先輩方は俺が発する念に恐怖し、一歩も動けないまま試合は進んでいった。
勿論俺は4人に完勝。
赤也のラケットも無事に回収することができた。先輩方は今でも顔を青ざめて、体を震わせている。
まぁ、こっちの世界で念能力者見たことないし、10分以上は浴びてたからそりゃ怖かっただろうなーあの怯えようで明日から俺と一緒に部活できるかな?まぁ、どうでもいいけど
いつの間にか他の先輩達も集まっていたが、あいつらに何が起きてるかなんて分かりはしないだろう。
実際会話を少し聞いたが、何であいつら動かなかったんだ?と話はそればかりだった。
しばらくすると練習試合を終えた赤也達が帰ってきて、その日はすぐに解散となった。
「あのさ、桐生、さっき玉川達から聞いたんだけどさ俺のラケット先輩達から守ってくれたんだってな。その、サンキューな」
「・・・おう」
「へへ、じゃあさ今から俺がジュース奢ってやるよ!桐生何がいい?」
「緑茶」
「・・・じじくせ〜」
「うるせー」
赤也と軽口を叩き合いながら帰り、翌日部活を終えた後俺は幸村部長に呼び出された。
心当たりがあるとしたら昨日の試合の件だけだ。
「聞いたよ、あいつらと試合したんだって?」
「・・はい」
「あぁ、事情は4人とその日君たちといた1年生に聞いたから、今回はお咎めなしにしてあげる。俺が興味あるのは君の試合内容だよ。」
「・・・・・」
「テニスを初めてたった2か月の君が4人もの先輩から1ポイントも取られずに勝つなんて、ね。しかも聞いたところによると彼ら1歩も動かなかったんだって?あ、動けなかったの方が正しいかな?」
「さぁ、忘れました」
「俺だって五感は奪えるけどさすがに身動きを封じることはできないのに、君は彼らに何をしたんだ?」
念もなしに五感奪えたら充分すぎるけどな。
「別に俺は何もしていませんよ。」
「へぇ、しらを切るんだ?・・・まぁ、いいや。じゃあ近い内に見せてもらうよ」
もっと追究があるかと思ったし、何なら今から俺と試合しようとか言われるかと思ったがその日はもう帰っていいよとあっさり解放された。
まぁ助かるけど。
幸村部長の近い内に見せてもらうという言葉が引っかかりはしたものの、俺は大人しく引き下がることにした。
それから何故か部内では俺とテニスをすると動けなくなるだの、部活を辞めることになるだの言われるようになってしまった。
バカ也はそれを面白がって俺にもそれやってみてくれよとか言ってくるが。
そんな中いよいよ中体連が始まった。今日は地区大会の開催日である。
オーダーは当日の朝に部長から発表された。
確か地区大会は準レギュラーメインだったはず。
まぁどっちにしても俺には関係ないけど。
そう思って大人しく発表されるオーダーに耳を傾ける。
「シングルス3 桐生」
え???俺がシングルス3?
何かの冗談だろ?それか聞き間違い?
オーダーが一通り発表された後で幸村部長に確認に行くとやはりシングルス3は俺だった。
柳先輩によると対戦相手は去年地区大会で準決勝まで行った中学で特に俺が当たる予定の進藤という男は勝てればいいという主義で、相手チームの顔や身体にボールをぶつけて楽しむ趣味があるそうだ。去年も当たった時執拗に幸村部長の顔を狙っていたそうだ。
まぁ顔に当てることもできず五感も奪われてボロボロだったらしいけど。
にしてもどっちもサディストな戦い方だよな。まぁ俺はボールぶつけられるくらいじゃ何ともないけど。
他の部員が行くよりかは安全か。
「おい、桐生気を付けろよ。あいつ・・」
「知ってる。柳先輩から聞いた。ってか赤也も知ってるんだ。」
「あー、テニススクール一緒で、よく狙われたからなぁ。まぁ俺もやり返したけどな」
あいつ立海部員に散々にボコられてんじゃん。そうこうしてるうちにも俺の出番が回ってきて試合が始まった。
なるべく温厚な試合したいけど
「よろしくお願いします」
「俺の相手が1年かよ、お前無傷で終われると思うなよ。」
うわ、温厚にとか無理そうだな。
時期とか適当です。ごめんなさい。