北ヨーロッパのとある小国、アイオライト帝国、毎年極寒であり、暖かくのは稀で、国民は皆上着を何枚も着ている、そんな帝国にはある、帝室直属の
ある夜、部隊はある裏切り者を追っていた、その男は転移の
男は木に持たれかかり、足の氷をその
「無駄だ、ボクの氷はただの伐刀者では破壊は不可能だとは既知のはずだ、レノン・シュチューテス大尉」
男の足を凍らせた伐刀者が、兵士数名と共に、囲むように現れる、青を基調とした軍服、胸には濃い青の色をしたアイオライトの宝石を、2つの鎌が重なり骸骨が真ん中についた、海賊のような国のエンブレムに加工した物をつけ、下には勲章がいくつもついている、顔は頭全体を覆うマスクで隠しているが、男はその者を知っている。
「……シムナ・シモ・ハウハ総隊長殿、まさか貴方が前線に出るとは」
シモ・ハウハ、過去、ヨーロッパの国、フィンランドで白い死神と呼ばれたある男の名前、その名前は歴代総隊長のコードネームとして使われ、その実力もまた、名前も違わない殲滅力を誇る。
「何故だ、何故貴方のような人が、帝国を裏切るような真似を!」
シムナは怒る、彼が犯した罪は帝国の禁忌書庫への侵入、そしてそれを護る兵士2名の殺害だ、シムナはその青い両刃斧を男に向ける。
「……帝国伐刀者部隊、
「そうです……ね!」
男は最後の力でシムナの背後に転移し、剣を振るう、しかし、身体はシムナが発する冷気によって骨まで凍結する。
「――ふっ!」
シムナはその斧で男の胴体を腕ごと横に真っ二つにする、血が飛び散り、シムナの軍服と雪の地面を赤くしていく。
「がっ……ぐはっ……すみ、ません、シムナ様」
「!?、レノン大尉!」
シムナは思わずレノンを抱き寄せる。
「この僅かの間、蘇った……《正気》、国に……、電気です……電気に……お気をつけ――くだ――さ――日本、やつは――そこに」
レノンはそこで完全に事切れた。
「レノン大尉……」
シムナは、手の中で息絶えた男を手放し、部下に命令を下す。
「これよりレノン大尉が最後に残した言葉の真意の確認を行う、死体は軍の墓に、僕は皇帝に報告に向かう」
「「はっ!」」
部下達は散開し、シムナは、城に向かう。
自室にて、シムナは軍服を脱ぎ、マスクを脱ぐ、中に隠された美しい青い髪が現れる。
「……」
その碧眼は涙で潤み、顔には涙の跡がついている。
「いかなくては」
着替え、ドレスに身を包み、皇帝のいる玉座の部屋に向かう。
「ご苦労だった、シムナ・シモ・ハウハ、いや、シュラースチカ・アイオライト、我が娘よ」
皇帝の前で、スチカはドレスの裾を上げ、会釈をする。
「ありがとうございます、このスチカ、喜びでいっぱいです、それで、レノン大尉から聞いた話を、少し」
「ふむ、話してみよ」
スチカはレノンが言い残した、電気、そして日本にいるとのことを話す。
「電気か、もしや最近噂されておる
「マインドボルトですか」
「あぁ、
それを聞いたスチカは目を見開き、驚いた。
「陛下!、何故ボクなのですか、他の者でもよろしいのではありませんか!」
「確かに、だがマインドボルトは謎が多い、日本にいるとなれば、ただの伐刀者を向かわせるわけにはいかん、なに、そちらの部下を何人か連れていける、何も無いが一番だが、スチカ、お願いできるか」
「……レノン大尉は、ボクが子供の頃から稽古をつけ、優しく、厳しく、ボクが敬愛するお人です、もしマインドボルトに操られていたのなら……ボクは行きます、必ず、捕らえて見せます!」
スチカの決意がこもった目に、皇帝は笑みを見せる。
「よろしい、行ってまいれ、我が自慢の娘よ」
「はっ!」
こうして、スチカは日本へと旅立った。