「お前どうだった?」
「全然ダメ」
「俺もだよ、1ポイントも取れなかった」
「流石王者立海だよなぁ」
「俺たちなんてまだいいさ、三強と当たった1年はズタボロだぜ?」
「大方な、でも見ろよ切原の奴は2年と互角に打ち合ってるぜ。いやむしろ切原が優勢だな」
「まじかよ、流石仮入部で三強に挑んだだけのことはあるよな」
「あれ?あそこもまだ試合があってる」
「あそこまだやってんのかよ」
「2年の桑原先輩と、あれ誰だ?」
「1年の桐生 葵だよ!今年の入試トップの!」
「あいつら1ゲーム目の1ポイント目に何分かける気だよ」
「えっ!嘘だろ!?まだ1ポイント目なのか!?試合始まって何分たってんだよ」
「もうそろそろで1時間だな。」
「桑原先輩は流石、まだ余裕って感じだな。」
「いや、それは桐生もだよ、全然息を切らしてない。それに桑原先輩からの攻めも難なく返してる」
「あれ、幸村部長が2人の試合を止めに入ったぞ?」
桑原side
毎年する1年と2年との試合。
俺とやるのは未経験者の桐生葵という奴らしい。
まぁ、さすがに未経験者相手に負けはしないだろう。
そう思っていたが、桐生は俺がどこに打っても打ち返してきやがる。
フォームも乱れがないし、息も乱れていない。これで未経験とはな。
全く切原といい、こいつといい今年の1年は大した粒揃いだ。
しかし、切原と違ってこいつは攻めのコースが甘い。そんなんじゃ俺からポイントは取れねぇぜ
そう思った矢先、思ったより手前でボールが落とされて、何とか拾ったものの足元が滑り態勢を崩してしまう。
くそっロブが上がりすぎた!これじゃ相手からスマッシュがくる!!
だが予想とは裏腹に桐生は俺の所にロブを打ってきた。
おかげで俺は態勢を整え、再び試合はラリーに戻ることができた。
今何故スマッシュを打たなかった?未経験者だからか?
いや、未経験者にしても何故俺のところにロブを?普通なら俺のいない所に打つはず。
・・・もしかしたら俺はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない。
未経験者だから攻めのコースが甘いのかと思っていたが、こいつ、今までもずっとわざと俺の返せるレベルで打ち続けていたのか!
「そこまでだ」
その声で俺と桐生の動きが止まる。声の主を辿るとそれは幸村で、右には真田、左には柳が立っていた。
こいつら、一体いつから観戦してたんだよ。
「桐生、10分休憩した後俺と試合をしないか?」
幸村が桐生を見つめて、不敵な笑みを浮かべる。
「分かりました」
あーあ、よりにもよって幸村に目をつけられるなんて、こりゃ大変。
ご愁傷様ってやつだな。