「ぬわぁぁん!、許しておくれセンよぉぉお!」
「離れてください!はな――離れろジジィ!」
なんだこれ、特別観客席のドア開けたらワンロンがフーに抱きついて泣いている姿がはいってきたんだが、こわ、あ、それにランシェにシュウレイもいるのか、すごい困ってるが。
そして私の存在に気づいたシュウレイがこっちに近づいてくる。
「あ、来たようだね、いきなりごめんね、ワンロン様本当にフー、もといセン様を溺愛してましたから」
「それは見ればわかる、本当に」
「――ワンロン、私との戦いはどうするのですか」
エーデルワイスがコロシアム中央に向かう階段を降りながら言った。それを聞き、ワンロンも口惜しそうながら、フーから離れる。
「‥‥‥そうじゃな、おぬしとは戦いたいと願っていたところじゃし、セン、また後での」
「‥‥はい」
「ほほ、では、いくかの」
ワンロンは車椅子に座り、一瞬でそこから飛び、ゆっくりとコロシアム中央に降り立つ。
「さぁ!、一時間のインターバルを経て!、最強の組み合わせでの!、外で最強と吟われる剣士!、エーデルワイス!、対して!、無法国家の創始者にして、最強の拳使!、ワンロン様!、さぁ今回もネネさんと――あれ?」
「あはは、やはりここが一番さね」
いつの間にかワンロンの席に寧音が座っていた、まぁ車椅子あるから意味ないが。
「やっぱりまともに解説する気はないんだな」
「まぁね、さすがにもう飽きちゃった、さぁ始まるぞー、あのエーデルワイスと同レベルの気配持ったやつの」
「当然でしょう」
フーが寧音の隣に座り、喋り出す。
「ジジィ、あれでも戦争時代より強くなってるから」
「フー、お前怪我どうした?」
「太陽浴びれば治ります」
「やっぱりお前も化け物の類いに入るな」
「ふふ、褒め言葉として受け取ろう」
フーは含み笑いをしながらそう言った、さて、そろそろかな。
「うーん、何処にもいませんね、まぁいいでしょう、それでは!、両者!、
「応竜」
「テスタメント」
ワンロンは籠手を、エーデルワイスは1対の剣を顕現させる。
「それでは‥‥試合開始!」
‥‥それは、とてつもない速さと攻撃の連続だった、一瞬で消えたかと思うと、何かが破裂する音、音速を越えた速度に至った二人は数秒間で数百の攻防を繰り返した。
「み、見えません!、司会役を任されたこの視力5.0の私の眼でも見えません!」
「おー、やるねぇ、エーデルワイスはわかっていたけど、あのじいさん、本当に強い」
「えぇ、強いでしょう、何せあのサムライ・リョーマと戦ったんですから、あの目の横一文字傷もリョーマに受けたものだとか、話だけですがね」
「はは、それはヤバイねぇ」
濃い10秒が経った頃、エーデルワイスとワンロンの戦いが見える範囲で視認できるようになってきた。
「おっと!、これは両者疲れたのか!、私でも見えるようになりました!」
「いや、これは‥‥」
「おや、気づかれたかカゲトラさん」
「フー、お前があれが何の能力なのかは言うなよ」
「ふふ、そんなこと言わないですよ、たぶん勝手にジジィが言います」
「ほほ、聞こえておるぞお二人さん、ではこちらもギアを上げていきますかのう」
ワンロンは手が見えないほどの速さで拳を振るう、そこから出る真空波がエーデルワイスを襲う、それは本来ならそれほどの威力ではないが、エーデルワイスを後退させるほどの威力の様子だ。
「これは‥‥
「ほほ、正解じゃ、地味ながら効果的じゃろう?」
「そうですね、ただ、この程度では私は倒せませんよ」
エーデルワイスはその空気の拳撃を剣の真空波で相殺する、やっぱり対応が早いな。そのままジリジリとワンロンに近づいていき、エーデルワイスは剣を振り下ろす、それをワンロンはふわりと、宙に逃げる、軽くもできるってわけか。
そのまま上空から空気の拳撃を放つがエーデルワイスは地面がわれるほど跳ねて、ワンロンに突きを放つ、それは震えていたようで籠手で防いたがワンロンの身体から血が噴き出す。
「ぬぅ‥‥やるのう、だがまだまだ儂は行けるぞぉ!」
その後も激しい戦闘が行われた、それを見ていた観客も、もちろん私達も見惚れていた。
「‥‥やっべぇ、いや‥‥私もあそこに行くんだ」
「へぇ、随分と望みが高いんですね、けど、す、好きだよその‥‥向上心」
「おうどうしたフー、何故いいよどむ」
「ほ、ほら!、まだ試合は続いてるよ!」
?、ようわからんが、まぁ良いだろう、て、いつの間にか二人とも疲弊してるな。
「ほほ‥‥まだ――ま――」
倒れたのは、ワンロンのほうだった、しかしエーデルワイスも膝をついた。
「し、試合終了!、勝者、エーデルワイス!」
「はぁ‥‥はぁ、さすがに‥‥疲れましたね」
「うーん、これは完全に年だな、いやあんな戦いできるんだから十分あるんだろうけどさ」
「まさか、ワンロン様を倒せるとは、で、カゲトラさん、あれと戦えます?」
「するぞ、例え勝てなく――」
突如、爆発音が大きく響いた。
「――あー、タイミングバッチリなのか悪いのか、来やがったね」