々と挨拶するとは考えれんだろ。怯えてない時点で誘拐の線も消える。鉛山家をよっぽど知っている子となると、親戚という筋が一番可能性が高いんだが、、、

「もういい、そのくどくどしい話し方、昭次しかいない。あなたは昭次。」

「俺でも自信が持てないことを理解されるのはいまいち釈然としないが、その認識で助かる。」

「小さい子が言ってるとその話し方背伸びしてるようにしか聞こえないわね」

「まあいいや。もう会社行かないといけないから話は後。春香にも話しときなさい。学校には休むよう伝えとくから。」

「わかった」

 母は朝食を食べ終え、出かけていったのを確認してから、俺も朝食取ることにした。

高くなった棚から買い置きしてあるパンを取ろうととするも、あと一歩届かず、荷物置きと化していた台から荷物をどけなんとかパンを取り、足がつかず落ち着かない椅子に座って朝食をとった。

小さくなった俺の空腹はパン一枚で討伐されてしまうほど可愛いものになっていたのであった。

そのことに、食を奪われた屈辱とまで行かずとも、無視できないほどの物足りなさを覚える。

 

 俺が丁度食べ終えた頃、

「おはよー」

妹が、目をこすりながら起きてきた。

「おはよう春香。」

そのままパンをとりに行く、もちろんそこに台を用意する工程などない。

「うん?見間違いかな」 目を擦る妹。

「違うぞ。」

「あー、親戚の子かな、ごめんね、今日来るの知らなくて。私春香って言うんだけど、」

「知ってるぞ、何度も言っているが俺は昭次だ。」

「うーん?お兄ちゃんの連れ?何も口調まで真似しなくてもいいんでけど、」

「だから、俺は親戚ではなく、昭次の記憶を持つと認識している人なんだが。」

「えーっと、なんかのジョークかな。ごめんね私分からなくて。それにしてもほんとお兄ちゃんそっくりな話し方だね。」

「このやり取りいつまで続くんだ。そうだな母さんなら知ってる。母さんに聞いてくれ。」

「そのお母さんって、私のお母さん?」

「そうだ。」

「ちょっと待っててね、今電話してくるから。」

 

 終始親戚の子扱いをしてくる妹に辟易する。それにしても今の俺だと妹に頭一つ分以上抜かされいてるんだな。この気持ちは筆舌尽くし難い。

「えっと、本当にお兄ちゃんなの、びっくり企画とかじゃなくて?」

「そうだぞ。まあ俺でも自信ないからな。すんなり把握した母さんの方が異常だ。」

「まあ、そうだよね。それにしても可愛くなったねお兄ちゃん」

普通な了解をして頂けたようだ。ちょっと気分が晴れた気がする。可愛いは余計だが。

「とりあえず朝ごはん食べていい?」

無言でGoサインを出す。妹が消費するパンの枚数は2枚だ。

妹が食べてる間、俺は大きくなったスマホの学習アプリで、英単語の復習でもするかと考えたが、

その考えが、そもそもこの姿で受験なぞできるかという当然の懸念を浮き彫りにする。

進学なぞ流れに乗って決めただけの事とは言え、今に至るまでの努力が、受験できないことに嫌悪感を創り出しているのだろう、しかし冷静な分析ができている時点で感情に起因する悩みではないだろうと結論付ける。

 

「食べ終わったよ。それにしても、その姿でお兄ちゃんってのものすごく違和感あるんだけど。」

先の思考は暇潰しという、英単語が当たるべきその任を全うしたようだった。

「俺もそう思う。」

「これから秋ちゃんって呼んでいいかな、元の名前から取って。」

「あんまり良い気はしないが諦めはついてるからいいぞ。まあ昭次は身体的には今いないしな。社会的にはその方が自然だ。」

「そんな事言われるとすごい罪悪感感じるんだだけど、、うーんじゃあ家族しかいない時はお兄ちゃんって呼ぶね。それ以外は秋ちゃんってことで。」

「わかった。」

「今日ってお兄ちゃん暇なの?」

「母さんが休みにしてくれたから今日一日暇だぞ。こんな体になった以上、その暇を謳歌できるかは別としてな」

「なら服買いにいこっか、そのままじゃ困るでしょ。それにせっかく可愛くなったんでだから飾らないと損だし。」

「それよりも、最も大切なことがある気がするんだが。住民票とか保険証とか。」

「服以上の問題なんてないよ。」

「保険なしで外出る危険性には勝らんと思うがな。万が一事故に遭ったらどうするんだよ。それに補導されたら

どうするんだよ。昭次名義は使えないぞ。」

「ノープロブレム!」

「どこがだよ。」

「ほら、お母さんがなんとかしてくれるって。」

「一組合員に数日でどうにかできるものじゃないと思うんだが。」

「さあ納得したところで、レッツゴー!今日は私のお古貸してあげるから。」

「元に戻るまで古いやつで良くないか…」

「お兄ちゃん、せっかくファンタジーなことになったんだからもっと楽しもうよ。」

「幻想に縋って破滅するよりいいだろ。」

「そんなんじゃ仲間がいなくなって破滅するよ。私の言うこと聞いとけばいいんだよ。まあでも聞き分けがないのが子供だもんねえ。」

「わかったよ」

「偉い偉い、じゃあお古とってくるからちょっと待ってて。」

まるでこれでは俺が聞き分けのない子供かのようだが、外に出るリスクを考えると下手な行動は慎むべきなんだが。

 

「お古取ってきたよ〜。着れるかな」

そう言って服を見繕う妹。

「これ着れそうでしょ、絵柄はあれだけど。これ以外もう合いそうなのなかったし。下は制服のスカートでいいよね」

妹が取り出したのは、着用者の可愛さをシュールさに転換するもの、有り体に言えばダサいTシャツと、中学の制服のスカートであった。

「そんなTシャツどこで。」

服をもらって着替えながら話す。男の頃のズボンは下着ともども起きたときには脱げていたので、上を脱げば裸だ。体は子供特有のの柔らかさはあるが、乳と認定できるような起伏はなく、たまに男性側の湯に父親と入ってくる女児同様にその体に性的衝動を誘うものはなかった。

「お母さんが買ってきてそのまま仕舞い込んだやつ。一度も着てないよ。まあ絵柄については我慢してとしかいえないね。」

「よく返品せず取っておいたな。」

「貰った時にはタグなかったから、どうしようもなかったんだよ。」

「それで、どこいくんだ。」

「おうやる気だね。バス一本でいけるモールにしよかな。それにしてもお兄ちゃんさらっと着替え終えたね。クソダサTシャツノーパン少女の完成だね。」

鏡がないので自分の姿がわからないが、洒落っきはほぼない気がする。このくらいがちょうどいいか。

「下着ないのか。それにしてもこの格好今の季節だとまだ寒いんだが。」

「コートとかも残ってたから大丈夫ちょっとトイレ行ってくるけどお兄ちゃんは大丈夫?」

妹の言葉が、意識していなかった尿意を掘り起こす。

「俺もいっときたい。」

「ならお先どうぞ、ちゃんと拭かなきゃだめだよ?というかちゃんとできるかな。座ってしないといけないんだよ。」

「保健体育で尿道口の位置とか知っているから大丈夫だ。」

「なんか変態チックだね」

妹の罵りを承ってトイレに行く。洋式便座も大きくなっていた。菅を尿が伝わる感触や、出る位置が違ったとだけ言っておく。

この小説にエロ描写のタグを付ける気はない。生命の神秘の究明は、そのままフェチズムの発露に直結するからな。

「じゃあ私もしてくるね。あと着替えてくる。」

 

財布を持ってくる。靴はなぜか残ってた俺の小学校時代のものがあった。それでも若干大きいのだが。妹はそこそこ可愛く仕上がっている。

「それじゃあ行きますか。」

妹と出かけえうことなどここ最近なかったのが気がかりである。

 

 鍵を閉め、高くても3階程度の民間に囲まれた住宅地の舗装されたアスファルト上を歩く。

段差がこれまた大きく感じ、昨日までは目線と同じだった掲示物を見上げなければ見ることができなくなっていた。

腰に巻いた布は、股間部や鼠蹊部の肌を2月の風から守ることに失敗していた。

普段風邪の当たることのない部分に当たる風は、言いようもなく気持ち悪かった。自然と歩幅が狭まる。

俺より大きくなったな妹がどうどん進んでいく。

「お、速かった?もうちょっとゆっくり歩くね」

気持ち悪さと歩幅の縮小は、歩行速度に直に影響していた。妹と並んで歩く機会はあまりなかったが、俺は合わせられる側ではなかったはずだ。それが逆転していた。

「悪いがそうしてくれ。」

 

バス停に着いた。上の方のスケジュールは読めない。バスはこの時間帯だと20分に一、二本は来るのでそこまで待たなくてもよい

「お、来たよあれだね。」

大きくなった段差にこれまた難儀しながら、閑散としたバスに乗り込む。

 

 

「いやー、秋ちゃん、まさか大人料金払っちゃうとはねえ。」

妹からの嘲笑に言い返す言葉がない。

俺はいつもの感覚で料金を払ったが、バスは一度現金を投入すると戻すことができない。それをかわいそうに思ったのか、バスが閑散としていたこともあって運転手が子供料金との差額をくれたのだった。うっかりしていたものである。だが同時に自分が子供であると言う認識が深まってしまった。妹の自分に対する呼称もまたその一翼を担っている。

「まあ、何はともあれ、着いたね。靴、下着、服とそこら辺一式買わないと。」

「適当に見ていくか。財布には現金1万くらいしかないぞ。」

「あ、お金、私あんまり持ってきてない。まあいっか。下着はセットで千円くらいの、靴は2、3千円の、服は上下数枚で6千円くらいでぎりいけるでしょ。高級品に手を出さなきゃ。」

似合うかどうかより値段と機能美優先で選んだ結果、子供服は下手に地味のものよりそこそこ可愛げのあるのの方が供給が多く、結果安くなるため、意外と可愛く仕上がってしまったのであった。母はなぜこんなダサいのをわざわざ選んで買ったことが伺えた。

 

「いやー、結構安く済ませられてよかったね。」

先の1万のうち3千円程度が残った。そしてそのまま着たので、クソダサノーパン少女はただの少女となった。

「お昼時だしなんか食べてく?」

「そうだなー」

 

「そこの可愛い子たち、暇なら私とお茶しない?」

妹と話してると、20前後の女の子が俺たちに話かけてくる。

「えっと、春香の知り合いか?」

小声で妹に尋ねる。

「いや、違うよ、知らない人。」

 

「君たち昼食前でしょ。奢るから。どう」

「じゃあせっかくなので。頂きます、この子も一緒でいいですよね?」

「もちろん。」

「え、大丈夫か春香、」

「いや秋ちゃんみたいな子供連れてもいいなら大丈夫でしょ。」

「名前言ってなかったね、私はセツナよ、よろしく。」

「私は…」

「春香ちゃんだね、そこのお嬢ちゃんは、」

「秋奈です。」適当にでっちあげた。

「そういえばなんで私達を誘ったんですか?」妹が訪ねる。

「君達が可愛いから、お話したいなと思って。」

「そうなんですか、それでどこ行くんですか?」

「あそことかどうかな。」

そう言って差すのはなぜかモール内の回転寿司。お茶は緑茶になりそうだ。

「おー、回転寿司ですか、いいですね。」

へ、回転寿司だったっけあそこ?いやなんでもないよ、あそこ行こうか。秋ちゃんもそれでいいよね。」目線を合わせて尋ねる。

「はい。」

平日ということもあってそのまま入れた。

「好きにとっていいよ。」

「じゃあ遠慮なく。」一貫200円のトロを取った。遠慮無くと言った割には安い。

「私はこれを。」妹は100円のサーモンを取る。

「すみません注文いいですか、あさりの味噌汁お願いします」セツナさんは味噌汁からとった。

しばらく3人とも自分の食を進める。俺にはこの沈黙が痛く感じる。

「えっと、セツナさんは、普段何をやっているんですか。」耐えかねて俺が切り出した。

「えーと、大学生。今大学1年生だよ。授業あんまり入れてないから平日も暇なんだけだ。」

「どんなものを専攻しているですか?」

「経済学部だよ。数学ができないのに入って軽く後悔しているところ。正直学部変えようかなって思ってるんだけど、」

 その後も他愛もない話をして、俺は6貫食べたところで満腹になり、妹は14貫にデザートつけて、セツナさんは10貫にその他色々つけた。

 

「この後どこいきたい?」

「僕はどこでも。」

「私も特に行きたいところないです。」

「えーと、どうしようか」

セツナさんは悩んでいるようだ。というか特にプランとか考えてこなかったのだろうか。

「あ、やっぱりゲームセンター行きたいです。」俺が切り出した。

「あ、そうだった、そこにしよう。」

ということでゲーセンに移動する一行。

 

「ルーフファイターでもやりませんか。」妹が持ち出す。

「格ゲーか、いいねやろうか。接待する気はないけどいい?」

何故か格ゲーを選ぶ妹と、それに乗ったセツナさん。俺はやったことないので見物だ。

妹はラインラップの中で異彩を放つ華奢な女の子、セツナさんは初期カーソルの格闘家らしき男性を選ぶ。

妹は最初から飛び道具、セツナさんも最初は格闘していたが、手から青い何かを放ち始め飛び道具合戦になっていく。格闘とは一体。

「お、コンボきまった」

その言葉の後、妹が攻撃を続け、セツナさんは一度も体制が整えられなくなり

KO!

となった訳だ

妹が2本取ってその試合は終わった。

「もう一戦やりますか。」

「その前に両替に行こう、長くなりそうだ」

本当に長くなりそうだ。そのまま100円玉をごっそり増やしてきて2戦目を始める2人と放って置かれた俺。

三戦目にもなると流石に飽きてくる。

何か俺もやるかと周りを見渡すと、平日のゲーセンには俺ら3人と同等に似つかわしくない、20歳くらいの女性がこちらを見ていた。

とはいえ人見知りではないとはいえ、初対面の人に疑惑の解明目的で話かけられるほど根性はなかった。

しかしなんとなく気になるのでこちらも見返していた。

{

 

 

五行分の語り手の体感時間

 

 

}

「見つめ合った末に2人は恋に落ちたの。」女性側から話かけてきた。

「えっと、何ですか?それ。」

「付き合ってください一目惚れです。君も私見つめてたから相思相愛のはず。」

あれこの人やばい人なのか。しかし身長的に近くで見ると大きな乳に視界に広がる。香りもいい。

ってなんでこんなこと思ってるのやら。

「あ、さっきのはジョーダンさ。種明かしをしたからこっちきて。見つめてた理由知りたいんでしょ。」

 

「私はクワバラ、そこにセツナの付き添いよ。」

「えっと、状況が掴めないんですが。」

「私はセツナと同じサークルで放送部ってのやってるの。配信するサークルね。それで今日は、女の子が女の子にナンパされたらどうなるのっていう企画でセツナがナンパ担当、私が撮影担当って訳よ。」

「えっと、言葉が追いつかないんですが、なんでそんな企画を?」

そういえばセツナさん今日初めて会ったんだったな、すっかり馴染んでる気がするけど。

「いつもはゲーム配信とかしてるんだけど、それじゃ飽きられそうだからってことで、私がセツナ言い包めたの。サークルには編集担当がもう2人いるけど、その2人にも納得して貰った。」

「種明かししちゃっていいんですか?」

「するつもりなかったけど、あんなに見つめられるとね。それにセツナあれだけ熱中しちゃってちゃんと企画どうり行く気がしなかったし。」

「そうなんですか。撮影のカメラはどこに?」

「このスマホ。スマホも今は画質いいしね。」そう言って胸ポケットのスマホを挿すクワバラさん。

「なるほど。それでいつまで続くんですかアレ?」今ゲーム中の2人を指す。

「さあね。スケジュールとか決めてなかったしな。どの道今回失敗そうだからカメラもいらなさそうだね。私達もどっか行く?」

「うーん後3ゲームくらいたったら声かけましょう。妹放って置けないので。」

「まだ小さいのにしっかりした子だね。セツナも見習って欲しいくらいだね。ならお姉ちゃんを止めに行こっか今すぐ。」俺を撫でながらいう。

あ、今の俺だと春香は姉にしか見えないのか。となるとクワバラさん目線、俺の言った妹は更に下の子を意味していて、春香は妹2人待たせて遊び惚けていることになるのか。

あと、撫でられるの気持ちいい。って何考えてるんだ俺。

「おーいセツナもう時間、この子の妹が待ってるからそこの子解放してあげて。」

「もう一ゲームもう一ゲーム頼む。」

「問答無用、さあ撤収。」セツナさんの懇願は一蹴される。

「セツナさんその人誰ですか。」

「ああ、えっと私の友達だ。」

「えっと、お姉さん?」

「春香です。」

「春香さんか、今日のことなんだけどね、

 {そう言って俺に先ほど話していたことを話し始めた。}

というわけなのよ。」

「そうだったんですか。今日のことは配信したりするんですか。」

「うーんどうしようかな、私はしたいと思ってるけど2人は大丈夫?ちゃんと顔とか隠すし名前が出てる音声は差し替えとくことは約束するけど、身バレの危険性0とは言えないよ。」

「私は大丈夫です。私も生主やってるので。名前差し替えるときは、できればでいいので、初夏にださい。私の生主のときのユーザーネームです。」

「わかった、機会が有ればコラボとかしてみたいね。」クワバラさんが答える。

「今日はありがとう、私達は先進文化放送部ってチャンネルでやってるからぜひ見てみて。あと次は勝つから。」セツナさんが別れの挨拶コール。

「ありがとうございました、次も負ける気はありません。こちとらゲーム実況極めてますので。」

「そこの子も付き合わせちゃってごめんね。」

「いえ、普段交流しない人とと話せて楽しかったです。」

今まで勉強会ばかりしてきたからか彼女なんていなかったが、いたら楽しかったんだろうなと感じた。この体じゃあそんな未来なんかなさそうだが。

 

「いっちゃたね。」

「そうだな。」

「秋ちゃん、今日楽しかった?」

「そこそこ。」

「生主やってると同業のコラボとかするんだけど、結構楽しんだよね。そんな感じかな。私はそんな人気ないから関わるのは数人で、大抵会う人みんな身内って感じになるんだよ。」

「そこは友達と楽しむべきじゃないのか、とは思う。」

「秋ちゃんも生主やってみない?今だとvtuberとかもいいかも。絵とか差分とかは作ってあげらるよ。女の子初心者でも対面じゃないから安心だね。」

「それもいいかもな。」 ちょっとだけ興味が湧いた。

「帰ろっか。」

「そうするか。」

「帰りは料金間違えちゃダメだよ。」

「‥わかってる。」

 

帰りのバスは行きと違って、学校帰りの人がちらほらいた。

行きは違和感だらけだった周りのものの大きさも段々慣れてきた気がする。

帰りはしっかり子供料金を払って、もう慣れかけている自分に驚いたのであった。

 

「ただいま」

帰宅の挨拶だ。今日はやけに長かったからかこの言葉が染みる。

よく考えれば「秋奈」は生後一日。あるのは今日だけだ。長く感じるはずだ。歩けて、話せて、理性と常識があっても始まったばかりだ。

しかしそれを認めることはは「秋奈」を昭次の延長でなく、昭次もういないことを意味している。そのことを寂しく思うのは何故だろうか。やはり延長だからか。

「やー、疲れたねえ。今日晩ご飯何食べたい?一服したら作るよ。」

そんな郷愁じみたことの他所では春香が夕食の準備をしている。

「適当に作っといて、ちょっと休んでるから。」

ソファで横になる。この体になったおかげか足伸ばしてもソファに収まる。

眠気が襲ってきて、睡魔に全てを委ねた。

 

「昭次、起きて。ご飯できたから。」

目を擦ってリビングの机に座って、母と食べる。父は出張中だった。

「昭次、すっかり女の子になったわね。春香なんか完全にあなたを妹扱いしてるんじゃない。」

言われてみれば今日一日でかなり変わってしまった。

「秋奈だったっけ、その名前でいきましょう、これからは。戸籍とか住民票はお父さんがどうにかしてくれるみたいだし、保険も私の組合の扶養に入れてあげられると思うわ。」

この両親どんなコネ持ってるんだ。そして父さんなんでそんなに納得早いんだ。

「あー、でも10歳で作っちゃうと小学校入れなきゃいけないわね。まあそこら辺もどうにかしてあげる。」

「さっさと食べちゃいましょ。せっかく春香が作ってくれたし。冷めないうちに。」

 

「いただきます。」今日は子供に人気なハンバーグだった。ソースはデミグラス。

美味しくいただいた。食べられる量もなんとなくだがわかってきた。

「食べ終わったら風呂はいってきて。」

母さんに促されて風呂場に行く。そこには先客がいた。

「おお、春香入ってたか、すまん。」春香の裸に欲情はしないが、見られていい気ではないだろうし、すぐに扉を閉めようとする。

「待って、せっかくだし一緒にはいらない?」

「えっと、」

「ほらゲームに夢中で秋ちゃん放って置いちゃった代わりにね。ほらほら」

そう言って春香は俺の服を脱がせてそのまま連れて行く。

「秋ちゃん、お湯に髪付けないようにちゃんと巻いてね。今日は私がやっとくから。」

「ちょっと狭いけど入れるでしょ。」

俺は春香の前に座って入る。当然背中に胸が当たる。

「へへー、こういうのもいいよね。秋ちゃん柔らかい。もしかして、照れてるのかな。」

恥ずかしくて素直にリラックスできない。

「いやー、今日いろいろあったね。」

「そうだな」

「もし秋ちゃんがお兄ちゃんのままだったらどうなってたんだろう。」

ふと、母さんの言葉を思い出す。すっかり女の子としてなれたということか、秋ちゃん呼びにも慣れてしまった。そのことがどこかで寂しく思っているのだろうか。

「俺は遠くの大学を受験しにいくから、もし受かってたらきっとここにはいないだろうな。お前とこんな風に話すこともなかったかもな。」

「そうだね」

「ところで家族間は俺を昭次として扱ってくれるんじゃなかったのか。」

「いやあ、すっかり秋ちゃん呼び慣れちゃった。私に妹がいたらこんな分に一緒にお風呂入れたのかな、とか思ちゃってね。」

「せめて、家のなかでは、」

「お兄ちゃんはもういない。それでいいと思わない?私、もともとそんな外と内で分けるの得意じゃないし。」

「そんな、」

「お兄ちゃんは成績優秀で、良い高校いって、ずっといい子してたから、私にまでその重圧が来てたんだよ。生主やってるのも、見栄はってお兄ちゃんと同じ高校受けて、それで落ちて、そんな時に配信見て、自分が何者であるかがうやむやな世界で生きたいって思ったからなんだ。」

「…」

「もうすぐ落ちてから一年、もうそろそろ就職するにしろ、あった高校受け直すにしろ決めないといけない、お母さんもお父さんも何も言ってこないけど、世間はそう見てくれないからね。」

「…」

「今だけは、ダメな妹春香じゃなくて、頼れる姉の春香にさせてくれないかな?そうすれば頑張れる気がするから。」

「小さい妹に泣きつくダメ姉春香になりそうな気がするけどなあ。大丈夫か。」

「そんなこと言わないでよ。それに妹をこんなになるまで放置する兄ってどうなのよ。」

「アニメの見過ぎじゃないか、普通そんなもんだろ。でも理想に持ってかれてしまうほど俺は春香を放置してたんだなあと思って。この生活も悪くないかもって思ってる自分もいるしなあ。

よしダメ姉を導く天使秋奈になってやろう。」

「すごい押し付けがましくて、荒っぽい口調の天使様ですね。」

「まあ、そんなに困らせていたんだな、許してくれとは言わないが、今の俺、いや私を好きに使って。」

「お兄ちゃんは許してあげよう、最後に可愛い女の子をくれたからね。さて秋ちゃんを私は好きに使っていいってことでしょ。何させようかなあー。」

「常識の範囲内でだぞ。」

「じゃあ、私のチャンネル盛り上げるために、旧スク水、ケモミミ、首輪付きでワンワン言ってもらおうかなあ。」

「私用の水着なんてないでしょ。」春香のチョイスにドン引きするとともに、すんなり口調を変えられてしまった私自身にも驚く。

「ふっふっふ、実はですねえ、ほかの実況者から依頼を受けて絵を書いた時のデッサン用の水着が今の秋ちゃんにちょうどピッタリになりそうなんだよ。」

「あー、私のぼせてきたからもう出る。」

「まだ髪洗ってないよね。洗ってあげるよ。さあ座って。」

早く逃げたいところだが、春香の目が怖いため素直に座る。

「まず、髪にお湯を優しくかけていく。」

「次に頭皮からシャンプーをつけていく。」

「そしてシャンプーをお湯で優しく洗っていく感じだね。」

髪が長いので一つ一つの工程が長い。

「次にリンスをつけてー」

「まだあるの!どんなけ長いんだー」

「まあ髪ツヤツヤだしまだいらないか。羨ましいねー、何もなくてもツヤツヤで。」

「春香はいいの?」

「私は入る前に髪洗ったから。そろそろ出よっか。」

「髪拭く時はこうやって優しく叩いてね。」春香が実演してくれる。

「私は秋ちゃんの着替え取ってくるからまってて。」

体をタオルで拭きながら、春香が帰るまで待つ。なお春香の変態味を感じるチョイスは髪を洗う時間が長すぎて忘れていた。

「とってきたよ。」

春香は旧スク水、ケモミミ、首輪、そして春香のコートを持ってきた。

「本当にその変態チョイスでいいのか。」

「もちろん、尻の穴に刺す尻尾はないよ。超健全チョイスだよ。」

この歪みようも俺が放置していたのが原因なのか、いや生まれ持ってのものだな。

反抗虚しく押し切られました。

 

「やっぱ俺は俺、昭次だ。」

「何言ってるの。」

 

「ほらほら秋ちゃんやるよ」

 

相対的に大きくなった春香が俺を押す。

 

「やっぱり辞めないか。あと秋ちゃんやめろ。俺は昭次だ。」

 

「まだ納得してないの?」

「大丈夫だって。生放送じゃないから後でいくらでも編集できるから。」

今日という長い一日は、今午後10時、未だに終わる気配がない。 

 

 

 

 


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