何故かpixivでは投稿してない最新話(書きかけ)を投げてます。
1話から、ハーメルンの方でも投稿しようか迷った僕の謎の選択です(*´-`)
是非感想などあれば嬉しいです。
休日を利用して、とある水族館へデートへ向かうが……傍から見ても身長差がある2人だが、そんな視線を気にすることなく楽しもうとする。
お試し版です。
「ジャーマネ、シャチだぞシャチ」
べったりと水槽にくっつきながらも、こちらを呼ぶ声を止めないあたり、相当はしゃいでいるのだろう。
顔が水槽に反射して、驚きに満ちた顔がよく見える。
それに加えて、どこか子供っぽい仕草に、つい志穂の服装にも目が行ってしまう。
先週と同じ新しげな純白のシューズ、履き慣れているのか良く私服で見かける紺色のジーンズ、それでも上着はこの前買ったパーカーにしているからこそ、妙に気合が入っているようにも感じた。
その志穂がぼんやりと写り込んだガラス越しに、巨大な影が横切っている。
人だかりも多いからか、背丈の点で志穂がより一層中学生くらいにも見える。
東京では見れないと思ってるのか、大きな水槽にへばりつく姿は、声優というよりも、1人の少女のようだった。
「やっぱり似合うな……」
そう言いながら、スマホを取り出してから、画面に志穂と、水槽の魚影たちを収めようとしたところで、はたと気づく。
すぐそこにいる係員さんの視線が痛い。
あと、結構いる自分たち以外の人達の目線も。
静か気なBGMが館内を流れる中、慌ててスマホをポケットに滑り込ませる。
オフショットとして撮りそうになったが、これは違う……あくまで個人目的で……と自身に言い聞かせる。
そんな思いは他所に、志穂はすぐそこで横切る魚影に食い入るように見つめている。
シャチが珍しいのか、そもそも水族館に来たこと自体が目新しいのか、少し背伸びしてでも見ようとしていて、彼女というよりは歳の離れた娘を持った様な心境になる。
おおぉー、と小さな歓声をあげる志穂の頭の上に手を乗せる。
「志穂……最初から水槽に張り付かれたら、今日中に館内回りきれないから」
照明も僅かで薄暗い中、志穂の頭の上に手を乗せる。
「そうか、水族館だもんな」
つい、そのままの言った勢いで少し長い髪を乱す様に撫でる。
志穂は頭を気にする様に、やめろ……と小さく呟きながらも嬉しそうに目を瞬(しばた)かせる。
反応がなんだか新鮮な気がして、猫っぽいなと思って撫でようとしたところで、志穂がこちらに頭突きする様にして離れさせられる。
「人の目を気にしてくれ……」
あまり意識していなかったとは言え、志穂の隣にいるしわの深い老夫婦、周囲には旅行の団体客であろう人達、子供連れの夫婦、学生と思わしき制服を着ている数人のグループ、入口のマップと睨めっこしている子供達など、ちらほら見ただけでも視線が多く向けられているのを、肌に感じる。
……手を払い除けるとかじゃなくて、こっちの胸に向かってダイブしてきたのが目線集めてる気がするんですよね、志穂さん。
「これ目線集めてるの志穂……」
「私は何もしていないぞ」
「側から見たらただのカップ……」
「つ、次に行くぞ!」
こっちの言葉を塞ぐ様に志穂は何時もよりも低めの声被せて、パーカーで頭をすっぽりと覆ってからゆっくりと進む。
その足取りはどこか不安そうだった。
……それもそうか、志穂は水族館のチケットを誰かから貰ったみたいな口ぶりだったし。
左手に握ったままだった館内マップを開いて志穂の跡を追う。
すれ違う数人もそれぞれにスマホの画面や、館内マップを片手に楽しんでいるみたいだった。
志穂の隣まで行くと、白色のフードの端から顔を覗かせて不満げに漏らす。
「良いジャーマネならもっと早く隣に来てたはずだ」
「早く隣に来るって……走れとかそういうこと?」
「光の速さで飛んでこい」
「せめて新幹線とかにして……」
そんなにも速度が必要なの!?
早すぎて万物の法則を超えそうなんだけど。
「ともかくだ……ジャーマネ、次に行けそうな所はどこだ?」
志穂はこちらが手元に広げていたマップをそっと覗き込んで呟く。
「どこに行きたいかにもよるけど……」
全部回れるかな……なんて考えていたら、紙面の上に細い指がある一点を指す。
「映画観れるぞ、ジャーマネ」
志穂がそう言う通りに、マップにはシネマ館と確かに記されていた。
何度見てもシネマ……映画観るってまじですか。
「志穂、ここって……水族館だよね」
「そうみたいだな」
歩きながら進んでいたからか、辺りは回遊魚らしき多く泳いでいるエリアにまできていた。
照明の具合か水槽の青色からか、隣にいる志穂の横顔がいつもより大人っぽく見えてくる。
そこに行こうかと言う前に、自分の身体が動いて志穂の手を取る。
今の視界には、志穂以外映らない。
如何でしたか?
感想にてお待ちしています。
(あらすじがあらすじになってなくてごめんなさい)