「……なにか」
「なに、ちょっと話をね、それとも忙しいか?」
私は、夜、フーの部屋に訪れ、ソファーに座り、テーブルを挟みながら、お茶をいただいている。
「それで、私となんの話をしに来たのでしょうか」
「んー、そうだね、この国のこととかかな」
「それなら他の人でもよさそうですが、まぁ良いです、まずこの国はある老人と子供が設立しました」
「ほうほう」
老人と子供とは、確かワンロンジィは50年に一回の二回目だったっけ、つまり50年前に国ができたと。
「その子供は、ある貴族の娘であったけど、怪物となったことで逃亡し、昔はスラム街だったここの長だった老人と出会い、日々国を作ろうと努力しました。子供は7歳でした、その5年後に、中国から独立をはたし、老人……言ってしまうとワンロン様がこの国の王になり、子供だった女性は補佐になりました、しかし女性は33になる頃に病死、子供を残してね」
「ふむ、その子供というのがお前かな」
「まぁ……正解です、これで話は終わりです、それとも他になにか」
「……そうだな、じゃあ今度は私の話をしよう」
「?、別に必要は」
「無くても、私が話したいんだ、別に聞き流してもらってもいい」
「わ、わかりました」
フーは少し驚きつつも、私が話すのをじっと待っている。
「では、私は黒鉄家に生まれたわけだけど、私って自慢になってしまうが何でもできるわけだよ、だからかなのか、マスターしてしまったら満足して、どこか心が空虚になっていた、あらゆる物を学んだよ、数学、ピアノ 格闘技、掃除術と、本当にいろいろとね」
「まだ子供なのに、そこまでやってきたんですね」
「本当にね、だから努力ということをしてきたのは、このブレイザーとしての努力だけかな、いくら頑張ってもまだまだ先がある、これほど私を楽しませたものは無かった、そしてその戦いからくる緊迫感、それを脱した時の満足感は良いものだよ」
「……まるで麻薬ね、気持ちよく無くなったら努力する量を増やし、それでも足りなくなったら別の相手や、環境を探す」
フーの向ける目が少し嫌悪感を感じるようになったが、まぁ何時ものことか、自分でも滅茶苦茶なやつだと思ってるよ。
「どうとでも言うといい、私は今の生活が一番だと思ってるからね、日本では私を楽しませるのはプロのブレイザーくらいだから、けど今の私にはそれらに挑む権利は無くて、だからこの無法国家なら、ルールとか気にせず、良いいつ襲われるかわからない緊迫感が味わえると思って、だからこんなところに来た」
「……なるほど、貴女は本当に強さは後から来るもので、ただ自分を満足させるための過程、なかなかの快楽主義者ぶりですね」
「ひどい言い分だな、まぁ、変えるつもりは無いよ、それじゃあ私はこれで失礼するよ、また明日、闘おう思う存分」
「──えぇ、そうね」
──部屋を出るとき、手を振り、見送るフーを見た印象は、どこか悲しそうな、諦めてるような、そんな感じがした。
○
「──さー!、皆さん!、後半戦の時間と参りました!、改めて紹介しましょう!これから戦うのは、この4人だ!」
私達にスポットライトが当たる。
「まず一人目!、シュウレイを圧倒した、無名のジャパンブレイザー!、カゲトラ!」
「おーい!、かげちゃん!」
「──え?」
私は聞き覚えのある声が聞こえ、実況席を見る、てかあったのか実況席、そこには小柄な長い黒髪の和服を着崩した少女がいた。
「おま、
この国に来て、初めて驚いたかもしれん、西京 寧音は世界ランキング3位の実力者だ、そんな有名人が何故無法国家に。
「ご紹介を遅れましたが!、今回のワンロンジィには解説役を設けました!、サイキョウ・ネネ、ここワンロンでもよく知ってる名前ですが、ワンロン様が知り合いのつてから呼んでもらいました、前半戦はこれなくて残念でしたね」
「なに、私はこの2つの勝負が気になってきただけさね、ほとんど部外者と考えていい、あのエーデルワイスに引きをとらない気配してるワンロンにも興味あるしね」
「とのことです!では次に」
「「あ、そういうの良いんで」」
西京 寧音と私の声がハモった、なんか嫌だな、度々会うことはあったが、どうにも合わんのよな、強いから楽しくはあるけど。
「で、では、トーナメント表をだします、今回は2つとも発表いたします」
再び、上空にトーナメント表が映る、そこには私とフー、そしてエーデルワイスとワンロンということになった。
「ほう、これはまた」
「……そうか、貴女とやるのですね」
エーデルワイスとワンロンは黙って特別観客席にいき、私とフーが定位置で目を向け合う。
「……こい、《
「芽吹け、《
言葉は不要と、私達は
「さぁ!、後半戦第一試合、開始です!」
……やっぱり、フーの様子がおかしく見える、何で、勝負が始まる前からあんなに諦めた表情をしているんだ。