相手は柳先輩や赤也の警告通り俺の身体を狙ってきた。
まぁあの程度の打球とスピードくらいなら返せるけど。
だが、試合が3-0で迎えたところで相手の雰囲気が変わった。というか俺にボールを当てようとしなくなった。
俺の体にぶつけることを諦めたのか?
何だ?この違和感は・・
違和感に気づいたのは4ゲーム目のマッチポイントの時だった。その時相手のコースは明らかにアウトだった。
だが、コースの先には立海のベンチがあり恐らくこのままいけば幸村部長の顔面に当たるだろう。
部員達もそのことに気づき、周りの1年が幸村部長に声をかける。
「危ないっ!幸村部長!」
「避けてください!」
だが、幸村部長は微動だにしない。避ける気はないってことだろう。
しょうがない、恐らく俺の脚力なら余裕で間に合うだろう。足に力を入れて瞬時に幸村部長の前に行き、相手のコートへ打ち返す。
相手はボールが返ってくるとは思えなかったのかそのままこちらが4ゲーム目を取ることができた。
「大丈夫でしたか、幸村部長」
「うん、まぁね。助かったよ、ありがとう。・・ところで桐生そろそろ彼にはお仕置きが必要だと思わないかい?」
幸村部長が微笑みながらそう告げる。
恐らく俺に2年の先輩達と試合した時と同じことをしろということなのだろう。
近いうちに見せてもらうってそういうことだったのか。恐らく彼と当たるのも計算のうちで俺と彼を当たらせたんのだろう。
「・・・・了解です」
コートに戻った俺は試合相手にだけ念を飛ばす。
すると相手は身体を動かすことができなくなり、試合はそのまま6-0で俺の勝利となった。
「お疲れ様。まぁまぁ楽しめたよ、あと朝練前のトレーニングはこれで免除にしてあげる」
「ありがとうございます」
そう言って、幸村部長は俺の頭を撫でると去っていった。
幸村精市side
全ての試合を終え、地区大会初戦にて立海大の勝利は確定した。
「柳、彼のことどう思う?」
「ふむ、見ていたところ精市のように相手に精神的プレッシャーを与えているように見えたが、精市からのサインを受けた瞬間から相手は身動きが取れなくなった。つまり——」
「つまり彼は俺と違って自分の意思で相手の身動きを封じることができる、ってことだね。」
「あぁ」
「・・・今年の1年生は、俺を困らせてくれるね」
「ふっ、楽しんでいるように見えるが?」
「それは柳もだろう?」
この年、三強とスーパールーキーである切原赤也と桐生葵が立海大を全国へと導き、見事全国大会優勝を飾ったのであった。
とりあえず1年時はこれにて終了としてこの作品は一旦完結としようかなと思います。書けそうだったら原作沿いも書きたいなと思います。
ご愛読ありがとうございました。