転生騎士の英雄譚 リメイク   作:謎のコーラX

18 / 20
17話 ロシア 編入生 前編

北ヨーロッパのとある小国、アイオライト帝国、毎年極寒であり、暖かくのは稀で、国民は皆上着を何枚も着ている、そんな帝国にはある、帝室直属の伐刀者(ブレイザー)部隊が存在する、その力は大国とも渡り合えるほどに強く、ヨーロッパ政府としても無視できない、当然ではある、何故ならその総隊長は、魔人(デスペラード)、限界を超え、運命から逸脱した怪物、それが総隊長を担っている。

 

ある夜、部隊はある裏切り者を追っていた、その男は転移の伐刀絶技(ノーブルアーツ)を使い、逃走はしてるが、相手が悪い、男の足は凍りつく、そのまま地面へと落下する。

男は木に持たれかかり、足の氷をその固有霊装(デバイス)の剣で破壊しようとするが、壊れる気配はない。

 

「無駄だ、ボクの氷はただの伐刀者では破壊は不可能だとは既知のはずだ、レノン・シュチューテス大尉」

 

男の足を凍らせた伐刀者が、兵士数名と共に、囲むように現れる、青を基調とした軍服、胸には濃い青の色をしたアイオライトの宝石を、2つの鎌が重なり骸骨が真ん中についた、海賊のような国のエンブレムに加工した物をつけ、下には勲章がいくつもついている、顔は頭全体を覆うマスクで隠しているが、男はその者を知っている。

 

「……シムナ・シモ・ハウハ総隊長殿、まさか貴方が前線に出るとは」

 

シモ・ハウハ、過去、ヨーロッパの国、フィンランドで白い死神と呼ばれたある男の名前、その名前は歴代総隊長のコードネームとして使われ、その実力もまた、名前も違わない殲滅力を誇る。

 

「何故だ、何故貴方のような人が、帝国を裏切るような真似を!」

 

シムナは怒る、彼が犯した罪は帝国の禁忌書庫への侵入、そしてそれを護る兵士2名の殺害だ、シムナはその青い両刃斧を男に向ける。

 

「……帝国伐刀者部隊、雪の死神(スノーリーパー)の第一条、兵士による同属、国民の殺しは即刻死刑を言い渡されている」

 

「そうです……ね!」

 

男は最後の力でシムナの背後に転移し、剣を振るう、しかし、身体はシムナが発する冷気によって骨まで凍結する。

 

「――ふっ!」

 

シムナはその斧で男の胴体を腕ごと横に真っ二つにする、血が飛び散り、シムナの軍服と雪の地面を赤くしていく。

 

「がっ……ぐはっ……すみ、ません、シムナ様」

 

「!?、レノン大尉!」

 

シムナは思わずレノンを抱き寄せる。

 

「この僅かの間、蘇った……《正気》、国に……、電気です……電気に……お気をつけ――くだ――さ――日本、やつは――そこに」

 

レノンはそこで完全に事切れた。

 

「レノン大尉……」

 

シムナは、手の中で息絶えた男を手放し、部下に命令を下す。

 

「これよりレノン大尉が最後に残した言葉の真意の確認を行う、死体は軍の墓に、僕は皇帝に報告に向かう」

 

「「はっ!」」

 

部下達は散開し、シムナは、城に向かう。

 

自室にて、シムナは軍服を脱ぎ、マスクを脱ぐ、中に隠された美しい青い髪が現れる。

 

「……」

 

その碧眼は涙で潤み、顔には涙の跡がついている。

 

「いかなくては」

 

着替え、ドレスに身を包み、皇帝のいる玉座の部屋に向かう。

 

「ご苦労だった、シムナ・シモ・ハウハ、いや、シュラースチカ・アイオライト、我が娘よ」

 

皇帝の前で、スチカはドレスの裾を上げ、会釈をする。

 

「ありがとうございます、このスチカ、喜びでいっぱいです、それで、レノン大尉から聞いた話を、少し」

 

「ふむ、話してみよ」

 

スチカはレノンが言い残した、電気、そして日本にいるとのことを話す。

 

「電気か、もしや最近噂されておる心変電波(マインドボルト)という者だろうか」

 

「マインドボルトですか」

 

「あぁ、白闇の六花(ホワイト)なる集団の一人らしいが、解放軍(リベリオン)並に情報が少ない……スチカよ、ここは日本に行ってもらおうと、ワシは考えておる」

 

それを聞いたスチカは目を見開き、驚いた。

 

「陛下!、何故ボクなのですか、他の者でもよろしいのではありませんか!」

 

「確かに、だがマインドボルトは謎が多い、日本にいるとなれば、ただの伐刀者を向かわせるわけにはいかん、なに、そちらの部下を何人か連れていける、何も無いが一番だが、スチカ、お願いできるか」

 

「……レノン大尉は、ボクが子供の頃から稽古をつけ、優しく、厳しく、ボクが敬愛するお人です、もしマインドボルトに操られていたのなら……ボクは行きます、必ず、捕らえて見せます!」

 

スチカの決意がこもった目に、皇帝は笑みを見せる。

 

「よろしい、行ってまいれ、我が自慢の娘よ」

 

「はっ!」

 

こうして、スチカは日本へと旅立った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。