「……ふむ、やはりここの苺のプリンは美味しいですね、苺の味がとても市販品とは比べられないほどに際立っていて、プリンとしてもレベルが高い、とてもこんな無法な地で作られたとは思えないですね」
「ほんと?、あ、こっちのバナナのショートケーキも美味しいぞ、ほれほれ」
私とエーデルワイスは
「はむ……あら本当、ここの店は果物の扱いがうまいのでしょうね、それで、景虎さんでしたか、何故私に近づいたのですか」
「単純な理由だよ、有名人に会ったら一期一会、この大切な出会いを逃すわけにはいかないからね」
「なるほど、それなら私も大切にしましょう、1つ聞きたいのですが」
エーデルワイスはプリンを食べ終わると、私と目を合わせる。その目からは真剣な面持ちがうかがえる、普通の人なら気絶しそうなほどだ。
「貴女には、何のために剣を振るうのか、騎士道などはありますか、貴女からはその若さから想像できないほどの力を感じられます」
「……あーうん、私にそういうのは無いかな、小さい頃にいろいろと試したわけだよ、音楽からスポーツ、果てには宗教とかも、ま、それら全てで私は
まぁ子供の頃からというのが赤子の頃って意味だけどね、言っても信じてくれるか怪しいから言わんが。
「なるほど、満足ですか、私も甘いものの取りすぎでダイエットのために剣を習い始めましたが貴女には緊迫感という理由があるのですね」
「理由とは言えないな、慣れてしまえば薄れてしまうこんなことを理由にはできない、だから、私は何処までもいこうと思う、この刀の道を」
「……お互い頑張りましょう、私も理由を探します、何処までも」
「はは、そうだね、がんば」
私は口を閉じ、近くにある弱々しい気配を感じた、その辺にあるにはあるが、1つだけそれとは別種のものであると私は感じた。
「ごめんな、エーデルワイスさん、私もう行くわ」
「優しいですね、それとも自分に利益があるからやるのでしょうか」
「まぁ当たり、お金ここに置いとくからゆっくりしていって」
私はケーキを食べきり、エーデルワイスと自分の分のお金を置いて、店から出ていった。
「さて、何処にいるのかな」
私は思いっきり上空まで跳躍して、まわりを見る、裏路地のほう、そこに力なく倒れる少女と、今にもナイフを振り下ろそうとする男の姿があった。
「確か、ここでは殺人罪は、いやそもそも法と呼べるものがないんだったか、いまいくぞー」
私は地面に降り立つと、最短でそこまで行ける道を辿って、少女のところまでたどり着く。
「な、なんだお前は!?」
「通りすがりの
私は笑顔でそう返すと、男は青筋をたてて、怒ってる様子、おやおやおや。
「てめぇも、てめぇも
男はナイフを構えて、私に走りよってくる、素人の動きではないことから軍人か、そういうことを習ってるのか、とりあえず
「はは、まぁまぁそう怒らないで」
私は男のナイフを避け、すれ違いざまに男の首に一太刀入れる、男の首から大量の出血の後、そのまま倒れ伏した。
「……もう100回はこんなこと起こってるからさすがに緊迫感無いな、人殺しも最初は吐いたが……まぁそんなことは置いといて、少女、生きてる?」
私は少女に駆け寄る、黒髪で服はボロボロ痩せこけており、息も浅く、このまま放置されれば死ぬことは明らかだろう。
「黒髪……日本人?、珍しいな、と、そんなことより」
私は少女を抱えて、病院に急いだ。
○
「──ここは」
1日経ち、病室にて少女の目が開く、点滴と、ここの
「起きたか、少女」
「……あなたは誰?」
凄いな、見えてないのに何故こちらをちゃんと見ているのか、まぁ私みたいな気配でわかるやつもいるしまぁ。
私はベッドの横の椅子に腰かけながら話す。
「私?、私は景虎、黒鉄 景虎だ、同じ日本人ならこの苗字に聞き覚えがあると思いたいが」
「……ごめんなさい、私、赤子の頃に拐われてここにいるからよくわからないの」
「そっか、まぁとりあえず休め、話はその後でだ」
私は病室から出ようと椅子から立ち上がろうとすると、少女は私の服を握る。
「まだなにか?」
「……私は、私は
「鏡華か、よろしくな、鏡華」
私は鏡華の頭をそっと撫で、服を握るのをやめてくれるのを待った後、私は病室のドアを開く。
「また会おう、今度は元気な姿でね」
私はそれだけ言って病室から出ていった。
そして病室の外で待っていたのは、フーだった。
「貴女様が倒したあの男、中国のスパイで間違いないです、身元と持っていた物からわかりました、軍人でだいの
「そいつは怖いな、でもやめる気はないんでしょ、ワンロンヂィ」
「当たり前です、これは我らの大事な儀式なんですから」
「はは、それはまた、それじゃあ行こうか」
「えぇ、案内します、神聖な我らの闘技場に」
さて、どんなやつがいるか、どこまで緊迫させてくれるか、楽しみだよ。